コラム 住まい再考|古民家再生|降幡建築設計事務所【長野県】
12/09/24

【60】 和と洋-畳と椅子(3)-

本来、椅子を必要としなかった日本の住まいも、洋風化と高齢化が起因しているからでしょう、椅子を用いない家庭はないほどになりました。

椅子は、床の中間の腰の位置で身体を支えてくれます。そのため床まで腰を下ろす必要がなく、重心の移動が少なくてすみます。また、椅子から立ち上がるのは、低い床から立ち上がるより、腰の負担が少なくて済むのです。腰の弱くなった老人が用いるのも、そこにあります。

椅子は用いられる場でとる姿勢に合わせて、寸法や形が変わってきます。

・ゆったりくつろぐ椅子
・仕事をする時の椅子
・食事の時の椅子

というように、その姿勢で長時間掛けても疲労が少ない寸法につくられているのです。同時に使いやすく、美しい形をしていることが要求されます。

そのため、その形態が部屋の雰囲気を大きく変えることになるのです。用いる椅子のデザインはその部屋の一部として考える必要があるのです。