郵政民営化に伴い、県民にとって郵政事業は生活に欠かせない身近な重要な施設であること考え、国民の実体に合わせた民営会社とすべし、との考えで意見書を提出し、県議会議員会員の賛成を得て、国に意見書を提出しました。その提案理由は下記の通りです。

■平成20年2月定例会 萩原議員提案説明 (H20.3.5)

議第10号「郵政三事業に関する意見書(案)」につきまして提案理由の説明を申し上げます。

郵政民営化につきましては、ときの小泉内閣が「行政改革の本丸」と位置付け、賛否両論、さまざまな議論がある中で、衆議院解散総選挙という国民の審判を経て実現に至った経過があります。その結果、昨年10月より、郵政民営化法に基づき、郵便・郵便貯金・簡易保険のいわゆる郵政三事業は、持株会社である「日本郵政株式会社」の下に、それぞれの事業を承継した「郵便事業株式会社」、「株式会社ゆうちょ銀行」、「株式会社かんぽ生命保険」の3社が、「郵便局株式会社」に窓口業務を委託する形で民営化・分社化されました。

「民間でできることは民間で」という構造改革のテーマに沿って、過去の国鉄や電電公社等の民営化を上回る戦後最大規模の行政改革効果がもたらされた点については、大きな評価があるところです。
また、民営化後、小包宅配についての大手物流会社との業務提携、住宅ローン・クレジットカード事業への新規参入等、業務拡大路線を打ち出すなかで利用者のニーズに即した事業展開を図っていこうとする努力もうかがえます。
しかしながら、その一方で、利潤追求を第一に考える必要から、送金手数料の一部が値上げされ、積立貯金等の一部金融商品が廃止されるなど、利便性の低下を指摘する声もあります。

民営化にあたり、国は従来と変わることのないサービスを提供する旨を明言しておりました。民営化関連法案を審議した参議院特別委員会において、現行のサービス水準が維持され、万が一にも国民の利便に支障が生じないよう、万全を期することを求める附帯決議がなされた経過もございます。

民営化そのものに異論を唱えるわけではありませんが、その方法として分社化を選択した点について少なからず疑問を感じるわけであります。これまで日本郵政公社というひとつの組織が行っていた3つの業務を、それぞれ3つの会社に分散し、さらに窓口業務を第4の会社に委託するという郵政三事業の分社化は、特に規模が小さな郵便局の運営体制に甚大な影響を与えました。
業務の委託関係が複雑になったことなどを理由に、全国で多くの簡易郵便局が一時閉鎖となっております。また、郵便局員が配達のついでに貯金や保険の手続きを代行する「総合担務制度」が廃止されたことにより、過疎・山間地域の、車が運転できない独居老人等は金融サービスから隔絶されることとなってしまいました。ことに地方においては、農協組織の整理・統合が進んだこともあって郵便局が唯一の金融機関であるケースが多く、一層、深刻な事態を招いております。
国は、「郵政民営化後もサービス水準を低下させない」、「過疎地の郵便局は無くさない」と国民に約束したはずであります。しかしながら、今、各地域から「話が違う」という悲痛な声が聞こえてくるわけであります。

このような状況を踏まえまして、自由民主党県議団といたしましては、最終的な郵政民営化を実現するまでの移行期間においては、国は円滑な民営化について監視する責任がある点に鑑み、郵便局をめぐる地域の実情を踏まえ、郵政三事業が一体のサービスとして運営されるよう必要な措置を講じることを国に要請する意見書(案)を発議したところであります。

以上申し上げまして、提案理由の説明といたします。議員各位の御賛同を賜りますようよろしくお願いいたします。