カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 この日、奥さまはブランチ気味のモーニングでお腹が一杯になったので、お昼はいらないとのこと。そこで「シメシメ」と一人で軽く食べに行くことにして、向かったのは今回もやはりマンションから一番近い飯倉交差点近くのラーメン店「めん蔵」です。

 時間は昼時の混雑時間帯を避けて2時近かったので、店内にはお客さんは誰もおらず、結局最後までこの日は私一人でした。そして今回はいつもの醤油ではなく、田舎ラーメンをオーダーしてみました。こちらの田舎は、醤油ラーメンのスープが黒くて濃過ぎる人は、昔ながらの醤油ラーメン風の“田舎”を食べてくださいという前提のメニューなのだとか。
確かに出て来た「田舎」は、他店の醤油ラーメン風で醤油に比べると随分薄く透き通った感じのスープです。
トッピングで唯一の違いは、田舎ラーメンには海苔が載っているところ。
田舎ラーメンのスープは、確かに通常の醤油に比べれば薄いのですが、旨味が減って逆に塩味が際立ってしまい、塩分濃度は同じかもしれませんが、むしろ何だか醤油ラーメンよりも田舎ラーメンの方が却って塩辛く感じてしまいます。飲み(食べ)続けていくと慣れるのか次第に気にならなくなってはいくのですが、途中お冷を飲んで口がサッパリしてからまた食べると、その塩辛さがまた蘇ってきてしまうのです。
醤油ラーメンは新福菜館の様な真っ黒なスープで、ベースは豚バラを煮込んだタレに魚介ベースの様ですが、意外とアッサリで塩辛くありません。最初の一口はイマイチに感じるのですが、飲むうちに段々美味しくなってクセになるような・・・、そんなスープです。
「めん蔵」で選ぶなら、田舎よりもブラックな醤油ラーメンの方が個人的には遥かに好みでお薦めの様な気がしました(札幌系なら味噌がイチオシかもしれませんが食べていません)。
麺はどちらも同じで、スープに良く絡む西山製麺の中太の縮れ麺。それが、固茹でなのが嬉しい。トッピングは、田舎の海苔を除けば、二枚の豚バラチャーシュー、半分の固ゆで卵、メンマに刻みネギで同じです。今回も、追加でチャーシューのトッピング(+100円)をお願いしましたので、絶品のトロトロのバラチャーシューが6枚くらい載っています。
さすがに塩辛く感じたので、今回はスープを飲み干さずに残しました。
 その後、東京滞在の最後にと「めん蔵」で食べた時は、やはり醤油ラーメンに戻ることにしました。絶品のチャーシューをトッピングで追加して。相変わらずの固茹での西山ラーメンの中太麺がイイ!。その縮れ麺に真っ黒なスープが絡んで、麺も黒っぽくなっています。
スープの「田舎ラーメン」と「醤油ラーメン」の塩分濃度はどちらも変わらないと思うのですが、醤油の方がタレの旨味が濃いので、逆に塩味を余り感じなくさせている気がします。そういう意味でも、個人的には「醤油」の方がお薦めです。今回は、スープも飲み干して、
 「ごちそうさまでした!! 」

 飯倉交差点直ぐ近くの「めん蔵」の醤油ラーメン。また娘の所に来ることがあったら、必ず食べに来ようと思います。

 この日のランチも奥さまのリクエストで、ミシュランガイドのビブグルマン2023 に選出されたという、新橋御成門「天ぷら かき揚げ丼 之村」へ。
こちらも行列店とのことなので、11時の開店5分ちょっと前に到着しました。既に2人待っておられます。

時間通りに暖簾が出され、入店。我々の前に待たれていたお一人は職人さん方の親方なのか、6人分纏めてテイクアウトとのこと。店内は意外と狭く、厨房前にカウンター6席とテーブル席は4名掛けと2名掛けが2卓ずつのみで、我々は一番奥のテーブル席に案内頂きました。
暖簾を出された方が大女将なのか、入口近くのカウンター内に座られて、帳場のご担当の様です。
「之村」のランチメニューは、
  ・かき揚げ丼 1,400円
  ・天丼 1,400円
  ・穴子天丼 1,700円
  ・ミックスかき揚げ丼 1,900円
  ・天ぷら定食 2,000円
他に天ぷらの一品物も注文出来るようです。そう云えば、最近天ぷら専門店て行って無いなぁ・・・。昔シンガポールにも天ぷらの専門店があって、カウンター席に座ってお任せで次々と色んなネタを目の前で揚げてくれるのですが、揚げ立ての天ぷらって美味しかったなぁ・・・。松本でも老舗の割烹が、支店でカウンターの天ぷら専門店を始めたので、以前懐かしくて家族で食べに行きましたが、そこは数年で閉めてしまいました。

 さて、ここは二人共先ずは名物のかき揚げ丼をチョイスしました。後から次々にお客さんが来られてほぼ満席になりましたが、やはり皆さんも注文はかき揚げ丼一本でした。
注文すると、丼のご飯の量を(値段は同じで)普通盛りか、大盛りか或いは小盛にするか尋ねられ、家内は小盛で私は普通盛りにしましたが、結果的には大盛りで正解だったのかもしれません。
丼には、シジミの赤だしの味噌汁と香の物として季節で変わるかもしれませんが、この時はカブとキュウリのぬか漬けが付いてきました。
待つこと10分程でしょうか。かき揚げ丼のかき揚げは小エビがたっぷり、というか20個近い海老オンリーのかき揚げです。それが絶妙な揚げ具合で、小エビの一粒一粒がプリっとしていながらも、しっとりで抜群の食感です。甘さを抑えた秘伝のタレの旨味とも相まって、そのたっぷりの海老のプリプリ感と衣のサクサク感が堪りません。かき揚げにはしし唐が一本添えられていて、茶色の丼の中で良いアクセントになっています。
ゴマ油?の揚げ油、或いは揚げ方、それともこのタレに秘密があるのか、驚くのは食べ進んでももたれた感じが全くせず、そのタレも甘過ぎずさっぱりしていて絶妙で、タレの染みたご飯がパクパクといくらでも食べられそうな程。ですので、大盛りにしても全然良かったかも・・・と思えるのです。
 因みに、こちらの「之村」は、虎ノ門に在るやはり天ぷらとかき揚げ丼の有名店という「光村」の姉妹店で、それぞれを兄弟でやられている由。そして、その「光村」は名古屋が本店とのことなので、道理で味噌汁が赤味噌というのも納得。ただこちらのシジミの赤だしは、赤だしの割には色も味もマイルドでした。また、大女将が漬けられたのか(と、帳場にどっしりと座られて店内に隈なく目を光らせている女将さんを見ていると、何となくそう想像してしまいますが、もしかすると兄弟でやっておられるということは、お母上が名古屋本店から上京し、息子さん二人の仕事ぶりに目を光らせている・・・と勝手に想像を膨らませてしまいました)、ぬか漬けも何だか懐かしくてとても美味しかったです。
食べ終わって大満足でした(因みに、こちらもランチは現金支払いのみでした)
  「うーん、ここはまた来たいなぁ!」
出来れば、今度は天丼や穴子天丼も是非食べてみたいと思います。イヤ、またやっぱりかき揚げ丼かなぁ・・・・??
  「ごちそうさまでした!」

 この日も奥さまのお薦めで、西新橋の「日比谷フォートタワー」一階にある「ビストロ LE PORTIER」へ。
正式名称は「LE PORTIER Par Aux Delices de dodine Toranomon」(ル・ポルティエ・パー・オ・デリス・ド・ドディーヌ)だそうです(ムム、読めない・・・。それに何のこっちゃら、意味も全く分かりません・・・)。
こちらのビストロは、以前長女の所に家内が上京していた時に、ウォーキングで虎ノ門や日比谷公園などを歩いていてこちらの行列を見つけ、一度家内一人で食べに行ったことがあり、そこの名物というポークソテーを私メが絶対に気に入る筈だからということで、今回行ってみることにしたもの。
ポークソテーは自宅でもこれまでに何度か作っていて、家内は美味しいと言ってくれるのですが、マーマレードを使ってフルーツ系のソースにしたものの、今一つソースには満足出来ずにいました。
ここのポークソテーはとても分厚くて柔らかいので、絶対にビックリするからとの仰せ。因みにこの店は、大門にあるミシュランのビブグルマン掲載店の姉妹店とのこと。

ランチタイムは 11:30~14:30で、予約は不可。どうせ行列で待つのだから、それだったらと開店15分前を目標に出掛け、チト早く20分前に到着。さすがに一番先頭でした。でも直ぐに我々の後ろに人が次々と並び始め、開店時には確かに長蛇の列になっていました。(但し注意書きに依ると、順番になってもメンバー全員が揃うまでは入店不可だそうです)
店内は、カウンターが6席、2人掛けと4人掛けのテーブル席で、合わせて30席程でしょうか。勿論一巡目で満席です。我々は一番だったので、窓側の席に案内していただきました。
こちらのランチのイチオシは、豚のグリル。家内は前回食べたのでポークソテーはもうイイとのこと。
店の前に張り出されていたこの日のランチメニューは、「前菜+パン+メイン料理」で1300円の一択。
前菜はカリフラワーの冷製ポタージュか彩り野菜のサラダなので、二人共サラダを選択。メインは三種類で、この日メニューに書かれていた内容は、「豚のロースト マスタードソース、豚バラ肉のトマト煮込み、鶏むね肉のロースト キノコソテー添え」。私メが家内お薦めの豚のローストを、家内はこの日は魚が無かったので、鶏むね肉のローストをチョイスしました。
因みに、ポタージュとサラダ両方を頼むことも可能で、その場合は+300円とのこと。また、パンはお替わりOKだそうです。
さすがはビストロらしく、ワインはメニューにありましたが、ビールが無かったのでドリンクはオーダーせず。各テーブルには紅茶の入ったジャグが置かれていて、こちらを水代わりに自由に飲むことが出来るのだそうです。
 最初にたっぷりのサラダと、編んだ布製の小さなバスケットに入ったパンが運ばれて来ました。フレンチ風のドレッシングが掛かったサラダには、低温調理か、しっとりと柔らかい鶏むね肉のスライスが添えられていました。
程無くメインディッシュが登場。確かにローストされた豚肉は、優に3㎝はありそうです。上には同じくローストされた玉ネギとニンジン。その上にカイワレ大根が添えられています。また、豚肉の下には、びっしりとマッシュポテトが敷かれ、たっぷりとマスタードソースが掛けられていました。余談ですが、ナイフとフォークではカイワレは食べ難くて、ハッキリ言って邪魔。彩だけだったら無くても良いと思います。或いはカジュアルに、カトラリーの中に箸も置いておいてくれたらもっと食べ易かったかもしれません。
さて食べ始めると、豚肉も一旦低温調理してからローストしたのか、確かに実に柔らかい。マスタードソースは意外とシンプルです。ただ思うに、左側にロース肉の脂身部分があったのですが、これだと初めに脂身の部分の方からナイフを入れることになってしまいます。そこだけを食べずに端に避けても良いのですが、食べ方としては決してキレイではありません。
 「あのさぁ、これってどう考えても逆じゃネ!?」
家内は「でも別にいいんじゃないの!?」とのことでしたが、イヤ、やっぱり豚肉の置き方は逆じゃないだろうか?(決して私メのだけを置き間違えたのではなく、視界に入っている他のお客さんのも同じ様に見えましたが、そうなのかなぁ・・・?)。
 家内の頼んだ、鶏むね肉のローストのキノコソテー添え。彼女曰く、美味しいとのこと。「魚じゃなくても良かった!」とご満足の様子。お互い少しシェアしましたが、確かに味付けはこちらの方が好みかな・・・。
と言うのも、ポークの方のソースは些か塩味が強過ぎるためにマスタード味に勝ってしまっていて、味に深みが無く単純に感じてしまいます。そのため、その肉のボリュームもあって、食べ進める内に段々飽きてきてしまうのです。残しては失礼と全部食べましたが、正直ここはもうイイかな・・・(多分、ディナーになれば全く違うと思います。ディナーは予約も可能とのことで、港区セレブ御用達なのでしょうか・・・)。
ただ、ソースは季節に合わせてか不定期で変わるとのことなので、他のソースの中にはもっと美味しいソースがあるのかもしれません・・・。
それと、ランチに関しては現金清算のみ。且つグループの場合個々ではなく一括支払いで、とのこと。しかし、今どき電子マネーやカードを認めないのは如何なモノか・・・。どういう店側の事情かは不明ながら(混雑しているランチタイムの会計時間短縮のため?)、オフィスビルに入居していて、会社勤めの方々向けのせっかくのコスパランチでしょうに・・・と(一見の客が大変失礼ながら)少々疑問を感じた次第です。

 レストランからの帰りに、少し足を延ばして日比谷公園へ寄ってみました。
会社勤めの頃の人事時代。会社の行って来た人事福祉制度が評価されて、会社が大臣表彰を受けることになり、日比谷公園の横にあった旧飯野ビルのイイノホールでの授賞式に、大臣の代理として当時労働政務次官だった釜本邦茂氏からの賞状と盾を社長に受けてもらいました。
すっかり忘れていたのですが、その時に視界に入っていたであろう周囲のビル群や公園の光景が、「あれっ!ここ来たことあるかも?・・・」とデジャビュの様に急に思いだされて来て、何だか不思議な感覚に一瞬包まれたのです。
建て替えられて高層ビルになった新しい飯野ビルから、一本道路を渡るとすぐ横が日比谷公園です。
その園内に在る、創業100年を超える老舗洋食屋「松本楼」。今や季語にまでなっているという秋の風物詩、松本楼の“10円カレー”。
それは日比谷公園で1971年に行われた政治デモでの混乱で、デモ隊が投げ付けた火炎瓶で松本楼が延焼。その後ファンからの応援もあって再建出来た御礼にと、1973年から始まったという毎年9月25日一日だけの“10円カレー”です。食べられた皆さんは、料金の10円以外に差額や本来の料金以上を寄付されていく方が多く、それらは毎年纏められ、更に松本楼からの寄付金も上乗せされて、交通遺児育英会やユニセフ、或いはその頃起こっていた災害見舞金などとして渡されているのだそうです。
都心のオアシスの様な広大な公園の、大きなヒマラヤスギや都の木である公孫樹の大木、公園のシンボル大噴水・・・。そして周囲の高層ビル群。
 「うーん、東京はやっぱり緑が多いなぁ・・・」

 日本列島が猛暑続きとなった、今年の盛夏。
この間、少し長期で東京に滞在する必要があり、その滞在中に食べて印象に残ったグルメを幾つか紹介したいと思います。
但し我々は年金生活者ですので、決してセレブ御用達といった様な高級店ではなく、飽くまで庶民的で美味しいと評判の人気店や料理が中心です。

 先ずは、東京ミッドタウン六本木のカジュアルなレストランやショップが集結する、地下一階の飲食店街「ガレリア」から。
各店舗との間の仕切りはありますが、半オープンなレストランが通路を挟んで両サイドに軒を連ねます。通路からは店内が丸見えの店が多いので、中にはテイクアウトがメインなのか、人が歩いている通路のすぐ横にイートイン・スペース用のテーブルがあって、一応通路との擦りガラスの間仕切りがあるものの、見ようとしなくても食事中の人が視界に入ってしまう様な小さな店もありますので、もしかすると気になる人もいるかもしれません。その場合は、上階の「ガーデンテラス」に行けば高級店(?)が並んでいます。
このB1のレストラン街の中で、唯一(?多分)開店前から行列を作っているのが、日本橋「つじ半」です。そのH/Pに依れば、
『日本橋で大行列の一杯で二度三度おいしい「ぜいたく丼」をもっと多くの人に召し上がって頂きたい!!どうぞつじ半のぜいたく丼を存分にお楽しみください。店名の「つじ半」とは、「つじ田」創業者でラーメン業界のつけ麺風雲児、辻田雄大と「日本橋 金子半之助」創業者の金子真也が力を合わせ作り上げた丼から辻田の「つじ」と半之助の「半」を取り、この名を名付けた。北海道最大手水産大卸会社キョクイチと組んで実現した究極の海鮮丼専門店』の由。

 こちらの海鮮丼を奥さまが所望。そこで、ランチに行ってみることにしました。
こちらの飲食店街は11時開店とのことで、勿論他にも幾つか人気店はあるのですが、12時前に着いた時に二三の店を除くと他の店は未だそれ程混んではいなかったのですが、この「つじ半」だけはもう結構長い行列が出来ていました。この日は平日でオフィス勤めの方々のランチタイムはまだですので、並んでおられるのは、我々の様なシニアのカップルを除けば殆どは港区女子と思しきマダムの方々。これが田舎だと、もし人がたくさん並んでいたら「じゃあまた今度にして、今日は他に行こうか!?」となるのですが、都会の方々は我慢強いのか、或いは“むしろ並ぶこと自体が好きで楽しんでいる”のではないか?・・・とさえ勘ぐってしまいます。
 さて、並ぶこと20分以上(・・・と、ずっと並んでいてくれたのは奥さまで、私メはその間を使って“お上りさん”宜しくこのフロアを探索してきました)で、漸く我々の順番になりました。
どうやら仕切られた奥に厨房がある様ですが、狭い店内は丼の盛り付けなどの対応をするキッチンを囲んで、僅か10席足らずのL字型カウンター席のみ。
こちらの店のランチメニューは、「ぜいたく丼」と名付けられた海鮮丼一本。トッピングするネタの種類によって、松・竹・梅、更に特上とグレードが4つに分かれていて、更にそこにお好みでトッピングを追加することが出来ます。
メニューの記載によると、スタンダードの「梅」が、まぐろ、中落ち、いか、数の子、つぶ貝、ミル貝、海老、いくら、きゅうり、ネギがざっくりと混ぜ合わされていて、グレードによって、その基本の梅に、いくら、かに、ウニが増量されます。更にどの丼にも鯛の刺身が4切れ別皿で提供され、その内の2枚は残しておいて、最後の出汁茶漬け用に使うべしとのこと。“一杯で二度楽しむ・・・云々”とは、そのことを指しています。
我々のオーダーは、二人共いくらが好きではないので、基本の「梅」(1250円)にカニの剥き身をトッピングで増量(+400円)しました。
 最初に黄身醤油と先述の鯛の刺身、それと漬物が目の前のカウンター出されますので、先ずは醤油(黄身と土佐醤油の合わせ醤油)に丼のワサビを溶いて海鮮の山に掛け、少しずつ崩しながら食べ進めます。
確かにネタがどれも新鮮で美味しい。これで十分なのですが、丼のご飯が1/3くらいになった所で、板前さんに頼んで出汁をお願いして、残しておいた鯛の刺身を丼に載せて熱い出汁を掛け、出汁茶漬けにしていただきます。私メは海鮮丼が美味しくて最初から追加するつもりでかなり食べてあったので、ご飯の追加をお願いしました。
濃厚豚骨魚介つけ麺がウリの「つじ田」とのコラボとのことなので、当然なのかもしれませんが、結構濃い目の出汁。個人的には、むしろ成田空港と新宿駅のルミネの「えん」で食べた、もう少しあっさりした鯛茶漬けの方が好みですが、奥さまは出汁茶漬けも絶賛していましたので「そりゃ何より!」。
蛇足ながら、食べ終わってみての感想です。
次女の様にいくらが好きな方は、他のネタと二つ併せてトッピングで追加するよりも「竹」の方がお得ですが、そうでない方は別に見栄を張らずに、基本の「梅」で十分だと思いました。
 この東京ミッドタウンそのものですが、周辺がオフィス街ということもあり、どの店もランチ用のテイクアウトにも力を入れていて、この「つじ半」も同様に店の一角にコーナーを設けていて、テイクアウトメニューもいくつかもあり(海鮮丼も蓋付きのカップで茶漬け用の出汁も別に用意されていて、テイクアウトが出来るようです)、その中でもギンダラの煮付け弁当とギンダラの西京焼き弁当がとても美味しそうでした。今度機会があったらぜひ買ってみたいと思います。

 ところで気になったのは、ランチタイムはテイクアウトの人たちも常時10人以上が順番待ちで、会計はレジが一つしか無く、食べ終わった飲食の客はテイクアウトの順番待ちの行列の一番後ろに並ぶ様に指示されます。狭いショップスペースなので止むを得ないのでしょうが、食べるのに行列して、更に食べた後の支払いでまた並ぶ・・・。食べた後の満足感が何だか少し削がれてしまう気がして・・・。
我が酒飲みの師にして高校の先輩でもある“居酒屋評論家”太田和彦センセの云うところの、良い居酒屋の条件“いい人、いい酒、いい肴”的に云えば、外食での満足感もその料理だけでは決して無い筈。
(年寄りは?/田舎の人間は?)せっかちと言われればそれまでですが、せっかくの料理でしたので、何か工夫出来ないのだろうか・・・と感じた次第。
ただ、もし「その分、値上げせにず頑張ってます」と言われたらそれまでですが・・・。とすれば、客側の防衛策としては、テイクアウトのお客さんが並ぶランチタイムを避けるしか無いのかもしれません・・・。

 古いターンテーブルが復活し、最近久し振りに聴いた懐かしいLPレコード。
その中でも、特にチューリップのある意味第1期とも言える、デビューしてから5年間の全シングルレ12枚の曲を全て収めた2枚組のLP「チューリップ・ガーデン」(1977年)を、その後も暫く毎日の様に聴いていました。

 高校1年生の時に素人ながら、FMで聴いて衝撃を受けた彼らの実質的なデビュー曲の1972年のシングル「魔法の黄色い靴」。そして、3枚目にしてチューリップの初めてのヒット曲となった1973年「心の旅」のB面に収録されていた、大好きだった「夢中さ君に」。この2曲は、特に何度も何度も繰り返して・・・。
また、このアルバムを聴いていて、初期のシングル曲の中で異色な感じがするのは「娘が嫁ぐ朝」です。これは76年発売のシングルなのですが、どう考えても財津さんはそんな年齢ではないので、実体験ではない・・・筈。
仮に心象風景だとしても、どうしてこんな詩が書けたのだろうか?。自分も娘二人が既に結婚した経験を持った今だからこそ、それも年老いた今になってから再び聞いたからこそ、余計自身の琴線に響いているのかもしれませんが・・・。でも、結果論であり自分勝手な見方かもしれませんが、チューリップの初期77年までのシングル12枚全24曲の中に収められたこの曲だけが何だか異色であり、その後のソロシンガーや作曲家として楽曲を提供する“メロディーメーカー財津和夫”の萌芽が見て取れると云ったら穿ち過ぎでしょうか。
 チューリップは、“昭和歌謡”にも繋がるような日本的でシンプルなメロディアスな歌と、ビートルズ風なアコースティックなサウンド展開が本当に衝撃的だったバンドでした。
今改めて聴いてみると、メロディーメーカーとしての財津さんの曲も勿論なのですが、リードギターとドラムスが当時衝撃を受ける程新鮮に感じられたチューリップサウンドの核だった様に思います。しかし、エレキギターを掻き鳴らすガチャガチャした感じのGSとも違う、音楽的にも洗練されたオシャレなイントロなどの編曲や親しみやすいメロディーラインなどは、それまでの日本のポップス界には無かった感じがしたように思います。
 彼等が「すべて君たちのせいさ」と心酔し、その結果として“日本のリバプール”と形容する程だった街、福岡が生んだバンド、チューリップ。
しかし、なぜ福岡にはチューリップだけでなく、他にも数多くのバンドが生まれたのか。
京都や大阪が東京に対抗して、中央に対抗する“反権力的”な音楽を生み出したことは或る意味必然でもあり、“関西フォーク”全盛期の後だったとはいえ、まだそんな雰囲気が残っていた京都で多感な学生時代を実際に過ごした人間としては、些かの感傷も交えてふり返えさせて貰えるのならば、それは十二分に理解出来るのですが、片やどうして福岡にそうしたマグマの様なエネルギー溜まりがあったのか・・・。

 それにしても、当時の福岡は本当に凄かったんですね・・・。

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