
ふるや内科クリニック
院長 古屋 志野



COPD
COPD(シーオーピーディー)って聞いたことありますか?
「Chronic Obstructive Pulmonary Disease」の頭文字をとった略語で、「慢性閉塞性肺疾患」という意味です。
「肺気腫」や「慢性気管支炎」は聞いたことありませんか?要は全部ひっくるめてCOPDと言っています。
じゃあ「慢性閉塞性肺疾患」ってなんでしょう。
ざっくり言うと、
タバコが原因で肺がミクロレベルで壊れてしまっている病気
です。
肺が壊れてしまっているので、咳や痰が慢性的に出たり、息切れがしやすくなったりします。
残念ながら現在の医学では、壊れてしまった肺を元に戻すことはできないのです。ですので、もうこれ以上肺が壊れないように、禁煙をしてもらったり、症状をやわらげつつ病気の進行をおさえる薬を使ってもらったりします。
・咳や痰がいつも出ているけどタバコを吸っているせいだからしょうがないかな
・前より階段を上ると息切れがするけど、年のせいかな
こんな方はCOPDの可能性があります。簡単な肺活量の検査で診断でき、すぐ治療もできる病気ですので、お気軽にご相談ください。
インフルエンザ迅速検査
寒い日が続きますね。いよいよインフルエンザ流行が始まったようです。
当院でもすでに何人かインフルエンザと診断され治療した方がいらっしゃいます。
ところで、インフルエンザの検査は鼻の奥などを綿棒でこすり、10分くらいで結果の出る迅速検査が主流です。私は開業する前は病院の勤務医だったのですが、そのころは検査をコンピュータ上でオーダーすれば、結果だけが報告されてきていました。
開業後は独立した「検査室」もないですし、専属の検査技師もいませんので、看護師と一緒に自分たちで検査をしています。当院でインフルエンザ陽性の患者さんが出るまでは、迅速検査が陽性になる瞬間を見たことがなかったので、インターネットで動画がないか検索したりしたのですが、なかなか良いものがなかったので、この際自前で動画を撮ることにしてみました。
※検体は了承を得て動画撮影に使用させていただいています。
溶連菌の簡単なお話
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて今回は、当院でも迅速検査が可能になったばかりの溶連菌感染症についてです。
子どもさんに多い病気ですので、小児科が専門でない私は開業するまであまり縁のない病気でした。そこで最近の話題も含めて勉強しなおしてみました。
子どもさんが「のどが痛い」というとき、多くはウイルスや細菌が入り込んでのどに炎症をおこしている状態です。ほとんどはウイルスによるものですが、細菌である「溶連菌」は、合併症を引き起こすおそれがあるので、特に重要視されるのです。
余談ですがいわゆる「風邪」はほとんどがウイルス感染によるものです。ウイルス感染はインフルエンザウイルスなど一部のウイルスを除き特効薬が存在せず、基本的には自分の身体が抗体を作ることで自然治癒に向かいます。このため「風邪薬」は、風邪のつらい症状をおさえることが主目的の薬です。
では、どんな症状のときに溶連菌感染症の検査をしたほうがいいのでしょうか。
私が最近読んだ文献をざっくりまとめますと、以下のような特徴のある場合です。
のどが痛くて38度近い熱が出たが、咳や鼻水は出ていないとき
首のリンパ節が腫れているとさらに怪しい
もう少し詳しく書きますと、
(1)38度以上の発熱がある
(2)咳がない
(3)首のリンパ節が腫れている
(4)扁桃腺の腫れ
(5)年齢が15歳未満
これが3つ以上あてはまる場合は検査したほうが良いようです。
「呼吸器科」ってなに?
開院して2か月が経とうとしています。より詳しい情報を発信していくために、このたび院長ブログを立ち上げました。お付き合い下されば幸いです。
さて今回は、「呼吸器科」についてお話ししたいと思います。いったい何が専門の科なのか、ピンとこない方も多いかもしれません。
一般的に人間の「呼吸器」は、空気の通り道である鼻・口・気管・肺などのことを示します。「呼吸器科」はそのうち主に、気管から肺にかけての病気を専門とする科です。
ただ、空気の通り道に発生する病気は、多くの特徴が共通していることがあり、鼻とのどの周りは耳鼻咽喉科、気管と肺は呼吸器科、という厳密な区別をしない場合も多くなってきています。
「呼吸器科」で患者さんの数が多い、4大疾患があります。
(1)気管支喘息
(2)COPD(慢性閉塞性肺疾患)
(3)肺がん
(4)呼吸器感染症(肺炎・気管支炎)
です。
さらには、近年社会問題にもなっている「睡眠時無呼吸症候群」も急激に患者さんが増えています。
それぞれの病気については、今後のブログで簡単なわかりやすい説明をしていく予定です。この病気についての話を早くしてほしい!などのご要望がありましたら、ホームページのお問い合わせやTwitter、Facebookでご連絡ください。
ところで、患者さんたちは自分の病名がわかって受診をしていただくわけではありません。ではどういうときに呼吸器科にかかればいいの?という質問にお答えします。
(1)長引く咳・痰
(2)息切れ・息苦しい
(3)高熱と咳・痰
(4)タバコをやめたい
(5)いびきがひどい・寝ている間息が止まっていると言われる
こんな症状の方はぜひ、呼吸器科を受診してください。