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祖父の戸籍に偽装婚記録、在留資格取れず日系三世審判請求


申立てをした方の祖父というのは、熊本県出身。
ペルーに渡り、ボリビアでブラジル人女性と結婚。
その後、7人の子をもうけ、死去。

申立人は、祖父の婚姻証明書、父の出生証明書と婚姻証明書を
添えて、定住者への在留資格変更を入管に申請。

しかし、祖父の戸籍には、申立人の祖母とは別の女性との
婚姻が記載されていたため、申立ては不許可となった。

この申立人の祖母とは別の女性との婚姻届出は、ボリビアに住む
男性が郵送で行っており、届出を受けた村役場は届出を受理。
これに基づき、当該男性は定住者在留資格を取得。

申立人の代理人である弁護士さんが、ボリビアから戸籍記録などを
取り寄せたが、祖父が申立人の祖母以外の女性と結婚した事実は無く、
戸籍に記録された女性も実在していないことが判明。

弁護士は「記載内容が虚偽なのは明らか。届出書類は現地で使われて
いる様式通りに巧妙に偽造されている。」としている。

つまり、入国ブローカー的な闇の組織が関与しているということか?
まあ、実際にあり得ないような話じゃないしなあ。

ただ、そもそも郵送されてきた婚姻届出(しかも外国人がらみ)を簡単に受理したことに問題は無いだろうか?

「届出書類の様式が整っていればOK」の発想には、やはり、「?」だなあ。

せめて本人確認だけでもしていれば、結果は違ったのでは?

弁護士さんの調べたことが事実であれば、実在しない人の婚姻届出を受理したってことになるんだけどなあ。

我々の仕事と密接に関連する事件なだけに、今回の戸籍訂正審判請求の
結果がどうなるか気になるところです。

そして、自らの日々の仕事においてもしっかりとした事実確認をするべきであるということを、もう一度肝に銘じ直したところです。