映画批評♯9・「コラテラル・ダメージ」
今日は、木曜日です。
「つれづれに」のコーナーです。
シュワルツェネッガーの30作品目となる本作は、
奇しくも9.11のあの忌まわしいテロ事件によって、
公開が延期されていた作品でもある。
「コラテラル・ダメージ」(目的のための犠牲)というタイトル自体、
そしてプロット設定である、テロリストとの対決、
またそれに挑むヒーローが消防士という、
テロ前に撮影は終わったにもかかわらず、
ある意味、類似性があるのが不思議である。
少々乱暴な言い方であるが、思い起こせばアメリカ映画というのは、
ラヴロマンスや実話モノを除くと、
仮想敵を置き、それに挑む強いアメリカを描き続けてきてるいると、
個人的にはイメージをしている。
最近は、その仮想敵がもっぱらテロリストである作品が多い。
しかし9.11では、映画ではなく、現実のテレビのニュース映像が、
ハリウッド映画を超えた、生々しい映像となってしまった。
ここでアメリカの国民感情は、悲しみから仮想敵ではなく、
現実の敵であるテロリストの撲滅へ、向かわせることになる。
そしてそこで伴うのは、アメリカにとっても、敵にとっても、
罪のない市民が巻き込まれてしまうのである。
いわゆる「コラテラル・ダメージ」を伴うのである。
そういう逆説的なメッセージも、この作品にはメッセージとして、
盛り込まれているのでは、と感じずにはいられなかった。
現実問題として、軍事訓練も受けていない消防士が、
あれだけの困難から自分の命を救えることもないだろうし、
アメリカ政府も「コラテラル・ダメージ」として、
処理するもの不可能なことであろうが。
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