今日は、水曜日です。
「本」当におすすめの、コーナーです。



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この本の構成は、まず学生たちに中国の史実を調べさせて、
中国人のメンタリティやマインドセットに、
メスをいれようという試みなのです。
内田先生の「街場シリーズ」の定石ですが。

ご本人が語っているように、内田先生は確かに、
中国の専門家ではないのであろう。
しかしその無垢なココロが真実を見抜くのです。
そこには鋭利な刃を持った洞察力で突き刺すのです。

そういう意味では、専門家や権威者が時として陥る、
偏り、思い入れというバイアスを一切排除して、
まるで子どものような「どうして?」と問いかけていくのです。

学生時代、歴史の教科書を読んでも理解できなかったことが、
「マンガ世界史」によってビジュアルに理解できた爽快感と同じく、
この本の場合、歴史の帰結がそのリーダーのマインドセットによって、
解明されていく爽快感と同位レベルなのがミソです。

そして歴史には、知らなければ知らない方がいいものがあることも解かる。
例えば「神」の正体がわからないから、信仰し続けることができるのです

それと同様に賢い教えを創造した人の言葉を、
伝承者がデコレートして伝えることによって、
昔はとてもすごい賢者がいたのだと、そういう徳のある人になりたいと、
会うことができない人を称えることができるのです。

話変わって、バブル崩壊から20年も経過するのに、なぜ出口が見えないのか。
それは、小泉政権時代の改革が竹中大臣を中心としたグローバリゼーションの名のもと、
アメリカナイズされたにすぎないことにも起因します。

今や時代はアメリカ的な「自由市場主義」から、
中国的な「国家資本主義」へと大きくシフトしているのです。
そう考えるとアメリカの属国でいるよりも中国に付いていたほうが、
実は文化的にも空気感も「平和」であったのだという歴史的史実が、
この本では明確にと解ってきてしまうのです。
最近の尖閣諸島問題も、「国境感覚の差」という視点に立てばわかります。

歴史とは年号を覚えることには、意味がないということを改めて知ることになります。
喫緊の日中問題だって、「二枚舌外交」が実は大事なことがわかります。
それはなにも外交というレベルではなく、
日常生活の中にも必要なことがわかることなのです。

だってそうでしょ。
近しい人に対して思ったことをそのまま話すと、
戦略的ミスとして内部抗争を引き起こしかねないじゃないですか。
時として「二枚舌外交」が功奏するのです。


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