今日は、水曜日です。
「本」当におすすめの、コーナーです。


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東日本大震災から、まもなく3年目が経過しようとしています。
あのときの衝撃は、あの時代に生きていた人の、
一生忘れることのできない記憶となっているでしょう。

しかし、人間は記憶を風化させながら、あたらしい明日を生きていく。
これも現実であり、生きていく術でもあると思います。

こういう書き方をすると被災にあった方々の逆鱗に触れると思うのですが、
わたしは信州まつもとに住んでいて、津波などの被害とは無縁で安全と思っていました。

しかし今年の2月、86年ぶりとなる山梨、長野を中心とした豪雪は、
思いのほかの甚大な被害をもたらし、
わたしも車を乗り捨て、寒い中、自宅への帰路を強いられた経験をし、
災害は地域に関係なく起こり得るものだと痛感しました。

そのとき丁度、著者の石井先生の出演した
NHK Eテレ「東北発★未来塾」を観たことを思いだし、
メッセージを送り、それを機に、この本を読むことにしました。

序章からでは被災地に向かうまでの、緊迫した準備の状況、
そして第一章では、著者はナースをめざし、災害看護に取り組み、
実際に現場で取り組み姿、それ以後は実際の気仙沼、石巻での
「災害支援ナース」としての活動が記されています。

そこには生の現実が記されており、わたしたちが報道で観ていた、
フィルターのかかった姿ではない、本当の現実があります。
いかに自分が氷山の一角しか知らないまま、単に同情していただけなのかを、
いまごろになって思い知りました。

まがりなりにも心理学を勉強してきましたが、
「同情」ではなく「共感」がいかに必要かはわかっています。
しかし、その甚大なる現場ではケアに当たる方は、
「共感しながらも、その渦中にまきこまれないこと」
という高度な技術が要求されることがよくわかりました。

番組の中でも語っていた「理想なくして、最善なし」という言葉も響いています。
それは著者の仕事に望む姿勢、そして出来事が起こったあとに考える思考回路にも
よく現れていることを痛感できます。

書きたいこと、記しておきたいことは、まだ山のようにありますが、
最後に、石井先生とのやりとりでいただいた言葉
「危機感を持続できないのが人間です。本性というべきものです。」
という非常にエッジの効いた言葉を記して、今回の書評を閉めようと思います。

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