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昨年から騒がれ始めた”労働ビッグバン”。

この”労働ビッグバン”の肝は、昨年成立した労働契約法(昨年12月5日公布。施行は遅くとも今年の3月4日)の第1条にあると思われます。

<労働契約法第1条>
この法律は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で、労働契約が合意により成立し、又は変更されるという合意の原則その他労働契約に関する基本事項を定めることにより、合理的な労働条件の決定又は変更が円滑に行われるようにすることを通じて、労働者の保護を図りつつ、個別の労働関係の安定に資することを目的とする。


つまり、”労働ビッグバン”の肝は、「労働者の保護」と、「雇用の安定」ということになると思います。

昨年成立したこの労働契約法が、”労働ビッグバン”のメインであることは間違いないのですが、これに併せて様々な労働関係の法律が改正されています。

最低賃金法・・・昨年12月5日に公布。公布より1年以内に施行することになっているので、
         最低でも年内には施行することになります。
         最低賃金が大幅にアップする可能性が出てきました。

パート労働法・・・今年の4月1日より施行されます。
         「同一労働同一賃金」の考え方が導入されました。
         つまり、同一内容の労働をすれば、正社員とパート労働者で差別しては
         いけないということです。

雇用保険法・・・昨年10月1日より施行されています。
         正社員とパートの区別が無くなったなど、かなり詳細な部分に至るまで
         改正されています。

雇用対策法・・・これも昨年10月1日より施行されています。
         求人広告を出す際の年齢制限などが原則禁止になりました。

尚、労働基準法も改正に向けて動いていますが、未だ改正案がまとまらずに、審議中となっています。

経営者側からすれば、「なんだよ、従業員の権利ばっかり守るなよ。」と思われるかもしれませんが、しっかりとした人材を手に入れるチャンスだと思って、これらの法令順守に努めていただきたいと思います。

また、実際にある話として、経営者の方が、こうした労働法関連のルールを全く把握しておらず、専門家に全面的に任せておいたところ、法に違反する部分があったなんてことが稀ではありますが存在します。

我々専門家には、こうしたミスは絶対に許されません。しかし、その会社の実体を把握せずに、巷にあふれる専門書に記載されている雛形通りに就業規則を作ったために、後でトラブルとなってしまう例などがあるのです。

ですから、経営者の方々にも少しでも多くの知識を身に付けていただきたいという思いもこめて、当ブログにおいて労働法関連についての情報を記載していこうと考えております。

私は、「労使関係が良好でない会社は、いつか倒れる。」と考えています。

労使関係が良好であることがその会社の繁栄に結び付くと信じております。

特に中小の会社においては、労使が腹を割って話し合えるような環境が必要なのではないかと考えています。(難しいことだとは思いますが)
そうすることによって、逆に”単なるわがままな社員”を排除できるのではないかと考えるからです。