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先日、消滅時効に関するご相談をお受けしました。

そう言えば、我々は普段の生活の中で”時効”という言葉を耳にする機会が結構あるような気がします。

そこで、今日は”消滅時効”について簡単にご説明したいと思います。

ところで、重大な犯罪事件に関するニュースでしばしば耳にする「時効まであとわずか」というような時の、”時効”ですが、これは、”消滅時効”ではありません。

これは、所謂”公訴時効”というものです。
この公訴時効とは、皆様がご存知の通り、犯罪者が無罪放免となってしまうものです。
ちょっと専門家っぽく言うと、「犯罪が終わった時から一定期間を経過すると公訴提起(起訴)できなくなる」もの、ということになります。
ちなみに、死刑に当たる罪に関する公訴時効は、25年です。つまり、人を殺しても25年間逃げれば無罪放免ということです。(こんなこと許されませんが・・・)

さて、本題。

今日のテーマ”消滅時効”についてお話します。

消滅時効については、民法に詳しく記されています。
それによると、消滅時効というのは、「一定の期間、その権利を行使しないと、その権利が消滅してしまう」というものです。

例を挙げると、「金銭消費貸借契約に基づく債権を有しているにもかかわらず、法定の期間内に債務者に請求等をしなかったら、その債権は消滅してしまう。」ということです。

この場合(金銭消費貸借契約)における債務者は、「時効の利益を受ける者」と言われます。
つまり、「債権が時効により消滅したら得をする者」ということです。
そりゃ、得しますよねえ。借りた金返さなくてよくなるのですから。

ただし、この法定のある一定期間が経過しただけでは、その債権(権利)は時効により消滅することはありません。
ですから、時効期間が経過していても、債権者は債務者に対して支払請求できます。

時効期間の経過による債権(権利)の消滅を、債務者が債権者に対して主張するためには、「時効の援用」が必要になります。

この”時効の援用”とは、分かりやすく言うと、「時効の利益を受ける者(金銭消費貸借契約であれば債務者)が、時効の利益を受ける旨の意思表示をする」ということです。
つまり、「あなたの私に対する債権は、消滅時効の時効期間を経過したから消滅してます。だから、払いません。」と意思表示することです。

時効の援用をする際に注意が必要なのは、「時効が中断していないかどうか」ということです。

「時効の中断」とは、それまで進行してきた時効の期間が振出しに戻ることです。
時効が中断する理由には、差押、仮差押、仮処分、債務者の承認、訴訟の提起、支払督促などがあります。
また、口頭や書面による債権者からの請求があった場合は、その請求から6ヶ月以内に債権者が差押等をすれば、6ヶ月間だけ時効期間を先延ばしにすることができます。

主な時効期間は次の通りです。

消費者金融からの借り入れ・・・5年(一部例外あり)
判決で確定した債権・・・10年
個人間での金銭消費貸借・・・10年
ビデオやCDのレンタル料・・・1年
売掛金・・・2年
不法行為による損害賠償債権・・・3年


尚、債務者からの時効援用の意思表示や、債権者からの請求は後々のことを考えて内容証明によることをおススメします。

ところで、「時効完成後に時効の援用ができない場合」に関する重要な判例がありますので、これについて明日ご説明したいと思います。