お知らせ

post:2013/03/29

こんにちは。奥平医院院長の奥平です。
今日はお子さんの定期予防接種について平成25年4月からの変更点についてお話したいと思います。ご存知の通り近年、子供の予防接種、特に0歳代の乳児の予防接種が次々に種類が増え、これから予防接種の受けようと思っている親御さんにとってはスケジュールを立てるのにも一苦労だと思います。
ヒブワクチン、小児肺炎球菌ワクチン、ロタウィルスワクチン、経口生ポリオワクチンから不活化ポリオワクチンへの変更、そして4種混合ワクチン(DPT-IPV)の導入、この数年で多くのワクチンが増え、また接種の方法も以前は原則1種類のワクチンを不活化ワクチンとの間隔は1週間、生ワクチンとの間隔は4週間空け、それぞれ別個に行っていましたが、今は同時接種も適切な時期にワクチンを接種するために多くの方が普通に行っています。大変ですが是非お子さんの予防接種に漏れがないようスケジュールをしっかり立てていきましょう。

さて平成25年4月からの変更点ですが、今まで任意接種扱いだったヒブ、小児肺炎球菌、子宮頸がんワクチンが定期接種へとなります。任意接種と定期接種の大きな違いは、予防接種にかかる費用を行政(市町村)が負担し無料で受けられるということと、もし万が一ワクチンが原因で亡くなられたり、何か障害をおってしまった時の保障額です。すでに松本市をはじめ長野県の多くの自治体ではヒブ、小児肺炎球菌、子宮頸がんワクチンを無料で実施していますのでこれについては今まで通りということですが、予防接種が原因で死亡または障害が残った場合にはより手厚い保障が受けられます。
次にBCGの接種年齢が、今まで3ヵ月から6ヵ月未満だったのが1歳未満に延長になり、それに伴い標準的な接種期間が5ヵ月から8ヵ月になるまでの間へと変更となります。これにより今まで6ヵ月までにBCGの接種をする必要があった為、予防接種スケジュールが非常にタイトになっていましたが、少し余裕をもったスケジュールを組むことが可能となります。
その他もう少し大きいお子さんに関して、麻しん風しん予防接種の3期(中学1年生)・4期(高校3年生)が終了となり、麻しん風しんワクチンは1期(1歳から2歳未満)と2期(小学校就学前の年長さん)のみになるということと、18歳のお子さんに日本脳炎予防接種(2期)を積極的勧奨するなどがあります。
また松本市では今まで小学6年生で集団接種が行われていた2種混合(DT:ジフテリア・破傷風)が個別接種へと変更され、各自が市から送付される予診票(接種券)を持って医療機関で受けることとなりました。

あと定期接種ではありませんが、水痘(水ぼうそう)とおたふくかぜの予防接種費用について松本市で補助が出ることとなりました。対象者は松本市にお住いの1歳代のお子さんで、水痘ワクチンで4,000円、おたふくかぜワクチンで3,000円の補助が出ます。それぞれ1回のみの助成です。水痘は普通のお子さんがかかっても合併症はまれですが、免疫機能が低下したお子さんがかかると症状が重くなります。ワクチンを受けることで80%近く発症を予防し、仮にかかったとしても軽症ですむことがほとんどです。現在では1歳代に2回接種することでより免疫効果を高めることが期待されています。またおたふくかぜは合併症として髄膜炎や難聴があります。特に難聴については1,000人に1人の頻度で発症するとの調査もあるので決してあなどれない病気のひとつです。
助成の対象になるお子さんをお持ちの方は、是非この機会にお子さんの為にも水痘ワクチン、おたふくかぜワクチンの予防接種を検討してみてはいかがでしょうか。

最後に0歳代の予防接種スケジュールの一例をあげてみたいと思います。

① お子さんが2ヵ月を過ぎたらすぐに
ヒブワクチン1回目+小児肺炎球菌ワクチン1回目
(希望があればロタウィルスワクチン1回目、B型肝炎ワクチン1回目)
※小児期に重い症状を引き起こす細菌性髄膜炎の原因菌のうち80%あまりがHib菌と肺炎球菌です。患者の多くは0~1歳代に集中している為、ヒブワクチンと小児肺炎球菌ワクチンの早期接種が望まれます。
  ↓
(4週間以上の間隔)
  ↓
② お子さんが3ヵ月
ヒブワクチン2回目+小児肺炎球菌ワクチン2回目+4種混合ワクチン1回目
(ロタウィルスワクチン2回目、B型肝炎ワクチン2回目)
  ↓
(4週間以上の間隔)
  ↓
③ お子さんが4ヵ月
ヒブワクチン3回目+小児肺炎球菌ワクチン3回目+4種混合ワクチン2回目
(ロタウィルスワクチン3回目)
  ↓
(4週間以上の間隔)
  ↓
④ お子さんが5ヵ月
4種混合ワクチン3回目、BCG(同時接種または4種混合ワクチンから1週間の間隔で接種)
⑤ お子さんが7ヵ月
(B型肝炎ワクチン3回目)
※B型肝炎ワクチンは1回目から4週間後に2回目、20~24週後に3回目を接種します。

同時接種を行うことでお互いのワクチンが干渉しあって効果が低下したり、有害事象や副反応の頻度があがることはありません(コレラと黄熱ワクチンの同時接種では効果が弱くなるといわれていますが、0歳代で行うその他のワクチンでは問題ありません)。当院でも多くの同時接種を行っていますが、今のところ問題になるような事例はありません。同時接種は必要な時期に必要なワクチンを接種するにはとても有効な方法でありますし、何度も医院に足を運ぶ親御さんの負担、来院する回数が増えることで他の患者さんから感染症をうつされるリスクなど考えても、多くの利点があると思われます。
もちろん同時接種に対して不安をお持ちの方は個別に予防接種をすすめていくことも十分可能ですし、同時接種は2本までにしたいなどいろんなバリエーションが考えられます。お子さんの予防接種をすすめていくうえで、「どのワクチンから打てばいいんだろう?」「いつから打てばいいんだろう?」「同時接種は本当に大丈夫?」「自分でスケジュールが立てられるかしら?」など多くの悩みがあると思いますが、まずは予約時にご相談下さい。それぞれの事情に合わせた予防接種スケジュールをご提案出来るかと思います。
予防接種はお子さんを病気から守る有効な手段です。お子さんの為にも接種に漏れがないようしっかりスケジュールを管理し、今後の予防接種を行っていきましょう。

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奥平医院院長  奥平

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