2014/12/10 10:29

 RSウイルスが、冬期に入り流行中ですね。
 RSウィルス、アデノウイルスに対する特効薬はありません。対症療法となります。
2011年10月17日より、RSウイルス抗原検査の保険適用範囲が拡大となりました。
以前は「入院中の患者」のみが保険適応でありましたが、以後は、
「入院中の患者」
「乳児」 1歳未満
「パリビズマブ製剤(シナジス)の適用となる患者」
です。

 RSウィルス迅速診断キットは、外来ではほとんどの方が保険適応外になりますので、自由診療で実費がかかります。
 RSV・アデノ迅速診断キット1回7940円となります。

 RSウイルス感染症の重症化を防ぐ有効な手段であるシナジス投与ですが、保険適応となる対象が決まっています。

パリビズマブ製剤 シナジス(アボットジャパン株)
保険薬価50mg 7万6819円 100mg 15万2072円
 RSウイルス感染流行初期において、
1).在胎期間28週以下の早産で、12カ月齢以下の新生児及び乳児、
2).在胎期間29週~35週の早産で、6カ月齢以下の新生児及び乳児、
3).過去6カ月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けた24カ月齢以下の新生児、乳児及び幼児、
4).24カ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児、乳児及び幼児。
に対する投与が保険適応となる。
 体重1kgあたり15mgをRSウイルス流行期を通して月1回筋肉内に15mg/kg投与する。・・・・・10kgで150mg=22万8891円の薬価となります。

 保険適応とならない場合は、経済的に投与がほぼ不可能となります。保険適応、価格等さまざまな課題があります。