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マイコプラズマ肺炎が大流行 「五輪肺炎」復活? 朝日新聞
小川裕介2016年11月8日23時34分


 子どもに多く、せきが長引きやすいマイコプラズマ肺炎が大流行している。国立感染症研究所によると、10月17~23日の1週間に全国約500の医療機関から報告された平均患者数は統計開始以来、過去最多を記録した。専門家は、従来の抗菌薬が効かない耐性菌の影響を指摘、マスク着用やこまめな手洗いを呼びかけている。

 マイコプラズマ肺炎は乾いたせきと発熱が特徴で、解熱後も数週間にわたってせきが続く。マイコプラズマという細菌が原因で、くしゃみやせきのしぶきを介して感染する。14歳未満が患者の約8割を占め、中耳炎や無菌性髄膜炎、脳炎などを併発し重症化することもある。

 8日に速報された10月24~30日の1週間の患者報告数は691人で、1医療機関あたり1・46人。過去最多だった前週の1・61人に続き、高い水準だった。都道府県別では、群馬が最多で、岐阜、青森、埼玉、大阪、愛知、静岡、山口などが続いた。今年に入ってからの報告総数は1万4953人に上り、昨年1年間の1万323人を大幅に上回った。

 世界的には3~8年程度の周期で流行を繰り返すと報告され、日本では1984、88年に大流行し、「オリンピック肺炎」と呼ばれた。90~2000年代は落ち着いていたが、11、12年に大流行し、リオ五輪があった今年は4年ぶりの大流行となった。