大町市土地改良区「水土里ネットおおまち」越荒沢堰

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水土里ネット おおまちからのお知らせ

イベントのご案内やイベント報告などをお伝えします。


R3.10.18(月)8:00集合

居谷里ため池を
     再生しよう。


 交通の便が今ほどよくない時代、人々は手軽に遠方へ旅行、レジャーに出かけるのは困難でした。その中でこの居谷里ため池は、農業用の他、子供達が手軽に行ける遊び場、家族の憩いの場として人々の生活に密着し、かかせないものでした。しかしインフラ整備が進み、県内外どこでも手軽に行き来できる現代社会において、ため池は人々から忘れ去られ、朽ち果てていこうとしています。景観整備を通して、ため池の存在価値や危険性を肌で感じるとともに、人々の生活の礎であるため池の元の姿を後世に引き継げるよう皆の力で再生しましょう。
 事前申し込み不要、当日参加でかまいません。ため池の水を抜いて生態調査も行います。参加者全員に地元産の川魚をプレゼントします。参加費は勿論無料。興味のある方は奮ってご参加ください。
※本イベントは新型コロナウイルス蔓延防止対策を十分に考慮して行います。当日は受付にて問診票の記入と検温を行いますので、ご了承ください。また、新型コロナウイルス感染状況によりイベントを中止する場合もございますのでご了承ください。 イベントの情報はネットでも掲載しております。「水土里おおまち」で検索してください。

イベントの内容
景観整備の部
・ため池堤体、周辺、遊歩道の草刈り、枝葉の片付など
・立ち入り禁止柵の設置(予定変更の可能性あり)
・流木の撤去、ごみ拾いなど

ため池についての展示
・ため池の構造、ため池の防災減災をテーマに展示します。

焼き芋の試食会、芋煮会
・枯れ葉を焚火、地元産の野菜をふんだんに使って調理。暖かい料理を食べながら井戸端会議。

ドローン撮影 ・生態調査
・作業風景の撮影、整備後のため池で記念撮影をします。思い出の1ページに。ため池に生息する生き物を調査、展示。

持物・服装
・作業のできる服装(雨天時は雨具)
・草刈り機、剪定はさみ、手鋸、鎌、鋤簾など

参加者に魚をお配りしますので、バケツやビニール袋をご持参ください。(一人2、3匹くらい)  配布するのは、ため池の魚ではありません。マス又はイワナです。

            位 置 図

    ~居谷里ため池(居谷里堰)について~

 大町市の中山山地居谷里地籍の湧き水を水源とする居谷里ため池は、1号~3号まで3つあわせると約11万ⅿ3の貯水量があり、管内ため池では最大級となっています。1号ため池の築造年は、明確ではありませんが、明治20、昭和40年代に大規模改修が行われ、今の規模・構造になったようです。2号ため池は、大町市の上水道水源の補償として昭和10年に築造され、昭和61年~平成3年に補強工事が行われました。3号ため池は、高瀬川上流総合開発事業で昭和27に築造されました。近年では、豪雨災害時のため池災害を防ぐために、国・県が主体となり取り組んでおり、平成29年度には3号の洪水吐周辺、令和2年度に2号の斜樋が改修され、本年度は1号で堤体の改築工事が行われます。
 1号、2号で貯水された水は、3号で調整された後、居谷里堰を介して三日町から社北部まで続く山麓沿線地域の受益地を潤しています。居谷堰沿線には、蝮沢から鳥谷沢まで8つの沢が交差しており、山麓沿線地域ではもともと不安定な沢水を利用して耕作をしていましたが、鎌倉から室町時代の仁科氏の時代に、居谷里堰が開かれ、渇水時期の貴重な補給水路が確保されたとようです。居谷里堰は、測量機器や建設機械がない時代、提灯の明かりをたよりに勾配をみて人力で開削されたと言われています。このため、居谷里堰は等高線に沿った平坦な勾配となり、時折不自然に蛇行し、三日町山沿いから社山下までの約5㎞の間緩やかな水の流れが続きます。
 居谷里ため池は、昔から子供達の遊び場や市民の憩いの場として重宝されてきました。家族でピクニックをした話や小学校の遠足、友達と釣りをした話などの思い出話をよく聞きます。
 またこのため池は、もともとの沢地形を利用して築造されたものであり、2号~3号の沢筋には天然記念物のカワシンジュガイが生息しているほか、地元組合が魚の養殖をおこなっていた名残で大きなコイや、最近ではあまり見かけない魚も生息しており、在りし日の風景を伝えています。

 稲刈りから約3週間、天候に恵まれた日が続いたこともあり、ハゼ掛けによる乾燥も進み、この脱穀の日を迎えました。


 作業日も天候に恵まれ、大町市の最高気温が25.9℃を記録した午後に行っております。
 脱穀に使用される機械(ハーベスタ)は、昨年に引き続きご協力いただいた三日町の窪田さんからお借りし、機械操作も同時にしていただきました。

 窪田さんや職員による作業の説明や注意事項を聞いた後、実際に機械を動かしながら、児童たちと共に作業方法の確認を行います。

 そのまま児童たちによる作業が始まり、

「ハゼ掛け棒から稲を外し脱穀機を操作する窪田さんに手渡す作業」

「脱穀された藁を利用する分だけ、畔まで運ぶ作業」

「脱穀後の藁の中から穂がついたものを探し出し、再度脱穀機にかける作業」

「いっぱいになったもみ袋を運ぶ作業」

を交代しながらとなります。

 作業も順調に進むと、稲を掛けていたハゼ掛け棒が片づけられる状態になり、それを解体し片づける作業が新たに加わります。

 また、利用する分の藁を確保できた後は、脱穀機を調整し、藁を粉砕し排出するようにします。

 そうすると、粉砕された藁をまんべんなく田んぼに撒き散らす作業が新たに生まれます。

 この作業は、田起こしした時に田んぼの肥料となり、また来年の実りを良くするために欠かせない作業となります。また、事前に田んぼの管理者である平林さんが用意してくれていた藁もあり、それも児童たちの手でまんべんなく撒き散らしてくれました。

 作業も順調に進み、約1時間程度で作業は完了。

 今年は出穂期の鳥獣による被害が気になる所ですが、大町市という自然環境に恵まれた大地と用水で、児童たちが一生懸命作業を行い、また多くの方との協働で実った「もち米」を、おいしく堪能してもらう事を願いながら、今年の大町西小学校5年生「米作り体験」のお手伝いを終わりたく思います。

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