2008/05/21 8:47

3つの原理 by ローレンス・トーブ

今日は、水曜日です。
「本」当におすすめのコーナーです。


紀元前3000年の過去の世界から、2150年の未来にまで、
壮大なテーマで書かれた本です。
なんだか最近は、ビジネス書を中心に、どちらかというと現実的というか、
目の前のことに対する本を、読むことが多かったせいか、
この宇宙規模的なテーマには、なかなか溶け込むことができませんでした。
しかし、ひとたびこの世界に入り込むと、目の前のことを考える自分が、
いかにちっぽけなんだろうと感じさせられました。

作者のローレンス・トーブさんは、この本が処女作になります。
歴史家であり、未来学者です。10ヶ国語を話し、
おまけについ最近まで、20年ほど日本に滞在していました。
なぜ日本に住んでいたのかは、本書を読むと、とてもわかるような気がしました。

過去歴史については、さまざまな本で書かれていることなのですが、
その切り口の斬新なところには、ほんとに驚かされました。
その切り口とは、「セックス(性)」「年齢」「カースト」という、
いままで、いろいろな人がなかなか踏み込んできていない領域で、
歴史を分析し、それだけの及ばす、150年くらいの未来まで、
自論で書き進めていきます。

「ええ?そんなことあるの?」と最初は読んで思うのですが、
読み進めるうちに、妙になっとくできるのです。
世界が国ごとではなく、ブロックに統合される。
そして、その頂点に立つのは、アジア圏を中心にした「儒教圏ブロック」であると。
そして第二位は、ヨーロッパを中心とした「欧州ブロック」。
おどろくことに、第三位は、アメリカ、ロシア連合の「北極圏ブロック」。

とても突拍子もない話に聞こえるのですが、現在世界で起きている社会的現象を見ていると、
なんだか納得できるのです。
後半は、精神・宗教の時代へと変わっていく世界を描いています。

最後はもう、絵空事とは思えなく、タイムマシーンに乗って、
未来を見せられているような気分になってしまいました。
約380ページもあり、正直、読むのは大変でした。
大変でしたが、その分、3時間半くらいある超大作映画を、
観たような気分になったのも確かです。

そう「未来の教科書」って感じがしました。

とても長い本なので、読み切る自身のある方にだけ、おすすめします。



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