大天荘 スタッフブログ
白くなってきました。
2018/10/29
さかきです。
今日は一日、小屋の中も外も寒かった・・・
▲夕方の大天荘
午後、時折雲の切れ間から青空が顔を覗かせることありましたが、ほぼ終日強風と濃い霧に視界は閉ざされました。
“大陸から寒気が入り込む”という予報通り、日中の外の気温は、大天荘の温度計を見る限り-4℃を越えることはありませんでした。
差し込む陽ざしもほとんどなかったので、窓越しに見る“墨絵を書いたような”寒々しい光景を見ると、館内でストーブ焚いてはいても、視覚的に寒気を覚えたものです。
これからもっと寒くなるのに、この程度の寒さに弱腰では、山小屋スタッフとしてはいけませんね・・・でも、やはりそのシーズン初めは体がまだこの寒さに慣れていないので致し方ありません・・・
さて、そんな状況下、小屋の中で諸々作業をしているその時、外から「ビービー」という鳴き声が。
鳴き声の方に目をやると、気づけば大天荘のシンボルツリーのナナカマドは、霧氷を纏い、きれいではないですか。
そして、そこに鳴き声の主がおりました。
おわかりですか?
さりげなく雷鳥クイズでした。
かなり冬毛に生え変わった2羽の雷鳥の子供たち。
鳴き方は、“ピヨピヨ”から“ビヨビヨ”。体格はもう成鳥と同じくらいです。
逞しくなりました。
このシーンを見る数時間前には、テント場の辺りで7羽の雷鳥の群れにも遭遇。
7羽一編には撮れませんでしたが、ひたすら何かを啄ばみ、越冬に備えているかのようでした。
いつもこういう時思いますが、この風雪強い中、めげずに生き抜く彼らの姿を見ると、コミカルに見える仕草がかわいらしいと感じる一方で、“野生”の逞しさを垣間見る瞬間でもあり、彼らの生命力の強さを改めて感じます。
もちろん、雷鳥に限らず、他の動植物も同じことが言えますが。
無事に越冬し、また来年もこの地で元気な姿を見せて欲しいとせつに願うばかりです。
【ご注意】
この一両日は、大陸からの寒気の影響で、低温と雪の降りやすい日が続きます(ヤマテン参照)。
極端な積雪はありませんが、要所雪が凍結して滑りやすい箇所もあります。
大天井岳にお出かけ予定の方は、冬用のアウターや手袋に帽子といった防寒対策をしっかり整えられ、不安な方は6本歯以上のアイゼンは携行されることをお勧め致します。
この時期の悪天候時の稜線歩きは、思いのほか寒さ厳しく、低体温のリスクが高まります。また、日の入も17時頃と早くなってきました。どんなに遅くとも16時頃までには小屋に到着できる余裕ある行動予定をお立て願います。
なお、燕山荘~大天荘~常念小屋は、今のところ通常の夏道通しで通行頂けます。
事故怪我のない、安全第一で楽しい山旅をお楽しみ頂ければと思います。
荘厳。
2018/10/28
さかきです。
この1週間で稜線上はグッと平均気温が下がってきました。
ちなみに今朝は、大天荘の温度計で-6℃辺りまで下がりました。
▲槍ヶ岳
▲穂高連峰
朝晩の冷え込みが厳しくなるにつれ、雪化粧した槍穂の峰々が、より一層荘厳に見えてきます。
▲日の出 東の空
日の出は概ね6時頃となりました。浅間山と八ヶ岳連峰の中間辺りから昇ってきます。
さて、昨日未明に降った雪は、やはり近隣の山並みを見渡しても、標高の高いごく一部の山にしか積もらなかったようで、
大天井岳右奥に見える裏銀座の峰々も、野口五郎岳の頂辺りにしか雪がありません。
▲燕山荘方面
▲有明山方面
今日はこんな感じで、中腹以下雪は全くなく、晩秋漂う雰囲気です。
一方で、明日明後日は寒気と冬型の気圧配置の影響で、どうやら降雪模様となりそう・・・今秋入って一番の寒気が流入するようです。
この山並みの様相が、どう変化するのか楽しみでもありつつ、どの程度の積雪になるか、気が気でないところもあります。
明日以降一両日大天井岳方面に入山予定の方は、雪への備えをしっかり整えられた上でお越し頂ければと思います。
雪の状況は、明日以降も随時ブログ上でお伝えしてまいります。
大天井岳はにわかに冬の装い。
2018/10/27
さかきです。
数日ブログ滞ってしまいました。
種々の講習会の出席に加え、毎シーズン年明け1月下旬から始まります「スノーシューツアー」に先立ち、お世話になる宿等への挨拶回りなどの関係で留守にしておりました(スノーシューツアーにつきましては、近日中に燕山荘HPにて詳細発表の予定です)。
さて、今日戻ってきたわけですが、今朝方まで稜線で降っていた雨は、大天井岳の標高辺りは雪でした。
▲燕山荘ヘリポートから 正面 大天井岳
▲同じく 燕山荘と燕岳
燕山荘辺りは雪全くありませんが、標高2,800m前後から上部の峰々は、気温が低く雪となったようです。
▲大下りの頭から大天井岳
▲大天井岳拡大
大天井岳直下、“切通分岐”から上部に積雪があります。
昼過ぎに通行しましたが、北側斜面に当たる部分は、すでにガチガチに雪が凍っていました。積雪自体は数センチですが、一両日午前中の早いうちに下山される場合、滑りやすいと思われます。
燕山荘~切通分岐間、積雪は今日現在ありません。
ちなみに、
▲夕方前の大天荘周辺
小屋周りも所々残っている雪は凍っていました。
殊、切通分岐~大天荘間だけのことですが、ご心配な方は、6本歯以上の軽アイゼンを携行されますことお勧め致します。
なお、ヤマテン予報(有料サイト)ですと、明後日以降は冬型の気圧配置になる関係で、稜線上は風雪模様になる予想となっています。
明日以降、大天井岳方面お出かけの方は、気象情報をよくご参考頂き、無理のない行動予定をお立て頂きますようお願い致します。
気温は今日の日中陽ざしが出ても氷点下、朝晩冷え込んだり寒気が入ってきますと、-10℃前後まで下がってもおかしくない時期となります。
服装に関しては、冬山装備でも十分なくらいですので、他の装備も含め、準備怠りのないよう、ご注意頂ければと思います。
妙高・火打・黒姫。
2018/10/23
さかきです。
▲日の出 東の空
▲妙高・火打・黒姫方面
上信越方面の峰々が、とてもたおやかな容姿を湛えていて、とても印象的な朝でした。
▲上信越の峰々とアエロスパシアル式AS350B3
今日は、昼前後にヘリコプターの空輸作業がありました。
その際に見えた上信越の峰々、この画像ではわかりにくいのですが、肉眼でも山肌の色づきが遠望でも確認できるくらい、今日は終日印象に残る光景が続きました。
これもまた晩秋ならではでしょうか。
▲槍ヶ岳
▲大天荘と滝雲
夕方からは、西側より雲が流れ込み始め、天気の下り坂を暗示する感じとなり。
ただ、小屋周りに纏わりつくように流れ込む滝雲は、変化に富み楽しめました。
▲夜景と雲に阻まれる月
ブログを書き始める直前は、夜景が普段以上に輝き放っていました。
左奥は長野市内、右奥浅間山の下に広がるは、上田~軽井沢方面です。
ちなみに今8時過ぎ、外は雪。
明日は再び雪化粧と化した大天井岳となるのでしょうか。
今年もおいしい水をありがとう。
2018/10/22
さかきです。
▲水源の沢から穂高連峰
今日は、水源地のパイプ撤収並びにポンプ小屋の閉め作業に行ってきました。
今日掲載する画像は、スタッフだけしか見ること叶わない場所ばかりですが、そんな我々も、普段はこういった場所で改めてファインダー覗くような機会はほとんどありません。ひたすらシーズン中はエンジンかけに急いで下り、無事ポンプアップ成功したら小屋に急行。
いつも小屋周りから見る槍穂の光景とは一味違うため、新鮮です。
▲槍ヶ岳と黄葉カラマツ
シャッター切るのはほどほどにし、即作業に取り掛かります。
ひたすら長いパイプを途中で切断し、巻き取り、高所に括り付ける・・・を繰り返します。
そのままにしておくと、雪の重みや春先の雪融けでパイプがズタズタに破損し、次のシーズンに大きな影響を及ぼします。
故に、ひとつひとつ慎重に作業を進めます。
昼ご飯は女性スタッフが握ってくれたおにぎり。
こんな時ですのでおいしかったぁ。天気も穏やか、槍ヶ岳仰ぎ見ながらのお昼は最高でした。
その後も作業は急ピッチに進められ、無事にポンプ小屋も閉めることができ、最後は水源地に敬意を表し、小屋への帰路に就きました。
今シーズンも貴重な恵みの水をありがとうございました。
帰る途中、振り返り見た槍穂のシルエット、とても清々しい感じでした。
プロフィール
北アルプス大天井岳(2,922m)まで10分の場所にある大天荘スタッフが目にする自然の息吹をお届けします。
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- Re: 雲海。
サカキ様 相変わらず頑張り過ぎてますね!! 何時も良い写真を有難う御座います毎年、有明荘、燕山...
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週末は、色々と大変なご事情の中、 本当にお世話になりました。 おかげさまで、ゆっくり過ごすこと...
- Re: 今年初の水源地。
悪天候の中、お疲れさまでした。 スタッフの苦労を見るたびに水の大切さがよく分かりますが、シーズ...