2017/07/10 11:18

おたふくかぜ 県内流行 今年の感染患者2784人
信毎WEB 2017.7.7
http://www.shinmai.co.jp/…/20170707/KT170629FTI090002000.php


 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)が昨年秋ごろから、県内で流行している。医療機関が県に報告した今年の患者数は7月2日時点で2784人(速報値)に上り、前年の約5倍に増えた昨年(計3470人)を上回るペースで増えている。流行には数年単位の周期性があり、2010〜12年初め以来の流行期に入ったとの見方もある。県や専門医は、早めの予防接種を促している。
 県健康福祉部がまとめた県内54医療機関の集計によると、最新の6月26日〜7月2日の患者は97人。年齢別では、3〜6歳がそれぞれ10人台で大半を占める。10歳以上は大人1人を含めて11人。ここ数週は長野、上田、飯田の各地区で多い傾向だが、同部は「地域を問わず注意が必要」とする。

 近年の患者数の推移を見ると、前回の流行期の11年には患者数が8525人に上った。12年春以降は落ち着いていたが、15年10月ごろから再び増加傾向にある=グラフ。流行の周期性について、同部は「一度流行すると多くの人に免疫ができて徐々に収まる。患者が少ない期間がしばらく続くと、免疫のない人が増えて再び流行することを繰り返している」とみる。

 国立感染症研究所によると、全国的には昨年に流行が見られたが、今年は比較的落ち着いているという。

 おたふくかぜの治療について、長野市の増田医院の増田英子医師(小児科)は「治療薬はなく、かかったら自然に治るのを待つしかない」と説明。予防接種を勧めている。県小児科医会会長を務める竹内こども医院の竹内則夫院長も「2回接種すれば、より効果がある」とする。

 ただ、おたふくかぜの予防接種は保険適用外。費用の一部を助成する自治体もあるが、多くの市町村は全額自己負担で5千〜7千円ほどかかるため、県健康福祉部の担当者は「できれば接種してほしい」としている。
(7月7日)