3月13日中部歯内療法学会スプリングセミナーに参加してきました。
今回のテーマは「歯内療法、見えることと見えないこと」でした。
歯内治療は肉眼では見えない部位の処置になるため現在では歯科医師が顕微鏡を覗きながら処置を行うことで今まで見えなかった部位の処置を精密に行うことで高い臨床成績をだすことができるようになってきています。
日大松戸歯学部歯内療法講座の辻本先生は見えないために起きた不幸な治療結果に対して顕微鏡を用いて見える環境下で繊細な処置を行うことでトラブルを起こさないようにするための多くの臨床ケースを示されました。
その中でも特に根管治療においてケースによっては根尖部を石灰化させてから根充を行う方法はとても興味深く私も実践していきたいと思いました。東京のデンタルみつはしに勤務されている衛生士の増田さんは衛生士業務に顕微鏡を用いる事の重要性と使用のポイントについて講演されました。
衛生士が顕微鏡を用いて診療を行っている診療所は全国にも数少なく日本顕微鏡歯科学会の認定試験に合格している衛生士はたった25人しかいないそうです。
当クリニックの衛生士も顕微鏡を使用していますが長野県初の認定衛生士になれればと思っています。
最後に東京で開業されている安藤先生は非歯原性疼痛について講演され特に日本では数件しかない口腔顔面痛専門の先生で「痛み」の発生メカニズムから痛みの種類を大きく3種類に分けられ
①侵害受容性疼痛②神経障害性疼痛③心因性疼痛について説明され、この3種類を歯科医師は把握し患者さんが痛みを訴えているのに「それは気のせいです」と簡単に済ませてはいけないことを強調されていました。
先生の言葉で印象的だったのは「眼ではなく知識で診る」「知らないことは目に映らない」・・・なるほど。

こんにちは院長の望月です。3月13日に私が所属する日本歯内療法学会の2016スプリングセミナーが名古屋で開催され、これに参加してきました。

今回のタイトルは「歯内療法、見えることと見えないこと」でした。
患者さんには何が「見える」「見えない」ことかわからないと思いますが、我々の行っている歯科治療は大変小さく細かい部位の処置がほとんどなのですが目視下ではほとんど見ることができないため実際には健康な部分も含めて過剰に切削されたり感染源が取り残されたままで終了してしまうことが多々生じているのが現状です。
こういった問題から根管治療後の再発による再治療が急増しています。この問題を解決し再発の無い環境に戻していくために手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の使用は大変有効です。そもそも「見えないもの」は知識と想像と手探りで治療に望むしかありません。しかし、現在はCTとマイクロスコープがあるため診断から施術まで原因を診ながら治療が行えます。当クリニックでは再発の無い環境を患者さんに提供できるよう根管治療専門クリニックとしてこれからも更なる技術の向上に研鑽していきたいと思っております。