お知らせ

post:2012/10/04

こんにちは。
奥平医院医師の小手川直史です。

今回は前回お話した胃がんで、その原因となるピロリ菌についてお話ししたいと思います。

ピロリ菌は胃の中に生息している細菌で、いろいろな疾患の原因となることがわかっています。日本人には多く、50歳台の方の60%、70歳台の80%が感染しているといわれています。

◎ 胃潰瘍、十二指腸潰瘍
ピロリ菌感染者の3~5%に潰瘍の発症がみられます。
逆に胃潰瘍の60~95%、十二指腸潰瘍の95~100%にピロリ菌の感染があります。
胃薬をやめると二人に一人で潰瘍が再発してしまいます。しかし、ピロリ菌を除菌することで潰瘍の再発率を1/10程度まで低下させることができます。

◎ 胃がん
ピロリ菌の感染があると3~6倍の確率で胃癌になりやすくなります。
ピロリ菌が感染している方は、「萎縮性胃炎」という「慢性胃炎」がおきています。今までの胃カメラで慢性胃炎がありますと説明を受けたことがある方は、ピロリ菌がいる可能性が高いと考えられますので、年に一度の胃カメラでの定期検診をお勧めします。

◎ ピロリ菌の検査方法
当院では吐いた息で感染の有無を調べる尿素呼気試験という検査を行っています。
検査の方法は、まず食事を食べずに来院していただき専用の袋に息を吐いてもらいます。その後、ユービットという検査薬を1錠水と一緒に飲んでもらいます。その後しばらくしてからもう一度専用の袋に息を吐いていただき、その吐いた息で感染を調べる検査法です。苦痛もなく体に負担のないのが特徴です。
また、実際に胃カメラで胃の組織をとり感染の有無を調べる方法や、血液から感染を調べる方法も行っています。

◎ ピロリ菌の除菌
三種類の薬を一週間連続して内服してもらいます。
除菌成功率は80%程度と高い確率です。もし失敗しても、別の薬の組み合わせでも同様に80%程度の除菌率が得られます。途中で中断したり、内腹を忘れたりすると、ピロリ菌に抵抗力ができ、再度トライしても除菌率は大きく低下します。副作用は薬へのアレルギー、抗生剤による下痢、一時的な味覚障害等です。
除菌については胃カメラを行ったうえで「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」の診断がつき、実際にピロリ菌に感染していた場合に保険で治療が出来ます。それ以外は残念ながら保険での治療が認められていません(自費診療になります)。
だいたいの費用ですが、初診で胃カメラと尿素呼気試験を行い、再診後に除菌治療、その後もう一度尿素呼気試験で除菌が出来たか確認するという流れで、ざっくり計算すると1割負担の方で4,000円弱、3割負担の方で11,000円程度、全額自費での方が40,000円程度かかると思われます。

がん細胞は一個⇒二個⇒四個⇒八個と倍々でと増えていくのですが、胃カメラで見えるようになるにはおよそ10億個の細胞が必要です。そうなるには5年から10年以上の期間がかかりますので、ピロリ菌の除菌が成功した時点ですでに目に見えないがん細胞ができている可能性がありますので、その後も定期的な胃カメラでの検診が大切です。

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