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とにかく外人と話してみましょう。経験は何よりも自分を成長させます。

私の若いころの英会話経験

新婚旅行でヨーロッパめぐりをしたのですが、最初に泊ったウィーンのホテルでのこと。
外出しようとルームキーを持ってフロントに行くと“Passport?”と聞かれます。「パスポートも必要なんだ」と分かったのですが、部屋に置いたままです。取りに引き返さなければととっさに口をついて出たのが“Just a moment”。フロントの女性がにっこり笑ってくれたので通じたことが分かりました。

たぶんこれが私が外人と話した最初だと思います。これで自信を得た私は度胸もつき、後の旅行も恐れることなく単語やほんのちょっとした短文だけの片言の英語で外人に話しかけました。

ルーブル美術館では、受付の女性に順路を聞いたのですが、私の英語がまずかったのか、女性が英語ができなかったのか、何回も繰り返していらいらさせてしまい、最後には追っ払われるような感じになってしまいました。その時はこちらも「感じ悪いな」と思ったのですが、今となってはいい思い出です。

独立するまで勤めていた会社は、主に長野県出身の大学生に県内企業の就職情報を発信する仕事をしていました。その会社で年に一度東京で県出身の大学生向けに県内企業を紹介する就職イベントを開催していました。

ある年、新宿のルミネで開催していた時のことです。私は受付スタッフとして、学生の受付のほかに、関係のない人が入ってこないように注意をする役目もありました。
順調に仕事をこなしているとき、ふと見ると、外人のおばあさんが受付の前を通り過ぎようとしてします。他のスタッフは見て見ぬふり。私もどうしようかと思ったのですが、思い切ってそのおばあさんの前に出て“No no !”と通せんぼ。ところがそのおばあさんは、ずうずうしくもいくら“No”を繰り返しても私に構わず中に入っていこうとします。その時は“No”しか出てこなかったのです。焦り始めた私の頭に浮かんだのが“就職=employment”。とっさに“This is employment event.”というと、おばさんは“Oh・・・”と言いながら、出て行ってくれました。他のスタッフからは「すごいじゃないですか、猪股さん」と言われて、ちょっと誇らしく思ったものです。

この他にも英語での成功譚、失敗譚はいくつかあるのですがこれくらいにしておきます。とにかく英会話を上達させるには、覚えたことを使ってみることです。特に、外人と話をすると自信も度胸もついて、それだけで上達したような気分になります。

今は学校にALTの先生も来ます。恥ずかしがらずにどんどん話しかけて上達させましょう。

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学秀館 塾長  猪股 一
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