7月11・12日に第36回日本歯内療法学会学術大会が鶴見歯科大学で行われこれに参加してきました。


最近の歯内療法は歯科用顕微鏡をはじめ施術に用いる材料・機材の発展により治療の成功率が向上し病気にかかってしまった歯を長期間保存できるようになりました。
特に日常高頻度で行われている根管治療(神経の治療)はその歯の寿命に大きくかかわる基礎治療になり、非常に高いスキルが求められます。
最近当クリニックでも根管治療に関する問い合わせが多くなっていますが、再治療になると完治できる可能性が低くなってしまうので初回の治療を丁寧に時間をかけて行うべきだと思います。
今回の学術大会で講演されたイタリアのDR.Arnaldo Castellucciは根管治療の秘訣は
1. Scouting 2.Glidepath 3.Shapingであり特にネゴシエーションからグライドパスが重要でここが一番難しいと述べていました。
その後は第5世代のニッケルチタンファイルが威力を発揮します。
韓国のDR.Hyeon-Cheol KIMも根管内に使用する合金の進化により治療が以前に比べて容易になったことを述べ、
ニッケルチタンファイルの破損原因になるCyclic fatiqueとTorsional stressに関してCyclic fatiqueはMwireにより改善されTorsional stressは専用モーターによりコントロールすることにより回避すると述べていました。
当クリニックでも根管治療は無菌的処置を整え歯科用顕微鏡、第5世代のニッケルチタンを用いて時間を賭けて丁寧に処置を行っています。
こういった技術は全て諸外国からの輸入であり日本はまだまだ遅れているため今回の学会でも多くを学ぶことができました。


1. 今回会場となった鶴見歯科大学
2. Dr.Arnaldo Castellucciの講演前 スライドに6月に私が行ったフィレンツェのドゥオーモが見られ、イタリア研修を思い出した。

3.当院で使用している第5世代のニッケルチタレファイル プロテーパーNEXT

2015年6月1、2日イタリアにて手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を用いた歯周再生外科手術のハンズオン研修を受けてきました。

歯を喪失してしまう原因の主なものに、歯周病に罹患してしまうことがあげられます。
歯周病はその状態によって治療法が異なってきますが、
進行が進み歯の周りの組織が減少してしまうと治療がより複雑になり外科手術が必要になってしまいます。
この分野の治療は諸外国の方が進んでおり今までに様々な術式が紹介され良好な結果が得られています。
その中でも今回研修を受けた再生療法は失ってしまった組織を再生させるという難易度が非常に高い処置であります。
しかし、患者さんにとっては従来行われてきた切除療法よりメリットは大きなものになります。
手術の術式には歴史的に大きな変遷がみられ特に術野を肉眼で見ながら治療を行ってきたものをマイクロスコープを覗きながら処置を行うことは大きな変化になっています。
「見えないものは治せない」から「見える」さらに「明るく拡大して見える」は術野を最小限の範囲に抑えることができ感染源の確実な除去が行えるため術後の患者さんの腫れ、痛みなどを最小限に抑え早く治癒に向かわせられます。
 しかし、この治療法は難易度が非常に高いため多くのトレーニングが必要になります。
私も7年前からトレーニングを積み重ねてきましたが、この治療法を開発した本人からの直接的なレクチャーを受けたのは今回が初めてでした。
両先生とも見識がとても深く、落ち着いていて実習中も私が今まで気が付かなかった点まで細かく指導していただきとても内容の濃い充実した研修でした。

歯周病でお困りの方はお気軽にご相談ください。
現在は治療法の選択肢はとても多くあり以前より保存できるようになってきています。
今後も皆さんに最適な治療法が提供できるよう学んでいきたいと思います。

左から石川先生、私、コルテリーニ先生、トネッティ先生
トネッティ先生からレクチャーを受けているところ
実習の様子
ドゥオーモ(フィレンシェ)
ドゥオーモ(ミラノ)
ドゥオーモ(ミラノ)の中
ガレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世