2008/04/12 1:55

アールデコの館~旧朝香宮邸を訪ねて~その2

長らくのご無沙汰でした。ビクトリアンクラフトの上條です。
忙しがっていて、気がついたらずいぶんと経ってしまいましたね。楽しみにしていてくれた皆様、ごめんなさい。


早速、続きです。

大客室の奥には、大食堂があります。



半円形に作られた窓の下には、温水式の暖房器具と、海に泳ぐ魚をイメージしたカバー。
天井にはルネ・ラリック製作の照明器具「パイナップルとざくろ」が並びます。


部屋ごとにイメージ作りがされているようで、この部屋はさしづめ「南国リゾート」でしょうか?
雰囲気に圧倒されていて写真を撮り忘れてしまいましたが、背中側には黄色がかった大理石のマントルピースが据えられ、アンリ・ラパンによる噴水のある庭をモチーフとした壁画と、ブランショによる植物文様のレリーフが取り囲んでいました。

照明器具を撮るために天井を眺めていてふと思ったのですが、漆喰塗りの天井が、すごくきれいな平面と曲面で仕上げられているんです。
光の当たり具合を見てもお分かりかと思いますが、平面は本当にまっ平ら、曲面も一分のゆがみもなく、「これぞ職人技」といったところでしょうか。
なにか特別な道具も使っているのかもしれませんが、それにしてもきれいな面だなあ・・・と、変なところに感心してしまいました。



2階に上がる階段です。
この建物は2つの階段を持ち、こちらは奥の階段です。
ステンドグラスのデザインも、もちろんアールデコ。ちょっと、大正期の日本家屋にあるような丸窓の雰囲気を感じました。特に解説などがなかったので想像ですが、ここは日本人のデザインによるものだったのかな? そうだったにしても、やっぱりお洒落な感じは充分です。海外の有名デザイナーと、互角だと思いました。











階段を上った先のホールです。
角ばった、まるで星のような形のペンダントランプからは、色とりどりの光が静かに放たれていました。










ずっと、ここでぼんやりしていたいなあ…
















「北の間」です。


この部屋に入ったとき、中では落ち着いた雰囲気のカップル(夫婦かな?)が、ベンチに腰掛け、静かに談笑していました。
部屋の内装とマッチしていてすごくいい雰囲気だったので、邪魔しないようにそ~っと出て行こうとしたら、二人の方が先に出て行ってしまいました。なんだか、大切な時を壊しちゃったような気がしました。邪魔しちゃってごめんなさい。


目を引いたのはホールに面した大きな窓。さざ波のような型ガラスを通して、行き交う人の姿がぼんやりと映り、ちょっと幻想的な感じを受けました。
昔は、ドレスアップした紳士・淑女が色とりどりに映り、とてもロマンチックな光景が見られたんでしょうね。




3階の「ウィンターガーデン」です。いわゆる温室です。
他の部屋とはガラッと変わったモダンなイメージで、展示の家具はマルト・スタムによる現行品ですが、当時はマルセル・ブロイヤーの家具が置かれていたそうです。
美術館ですから時代考証はしっかりされているはずなので、当時の面影をイメージするには充分だと思います。


当時の人たちも、ドアを開けた瞬間、さぞかし驚いたでしょうね。
何しろ、白黒タイルに置かれた、発明されて間もないパイプ椅子、しかも赤。それに周りには色とりどりの南国の植物。
居ながらにして南の島へ旅行したような、そんな気分を味わったのではないでしょうか?



まだまだ続きますが、今回はここまで。
次回をお楽しみに。


ビクトリアンクラフト 上條
http://www.victoriancraft.com

ページ上部に戻る