内科・外科・小児科 安曇野市 穂高ハートクリニックのスタッフブログ

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2011/10/07 11:48

RSウイルス感染症拡大 乳幼児の重い肺炎の原因
2011/09/21 08:19 【共同通信】


 毎年冬に流行し、乳幼児の重い肺炎の原因となるRSウイルス感染症が今年は既に拡大傾向だ。全国約3千の小児科定点医療機関から報告される患者数は、今年は6月ごろから、データのある2004年以降で最多ペースで推移していることが国立感染症研究所の21日までの分析で分かった。

 同研究所の安井良則主任研究官は「RSウイルス感染症はインフルエンザより知名度が低いが、小児科では最も恐れられている感染症の一つ。初めてかかる乳幼児で重症化しやすく、感染力も強い。家族、医師、保育園などは既に流行が始まっていることに注意してほしい」と話している。

コメント:
 RSウイルス感染症は、重症化しやすく、急性細気管支炎や肺炎から呼吸不全を引き起こした場合には入院が必要となります。従来は入院時にRSウイルス迅速診断キットでの診断が保険適応となります。
 RSウイルス感染症は、2歳までにほぼ100%のお子様がかかり、一般のお子様にはいわゆる特効薬がないため、症状を緩和させる対症療法になります。
 マスク、手洗いで、しっかり予防しましょう。

 平成23年10月17日、RS迅速診断キットが外来でも保険適応になったと厚労省からの通知がありました。
 保険適応範囲ですが、次のようになっています。
①.入院中の患者・・・・・従来通り
②.乳児・・・・・0歳児
③.パリビズマブ製剤(商品名:シナジス)の適用となる患者
 小児科外来診療料を地方社会保険事務局長に対し届け出た保険医療機関では、3歳未満のすべてのお子さんには感染症免疫学的検査料1500円+検体検査判断料1440円、計2940円が算定できないため、外来でのRS迅速診断は現実的ではないと考えても良さそうですね。
 RSウイルス感染症で重症化を来たし、入院目的で病院紹介の際に、入院時検査としてRSを検査するのが適当であると考えます。(・・・・・RSウイルス感染症が全て重症化するわけではありませんが、結果として、重症の肺炎で入院患者からRSウイルスが陽性になります。・・・・・)

 RSウイルス感染症の重症化を防ぐ有効な手段であるシナジス投与ですが、保険適応となる対象が決まっています。

シナジス(抗ウイルス剤 アボットジャパン株)
保険薬価50mg 7万6819円 100mg 15万2072円
 RSウイルス感染流行初期において、
1).在胎期間28週以下の早産で、12カ月齢以下の新生児及び乳児、
2).在胎期間29週~35週の早産で、6カ月齢以下の新生児及び乳児、
3).過去6カ月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けた24カ月齢以下の新生児、乳児及び幼児、
4).24カ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児、乳児及び幼児。
に対する投与が保険適応となる。
 体重1kgあたり15mgをRSウイルス流行期を通して月1回筋肉内に15mg/kg投与する。・・・・・10kgで150mg=22万8891円の薬価となります。

 保険適応とならない場合は、経済的に投与がほぼ不可能となります。保険適応、価格等さまざまな課題があります。

プロフィール
医療法人泉会
穂高ハートクリニック
診療科目:内科、外科、小児科
診察内容:
心臓血管病、ワーファリンケア、
生活習慣病、メタボリックシンドローム
(高血圧,高脂血症,糖尿病,高尿酸血症)
特定検診
予防接種

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