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オザレポ

17/04/25

いつも応援ありがとうございます。
久しぶりに『オザレポ』の時間がやって参りました。
久しぶりすぎて、忘れてる方や知らない方も多いと思いますので最初に伝えておきますが、無駄に暑苦しく、無駄に長いのでお時間のある方のみ、お付き合いくださいね。笑


さて、クラブのルーツである喫茶山雅がみどり町にオープンし、約2ヶ月が経過しました。

既にご来店頂いた皆様、ありがとうございます。
沢山の方から要望を頂いていたクラブのルーツである喫茶店の「復活」。
クラブ創立50周年を迎えた時に構想が始まったこのプロジェクトですが昨年、クラブのスローガン「One Sou1 新・起動」のコンセプトの元、何か新しい事を始めようという中で、社内の3人で手を上げたのがこのプロジェクトの始まりでした。


さぁ、喫茶店を始めよう。
そう思った時に皆さんだったら何から手をつけますか?


資金はどうするのか。
場所はどこにするのか。
何を提供するのか。
誰が働くのか。

暗中模索。

考えなければいけないことがあり過ぎて何から動き出せばいいのかすらわからない状況で、3人で物件を探しながら松本の市街地を歩いている時、これは大変な事を言い出してしまったもんだ、とおぼろげながら感じていたのを覚えています。

「何にこだわるのか」

このプロジェクトを進めるにあたってまずはそこを決めてからスタートラインに立つべきだと思いました。
そして、考えた末に私達がこだわったのは「理由」でした。


「何のために」


「理由」があるから人は動く。
シンプルな答えだけどこれは今までの自分の人生の中でも、壁にぶつかっては立ち止まりずっと考え抜いてきたことで気づいた一番大切なもの。

人間って不思議なもので、同じように飯を食って、同じように動いて、同じように寝て、同じようにチャレンジをしても、同じ結果にはならないんですよね。

何のために。
その理由に確信を持っている人間は強い。

試合で松本山雅の選手達があれだけ身を粉にしてプレー出来る理由。
先日の熊本の選手達にも同じことが言えるかもしれません。

自分自身の成功のためにプレーをする。
それも大切な事だと思います。

でも、苦しい時のあと一歩。
それを出させてくれるのが応援であり、支えてくれる人たちの想いの強さなのだと思っています。

自分以外の誰かの為に。
そう思えた瞬間から人は自分の限界以上の力をだせるようになれるのだと。


店舗運営がそれと全く同じとは思いませんが、喫茶山雅は「何のために」存在するのか。
私たちは利己の追及だけではないその「存在意義」を考える事から始めました。

改めて整理して考えてみると3つのキーワードが浮かびました。


・コミュニティースペースの創出。
・松本山雅の活動の輪を拡げること。
・地域活性化。


【コミュニティースペースの創出】
今までは、2週間に1回のアルウィン、そして練習場や事務所、恒常的に集まれる場所をクラブとして提供する事ができませんでした。

歴史を紡いでいくのは文字や映像かもしれません。
でも、本当の感動やその時々の感情は、人から人に伝えられていくものだと思います。

アルウィンの雰囲気は試合を見た人にしかわからないかもしれない。
そして、過去の歴史はその場にいた人にしかわからないかもしれない。

まだ人もまばらだった頃のアルウィンや、


松本で開催された地域決勝大会で1万人の前で決めたJFL昇格や、



宮崎での様々な想いのこもった涙のJ2昇格や、



福岡での雨の中の歓喜のJ1昇格の瞬間。




その時々の感動や感情はなかなか伝わるものではないかもしれません。

でも、ここに来れば誰とでも山雅の話が出来る。
そんなコミュニティースペースを創出していく事で文字や映像で紡がれていく歴史に、人から人へ言葉として伝わる事で感情や感動という色づけがされる。
今までの、そして、これからの松本山雅の活動を未来へ文化として繋いでいくことが出来る。

少し大げさかもしれませんが、クラブやこの地域のスポーツ文化の歴史を創っていく上で必要な、永続的に続いていくコミュニティースペースになれる可能性がこの『喫茶山雅』にはあると信じています。



【松本山雅の活動の輪を拡げる】
次に考えたのは活動の輪を拡げていく為のピースになれるのではないかという事。
2015年、クラブ史上最高益を達成し、沢山の方のご協力のお蔭で地方都市の市民クラブとしては異例といってもおかしくないような数字を叩きだす事が出来ました。


でも、それでもJ1の平均には遠く及ばなかったんですよね。
それが現状であり、現実です。

この現実を受け止め、更に進化していく為の具体的なアクションの1つ。
フットボール事業以外で収益構造を作る事。
サポーターの皆さんが飲食をしてくれる事が直接的なクラブの支援になるのですから、それがこの活動の1つの理由であることは否定はしません。


でも、一番大切なのは、松本山雅の活動理念に賛同し、共に活動してくれる方の輪を拡げる事だと思っています。
今回、全く新しい事業を始める事で、今まで知り合えなかった新しい輪を創る事が出来ました。
それは施工業者であったり、取引業者であったり、町会の方達であったり、働いてくれているスタッフだったり、クラブのOBの方々や、もちろん来店頂けるお客様だったりと、スタジアムでサッカーをやっているだけではなかったであろう新たな出会いが本当に沢山ありました。
そんな出会いが回り回って、またこの活動に共に取り組んで頂ける人の輪が広がっていくのであれば、これほど今回のアクションにとって有意義な事はないと思っています。



【地域活性化】
そして、最後にこの地域活性化への寄与について考えました。
単純に考えて、利己の追及であったり、クラブのPRの事を考えれば恒常的に人が集まる場所にお店を構えるべきですよね。

それはもともとの店舗があった駅前だったり、車が行きかう広い駐車場がある街道沿いの店舗だったり、例えば練習場やスタジアムの近くの方がいいのかもしれません。

でも、あえて『みどり町』に店舗を構えました。
勿論、松本城を中心としたこの地域の由緒ある街並みに惹かれたという事と、物件を探す中で出会った縁もあります。

でも、これは山雅を支援してくださるサポーターの膨大なエネルギーを地域活性化へ繋げていくという新たなチャレンジだと捉えています。

中心市街地の更なる活性化。
『喫茶山雅』というツールを生み出す事によって、この地域やこの街全体に更なる活気が生まれる。

松本山雅の活動がそんな一助になれば、地域貢献を活動の根本に掲げるクラブとしてこれほど有意義な活動はないですよね。

今回、喫茶山雅ではあえて駐車場をつくりませんでした。
以前駐車場だったスペースをオープンテラスのような形にして、これから暖かくなってきたら自由に活用できるような場所にしたいと考えています。

駐車場があればな…というお声も沢山頂いていますが、皆さん、どうでしょうか。
もし目の前に駐車場があったら、喫茶山雅に来店し、ここで食事だけしてきっとそのまま帰ってしまうでしょう。
でも、沢山ある周辺の駐車場に止めてお店まで歩いて来れば、例えば今の時期であれば松本城の散りゆく桜を楽しんだり、縄手通りや中町通り、上土商店街など、この素晴らしい趣のある街並みを散策するキッカケになれるかもしれません。
目的地に向かって歩くだけでは、ましてや、車で通り過ぎるだけでは、絶対に気づくことの出来ない魅力がこの街には在ると、今回改めて感じています。

人が集まって生まれるエネルギーって、本当に何にも代えがたい力ですよね。
私たちの強みであるそのエネルギーを活かして、利己の追及だけではなく、地域と共に成長していけるクラブで在り続けたいと思っています。





少し長くなってしまいましたが、喫茶山雅を「何のために」創るのか。
お店のコンセプトにも繋がるこの想いを少しでも皆さんと共有出来たのであれば嬉しいです。

今回、改めてクラブの活動理念とういうものが、いかに大切なものかという事を再認識しました。
誰のために、そして何のために活動しているのか。

立ち返る場所がある。
これは本当に大きな事です。


喫茶山雅。
場所の選定から始まりコンセプトの策定、町会とのコンタクト、そして店舗の設計。
何から何まで手作りでここまで進めてきて、ようやくオープンにこぎつける事が出来ました。

正直に言います。
私たち素人が作った喫茶店です。


これからも様々な問題、様々な困難にぶつかるでしょう。
でも、そんな状況をチャンスと捉え、常に変化、そして進化し続けたい。
これまでの松本山雅がそうだったように。

次の50年に向けた小さくも大きな一歩。
そんな店舗、そんな事業にしていければと思っています。



「この前の試合は良かったね」
「いやいや、あんな試合をやっているようじゃまだまだ」

週末の試合について語りあう人たち。
店内には山雅の事を語る声があちこちから聞こえてくる。

傍らには挽きたての珈琲。
豆を挽く香りと共にこれからの山雅や街づくりについて語る人達の物語が店内に広がっていく。

オープンテラスでは春はポカポカ陽気に誘われ、夏は太陽に焦がれ、そして秋は夕日に黄昏れる。

そしてシーズンが終われば、寒い冬を来年はどんなシーズンになるかを楽しみに一年を振り返りながら、じっと待つ。

親子連れや、おじいちゃん、おばあちゃん。
友人や恋人、仕事の同僚や家族。

スタジアムで見られるいつもの風景。
そんな光景がこの喫茶山雅でも見られるようになるといいなと思います。


これからどんな人達に出会えるのか。
そして、その出会いや新たなチャレンジが松本山雅の活動をどんな風に成長させていくのか。


私達はただ、集まれる箱を創ったにすぎません。
ここからこの場所をどういう場所にしていくのか。

それはここに集まる皆さんで創り上げていくもの。
ここからどんな物語が始まっていくのか。

考えただけでワクワクしますね。

トップチームの結果と日々の売上に一喜一憂する毎日ですが、選手達が必死に日々闘っているのと同様、目の前の課題に仲間と共に真摯に取り組み、この新しいチャレンジにトライし続けたいと思います。

というわけで、毎度長くなってしまい申し訳ありません。。
懲りずにまた書きますのでお時間ある方はまたお付き合い頂ければ幸いです。

話が聞き足りないという方は是非、喫茶山雅へ。笑
皆様のご来店、お待ちしております♪



ではまた。

喫茶山雅 チーフ
小澤 修一

PROFILE

松本山雅フットボールクラブMATSUMOTO YAMAGA Football Club

スタッフブログです。
よろしくお願いします。

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