カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 1月20日の新聞の訃報欄に掲載された小さな記事。
「音楽写真家木之下晃氏 享年78歳」
 クラシック音楽好きなら、もし木之下さんのお名前を知らなくても、木之下さんの撮影した音楽家のモノクロの写真は必ず目にした筈。
“音楽写真家”と自ら称した、クラシック音楽写真の第一人者であり、カラヤン、バーンスタインを始め、世界中の著名音楽家に愛され親交を結んだ写真家でした。その写真は、単なるポートレイトではなく、スタジオ撮影なのか演奏中の写真かどうか分りませんが、例えば両手を伸ばして目を閉じて瞑想するカラヤンなど、その陰影深いモノクロ写真からまるで音楽が流れて来るような気さえしました(さしずめ、この時に聴こえてきたのはシベリウスだったのでしょうか?)。他にも、オザワ、クライバー、ミケランジェリ、アルゲリッチ・・・。

 そう云えば、学生時代初めて買ったモジュラーステレオ。切り詰めては、LPレコードを買っていた時に、12月にレコードを買うと、レコード店が“おまけ”でくれたドイツグラモフォンのカレンダー。京都では新京極の三条入口にあった「十字屋」、松本では今は無き伊勢町「ディスク中川」。
モノクロで指揮者などの著名音楽家が大きく映り、白抜きの月替わりのカレンダーが下に印刷されていました。名曲喫茶の店内などに良く掛けられていて、クラシック音楽ファン垂涎のカレンダーだった筈で、独身時代は自分の部屋にも飾っていました。飾ると、何だか“いっちょ前”のクラシックファン(今風に云えばオタク)になったような気がしたものです。

 もしかしたら記憶が間違っているかもしれませんが、そこに使われていた写真も木之下さんの撮影された写真ではなかったでしょうか。
因みに、面識は全くありませんが、諏訪ご出身だったという木之下さん。慎んでご冥福をお祈りいたします-合掌。

 年末の大掃除の際に、二階のファミリーコーナーの本棚整理のご命令。
上田への車通勤前の諏訪への15年間の電車通勤の際に、車内で読むために買った文庫本が所狭し(一段に三列)と置かれていて、その重さで撓(たわ)んでいるほど・・・。推理小説、時代小説、歴史小説、ビジネス小説、エッセイ、新書と乱読に近いあらゆるジャンルです。整理し始めたものの、「ダメだ、こりゃ!」。

 そこで、不要な本をまとめて捨てることにしました。
犠牲になったのは、内田康夫の「浅見光彦シリーズ」。これまで、文庫本になった作品は殆ど購入して読んで来ました。
このシリーズの良い点は、深刻にならずにサラッと読めるところ(偉大なるマンネリの、最後に「印籠」が登場する水戸黄門と同じ安心感)。欠点は、元々本格推理小説ではないので殆ど記憶に残らず、同じ本を何冊も買ってしまう点・・・(決して貶している訳ではなく、言い換えれば、読み返しても常に新鮮・・・とも云えます。実際読む本が無い時には読み返しました)。
しかし、さすがにここ3年くらい前から、内容が更にマンネリ化して(飽くまで私個人の感想ですが)遂に我慢できなくなり、購入するのをやめてしまいました。
従って、余り惜しい気もせず(残念ながら愛着も無く)、全部本棚から出してみたら100冊程になりました(勿論、情けないことに、同じ題名の本も10冊近く含まれていました)。
「えっ、こんなに買ったんだ・・・」
昔シンガポールから帰任した時に、引っ越し荷物の中にあって整理に困った、赴任中に現地の紀ノ国屋書店で買って溜まってしまった文庫本を、市の図書館に寄贈しようとしたら、(ハードカバーならともかく)文庫本は有難迷惑な様子でしたので(そうかと言って資源ゴミに出すのも憚られ)、結局今回は中古本屋さんに持ち込むことにしました。
ついでに、高田郁著「みをつくし料理帖」シリーズの発刊が空いた時に、代わりに買って後悔した「料理人時季蔵捕物控」シリーズ第一巻も一緒に(料理も推理もあまりに中途半端!謎解きなど、落丁かと思った程の飛躍と、料理の描写も、文章からは味も匂いも彩も何も浮かばず)。
結果、〆て1300円也。但し、持ち込んだ内10数冊は値段が付かないとのこと。
「持ち帰られますか?」との問いに、「スイマセン、処分してください・・・」
(そのお小遣いは、お陰さまで、待っている間に探したクラシックの中古CDに化けてくれました)
多分、子供に人気のコミックの方が遥かに下取り価値はあるのでしょう。しかし、それを期待して買ったのでもなく、お陰で本棚がスッキリしました。

 前話に続き、Sonyのレンズスタイルカメラ QX10の話題です。
そこで、QX10で撮影した写真を幾つか掲載してみます(実際にズボンのポケットに入れて外出して撮影)。なお、このブログ用にはスマホ側に2Mで圧縮保存された画像をメール転送し利用しています。ファイルへの保存や写真印刷する場合などは、本体に保存された(別売りのMicro SDカード要装着)元の1820万画素のデータをPCに取り込んで使います。

 先ず、「時香忘」の看板のズーム写真(せいぜい5倍程度)。続いて、QX10をスマホから分離してスマホで画像を確認しての撮影。初詣の四柱神社では手を伸ばして頭上から、またナナの写真はカメラを意識させず下からの撮影。
一脚や三脚にカメラ本体を装着可能なので、もっと高い所や自分撮りも手許で画像を見ながらの撮影も可能ですし、撮影場所の通信環境にも因るそうですが、Wi-Fiでカメラ本体から最大10m離れても手許のスマホで遠隔操作可能とのこと(本体の底が平らになっているので、台の上に置いても安定します)。
 そこで、我が家のリビングでカメラ本体から5m程離れて撮影してみました(ズームした上で、手に持っているスマホ側のシャッターで撮影したものです。離れると動画の転送に多少タイムラグが発生しますので、動体撮影は厳しいかもしれませんが、集合写真や自分撮りには問題無し)。
 以上、なかなかの優れモノで、従来のカメラにはなかった自由なアングルでの色々な工夫(撮影方法)が出来そうです。
ただ、使ってみて少し気になったのは、QX10はベースモデル故、10倍の光学ズームに手動は無く、ボタン操作ですが、そのボタンが(可動域が)小さ過ぎて微妙な調整がしづらいことでしょうか。また、すぐ横にカメラ本体のシャッターがあり、気を付けないとズーム操作の最中に誤ってシャッターを押してしまいます。
また、スマホへの装着とアプリ立ち上げに多少時間が掛かるので、電源OFFからの瞬時のシャッターチャンスへの対応は難しそうです(但し、画像確認無しであれば、QX10本体での撮影は他のカメラ同様電源入力後即可能です)。ま、その時はスマホのカメラで撮影すれば良し・・・。また、NFC( Near Field communication:近距離無線通信)搭載のスマホなら、カメラとスマホのNFCマークを合わせるだけで、本体電源OFFの状態からでも時間半減で立ち上げ可能です。
なお、QX10本体には、プレゼントキャンペーン期間中でもらえたシリコン製のカバー(グレー部分。本体の黒に合わせて)を付けてあります(更に、旅行用などに、オプションのソフトキャリングケースも購入済み)。
些か武骨に見えますが、カメラ本体が独立しているので、落下防止やぶつけた時のために装着しておいた方が良さそうですし、旅行の時は、更にキャリングケースに入れてバッグで持ち運んだ方が良いでしょう。

 ちょっとした外出なら、かさ張る一眼レフではなく、スマホとこのQX10をポケットに入れて持って行けば、デジカメ同様に写真撮影を楽しむことが出来るようになりました。
但し、何故か我が家の女性陣の評価は必ずしも高くありません。奥さま曰く、「“鬼太郎のお父さん”みたい」(要するに“目玉おやじ”)だそうな・・・。
・・・が、しかし、
「イイじゃないですか、大人のオモチャで!」
【追記】
その後、私メの懸命なPRでその便利さに漸く気が付いたのか、奥さまも、
「私も、アプリをインストールしておこうかな?」とのお言葉。
「そうでしょう、そうでしょうとも・・・」
・・・ということで、次回の娘との旅行に持って行かれるそうです。
【追記その2】
パナソニックのLumix DSC-CM1(第932話参照)が、台数限定で3月に日本国内でも販売されると、1月21日付けの新聞で報道されていました。
但し、2千台限定(SIMフリーなので、どうやら同一モデル)で実売価格は12万円(しかも税別)とのこと。MOSセンサーが1.0(QX10は1/2.3)サイズというミラーレス一眼並みで、4倍光学ズーム搭載の2010万画素とのこと。ただ、いくら欧州先行投入では必要だったであろうライカレンズ搭載とはいえ、税率差を考えてもチト高過ぎ。
当方はもう関係無いからどうでもイイんですが、今後もシリーズ化するなら、レンズとかのスペックを下げて、スマホに近い価格帯に近付けないと、デジカメ買い替え需要だけでの拡販は厳しいんじゃないでしょうか?。通信機能だけなら、既に液晶モニターを搭載しているコンデジでも可能な機種も登場してますので・・・。
以上、自分のスマホ+QX10購入を正当化したいだけ・・・?
でも、Sonyの提案する“レンズスタイルカメラ”というジャンルの方が、アクセサリー拡充も(且つヒットすれば、他社の追従も)含めて、今後の発展可能性が高いような気がしますが、果たして・・・?

 前話のスマホ購入に合わせて、もう一つ。
“レンズスタイルカメラ”として話題となった、スマホと同じくSony のCyber-shot DSC-QX10も併せて購入しました(・・・と言うより、これが目的でスマホにした・・・と言った方がむしろ正解でしょうか)。
これは、見た目はただの(マウント用)“交換レンズ”にしか見えませんが、“レンズの形をしたデジカメ”で、撮影時にスマホに装着し、Wi-Fi/NFC接続をして(アプリの立ち上がりまでに多少時間が掛かりますが)スマホ画面で(デジカメのモニター画面同様にタッチパネルで)操作をするカメラです(シャッターは、スマホのパネル上とエッジの上部ボタン、そしてカメラ本体と3ヶ所使用可能)。
QX10はシリーズのベースモデルですが、上位機種よりもスペックは劣っても一番小さく薄いので(本体僅か90g)、男性であればズボンのポケットに入れての持ち運びも出来ますし、そのスペックも十分な1820万画素で10倍の光学ズームと手振れ補正も備えていて、機能は全くのデジカメ(カメラ本体に装着する別売りメモリーカードとは別に、スマホ上にも画素数を落として転送・保存され、そのままメールやネット送信が可能)。久々の“Sonyらしい商品”として注目されました。

 発売直後は品切れ状態だったのが1年以上も経ち、店頭価格も1割ほど下がって(22000円前後)来ましたので、一眼レフとは別に、持ち運びの楽な“コンデジ”(コンパクト・デジタルカメラ)代わりとして、我が家の古くなったコンデジの買い替えのつもりで自分のポケットマネーで購入しました(写真は家電量販店の展示サンプル)。当初は、白を(スマホも同色で)購入しようと思っていたのですが、任せた奥さまが実物を見て「白はオモチャみたいだったから」と黒に(スマホも)決定された由。
QX10は、カメラ側(本体)にアタッチメントが付いているので、他の、例えば奥さまのスマホにも装着可能(アプリさえインストールしておけば、家族のスマホ間での使い回しも可能です)。また、レンズと画面が別なので、スマホで撮影画面を確認しながら、レンズ(カメラ本体)を離して(例えば地面すれすれにカメラを置いて、或いはセルフタイマーを使わずに自分たちに向けて)といった、これまでのカメラには無い撮影も可能です。QX10は、ベースモデル故、確かに些か(奥さまの感想も)「オモチャっぽい」感も無くはありませんが、むしろそのコンパクトさが売りでしょう。
ただ残念だったのは、一眼レフのレンンズ交換の様に使えるExperia Zシリーズ本体へのアタッチメントケースが不人気らしく、最新モデルのZ3 用は発売されていないこと(確認したら、今後の発売予定も無いとのこと)。
 1台に全てが収まったLumix(前話参照)に比べ、2台で一つとはいえ、現状ではベストチョイスかな・・・と思っています(もしスマホを一括支払いだったら、二つ足すと、値段も結局10万近くになりますが・・・。ん?まぁイイかぁ)。 

 ブログ掲載用の写真撮影に便利だったので、当時、唯一の光学ズームと手振れ補正付きデジカメ搭載だったLumix携帯(いわゆるガラケー)を3年近く使ってきました。
各社携帯電話事業が国内販売のみ(ガラパゴス化)で赤字化して撤退が相次ぎ(“らくらくホン”中心に特化して見事生き残った富士通のようなケースもありますが)、同じような機能を持つスマホがなかなか登場して来ないため、家族に呆れられながらも、そのまま3年間使い続けてきました。
写真が撮れて、メールと電話さえ(それとおサイフケータイも)出来れば、周囲がスマホ一色になっても、別に音楽をダウンロードもしないし、ネットが見られなくても個人的は然程困りませんでした。
昨年末、パナソニックがLumixブランドの(飽くまで)“スマホが付いたデジカメ”(DSC-CM1)を欧州市場に投入して結構注目されているようなのですが、日本より消費税(VAT :Value-Added Tax付加価値税)が遥かに高いとはいえかなりの高価格(日本円換算12万円超)で、しかも今のところ国内発売のアナウンスがされていません(仮に発売される場合、消費税との差をふまえても、日本市場でも10万円を超える価格帯が想定されます。なお、今回のラスベガスでのCESで米国市場投入が発表された由)。
 個人的には今の機種が気に入っていたのですが、家族間でのメール交信もLine中心で、私のみが娘に携帯メールを送っても気付かずに見てももらえない状態が続きました。一人蚊帳の外なので(どうせ母娘の会話に加わっても“ウザイ!”と言われるのがオチですが)、ここで止むを得ず“ガラケー”を卒業してスマホに買い替えることにしました。ただ、スマホのデジカメ機能も進歩したとはいえ、その厚みから画素数を落としてのデジタルズームで、光学ズーム機能が付いたスマホは皆無です。
一応、現行モデルの中では、デジカメ機能が一番優れた(と思われる)Sony のExperia Z3 のCompact(幾ら大画面でも、胸ポケットに入らないサイズでは不便なので)をチョイス。家内のスマホに比べると、一回り小さな4.6インチサイズの画面ですが、防水・防塵、ハイレゾ再生(聴きませんが)で、厚さ僅か6.5mmの129g。カメラは、手振れ補正付(但し、この薄さなので光学ズームではなくデジタルズーム)の2070万画素というちょっとしたコンデジ並み。当初のスマホはせいぜい800万画素くらいだった筈ですが、イヤハヤ凄いですね。

 Lineでも、娘たちから無視されずに返信がありました(あぁ、良かった・・)。
ただ、家内からは「宝の持ち腐れ」と揶揄されておりますが・・・。

 娘たちが帰省して来た、年末の28日。
長女が、「奈良井宿のアクセサリー屋さんに行きたい」とのご希望。そこで、木曽路ドライブのついでに、開田高原へ行く途中にある「時香忘」まで足を延ばすことにしました。
幸い、心配した雪(南信にある木曽谷は、関ヶ原同様に風の通り道で吹き溜まるのか、同じ南部の伊那谷と比べても意外と雪が積もります)も道路には無く、11時少し前に到着すると、駐車場には僅か数台。年末とは言え、行列が無くすぐに座れたのは初めて。ここにも御嶽噴火の影響が出ているのかもしれません。

 早めに到着したので家内が期待していた数量限定の二色蕎麦(白い更科と黒っぽい田舎?の生地を張り合わせての手切り)の「夜明け蕎麦」でしたが、この日は残念ながら提供が無かったそうで、奥さまはがっかり。
三人はいつものオヤマボクチをつなぎに使うもり蕎麦を大盛りで。二人が冬らしく汁そばの鴨南ばん(1800円)を注文。但し、鴨南ばんは30分位掛かるとのこと(用意出来たところで、全部一緒に出してもらいました)。
供されて分ったのは、驚く程の柔らかさだというネギ。最初に少し焼いてから、弱火でコトコト、とろける程になるまで30分煮込むのだとか。味見をさせていただくと、松本一本ネギのような甘みもあり絶品でした。ただ、掛けつゆは少し薄目で、粗挽き故にせよ、温蕎麦がボツボツと全て短く切れていたのには些かガッカリ。奥さま的には、義弟の「そば丸周」の鴨南ばんの方が、もっと鴨(拘りの仏産だとか)の出汁が効いていて、こちらよりも値段も安く(1300円)お薦めだそうです。一方、飯山の富倉そば同様にオヤマボクチをつなぎに使う粗挽き蕎麦は、相変わらずのモッチリした食感。最後にドロドロに溶いたそば湯もいただいて、彼らも久し振りの「時香忘」に満足したようです。
 帰路に立ち寄った奈良井宿。お目当てのアクセサリーの店「ギャラリー パウザ・ディ・クローマ」(イタリア語?で8分休符)は残念ながらお休み(元々不定休のお店です)。また他も、年末のためか、或いはここも御嶽の影響なのか、閉めている店舗が多かったのは些か心配です。木曽路で一番風情ある(と個人的に思っている)奈良井宿も、観光客が少なく閑散としていました。

 明けて正月4日。お参りに行った上田塩田平の生島足島神社からの帰路。昼時間をとうに過ぎていたのですが、神社周辺にはあまりお薦めの店がないので、鹿教湯手前にある「十割そば 奈賀井」へ寄ってみることにしました。
今まで気にはなっていたものの入ったことは無かったのですが(昼前後に外出の折は、一人だとどうしても「ラーメン!」で、すぐ近くの「あすか」へ)、毎日通勤で通る松本と上田を結ぶ国道254号線沿いにポツンとある、古民家風のお蕎麦屋さんです。道沿いの一枚板(?)の大きな看板が目印。
旧北国街道の古い町並みが残る、上田市柳町に本店を構える有名店で店主が修業されたのか、昔はその「おお西流」と表示されていましたが、独り立ちした結果か、いつしか看板からその名は消えています。
 着いたのが2時近くだったためか、長い一枚板のテーブルの椅子席と畳の席もある割と広い民芸風の店内には家族連れが一組だけ。昼時間も過ぎていたので、掛けつゆが終わってしまい汁蕎麦は出来ないとのこと。
メニューの盛り蕎麦には、「おお西」同様の発芽玄蕎麦もあり、また更科に炭を練りこんだ蕎麦などの変わり蕎麦もある中で、家内は田舎と挽きぐるみ、更科の三色そば(1365円)、私は田舎の大盛り(840円+420円:税込価格でしたので、どうやら消費税アップ分は転嫁されていないようで、アッパレです)。こちらは全て石臼挽きでの信州産の十割蕎麦とのことですが、他店と比べて驚く程の安さです(知る限りでは、長野市善光寺の「大善」に次ぐ安さで、これまたアッパレ!)。
ソバツユも江戸前風に辛くもなく、信州風にじゃぶじゃぶと浸ける程甘くもなく、程良い塩梅。蕎麦は十分な腰と香りもあり、コスパも含め満足。唯一惜しむらくは、量たっぷりのそば湯は、最初からではなく食べ終わる頃を見計らって出していただきたかったことでしょうか。
 家内が一口試させてくれた挽きぐるみが、蕎麦の甘味が感じられて一番の好みでしたので、次に来た時は挽きぐるみそばを大盛りで食してみたいと思いました。
 【追記】
手洗いを拝借した際、途中の作業小屋のような所に、古い脱穀機などの農機具や、整備された十数台もの古い発動機が置かれていました。どうやら、「信州手打蕎道」(きょうどう)と看板に掲げる蕎麦同様に、かなり拘りのご主人とお見受けしました。

 愛読のビッグコミックオリジナル連載の「どうらく息子」のコミックス最新刊第11巻が、暮れも押し迫った12月26日発売されました(半年毎の発刊)。
 前回の第10巻は、ショッピングモール内にある大手DVDレンタルチェーンに併設の本屋さんは(子供たちが読むような人気コミックではないので)発注が無く取り寄せということでしたので、そこで買おうと思っていた文庫本と一緒に(送料無料にするため)ネットで購入しました。
今回は未読の文庫本が手許にあるので、(送料無料の)千円以上にするために一緒に購入すべき本がありません。そうかと言って、送料を払うのもバカバカしい(この辺が、ネット通販のネックですね)。
今回、自宅の近くの食品スーパーの対面にある“街の本屋さん”に何気なく入って、何か面白そうな文庫本があるかどうか見ていたところ、隣のコミックの棚に見覚えがある緑赤黒(注記)の背表紙が・・・。
「えっ、こんな所(失礼ながら)でちゃんと売ってるんだ・・・!」
大手書店では入荷が無く取り寄せだったのが、小さな街の本屋さんには1冊ずつでしたが、ちゃんと全巻揃っていました。
そこで、店のご主人にお伺いすると、発売当日に確保しておいていただけるとのこと。この本屋さんなら家から車で2分足らずで、毎日の通勤路の近くです。
「やっぱ、(在るべきは)街の本屋さんだよなぁ!」
前回(第880話)は、「買いたくても置いてないからネット購入しがちとなり、結果として“街の本屋”が次々に消えていく悪循環」と書きましたが、小さな“街の本屋”さんでも、ちゃんと「ある」ところには「あり」ました。
「いやぁ、お見それしました!」

 大手家電量販に押されて消えかかっていた“町の電気屋さん”が、老人世帯の電球(蛍光灯?)交換などで重宝がられ、また復活していると数年前に話題になりました。街の小さなお店が生き残る術は、大手のコスト至上主義の中で取りこぼされる、こうした街の小さなニーズ(本屋で言えばたった一冊)の積み重ね(或いは掘りおこし)。謂わば「街の御用聞き」(“三河屋さんのサブちゃん”機能)ではないでしょか。
「どうらく息子」がこれから何十巻と続くか分りませんが、少なくとも「どうらく息子」のコミックはネットで頼まず、今後もずっとここで買うことになりましたから・・・。
【注記】
古典芸能の舞台の緞帳などでお馴染みです。歌舞伎での引幕(定式幕)の緑、柿(橙色)、黒の三色が本来で、元々は江戸時代の歌舞伎一座のシンボルカラーが由来とか。
この三色は、巷では永谷園のTV-CMや「歌舞伎揚げ」のパッケージ・デザインなどでも見かけます。

 昨年は忌中で年賀欠礼だったため、二年振りとなる我が家のお正月。
娘たちも帰省して来ての、一家揃ってのお正月を楽しみにしていたのですが、次女は空港勤務のため、年末年始など皆さんが海外旅行に出かける連休などは、逆に超繁忙期で出勤せざるを得ないと理解はしていたものの、年始は連続休務となる日が無く、年末の27日と28日のみとのこと。
今年は、年始よりも年末休暇の方が長い設定となり、大掃除担当としては「今年は余裕だなぁ・・・!」と喜んでいたのですが、奥さまの「どうせだったら、皆が揃った方がイイから」というご希望により、次女の休みに合わせて長女夫婦も一緒に27・28日両日に帰省して来ることになりました。
娘たちからは、
「クリスマス休暇の間に大掃除を済ませて、キレイにしておいてね~♪」
という有難いリクエスト・・・。ブツブツ言う私メに、
「イイじゃない、どうせやるんだから早めに終わらせておけば!」
そのため、“師走の都大路”を除き、大掃除に明け暮れたクリスマス連休となりました。2年前に買ったT字型の窓ふき道具(アルミのポールが最大5m伸びます)で、それまで届かなかった高い窓も拭けるようになりました(第702話参照)が、今年はそれに小型の箒(ほうき)を縛り付けて、1階の吹き抜けの高い部分のすす払いもすることが出来ました。最後に床拭きもして、見違えるようにキレイになり、娘たちを迎える準備が整いました。疲労感と同時に達成感も・・・ヤレヤレ。

 お陰さまで27日に一家勢揃いして、久し振りに「食蔵バサラ」で食事会。翌日は「奈良井宿のアクセサリー屋さんに行きたい」という長女のリクエストで木曽路へドライブ。その夜は、自宅で何のお祝いか分らぬお祝い(Xmasの飾りもそのままにしておいたのですが、鰤も用意したので早めの“お年取り”でしょうか)をして、29日の早朝に皆また東京へ戻って行きました。
例年、年始の娘たちの帰省に合わせて妹一家も呼んでの新年会も、姪が年末に嫁いだため、今年は嫁ぎ先での正月行事もあるだろうことから、時期をずらして小正月にすることとしたため、誰も来ない年末年始となりました。
そのため、大晦日には久し振りに除夜の鐘を聞き、三が日はノンビリと駅伝三昧(今年の箱根は佐久長聖出身選手の出場がめっきり減ったので、OBの多い実業団のニューイヤー駅伝の方がむしろ興味深い)と、時間が無くてじっくり聴けなかったクラシックプレミアムと、「チャンネル権は我にあり!」でこれまた久し振りの「ニューイヤーオペラコンサート」で音楽三昧。それと、その後に続いて放送された番組。現地取材をして、ウィーンのカフェのザッハートルテなど。看板スイーツ(王室御用達のデメルなんて聞いたこともなかったのに、奥さまはご存じでした。さすが別腹!)を、その誕生物語と共に紹介していた「グレーテルのかまど」の特別版が良かったですね。シュトラウス一家の子孫の方も登場され、さすがはウィーン(ザルツブルクとか
、行ってみたいですね)。
しかし、バラエティーばかりでホント見る番組がありませんね、地上波は。却って、BSの方が民放含め良質な番組が多いように思います。
ノンビリ、静かな?年末年始休暇と相成りました・・・。

 また、久し振りに正月元旦での松本四柱神社への初詣。
この日は残念ながら初日の出も拝めず、雪がチラつく生憎の天気でしたが、境内から縄手通りまで参拝の列が出来ていました。
また、三が日は混むとのことから、正月休み最終日の4日に上田塩田平の生島足島神社へもお参りに行って来ました。
この地は古代小県の郡(ちいさがたのこうり)と呼ばれ、古くからヤマト政権の出先が置かれた地でもあり、生島足島神社も信濃の国屈指の古社と云われ、本殿には床板が無く大地(内殿の土間)そのものがご神体とされる、古代様式を残す神社です。
元旦などは参拝の車で周辺道路は大渋滞と聞いていたので、それを避けてのこの日だったのですが、それでも駐車場は満車。漸く停めて境内に入ると、50m以上続く参拝の列。大したモノです。
今回の参拝では、昨年までずっとお願いしてきた次女の就職成就のお礼と、また別のお願いも併せてさせていただきました。

 併せて、「どうか良い年になりますように・・・」

 12月21日に行われた、師走の都大路を駆ける全国高校駅伝大会。
長野県代表は、県立長野東と佐久長聖(今年の男子は記念大会だったので、北信越の地区代表で東海大三も出場)。男女とも連続出場を続けており、この大会でもお馴染みの校名になりました。午前中に女子(距離はハーフ)、午後が男子のレース。11月に京都に行った時に、御所周辺や丸太町なども歩いたので、TV画面に映るコースにも今年は親近感があります。

 戦前の予想で甚だ疑問なのは、男子だと最速2時間5分台を筆頭とする地区予選の記録で比較するのは、アップダウンなどのコースや気候条件などが全く異なるので、あまり意味がないのではないでしょうか。むしろ、各校の持ちタイムという意味で、トラックでの記録比較(例えば3000mや5000mなど)ならまだ理解出来ます。

 午前中の女子は、予選トップタイムの常盤(群馬)が案の定脱落し、下馬評はあまり高くなかった伝統校の立命館宇治が序盤トップを走りましたが、大阪薫英が見事逆転しての初優勝。入賞が期待された長野東は、1区でのエースの出遅れを後続が徐々に挽回しての9位。入賞こそ逃しましたが、今年も公立トップと意地を見せました。中学駅伝では長野市の川中島中が全国2位だったので、恐らく有力選手が長野東に進学するであろう来年以降も楽しみです。
男子は、やはりケニア人留学生を擁する高校が強く、世羅が独走での優勝。優勝争いには絡めませんでしたが、2年生エースの1区3位で序盤から好位置に付けた佐久長聖が、その後も全員が区間上位で好走し、昨年の5位から躍進して見事復活の三回目となる準優勝。
余談ながら、2区3㎞で区間記録に迫るタイム(二人目の8分切り)が出たため、区間記録を持つ“怪物”佐藤清治さん(佐久長聖で高見澤現監督と同期だった筈)の名前が久し振りに流れたのは感慨深いものがありました。

 新年の箱根駅伝は、青学の圧勝で終わりました。一時期の佐久長聖の低迷もあり、長聖OBが僅か二人(東海大・春日、学生連合・松井)しか走らなかったのは残念でした。実業団の無い長野県チームは、男子は1名しか“ふるさと出場”選手が走れないので大学生が最低1名頑張る必要があり、これが都道府県対抗にどう響くか。
駅伝シーズンの最後を飾る都道府県対抗は、来週、女子から始まります。楽しみです。

 明けましておめでとうございます。
2015年、信州松本より謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 年末にリンゴを全て伐採・抜根しました。この1月にはトレリスの工事を実施してもらい、春先には新ワイ化の「ふじ」リンゴの苗木が届く予定になっています。
ふじは全部で150本程植える予定ですので、多分3年もすれば収穫可能となり、その出来次第ではありますが、また出荷が再開出来るのではないかと思っています。
定年退職まであと二年。跡を濁さぬように日々過ごしながら、新しいステップへの準備も併せて少しずつ進めて行こうと思っています。

 昨年、長野県では災害が相次ぎました。
「お天道さまとケンカしてもしょうがない」というのが亡父の口癖でしたが、そのお天道さま次第とは言え、どうか気紛れを起こさず、今年は災害の無い穏やかな一年であって欲しいと思います。
(掲載した写真は、年末天候が悪く、久し振りに望めた今朝の冬のアルプス公園からの北アルプスと、昨日元旦の初詣の帰りに撮影した、白く化粧した“雪の松本城”です)
 今年一年の皆さまのご多幸を、ここ信州松本より謹んでお祈り申し上げます。どうか良い年になりますように。

 本年も、どうぞ宜しくお願いいたします。

                             カネヤマ果樹園一同+ナナ