カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 妹から急なお誘いで、
 「ねぇ、OMFのオペラのゲネプロのチケットが一枚分だけ余裕があるんだけど、行かない?」
たまたま、奥さまが娘の所に上京していてその日は不在。母もショートステイ中だったので、この日は私メ一人。
 「確か・・・今年は、チャイコの『エフゲニー・オネーギン』だよねー?行く、行くー!」

 今年のOMF(セイジ・オザワ松本フェスティバル)は、オペラ上演で、マエストロ・オザワ得意のチャイコフスキーのロシア語オペラ「エフゲニー・オネーギン」が選ばれていたのですが、結局今回もマエストロは体調不良で振れず、代役は、今年も前NYメト歌劇場首席指揮者のファヴィオ・ルイージ氏(現デンマーク国立SO首席指揮者)。SKOとの相性も良く、ここ数年は毎年の様にOMFにマエストロオザワの代役として指名されています。
チャイコフスキーのロシア語オペラの傑作とされる「エフゲニー・オネーギン」。プーシキンの戯曲が題材とされていますが、ただでさえオペラは苦手ですので、この作品も初めて。唯一お馴染みなのは、舞踏会の場面で演奏されるポロネーズは有名で、単独でもオーケストラ作品としても単独で演奏されます。言葉は、ロシア語であれ、イタリアオペラもドイツ語の楽劇も、どっちみち分かりませんので、日本語の字幕が出れば何語でも一緒です。

 オペラの会場は、まつもと市民芸術館。バルコニー席のある1800席の馬蹄形のホールで、館長である演出家の串田和美氏の手腕により演劇やコクーン歌舞伎も上演されているとはいえ、地方都市の松本には余りに分不相応で過ぎた存在(既に、“楽都”に十分な大小二つの県営と市営の立派なホールがあるのですから)。
造ってしまった以上は今更仕方が無いとはいえ、OMFが無くなった後は一体どうするんだろう?・・・“宝の持ち腐れ”になりやしないかと、松本市民としては些か不安になります。
また、改修しようにも交換部品が既に製造されておらず、故障で止まったままの動く歩道の様な螺旋スロープ式エスカレーター。動かない“動く歩道”では、無用の長物でしかありません。計画段階、設計段階での将来的な検討が果たしてどうだったのか?・・・と、正直疑問を感じてしまいます。

 それはさておき、ゲネプロ当日。正式公演ではありませんが、オペラらしい華やいだ雰囲気。ゲネプロとは言っても、公演同様に一切ストップ無しに通して演奏されます。本番と違うのは、オーケストラピットの団員がTシャツなど普段着なことくらいでしょうか。
歌劇「エフゲニー・オネーギン」は三幕からなり、通常の序曲は無く、短い序奏で始まります。ロシアらしい陰鬱な雰囲気もあって全体に暗い印象ですが、如何にもチャイコフスキーらしい曲調で、途中舞踏会でのワルツや第三幕冒頭のポロネーズは如何にも帝政ロシア時代の貴族社会らしい華やいだ雰囲気です。
(写真は、本番の様子を伝える地元紙から)
それにしても、世界の一流どころを招聘した管楽器は元より、SKOは流石に巧い。オペラでのコンマスは、都響ソロ・コンマス矢部達哉さんの様でした。
主役のオネーギンは、体調不良等による代役の代役とかで、日本人で米国在住のバリトン歌手大西宇宙さんが抜擢され、今回がオペラでの日本デビューとのこと。二度ほど高音がかすれる場面もありましたが、急遽出演が決まった中での好演でした。それにしても東京オペラシンガーズは、この人数でこの声量は流石の一言。N響の第九も4、5年前からは、長年担当してきた国立音大からプロの彼等に変更されています。合唱の見せ場が少ない演目のオペラでは勿体無いくらいで、是非ベルディとかワーグナーで聴いてみたいと思わせてくれました。

 ゲネプロとはいえ、久し振りのオペラ。妹のお陰で、楽しませてもらった3時間でした。

 先日の夜、好きな番組であるNHK総合TVの「サラめし」に続いて放送されていたのが「うたコン」。他局はつまらないバラエティーばかりで見る番組も無く、然程興味があった訳でもないのですが何となくそのまま見ていました。
たまたま、その日の出場歌手の一人が演歌の島津亜矢さん。アイドルと違い、演歌を歌う人は昔から歌が上手いというのは当然なのでしょうけれど、本来の演歌ではないポップスや他の歌手とのデュエットに唖然!その旨さに、思わず聴き入ってしまいました。

 後で知ったのは、彼女のファンであるマキタスポーツ氏が彼女を形容して付けたという「歌怪獣」というあだ名(綽名)。演歌歌手にも勿論おキレイで、ある種妖艶とも形容可能な様な美しい方もおられますが、片や魔除けフィギュアになるような天童よしみさんの様な大御所もおられ、島津さんもどちらかというとそちら系でしょうか。
従って、女性に対しては何とも失礼ですが、島津さん(の容姿ではなく、むしろその歌いっぷり)に対しての「歌怪獣」というそれが言い得て妙と思える程に納得出来る、ある意味“凄まじい”くらいに鳥肌モノの歌唱力でした。

 演歌歌手の皆さんは、嘗ての三橋美智也始め、細川たかしさんなど民謡出身の歌い手の方も多いだけに、小節はともかくその歌唱力、特に声量は皆さん折り紙付きなので、演歌を聴いている限りは目立たないのですが、演歌ではないポップスなど別のジャンルを歌うと、何故かその歌唱力に耳目を奪われるのです。多分それは、口パクの歌手などは論外としても、顔がイイだけで然程歌唱力の無い歌手(但し、歌唱力の無さ=音楽性の無さではない)とは、特にゴマカシの効かない(録音音源ではない)“生歌”になればなるほど、それが目立つのだろうと感じた次第です。

 それにしても、彼女の歌った「ボディガード」の主題歌で有名な“I Will Always Love You”は、本当に惚れ惚れする程上手かった・・・。

 THE ALFEE。「星空のディスタンス」や「メリーアン」のヒット曲で知られる三人組の“フォークロック“グループ、と形容すれば良いのでしょうか?
メンバーは桜井賢、坂崎幸之助、高見沢俊彦の三氏。トレードマークのサングラスとはイメージの合わない?艶のある美声の桜井さん、何でもこなすミュージシャンの坂崎さんと天使の羽を模したエンジェルギターのヘヴィメタ風で名ギタリストの高見沢さん。高校時代からバンドを組んでいたという彼等。

 個人的に、彼等の音楽そのものは私メの好みではなく、学生時代、一時的に好きだったアリスやチャゲアス、その後のオフコースやふきのとうに対し、アルフィーはレコードもCDも今まで一枚も購入したことはないのですが、アルフィーがパーソナリティーを務めるNHK-FMのレギュラー番組「THE ALFEE 終わらない夢」を(朝の「クラシックカフェ」からそのままFMを聞いていると、週一の再放送があり)時々聞いていて、まるでコントの様な掛け合い漫才風のトークに爆笑すること暫し。
特に良く二人で担当することの多い、桜井さんのボケ具合と高見沢さんのツッコミが何とも楽しい感じがします。そこに時々坂崎さんが加わると、更にエスカレート・・・。

 やがてはメンバーの考え方や志向性の違いからとかく解散する、或いは実際に解散したグループがとかく多い中で、三人という構成が良いのか、個々のマイナスをお互いの長所がそれをカバーして、お互いのプラス効果を足し算では無く掛け算の様に何倍にも増殖させているのでしょうか。
アルフィーは、1973年結成以来ナント46年というのですから、何とも凄い!の一言に尽きます。先述のNHKの番組も既に290回を数えるというのですから、同じパーソナリティーのままというだけでも凄い!のに・・・。

 THE ALFEE。誠に失礼ながら、歌ではなく、掛け合い漫才のようなトークを楽しませてもらっています。

 雑誌では定期配信サービスのdocomoの「dマガジン」を愛読していますが、音楽配信はこれまで全く利用したことはありませんでした。
 携帯音楽プレーヤーとしては長年iPod nanoに自分のCDを保存して愛聴していましたが、アップルのiPodは製造中止になり買い替えは不可能で、しかも経年劣化か、最近不具合気味。そこで止む無く、遅れ馳せながら音楽配信サービスを利用することにしました。
私メの場合、ジャンルはクラシックだけで良いので検索してみたところ、J-popを含め国内外のポップス系の曲やアーティストを網羅した、例えばApple musicやスウェーデンの世界最王手の配信サービス会社Sportfyなどの月額定額制(サブスクリプション方式)の配信サービスはあるのですが、ポップスに比べて意外なほどクラシック音楽の楽曲が少ないのです。

 そんな中で、曲数や演奏者数なども含めて一番充実していたのがClassic Managerという無料の音楽配信サービスでした。無料の理由は、著作権の切れた音源のみが使われているため。50年で著作権が切れるので、最新の音源でも1969年ということになります。従って、音源の中にはMono録音も少なくありませんし、演奏者でも、例えば指揮者でみると、クライバーはカルロスではなくお父上のエーリッヒですし、メンゲルベルクやミートロープス、また日本にお馴染みという意味ではマタチッチなど、或る意味伝説的、レジェンド的な巨匠の録音もあります。
他にも、先述のSportfyにもクラシック音楽の配信サービスもあったのですが、無料配信の場合はCM入り(により無料を可能としている由)でしかもシャッフルのみ。勿論有料の場合はそうしたことはなく楽章の順番に楽しめますし、例えばクライバーはちゃんとカルロスの録音が有料で配信されています。
しかし無料配信のClassic Managerでも、カラヤン、バーンスタインを始め、ワルター、セル、ベーム、オーマンディ、ショルティ、お馴染みのサヴァリッシュやスウィトナー、そしてクーベリックやケルテス、ムラヴィンスキー、更にはバルビローリ、ミュンシュやクリュイタンス、ザンデルリンクやケンペといった、学生時代に夢中になった巨匠達の録音したStereo音源も結構な数で含まれているのです。
例えば、当時名盤とされたベームのモーツァルトやシューベルト、ワルターやバーンスタインのマーラー、ケルテスやクーベリックのドボルザーク、ムラヴィンスキーのチャイコフスキー、バルビローリやカラヤンのシベリウス、そしてサヴァリッシュやクーベリックのシューマン・・・etc。勿論、当代の人気演奏家の最新の音源は無くとも、私メが学生時代に胸を熱くした(しかし貧乏学生故、最新のLPは買えず、NHK-FMでの、今や死語となった“エアチェック”で確認するしかなかった)往時の名録音が並びます。
音質も通信量の違いで高音質と低音質の2種類が選択可能。Free Wi-Fiであれば通信料金も気にせずに聴くことが出来ます。
それにしても良く作ったなぁ。・・・と感心するのですが、これ韓国製の配信サービス。最新の5Gサービス推進でも取沙汰されているように、通信ネットワークやソフトウェアの進化では韓国や中国の方が余程進んでいるのかもしれません。

 Classic Managerの唯一のネックは、演奏者や楽曲名などが全て英語表記のため、曲名によっては日本語のタイトルが連想しにくいものがあったり(「悲愴」や「運命」は分かり易いのですが、例えば有名な小品であるマスネ作曲の「タイスの瞑想曲」の英語表記は“Massenet Thais Meditation”)、また録音データが、例えば指揮者だと録音年月日と録音場所は分かっても、演奏団体(オーケストラ名)が記載されていないなど、少々不親切な部分も無いではありません。
しかし、クラシック音楽専門でこれほど充実しているアプリが無料で配信されていることに驚かずにはいられませんでした。
先述したような学生時代に憧れた名録音も多いので、大いに楽しめそうです。

 7月と8月は我々夫婦の誕生日。この年になると、せいぜい“目出度さも中ぐらい也”程度で、我々自身でお互いを祝う様な事はもうありませんが、それでも子供たちからのお祝いは格別です。

 米国在住の長女からは、奥さまの誕生日に合わせて「小田和正2018 Tour “ENCORE”」のチケットのプレゼント。
因みに“Encore”(アンコール)は本来フランス語。英語でもそのままの綴りで使われるようですが、英語で言うならCurtain Callでしょうか。
 ナント今年古希(70歳!)を迎えたという小田和正さんのライブツアー2018は、全国21ヶ所、全48公演とか。5月の熊本からスターとし、3ヶ月経って東京地区へ戻ってきて最初の調布「武蔵野の森総合スポーツプラザ」での初日。8月8日のコンサートチケットです。
ちょうど台風13号の関東直撃も予想される中でしたが、当日高速バスで東京へ向かいました。日野で高速バスを降り、多摩モノレールから京王線に乗り替えて、先にチェックインすべく、予約したホテルのある東府中へ。コンサート会場はてっきり「府中の森芸術劇場」だと思い、ホールまで歩いて行ける東府中のホテルにしたのですが然に非ずで、味の素スタジアムのある「武蔵野の森総合スポーツプラザ」にある1万人収容のスポーツアリーナがその会場で、最寄駅は聞き慣れない京王線の「飛田給」駅。これは荘園制度が盛んだった頃、この地の荘園領主だったらしい飛田(とびた)某から支給された土地(給田地)だったという言伝えに因むのだとか。
開場時間に合わせて京王線で東府中から飛田給へ向かい、降りるとたくさんの人。台風が近づいていて、傘も時にひっくり返る程に風雨が強まる中、アクセスを調べなくても人の波がアリーナへとぞろぞろと向かっていて、そのまま付いて行くと10分足らずで会場に到着しました。
後で知ったのは、台風接近に伴い、この日の開催可否は午後2時に決定されたのだとか。そんなことは“”知らぬが仏“の我々は、うとうとしながら信州からの高速バスの中。せっかくの娘からのプレゼントでしたので、オフコースの1stアルバム「僕の贈りもの」ならぬ“神様からの贈りモノ”か、開催出来て何よりでした。

 会場に入ると、娘が用意してくれたのはステージの右斜め後ろ側2階の前から2列目のS席ですが、幾つもの大型ディスプレイで演奏の様子がライブ中継されるので、例えステージ真後ろの席であっても画面を通じて見られる様になっていました。また、1階のフロア席(アリーナ)にもステージと通路の間に座席が設けられていて、どうやったら確保出来るのか、追っかけやファンクラブの方々なのか、皆さん公演中は最初から最後まで立ちっ放し・・・。凄いなぁ。我々は圧倒されっ放し・・・でした(結構客層の多くは、学生だった頃にオフコース時代を過ごしたであろう、私等と同年代の方々とお見受けしましたが・・・)。
 オープニングで数曲歌った後、
 「台風が来てるので、はしょって、出来るだけ早く終わらせよう!・・・なんてことは、全く考えておりません!!!」
 我々の様な、40年近く前のオフコースの松本公演に行っただけ(因みに、家内はシンガポール赴任中の92年に、現地でも吹替え放映されて人気となったTVドラマ「東京ラブストーリー」の主題歌「ラブストーリーは突然に」も人気となって行われた小田和正シンガポール公演もお友達と聴きに行かれています)のファンはともかくとして、追っかけや常連の方々は、曲毎の拍手やコーラス、そして振り付けなども全てパターンが決まっているらしく手慣れたモノ。それを見ながら、聴きながら、ライブでは俄かオーディエンスである我々も見よう見真似で、「フムフム、ナルホド・・・」。それにしてもこの日の会場も満員札止めらしく、古希にして、この一万人を超える観客動員力は只々凄い!の一言。後15年もすると、演者も観客も皆白髪頭で杖を突いてでも来ているのではないか!と思えるほど・・・でした。
 生命保険のCMに使われた「言葉にできない」や「たしかなこと」、そして“クリスマスの約束”でもお馴染の「東京の空」や「君住む街へ」。更に、アルバム「ワインの匂い」から「愛の唄」に始まって、大好きな「秋の気配」、「愛を止めないで」、「言葉に出来ない」などなど、オフコース時代の懐かしい曲も・・・。
途中、恒例らしい公演会場周辺を訪ねてロケした10分程度の「ご当地紀行」のVTRが流され(立川だったか、公園の入場料で、小田さんが「シルバー料金です」と言ってチケットを購入していたのは実に微笑ましかった)、スタッフはその間僅かな休憩を取ったのみで、前後半、そして正しく2度の“Encore”アンコール(東北大学の学生時代に混声合唱団所属だった小田さんらしく、最後に出演者全員によるアカペラ合唱曲「また会える日まで」で締めるというアンコール構成は、どうやら毎回お決まりの様でした)も入れて全30曲!(さすがに、金原千恵子女史率いるストリングスは全員音楽大学出身なのでしょう、アカペラのハーモニーも完璧でした。ギターもキーボードも皆旨かったけど、個人的にはドラムスの木村万作さんが良かった!・・・な。因みに二度目のアンコールの中で歌ってくれた「さよなら」は、シンガポール駐在時代、某クラブの生バンドが赴任者が帰任する際に必ず歌って見送ってくれた曲でした。思い出しますね・・・)。
 帰宅後に思い返して聴いたオフコース時代のベストアルバムの“艶っぽい”柔らかな歌声と強いて比べると、その艶っぽさは消えて、ややシャープでキレのある(ある意味鋭い)声質にはなっていましたが、それにしても“喋くり2/3”というさだまさしコンサートに比べ(それはそれで、さださんのエンターテナー振りも凄いですが)、2時間以上もほぼ歌いっ放しは凄い!の一言・・・。もうイイからとこちらが心配になる程に、30曲歌い切った体力は流石!・・・でした。
 終わってもまだ台風の風雨激しい中、無事駅に到着し、都心に向かう上り線に比べて混雑が少ない下りホームで家内と二人、
 「コンサート、良かったよね!」
とお互い感慨に浸りながら、遠くアメリカに居る娘に感謝していました。

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