カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 国民的盛り上がりを見せた、ラグビーワールドカップ2019日本大会。
日本チームがその時点のランキングで世界一位だったアイルランドを倒し、台風禍の中、全回負けたスコットランドに勝って遂に念願のベスト8に初進出。残念ながら準々決勝では今回は南アフリカに完敗ではありましたが、日本中に“にわかファン”が溢れたのも、そうしたホスト国である日本チームの快進撃があったことは間違いありません。それにしても何故これ程までに今回ラグビーが日本中で盛り上がったのか?・・・。

 そのヒントを見つけました。それは、サッカーのワールドカップのFIFAやオリンピックでのIOC同様に、大会の公式画像として、ラグビー中継などで必ず最初に放映されるラグビーの国際競技連盟であるワールド・ラグビー(World Rugby)が作成したW杯用の公式タイトルVideo。
日本大会をシンボライズした富士山から躍動するラガーマンに変わるCG 映像。その画像の中に「品位、規律」などと書かれた漢字が現れるのですが、これが「ラグビー憲章」です。
それは、品位(Integrity)、情熱(Passion)、結束(Solidarity)、規律(Discipline)、尊重(Respect)の五つで構成されていて、それぞれの定義は、
品位:「品位とはゲームの構造の核を成すものであり、誠実さとフェアプレーによって生み出される。」
情熱:「ラグビーに関わる人々は、ゲームに対する情熱的な熱意を持っている。ラグビーは、興奮を呼び、愛着を誘い、グローバルなラグビーファミリーへの帰属意識を生む。」
結束:「ラグビーは、生涯続く友情、絆、チームワーク、そして、文化的、地理的、政治的、宗教的な相違を超えた忠誠心へとつながる一体的な精神をもたらす。」
規律:「規律とはフィールドの内外においてゲームに不可欠なものであり、競技規則、競技に関する規定、そして、ラグビーのコアバリューを順守することによって表現される。」
尊重:「チームメイト、相手、マッチオフィシャル、そして、ゲームに参加する人を尊重することは、最も重要である。」
 更にもう一つ。それは、ラグビーを象徴する“ノーサイド”と“One for all. All for one”。これは、日本だけで有名な“ラグビー・ワード”なのだそうです。日本にラグビーを根付かせるにあたって、先人がラグビー文化を象徴する言葉として用いたのが広まったのだそうです。
ラグビーにおける試合終了を意味したNo sideは、今ではFull timeと言い、ノーサイドを使っているのは今や日本だけで、1970年代以降、本国英国に限らず他の国では最早死語なのだとか。
またラグビーの献身性や犠牲的精神を指す“One for all. All for one”は、フランスのデュマの小説「三銃士」の中に出て来る一節で、ラグビー精神を表すのに相応しい言葉として日本で使われたのだとか(因みに、大元は保険の意義を表現するための言葉であり、その方が理解しやすいかもしれませんが・・・)。
こうしたことから窺い知れるのは、例えば「規律」や「尊重」、そして全員での「結束」といったラグビー精神が、日本人の精神構造に実に素直に馴染むからではないか?・・・ということです。

 自分を犠牲にして勇敢に相手にぶつかっていくタックルに見る自己犠牲。どんなに“傷んでも”(大学ラグビーでは)ヤカンの水を掛けただけでピッチに戻っていく忍耐力・・・etc。
翻って、ファウルを取らんがためにイミテーションと取られかねない程に大げさに倒れ込み、時に相手への尊厳など微塵も感じれぬ程に大袈裟なゴールパフォーマンスを繰り返すサッカー。
同じ英国で生まれた競技なのに、“紳士のスポーツ”と片や“野蛮人のスポーツ”と云われる程に、どうしてこうも違うのか。
勿論スポーツの人気は、やはり強いこと、勝つことであり、ましてや過去の日本代表の様に国の代表チームが連戦連敗では、いくら競技の魅力を説いても何の意味も持ちません。やはり勝つことで注目を集め人気も高まり、競技人口が増えることで、裾野が広がり競技レベルもまた高まっていく・・・。
サッカー人気はワールドカップ出場と日韓W杯開催によって高まったでしょうし、女子サッカーもW杯優勝が大きく貢献しました(その後の成績低迷により、宮下選手らの“ブームで終わらせてはいけない”という危惧が残念ながら当たってしまっていますが)。

 10年程前の次女の学生時代。彼女の大学には、何とPTAの様な父兄会が組織化されていて、大学側の支援により県毎に支部が置かれて活動する中で、長野支部は(役員中心ですが)夏に菅平で合宿をするラグビー部の練習試合に合わせて毎年応援しに行って県産の果物や野菜ジュースなどの差し入れを行っていました。帝京や早稲田といった強豪校との練習試合。天然芝のラグビーコート(菅平には、ナント60面のラグビーコートがあるそうです)にはスタンドは無いので、それこそ目の前でタックルなどの肉弾戦が繰り広げられるのですが、そのガシッ、ゴツッといった肉体がぶつかる音の迫力はまさに息を飲むほどでした。
ですから、生で観る国の誇りを賭けた代表戦で観客が興奮するのは当然です。しかしラグビーの良い所は、フリーガンを生んだ同じ国発祥のスポーツとは思えないのですが、選手のノーサイド同様に、敵味方の区別なく同じ席で入り混じって応援し、且つお互いを尊重して諍いや中傷などが全く見られないこと。応援する側にもお互いをリスペクトするラグビー精神がしっかりと根付いていることが、ラグビーの素晴らしい点ではないでしょうか。

 それにしても、日本チームの敗退により、まだW杯は続いているのですが、何となく日本中に桜のジャージに対するロスムードが拡がっています。
“桜の勇者”たちの戦いぶりは素晴らしかったし、どの代表チームもラグビー精神を発揮した姿勢はさすがでした。オールブラックスから海外チームに広まっていった、ノーサイド後の観客の皆さんへの日本流のお辞儀も印象的でした。
そして、選手の皆さんだけではなく、キャンプ地や試合会場で迎えた観客の態度も世界中に発信されたことで、日本大会の盛り上がりに拍車をかけました。それは2020東京オリンピックに向けたプレ大会の様な雰囲気で、十分に日本流の“おもてなし”の試金石にもなったと思います。

 最後に余談ですが、大会中に配信された報道の中で、個人的に印象的だったのが、準々決勝南ア戦を前にした英国インディペンデント紙でした。曰く、
「この惑星の南アフリカ人以外のラグビーサポーターは日曜日、日本を応援することになる。彼らはルールブックを書き換えている。見るのは至福。大きな声では言えないが、日本代表は我々の目の前でラグビーの救世主となりえるのだ。“柔よく剛を制す”を体現し、美しく勇敢な戦いぶりで観衆を魅了している日本代表。」
日本だけでなく世界中で、今回の桜の勇者たちの繰り広げたスピードと創造性溢れるラグビーに対しての賞賛が拡がっていました。

 梅雨寒から一転して、連日猛暑日が続く日本列島。
屋外実施競技など、いくら開始時間を早朝に早めたりしたとしても、こんな時期にオリンピックをやって本当に大丈夫なのか?と心配になります。
そういう意味では、夏の甲子園も一緒。その内、カチ割氷が名物などと言っていられなくなるのではないでしょうか。

 そんな日本列島を違う意味で熱くしてくれたのが、女子ゴルフの渋野日奈子選手。樋口久子さん以来、42年振りというメジャー大会制覇となる全英オープンゴルフ制覇(但し、岡本綾子さんが昇格前の全英女子OPに1984年に優勝している)でしょうか。
日本では未明での生中継でしたが、夜早い年寄はその分朝も早いので、少し早めに起きて後半のラウンドを“生”でTV観戦することが出来ました。
日本国内でも“しぶこスマイル”は女子ゴルフ界では知られた存在だったそうですが、プレーをする彼女を見ていて、確かに“Smiling Cinderella”として現地ギャラリーを魅了したのも納得出来ました。
若さ故の“怖いモノ知らず”と云えばそれまでですが、勝負所でワンオンを狙ってドライバーで果敢に攻めていった勇気。ショートするよりは後悔しないと、強めに打ってカップの向こう側の壁に当てた最後のバーディーパット。
いくら勢いとは言え、首位から後退しても並ばれても、動じずにプレーをする姿に視ているこちらがいつの間にか引き込まれて行きました。
事前に英語で用意してもらったにせよ、ローマ字読みだったにせよ、笑顔での優勝スピーチも実に良かった!
英国在住の日本人だけではなく、現地の英国の人たちをも次第に魅了して次々に応援者に変えていったのも納得でした。しかも、ギャラリーだけではなく、自身に優勝の芽が無くなった同組のA・ブハイ選手(南ア)が、渋野選手のバーディーパットが決まった時に、我が事のように万歳して祝福していたのが、競争相手をも味方にしてしまった渋野選手の人柄を証明しているようで大変印象的でした。
例え樋口久子さんという先駆者がいたとしても、今回の全英OP制覇は、大震災後の神の配剤に思えた、あのなでしこジャパンのW杯女子サッカー制覇、大阪なおみ選手の全米&全豪制覇、それに続く大和撫子の偉業と云っても良いのではないでしょうか。
思うに、やはり大和民族は女性の方が優秀なのでしょうね、きっと・・・。

 一方、夏の甲子園。長野県勢は、今年も短い夏でした。
今年の県代表は、2010年の松本工業高校以来となる、公立高校の飯山高校がノーシードから勝ち上がっての春夏を通じての初出場でした。
この飯山高校は、過去飯山南、飯山北、飯山照丘の三校が結果統合された高校で、県立高では唯一スポーツ科がある高校です。北信州の豪雪地帯の飯山にある学校ですので、母体となった飯山南は嘗て冬のインターハイで何連覇もした高校ですし、これまでアルペンやノルディック種目に何人ものオリンピック選手(複合の河野孝典氏は団体金、個人銀メダルで、長野県人としては初の個人メダリスト)を輩出しているスキー競技の強豪校です。
スポーツ科の設置以来でしょうか、野球でも最近では県のベスト8にも入り、センバツ大会21世紀枠の県内推薦校となるなど、最近力をつけて来ていました。
しかし、その甲子園では、松本工業が1-14で大敗したのと同様に、強豪校の仙台育英に1-20での大敗・・・。
県内では、「頑張った!」、「最後まで良くやった!」、「お疲れさん!」、そして「感動をありがとう!」・・・など労いの言葉が並びます。
しかしそれでイイのだろうか?・・・。個人的には、どうしても違和感を禁じえませんでした。しかも、長野県代表校の試合で、途中でTVのスイッチを切って最後まで試合を見なかったのは、今回が初めてでした。

 彼らの努力や頑張りを毛頭否定するものではありませんが、果たして本当にそれでイイのでしょうか?・・・。
キレの良いスライダーと低めへのストレート。エースのサウスフォーも、そして2年生の速球派も、決して悪いピッチャーではありません。野手も上背は然程無くとも、どっしりとした下半身。いかにも雪国らしく、スキーなどで体幹を鍛え、がっしりとした体形でパワーもありました。
しかし、本番では守備でのミスや凡プレーもあって相手にスキを突かれ、県内では勝てたのに甲子園では勝てなかったどころか、全くの完敗・・・。
勿論、初出場での緊張もあったでしょう。初出場校なのに、相手は甲子園の常連校という“くじ運”もあったでしょう。しかし、例えどこと当ろうが、試合前に「甲子園に出ることではなく、勝つことを目指して鍛えてきた」と若き監督は言っていたのに、全く歯が立たなかった現実・・・。

 何故なのか、ゲームマネジメントに問題は無かったのか?
今回の飯山高校だけではなく、例えば長野県大会。秋の北信越大会ベスト4で惜しくも選抜出場を逃し、今回も優勝候補だった東海大諏訪と上田西。その上田西が準決勝で完封負けした飯山を“ボロクソ”にまで打ち崩した甲子園での他県の強豪校。また同じく公立で惜しくも準優勝だった伊那弥生ヶ丘。確かに弥生は秋の南信予選2位でBシード校ではありますが、同じ南信1位で、県全体でも第1シードだった本命の東海大諏訪(旧東海大三)が、準決勝で弥生投手のスライダーとスローカーブの軟投派をなぜ打てなかったのか?それぞれが猛省する必要がありましょう(低めへのコントロールと緩急の重要性であって、軟投派を否定する意味に非ず。)

 県高野連など、高校野球に関わる全ての関係者がその敗因をキチンと分析し、他県にも学び、個々にではなく、連携して長期的な強化に繋げていく・・・。そうでもしないと、長野県は“参加することに意義がある”ままで、最近は聞かなくなりましたが“教育県長野”同様に、“過去(戦前)の栄光にすがったままの長野県”で終わってしまうのではないか?
スピードスケートやスキーなどの冬の競技を持ち出さずとも、長野県の高校スポーツが決して弱い訳ではありません。今や全国区の佐久長聖の駅伝部だけではなく、県内選手だけで、留学生まで抱える全国の強豪私立と亘り合う長野東の女子駅伝部。能代のバスケ同様に、公立校で何度も全国制覇した岡谷工業高校バレー部の伝統を引き継ぐ松本国際の高校男子バレー部(190㎝超の長身選手皆無の中で、高速のコンビバレーを展開して今夏のインターハイで見事全国制覇!)と、チーム競技、団体競技でも全国的に活躍している高校もあります。
因みに、県大会で使われる松本市野球場は、当時の松本市長が「長野県勢が本番の甲子園で活躍出来るように」と、内外野を甲子園球場と同じサイズに造ったとも聞きました(記憶上で、未確認情報ですが)。

 過去の悔しさにも増して、そんなことまで考えさせられた(長野県人にとっては今回もあっという間に終わってしまった)今年の甲子園でした。

 テニスのグランドスラム、4大大会のUSオープンで大阪なおみ選手が“女王”S・ウィリアムズ選手を破っての初優勝。日本人初優勝として、以前から話題になっていた天真爛漫なインタビューでの受け答えと併せて、連日マスコミ報道がされています。曰く、日本人初、日本人の誇り、日本人らしさ、日本人の謙虚さ、・・・云々。
 確かに素晴らしい快挙です。180㎝という恵まれた体格から繰り出される時速200kmという男子選手並みの高速サーブを武器に、プロデビューから僅か5年足らずでのグランドスラム制覇。
しかし乍ら、今回世界中で称賛された彼女のパフォーマンスや愛らしい立ち振る舞いが、まるで日本人だからこそ・・・と、その理由背景を全て日本であること、日本人であることにマスコミが無理やり結び付けているは全く以っておかしいのではないか・・・と感じざるを得ません。
日本人としては誇らしいし、喜ばしい限りです。でもそれを殊更“日本”であることに結び付けることには違和感を禁じ得ませんでした。
確かに日本でご両親が出会ったからこそ姉妹が生まれた。そして、彼女のDNAには間違いなく日本人である母方の血が混じっていることは間違いありません。しかしツアーでの初優勝の時だったか、インタビューアーが彼女の生い立ちに触れて「日本とアメリカの双方の文化の影響を受けているのでは?」と質問された時に、ハイチ系アメリカ人である父親からのハイチの“血”も大事である旨の彼女の回答を聞き、思わず“アッパレ!その通り”と感心させられました。しかもユーモア溢れたインタビューでの彼女の英語での自然なやり取りを聞くにつけ、最近は海外で活躍する日本人がインタビューに英語で受け答えしているのを見聞きするのも決して珍しくはありませんが、やはり国内の英語教育だけではこうは行くまいと感じざるを得ませんでした。
確かに彼女が二重国籍を持ち、しかもこれまでの“人生の大半”(移住した3歳から二十歳の今まで)を過ごしている米国も選べるのに、登録国として日本を選んでくれていることに嬉しさは感じますが、だからといって彼女のパフォーマンスの理由を日本に結び付けるのはお門違いでしょう。
例えば、アメリカ西海岸で生ま育った女子フィギアの長洲未来選手。幼い頃から頭角を現し、結果米国代表としてオリンピックにも出場。彼女のご両親はロスで寿司屋を営まれていて、お二人共日本人です。当時、浅田真央選手以下が凌ぎを削っていた選手層の厚い日本ではなく、三番手以内に確実に入っていた米国代表を権利として選んだとしても、それは日頃努力している娘をずっと見守り支援して来たご両親からすれば当然のこと。果たして、それを非難出来るのでしょうか。
大阪選手も、米国よりも日本で登録した方がテニス選手としてのチャンスが拡がると思っただけなのかもしれません。

 国際化、グローバル化の進展もあって、国際結婚も珍しくなくなり、ハーフやクォーターという“血”だけではなく、暮らしていることで日本という国籍を選ぶアスリートも少なくありません。しかも、彼等が身長やバネといった部分での日本人の弱点を補う身体的能力を持ち、我慢や持続力といった日本文化や日本人の持つ身体的・精神的な良さと結合することで、更にパフォーマンスを向上させているのかもしれません。
そんな時代に、成果だけを何でも日本にこじつけるのは、本来移民国家であり彼等のFrontier Spiritこそが国家形成発展の原動力であった筈なのに、その歴史を忘れて自国第一主義を唱えるアホ大統領と何ら変わりません。
“純血主義”なぞ、鎖国主義の時代遅れ。古来、極東の日本列島は縄文・弥生という色々な“血”の流入や中国や朝鮮半島経由での先進的な技術や知識の導入と融合で、“混血”的な良さを取り入れて発展して来たのではないか?むしろ古代日本の方が余程先進的だったのではないか?
大阪なおみ選手の快挙と、それを殊更“日本”に関係付ける採り上げ方に、発想を飛躍してそんなことまでも考えさせられた今回のマスコミ報道でした。

 今月中旬からのパンパシ・オープンに“凱旋帰国”した彼女。
どうか、滞在中に思う存分トンカツやカツ丼、それと抹茶アイスが食べられますように・・・。

 大相撲の本場所で、俗に云う“荒れる名古屋場所”。年6場所の中で、これまで平幕優勝した回数が名古屋場所が一番多いことがその理由だそうですが、今年の名古屋場所も正にその通りで、横綱全員が休場し、期待の新大関栃ノ心まで途中休場という波乱の幕開け。そうした中で、関脇の御嶽海が13勝2敗の好成績で初優勝しました。
今の様な優勝制度が出来てから長野県出身の力士での初優勝ですが、中には江戸時代の強過ぎて横綱になれなかったという雷電(現在の東御市出身)以来200年振りなどという記事もあったほど。
 それにしても、14日目の優勝を決めた後のインタビューで、涙で暫く返答できない程に男泣きした力士を初めて見ました。いつもは、千秋楽での賜杯授与の表彰式の後のインタビューでのジョークを交えた受け答えの様に、また信州のローカルTVの取材などで顔馴染の女性アナウンサーをイジったりしている様な、明るくお茶目な御嶽海ですが、反面こうした少年の様な純な一面が垣間見えて、とても微笑ましく感じました(この日解説が無く、TV桟敷で見ていたという辛口の北の富士さんも、思わずもらい泣きしたと翌日の千秋楽の解説時に話されていました)。
そして何より、個人的に御嶽海を好ましく思うのは、押し出しや寄り切りでの勝利の際に、どこかの横綱の様にダメ押しをして土俵下に突き落とす様な振る舞いが一切無く、むしろ土俵から相手が落ちぬ様に最後優しく抱え込むところ。賛否あるかもしれませんが、こんなに優しい力士を他に見たこともありません。もしかすると、勝負の中では優しさが命取りになることもあるのかもしれませんが、イイじゃないですか!土俵下に叩き付けるより遥かにマシだと思います。
 彼は、「寝覚の床」や我が国の森林浴発祥の地「赤沢美林」(赤沢自然休養林)などで知られる木曽の上松町出身で、県内出身の力士では唯一の関取。1978年の長野国体で当時の木曽福島町(現木曽町)が相撲会場となって以来、少年団で子供の頃から取り組むなど、木曽は相撲が盛んな場所。
御嶽海もそうした中で育ち、地元の木曽青峰高校時代から全国で活躍して大学時代はアマチュア横綱などのタイトルを総なめ。しかし学生横綱出身で、角界入りして横綱になったのは唯一輪島だけの厳しい世界。安定的な生活を望む両親、とりわけ怪我を心配する母親マルガリータさん(注)の希望もあって、アマ相撲の強豪和歌山県庁へ就職する予定だったのが、出羽海親方の熱心な口説きで角界入りを決断し、反対する両親を自分で説得したと云います。
三役までのスピード出世も、三役ではこれまで二桁勝てず、天性の相撲勘やその素質は高く評価されながら、だからこその日頃の稽古不足や稽古場では(本気を出さずに?)強くないなど、親方衆やTV解説者からも“ボロクソ”云われて来ましたが、“荒れる場所”も味方につけての見事な今場所での快進撃。何より、立ち合いで一切変化して逃げずに、前へ前へと攻めていったのが気持ちイイ。
来場所は大関取りの声も掛かりますが、一時の勢いではなく、常に優勝争いに絡む様な強い大関になれるよう、そして更に上を目指せるよう、それが例え来場所で無くとも良いので、近い将来に向けて力を蓄えて欲しいと願っています。
 出羽海部屋力士の優勝は横綱三重ノ海以来とか。その三重ノ海の初優勝も関脇時代だったそうです。頑張れ!御嶽海。
【注記】
今回御嶽海の活躍で、応援する母マルガリータさんの姿がTV画面に何度も登場し、場所後の会見で御嶽海曰く「自分より母ちゃんの方がアイドル。負けた気がします」とのこと。部屋の祝宴でも、「あっ、御嶽海関も一緒にお願いします」と、出席者からはお母上と一緒の記念撮影希望が多く、御嶽海よりも人気が高かったのだとか。本人曰く「自分は添えモノでした・・・。」
信州では横綱よりも人気の御嶽海ですが、ひょうきん軽妙な受け答えで、全国的にも人気が出そうですね。
 それにしても、御嶽海の出身地である長野県木曽郡上松町は愛知県境ですが。豊山は新潟県、朝乃山が富山県と、名古屋から近いせいか、今場所は北信越勢(遠藤も石川県ですし)が大活躍(三賞独占)でしたね。ヤッタ!
(掲載した写真は、安曇野~松本~木曽をカバーする地元のタブロイド紙「市民タイムズ」の一面記事です)

 サッカーW杯で日本代表チームが予選グループを通過して、2大会ぶりに決勝トーナメントに進出しました。
最後セネガルとの得失点差も同じで警告数の差(フェアプレーポイント)で決まるという中で、最終戦のポーランドとの一戦での終了前8分間の時間稼ぎのパス回しに会場は大ブーイングで、試合後も賛否両論。

 そこで、スポーツファンの一人として一言云いたくなりました。
実際それをTVで見ていた私メ自身も、セネガルが一点取られて負けていたので、もしそのままで両試合が動かずに終われば日本が決勝トーナメントに進出可能と理屈では分かっていても、実際にTVの画面に向かって「オイ、一体何してるんだよっ!」と叫んでいましたから。確かに、これまでの日本には見られなかった様な試合運びに、私メも含めて皆戸惑ったのは事実だと思います。
海外の論評は総じて否定的。ただ、海外のサッカーファンは、自国チーム以外は、例えば非常にスペクタクルな試合だった決勝トーナメント初戦のフランスとアルゼンチン戦の様な面白いサッカーが見たい(前回王者で優勝候補のドイツが敗退しようが、ドイツ国民以外は関係ない)のだから、それにそぐわない試合は批判するだろうし、日本がグループリーグで敗退しようが関係無い・・・という立場です。
但し、某国のカンフーサッカーの如き、一試合24個(内イエローカード4枚)という大会最多ファウルを犯した試合をしながら、「自国は美しく散り、日本は醜く残った」などという隣国の“天に向かって唾を吐く”が如き論評には、「ほざくな!」と一括したくなりましたが・・・。

 大会2か月前になってハリルホジッチ前監督を解任し、西野監督に委ねた日本サッカー協会。それは、「参加することに意義がある」と云いながらメダル獲得を期待し、もし取れなければ(戦前煽った責任は知らんぷりで)掌返しで批判するオリンピックでのマスコミ同様に、今回のW杯もマスコミや我々国民もグループリーグを勝ち抜いて決勝トーナメント進出を期待し、だからこそハリルJのままでは絶対無理だと批判してきたのではなかったか?・・・。それを受けての大会直前の監督交代での西野Jのミッションが決勝T進出であるならば、どこかの国の様に20数個も反則を犯す試合をするのではなく、ましてや違反行為や不正などではなく、決められたルールの中でその与えられたミッションを達成したのであれば、少なくとも自国のマスコミと我々ファンはしっかりと彼等をサポートして然るべき!・・・ではないかと思った次第。
香川選手の開始早々での意表を突く大迫選手への縦パス一本で得点し、結果幸運にも1名多い布陣の中で中盤でのパス回しが可能となり、チームとしての自信を深められた初戦のコロンビア戦。その結果、内容は完勝だったセネガル戦。
であるからこそ、決勝トーナメント初戦の優勝候補ベルギーとの一戦での正々堂々とした勝利に期待します。

 東日本大震災の時は、サッカーの神様の計らいで“なでしこジャパン”が奇跡を起こし、打ちひしがれた日本に勇気をくれました。「あぁ、神様っているんだな!」って思いましたもの。
計らずも、直前に大阪での大きな地震被害で、初戦前の公式会見では西野監督とキャプテン長谷部選手からの地震被害を心配する発言から始まった西野JのW杯。今度は西野Jがパワーをくれるかも・・・。
 “ガンバレ、サムライジャパン!”
【追記】
ありがとう、西野ジャパン!
ベルギーとの一戦は本当に感動的な試合でした。でも感動だけではいけないのでしょうね。それは試合直後のインタビューに「(ベスト8進出のためには)何が足りないんでしょうね?」と声を絞り出した西野監督や、試合終了を告げる笛に、ピッチにうっ伏して泣きながら地面を両手で叩いて悔しがっていた昌子選手に象徴される様に、監督以下スタッフ&選手全員が分かっているのだろうと思います。
一次リーグの最終戦で、勝ち抜くために批判覚悟でしたたかな戦いぶりを見せただけに、2点リードした後、しかも後半だっただけに、勝ち切るためになぜ“したたかな戦い方”が出来なかったのか?を含め、“何か”足りない部分をこれから4年間を掛けて見つけて埋めて行かないといけないんでしょうね。
それにしても、長谷部選手のキャプテンシーは実に見事でした。そして、サムライブルーの選手の皆さん、本当にお疲れ様でした。