カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 8月最初の週末。奥さまの希望で唐松岳に登って来ました。
唐松岳は北アルプスの後立山連峰にあり、長野県と富山県境に聳える標高2696mの山。その唐松岳という山の名前よりも、東(長野県)側に拡がる八方尾根の方がむしろ有名。現地に行くと、
 「そうか、八方尾根は唐松岳の尾根筋だったんだ!」
と逆に気付かされるほどです。唐松岳は一応、300名山の山なのですが、大雪渓で有名な白馬岳や五竜岳などの百名山に挟まれて些か知名度では劣るかもしれませんが、途中最近人気の八方池を経由しての白馬三山への縦走ルートにもなっており、また岩場や鎖場などもないため、唐松岳なら登山初心者でも日帰り可能な山と云われています。昨年10月初旬に八方池まではトレッキングで行っていたのですが、今回はその先の唐松岳までの本格的登山です。

 これまでもトレッキングでの入笠山や白駒池の北八と栂池高原、とりわけ昨年の八方池(第1255話参照)に感激した奥さまが急に登山に目覚め、今年はクラブツーリズム主催の女性だけの登山講習の月例ツアーに参加。
先ずは登山に関する座学でのレクチャーに始まり、実践は金時山など低山からの日帰りツアーからスタート。更に筑波山や山小屋宿泊での尾瀬ヶ原からの至仏山、伊那谷から登頂する3000m級の“南アルプスの女王”仙丈ケ岳。そして最後は立山縦走という半年間の本格派です。
そのため、夏の間に唐松岳にも行ってみたいとのご希望で、(地元住まいの特権で)天気予報と睨めっこしながら、母が月例のショートステイ中で快晴予報だった8月4日に決行することにしました。週末を選んだのは、初めての唐松岳ですので、昨年の八方池の時の様に例え霧にまかれても、夏山シーズンで人が多い方が迷わずに付いて行けば良いからという理由です。

 当日は夜明けを待ってナナの散歩を済ませ、予定より少し遅れて5時半過ぎに我が家を出発。予測通り7時過ぎには白馬へ到着。先にコンビニへ寄って昼食を調達してから、インフォメーションセンター横の村営の第2駐車場へ。
昨年は秋口の平日でガラ空きだったのですが、この日はナント満車。ノロノロと運転しながら周辺を探した結果、幸いジャンプ場に近い第5駐車場にまだ少し空きがあって車を停めることが出来ました。ゴンドラ横の村営駐車場(一日600円)以外は全て無料ではありますが、いくら登山ブームとはいえいやはやビックリでした。奥さまからは、
 「だからぁ、もっと早く出ようって行ったじゃない!」
との非難の嵐を右から左に聞き流しながら登山靴に履き替えたりと、登る準備をしてゴンドラ「アダム」乗り場へ向かいました。

 家内が今回の登山教室に入るにあたり、幾つかの登山グッズ購入のために、アウトドア用品の専門ショップ「モンベル」会員に登録しており(登山客の多い県内には諏訪、豊科、白馬に店舗あり。因みに登山用品店で有名な好日山荘も松本と白馬に店舗を構えています)、八方池のゴンドラ・リフトが連れのメンバー5人まで10%会員割引になりますので、往復2900円が2610円×2名(因みに入笠山は会員本人のみの割引とのこと)。
兎平からリフトを2本乗り継ぎ、黒菱を経て1830mの登山口の八方池山荘へ到着し、8時過ぎから登山開始。

前回は八方池まで傾斜の緩やかな木道(散策路)を行ったので、今回は登山道を歩くことにしました。登山道は八方の尾根に沿って稜線を進んで行くので、こちらの方が傾斜が急で歩き難い箇所もありますが、木道よりも眺望は優ります。途中、リフトを乗り継ぐ黒菱平の鎌池湿原からも白馬三山の山頂が望めましたので、前回は霧の中でしたが、今回は予報通りの快晴で“絶景“への期待も高まります。
 登山口周辺には、中高年グループ中心にお子さんも一緒の家族連れ、若い学生さんや“山ガール”のグループも。中には、ガールと云うよりも“山姥”らしき一行もおられましたが、夏休みの週末とはいえ確かに“登山ブーム”を認識できました。ここで最後のトイレ(上部の第2ケルンが最終。どちらも善意での環境協力金が必要)を済ませ、いざ出発。
登山道は尾根沿いに稜線を歩くのですぐに眺望が開け、途中白馬三山がくっきりとその雄姿を現せてくれました。途中人も多く、ゆっくり登って来たので、標準時間の1時間より長い1時間半弱で八方池に到着。
八方池までのハイキングやトレッキング目的の人たちは、池まで降りて雄大な白馬三山を満喫されています。我々は前回池の周囲を散策したので、唐松岳を目指す今回は池を見下ろす第3ケルンで暫し休憩。
それにしても今朝は雲一つない快晴。2080mの第3ケルンから望む雄大な白馬三山とそして唐松から続く険しい不帰ノ嶮(Ⅰ~Ⅲ)の北アルプス後立山連峰の絶景に、二人共暫し我を忘れて感激感動!本当に絶好の登山日和の日を選択したようで、大“晴”解でした。池まで降りれば、多分パンフレットなどで見る様に、池の水面には白馬三山の雄姿が映っていることでしょう。付近にはマツムシソウが可憐な薄紫の花を咲かせていて、山は早くも初秋の雰囲気です。
 第3ケルンで暫し休息し、水分と栄養を補給(長く休み過ぎてもいけないのだとか)。雄大な白馬三山の雄姿からもエネルギーを供給してもらって、いよいよ唐松岳へ向かいます。
因みに、登山の時に持参すべき水分量。奥さまが講習で教わったのは、体重×5×登山(=行動)時間とのこと。
従って今回の唐松岳は、私メの場合65kg×5×6時間として、凡そ2000ccでしたので、登山用の水筒とペットボトルに分けて、1.8ℓを持参しました。

 大相撲の本場所で、俗に云う“荒れる名古屋場所”。年6場所の中で、これまで平幕優勝した回数が名古屋場所が一番多いことがその理由だそうですが、今年の名古屋場所も正にその通りで、横綱全員が休場し、期待の新大関栃ノ心まで途中休場という波乱の幕開け。そうした中で、関脇の御嶽海が13勝2敗の好成績で初優勝しました。
今の様な優勝制度が出来てから長野県出身の力士での初優勝ですが、中には江戸時代の強過ぎて横綱になれなかったという雷電(現在の東御市出身)以来200年振りなどという記事もあったほど。
 それにしても、14日目の優勝を決めた後のインタビューで、涙で暫く返答できない程に男泣きした力士を初めて見ました。いつもは、千秋楽での賜杯授与の表彰式の後のインタビューでのジョークを交えた受け答えの様に、また信州のローカルTVの取材などで顔馴染の女性アナウンサーをイジったりしている様な、明るくお茶目な御嶽海ですが、反面こうした少年の様な純な一面が垣間見えて、とても微笑ましく感じました(この日解説が無く、TV桟敷で見ていたという辛口の北の富士さんも、思わずもらい泣きしたと翌日の千秋楽の解説時に話されていました)。
そして何より、個人的に御嶽海を好ましく思うのは、押し出しや寄り切りでの勝利の際に、どこかの横綱の様にダメ押しをして土俵下に突き落とす様な振る舞いが一切無く、むしろ土俵から相手が落ちぬ様に最後優しく抱え込むところ。賛否あるかもしれませんが、こんなに優しい力士を他に見たこともありません。もしかすると、勝負の中では優しさが命取りになることもあるのかもしれませんが、イイじゃないですか!土俵下に叩き付けるより遥かにマシだと思います。
 彼は、「寝覚の床」や我が国の森林浴発祥の地「赤沢美林」(赤沢自然休養林)などで知られる木曽の上松町出身で、県内出身の力士では唯一の関取。1978年の長野国体で当時の木曽福島町(現木曽町)が相撲会場となって以来、少年団で子供の頃から取り組むなど、木曽は相撲が盛んな場所。
御嶽海もそうした中で育ち、地元の木曽青峰高校時代から全国で活躍して大学時代はアマチュア横綱などのタイトルを総なめ。しかし学生横綱出身で、角界入りして横綱になったのは唯一輪島だけの厳しい世界。安定的な生活を望む両親、とりわけ怪我を心配する母親マルガリータさん(注)の希望もあって、アマ相撲の強豪和歌山県庁へ就職する予定だったのが、出羽海親方の熱心な口説きで角界入りを決断し、反対する両親を自分で説得したと云います。
三役までのスピード出世も、三役ではこれまで二桁勝てず、天性の相撲勘やその素質は高く評価されながら、だからこその日頃の稽古不足や稽古場では(本気を出さずに?)強くないなど、親方衆やTV解説者からも“ボロクソ”云われて来ましたが、“荒れる場所”も味方につけての見事な今場所での快進撃。何より、立ち合いで一切変化して逃げずに、前へ前へと攻めていったのが気持ちイイ。
来場所は大関取りの声も掛かりますが、一時の勢いではなく、常に優勝争いに絡む様な強い大関になれるよう、そして更に上を目指せるよう、それが例え来場所で無くとも良いので、近い将来に向けて力を蓄えて欲しいと願っています。
 出羽海部屋力士の優勝は横綱三重ノ海以来とか。その三重ノ海の初優勝も関脇時代だったそうです。頑張れ!御嶽海。
【注記】
今回御嶽海の活躍で、応援する母マルガリータさんの姿がTV画面に何度も登場し、場所後の会見で御嶽海曰く「自分より母ちゃんの方がアイドル。負けた気がします」とのこと。部屋の祝宴でも、「あっ、御嶽海関も一緒にお願いします」と、出席者からはお母上と一緒の記念撮影希望が多く、御嶽海よりも人気が高かったのだとか。本人曰く「自分は添えモノでした・・・。」
信州では横綱よりも人気の御嶽海ですが、ひょうきん軽妙な受け答えで、全国的にも人気が出そうですね。
 それにしても、御嶽海の出身地である長野県木曽郡上松町は愛知県境ですが。豊山は新潟県、朝乃山が富山県と、名古屋から近いせいか、今場所は北信越勢(遠藤も石川県ですし)が大活躍(三賞独占)でしたね。ヤッタ!
(掲載した写真は、安曇野~松本~木曽をカバーする地元のタブロイド紙「市民タイムズ」の一面記事です)

 前話の蓼科にフキノトウを採りに行った帰り、茅野の日帰り温泉で汗を流して(茅野にはたくさんの公共温泉施設があります)から昼食へ。

 お義母さんのリクエストで、茅野市宮川にある「勝味庵本店」へ行きました。
こちらはトンカツと鰯料理の専門店。お義母さんが贔屓にしているお馴染のお店。ただ家内はそれ程トンカツ好きではないので、これまで来たことは無かった由。義父が亡くなった後は姪が良く連れて来てくれたそうですが、その姪も昨年嫁いでしまったため、今回はリクエストにお応えして食べに来た次第。次女が成田勤務だった時のお寿司屋さんで新鮮な鰯の美味しさを知って以来、私メが鰯好きだといことも初めて来た理由だったようです。
信州にも銘柄豚が幾つかありますので、メインの看板料理であるトンカツはともかくとして、しかしもう一つ看板に掲げたイワシ料理は銚子港のある千葉県ならいざ知らず。魚の中でも魚編に弱いと書く鰯ですので、いくら輸送方法が進化したと言っても、“海なし県”信州でイワシ料理というのも何となく眉唾モノで首を傾げてしまいます。

 平日でも混むからと12時前に到着したのですが(11時半の開店の由)、ナルホド、カウンター席を除いてテーブル席は既に満席。一人客であればカウンターで食べられたのですが、結局テーブル席が空くまで30分ほど待つことになりました。10台以上ある駐車場は、殆ど地元の諏訪ナンバーで満車。平日でも混むからというお義母さんの話も決して大袈裟ではなく、地元で愛されるお店の様です。
待っている間に注文を取ってくださり、義母と家内はミックスフライ定食、私メは鰯定食をチョイス。テーブルが空いて着席してから、せっかくだからと、奥さまのお許しでお昼から生ビールの大サービス(ヤッターッ!)。

 事前にオーダーしていたこともあり、席に着く間も無く、料理が運ばれて来ました。トンカツやフライはフルーツ系とニンニク系の2種類のソースがあり、お店の方曰く双方混ぜるのもお薦めとか。更にお好みで、蒲田の名店「檍(あおき)」同様に岩塩も用意されていて、千切りキャベツには専用ドレッシングも。
こちらの勝味庵の特徴は、炒りゴマの入った小さな擂鉢と擂りこぎ棒が出され、炒りゴマを各自擂ってそこにお好みのソースを注いで食べる方式とのこと。確かにすりおろしたゴマが何とも香ばしい。
(キャベツが高騰する)以前はキャベツとしじみのお味噌汁は、何度でもお替り自由だったとか。今でもご飯はその様でした。
鰯定食はその名の通りイワシ尽くしで、刺身と素揚げ二尾、フライの組み合わせ。空いていたカウンター席ではなくテーブル席を希望したのはこちらですのに、随分お待たせしたからと、イワシのフライにヒレカツをサービスして下さいました。鰯尽くしの定食は、先ず刺身は全く臭みが無く、脂も載ってプリプリ。生姜醤油ではなく、生姜のポン酢で頂くのですが、これもなかなか美味でした。頭から骨ごと食べられる素揚げも、ポン酢のタレが掛かっていて紅葉おろしで頂きます。フライとヒレカツは擦りゴマと二種類のソースを混ぜて頂きました。
奥さま曰く、蒲田の名店「檍(あおき)」に比べて衣が厚過ぎるとのことですが、
 「蒲田の檍と比べちゃ可哀想でしょ!」
海なし県の信州で、これだけ新鮮なイワシ料理が食べられただけで私メは大満足でした。そこで、スタッフの方に聞いてみました。
 「このイワシはどこから直送されて来るんですか?」
すぐに応えられなかったので、
 「あっ、ごめんなさい。別に気にしなくてイイですからネ!」
帰りがけ、そのスタッフの女性が、
 「千葉の銚子と北陸の金沢や富山から直送されて来るんですが、今日のは富山からだそうです。」
とにこやかに教えてくれました(恐縮です)。
(食べるまで然程期待していなかったので、今回は写真がありません。悪しからずご了承ください。次回行ったら、ちゃんと撮って来ます・・・。)

 茅野市宮川の「勝味庵」。料理も勿論ですが、スタッフの皆さんの対応も気持ちが良くて、地元で愛されているのも納得の良い店でした。
 「ごちそうさまでした。また来まーす!」

 亡き義父が元気な頃、義母と毎年採りに行っていたというフキノトウ。
4月も半ばになると、里のそれは薹が立つどころか花も枯れて茎も20cm程に伸びていて、既に蕗の葉も出ています。しかし、茅野の奥の蓼科周辺では山蕗のフキノトウが出て来るのは例年だと5月連休頃だとか。今年は桜を始め全てが早いので、4月20日頃の平日に場所を教えてもらいがてら、義母と三人で蓼科へ行ってみました。最盛期には土手一面に出ることもあるそうですが、やはり少し早かったらしくまだ所々に出ていた程度。でもそれなりに採集することが出来ました。タラの芽などもそうですが、里のモノと山のモノでは苦味が違います。やはり野趣溢れ滋味豊かなのは、自然の山のモノには敵いません。

 フキノトウの料理となると、天婦羅や素揚げもありますが、フキノトウだけでそう大量に食べられる訳ではありません。従って、やはりたくさん使ってとなるとフキ味噌でしょう。保存も効きますし。
細かく刻んで炒めて、砂糖や酒、そして味噌で味付けをします。ご飯のお伴に、そして酒のつまみにもなります。
今回試してみて意外と美味しくて且つ奥様にも好評だったのが、刻んで鶏挽肉に混ぜたつくね。鍋材料に鶏団子として作ってみましたが、フキノトウの苦みが良く効いて何とも美味でした。セリも一緒に頂いて、春一杯の鍋になりました。酒のお伴にフキ味噌も添えて・・・。“春尽くし”の食卓でした。

 信州と言っても全県ではなく、栽培の盛んな安曇野(穂高)を中心とした松本地方(中信地区)で春のこの時期に食べられる「花ワサビ」。米粒の様な細かな白い花が咲き、ワサビ田の春の風物詩です。

 3月末から4月中旬に掛けて、地元のスーパーマーケットの野菜売り場に「ワサビの花」として20~30本の束で並びます。
定年前に上田の子会社に通勤していた時に、旬な「酒の肴」としてワサビの花を話題にしたところ、地元のメンバーは(少なくとも上田など東信地方のスーパーには並ばないので)誰も知りませんでした(逆に、東信ではポピュラーだという活鮒は中信地方では見たことがありません)。そこで、奥さまの知り合いの方から頂いた際に、全員には無理なので限られた職場の同僚だけでしたが、いただいた花ワサビを小分けの束にして、且つおひたし用の調理方法のレシピを添えて配ったところ(早速自宅で作ってもらった)飲兵衛のメンバーには(酒の肴として)大好評でした。

パスタなども含め、ワサビの花のレシピも色々あるようですが、やはり辛味のツンと効いたおひたしか保存の効く醤油漬けがお薦めでしょうか。
どちらも茹でるか熱湯で湯がくか。茹でると柔らかくなり過ぎることもあるので、多目の熱湯で湯がく方が良いでしょう。どちらも辛味を増すために砂糖で揉むのがコツ。甘味を増すというお汁粉の塩同様に、正反対のモノを少量入れると効果があるのか、この場合はワサビの苦みを砂糖が消して辛味をより際立たせるのだそうです。
 漢字では「山葵」と書くワサビ。日本原産のアブラナ科ワサビ属の植物で、古くは飛鳥時代から使われて来たのだとか。因みに、英語や仏語でもそのままwasabiと発音されています。湧水や水のキレイな静岡の伊豆や安曇野が代表的な産地ですので、産地故の食材なのでしょう。
 ワサビ田に咲くワサビの白い花。真っ白だった北アルプスの雪解けが始まり、常念坊などの雪形が現れる頃。どこからか“早春賦”が聞こえて来そうな、信州安曇野の春を代表する風景です。

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