カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 お盆の帰省に合わせた、次女一家の2週間近い松本滞在。
横浜に帰るのにあずさよりも新幹線の方が早くて楽なことから、最後に二泊三日で、いつもの軽井沢のドッグビラに行くことにしました。
勿論事前に予約をしてあり、結果的に婿殿は直接横浜から新幹線で軽井沢合流となったのですが、皆で松本から車一台で移動出来る様にと、事前に松本のトヨタレンタカーで8人乗りの新型アルファードを3日間予約してありました。

 当日の朝、トヨタレンタカーの松本駅前店に行って手続きをして、乗る前にシートアレンジの遣り方を教えて貰ってから、マンションへ一旦乗って帰ります。アルファードは意外とショートノーズで、何よりもドライビングポジションがSUV並みに高いので見晴らしが良く、思った以上に運転がし易く感じます。ただ如何せん長い・・・。それもその筈で、アルファードは全長が4995mm(5メートル!)、全幅は1850mmで、コンパクトで運転がし易いからと家内が気に入った我が家のQ2の4200×1795に比べて、特に全長が80㎝も長い・・・。そこで慎重に慣らし運転を兼ねてマンションに戻ります。
その上でチャイルドシート2席、ベビーカー、ドッグカート各一台と、軽井沢から次女の家に宅配で送る段ボール箱とスーツケースなどの大量の荷物、更に大人三人とワンコ二匹・・・。どうやれば全部積めて人間が座れるのか???
あぁでもない、こうでもない・・・と色々シートアレンジを試しながら、何とか荷物を全部積み終わり、人間もしっかり座って、助手席の足元に敷いたペット用クーリングベットにワンコも載せて、いざ出発です。

 トヨタのナビには慣れていないので、行先案内もACCも未設定。乗ってから、ナビ担当の奥さまが助手席で使い方をネット検索しましたが、スマホと連動させているQ2のナビとは異なり、結果的に運転中は(停止中でないと)設定不能でした。
しかし目的地には何度も行っているので、道路案内が無くとも全く問題はありませんし、まだ近間の軽井沢だからイイのですが、オートクルーズが使えないのは些か足が疲れました。この日はカーブの続く三才山峠経由ではなく、高速道路の長野道から上信越道経由で軽井沢ICを目指します。
慣れない車なので安全運転に徹し、軽井沢ICを降りてからもいつものカーブの多い脇道は使わずに走りましたが、予定通りの1時間半で目的地のアウトレット(軽井沢プリンスショッピングプラザ)へ到着しました。お盆開けの平日とはいえ夏休み中ですし、更にインバウンドでかなり混んでいます。
我々はこうした混む時の軽井沢は避けて、これまでこの時期には来たことがありませんでしたが、孫たちの幼稚園の夏休みに合わせての今回の帰省ですので致し方ありません。

 P1~P6 まであるアウトレットの駐車場で、唯一まだ空いていたP3に駐車。そして、孫たちを二人乗りのベビーカーへ、ワンコたちをドッグカートに二匹載せて、先ずはランチを食べるために、次女一人で子供たちを見るのは大変ですし、私一人でワンコたちを見るのも無理なので、皆でフードコート外のテラスのビーチパラソルで日影が出来ている席で食べることにしました。テラス席も犬連れの皆さんで混んではいますが、ここは30卓近く100席程はあるので、何とか座ることが出来、先ずはワンコたちに給水とオヤツをあげて休憩です。
その間に、子供と女性陣がフードコートからランチを買って来て、最後に私がフードコートに買いに行きました。ここでは“美味しさ”を余り求めてはいけません。しかもこの猛暑の日本列島で、本来エアコンの無くとも凌げる筈の涼しい軽井沢も今年は連日30℃超えで、この日の最高気温は33℃予想とか・・・。別荘族の皆さんも呆れる程で、これではもはや避暑に来たとは言えせん(ただ、軽井沢はさすがに朝晩は20℃以下になりますので涼しく感じますし、都会から来ると信州は湿度が低く、カラッとしていると感じるそうです)。
それから我々がワンコと子供たちを見ている間に娘は行きたいお店を回りましたが、結局まだ決められないとのことで、そのため我々が孫たちとワンコを連れて先にドッグビラに行って先にチェックインをして、娘がアウトレットでの自身の買い物と、この日の夕飯は移動で疲れたので外食ではなくテイクアウトして部屋食で済ませることにして、我々は明治亭のお弁当を娘にリクエストして、私がその頃またアウトレットまで車で娘を迎えに来ることにしましたが、そのお陰で娘も自分たちの欲しいモノが買えた様でした。 
 翌朝9時、朝早く新幹線で横浜から東京経由でやってきた婿殿を軽井沢駅で出迎え、そのまま彼等の希望で北軽井沢(群馬県の嬬恋です)の「軽井沢おもちゃ王国」へ送ります。片道30分ちょっと、浅間山々麓を走ってのドライブです。途中は、昔家内と一度来たことがある「鬼押し出し園」の横を通る有料道路の「鬼押しハイウェイ」を走ります。ジジババは「おもちゃ王国」へ行ってもしょうがないので、我々はホテルに戻ってノンビリと休養です。
そして指定された午後3時半に迎えに行くと、昨秋に行った「白樺湖ファミリーランド」では怖がって、公園内を走る機関車トレイン以外何もアトラクションには乗らなかった上の子が、今度はしっかりとメリーゴーランドや観覧車など色んなアトラクションを楽しんで利用出来たのだとか。最低5つ以上乗らないと3300円(大人、2歳以上の子供は3100円)のフリーパスの元が取れないのだそうですが、今回は十分に元が取れたと娘たちは喜んでいました。そんな僅か半年での孫たちの成長ぶりに驚きます。帰りは浅間山がくっきりと全容を現し、その雄大さが感じながらまた「鬼押しハイウェイ」を走ります。
それにしても、途中浅間山の噴火に依って誕生した鬼押し出しという景勝地があるとはいえ、軽井沢から30分も離れ、途中有料道路(片道計650円!)に入るまでは九十九折の山道をずっと走らされて、軽井沢とは名ばかりの“北軽井沢”という山の中にあるというのに、ここだけは家族連れで結構な人気ぶり。
因みに「鬼押し出し園」も“北軽井沢”の開発やこの「おもちゃ王国」も、軽井沢の不動産開発も手掛けた嘗ての子会社「国土計画」に依る西武グループの運営であり、いくらその投下資本に依る設備の充実ぶりが違うとはいえ、「チロルの森」とのこの格差が一体どこから来るのか考えさせられた次第です。
 「おもちゃ王国」からの帰路、 「軽井沢の別荘地を見てみたい」という婿殿のリクエストにお応えして、長野県内に入った所の「峰の茶屋」から旧軽方面へ下る有料道路「白糸ハイランドウェイ」へ。
途中、その名の「白糸の滝」付近へ下って来ると、少し離れた駐車場にはまだ空きがあったので、娘夫婦はまだ見たことが無いということからそこに駐車。昔見たことがある我々がぐっすり寝ている子供たちと車で待っている間に、娘夫婦は歩いて「白糸の滝」を見に出掛けました。
有名な静岡の「白糸の滝」に比べれば半分ほどのスケールですが、幅70m、落差3mの軽井沢の「白糸の滝」はマイナスイオン一杯で涼しくて、“避暑地”軽井沢を実感出来たようです。
「白糸の滝」も軽井沢の観光スポットではあるのですが、下の駐車場は満車で人も一杯。夏の軽井沢はどこへ行っても混んでいます(写真は15年前に「白糸の滝」に初めて来た時と、同じく10年前に来た時のモノを使用しました)。
更に下って、次に重要文化財「旧三笠ホテル」横に停車。今秋の再オープンに向けて現在は改装工事で閉館中のため、外観だけを見学。確かに以前見学した時よりも塗り直されて外観がキレイになっていました。
10年前に「旧三笠ホテル」を見学した時は、念願だった信濃追分の「堀辰雄文学記念館」を見学した際に、記念館のスタッフの方から軽井沢のおススメ観光ルートとその際の有料駐車場ではない別の無料駐車場の案内と共に、町営施設の共通入場券を「二ヶ所見れば元が取れますから」と勧められ、アドバイス通りに無料駐車場に停めて雲場池を散策した後、この「旧三笠ホテル」にも二度目の訪問をしていました。
この「旧三笠ホテル」から旧軽のロータリーまで約2km続く道が「三笠通り」で、新日本街路樹百景にも選ばれたという、均等に並ぶカラマツの美しい並木道。しかもその両脇だけではなく、中央分離帯の様なセンターラインにもカラマツが立っていて、まさに避暑地軽井沢を象徴する風景です。高く伸びたカラマツがこの夏の強い日差しを遮り、真夏でも避暑地ならではの涼しさを感じさせてくれますし、落葉松と書けばイメージ通りに秋の黄金色に輝く様な黄葉もきっと見事なことでしょう。この辺りは、まさに明治時代からの“避暑地”軽井沢を代表する別荘エリアであり、婿殿も“本当の軽井沢”を目の当たりにして、この地の理解に繋がった様でした。
その後旧軽銀座を通り、この日の夕食を予約してある中軽の星野リゾートが運営する「ハルニレテラス」へ向かいました。
 期間中、レンタルしたアルファードのお陰で、軽井沢での移動も何とかなりました。因みに軽井沢滞在中、上の孫はアルファードのことを“タクシー”と呼んでいました。さしずめ、私メはタクシーの運転手さんでしょうか・・・。
最終日、旧軽のロータリー近くのレストランで如何にも軽井沢らしいランチを済ませてから、横浜に戻る次女夫婦一家を軽井沢駅に送ります。
当日、町内は交通規制されているとの道路案内が出ていましたが、軽井沢駅には私服含めた警察官や報道関係者などたくさんの方々がおられ、この日、軽井沢縁の上皇陛下ご夫妻が電車で恒例の軽井沢への静養に来られるとのこと。
改札前がお出迎えの一般の方々も含めて混雑する中、孫たちは何度も振り返っては手を振りながらホームへと消えて行きました。
 「ありがとネ!またおいでヨネ!!」

 その一時間後、きっと「お帰りなさい!」という、軽井沢の地元の皆さんから上皇ご夫妻への歓迎の声が駅舎の中に響いているであろう頃、そう言えば15年前、お二人の出会いの場となったテニスコート近くの喫茶店で、マスターの奥さま曰く、
 「お二人のテニスは、美智子さまの方がとっても攻撃的なのヨネ!」
と仰られていたのを懐かしく思い出しながら、我々は一足先に駅舎を離れてアルファードで松本へ向かいました。
途中上信越道の工事渋滞もあり、予定時刻をオーバーしてしまいましたが、最後の最後まで安全運転で無事松本へ到着し、最後に車を返却して、漸く今回の軽井沢行が終了しました。
因みに、新型アルファード8人乗りのレンタル料は、ガソリン代を除き3日間で8万6千円でした。そのコストが高いか安いかは別として、慣れない、しかも“借り物”という緊張感は常にありましたが、ワンコも含め家族全員が一台で移動出来ましたので、何ともゆったり感じられた軽井沢滞在でした。
 無事に我が家に戻って、緊張からの解放感と、ニ週間近く居てくれた孫たちが帰ってしまった虚脱感と、そして何よりも、ジジババにとってはニ週間に及んだ“夏の陣”の疲労感とがないまぜになって、家内と二人で、
 「フゥ~・・・、疲れたネ。」
 「ウン、・・・帰っちゃったネ。」

 それにしても、孫のためとはいえ随分と出費の嵩んだ、ジジババにとってのニ週間に及んだ“夏の陣”でした。
当面は、年寄り二人での耐乏生活が続きそうですが、今度また孫たちが来てくれる時までに、例え粗食に耐えてでも何とかまた予算を確保しておかねば・・。

 予定が変わり、婿殿が松本には来られずに、迎えを兼ねて最後の軽井沢で合流となったことから、彼が行きたいとのことで当初予定していた「白馬岩岳マウンテンリゾート」は次の機会に回して、今回孫たちを連れて行ったのは、塩尻峠の山麓に在る農業公園「チロルの森」です。
 チロルの森のH/P等から拝借すると、
『「信州塩尻農業公園チロルの森」は、ワールドインテックが運営する、欧州オーストリア・チロル地方をモチーフとした、標高1,000mにある総合テーマパークです。
ヨーロッパの牧歌的な景観や農業体験などを楽しむことが出来、主な特徴はラベンダー畑や牧舎があって、乗馬や動物とのふれあいなど自然に溶け込んだ施設となっています。
また、本場の製造を元に作った自家製のビールや濃厚なアイスクリーム、ジューシーなソーセージが楽しめます。また、石窯で焼いた本格的なピザやパン。豊富なメニューのレストラン、体験教室など、「見て・触れて・食べて」五感で楽しめる施設です。
しかし来場者の減少と新型コロナウイルス感染症の影響で2020年11月29日に一度閉園しましたが、2025年4月26日に再開園しました。』
再開については、
『長野県塩尻市にある「チロルの森」が、2025年4月26日(土)より営業を再開いたします。本施設は、2020年11月に新型コロナウイルス禍の影響を受け、閉園を余儀なくされました。しかし、多くの皆様から寄せられた温かい支援と期待の声に後押しされ、昨夏にはトライアル営業を実施し、一ヶ月間に約25,000人の来園者を迎えることができました。この結果を踏まえ、4年半ぶりの営業再開を決定いたしました。』

 開園は1999年とのことで、家内に依ると、シンガポールから帰任後の子供たちが小学生の頃、亡き父が連れて来てくれたことがあったそうです。ですので次女は30年振りの来園なのですが、あまり記憶は無さそうでした。
この日は夏休み期間中の平日で、従業員の方と思しき車を除くと、約2000台収容という広大な駐車場に、開園時間での来園は僅か10台足らず・・・。
「チロルの森」の入園料は大人1000円。孫たちは4歳未満のため無料。塩尻峠の北小野の山麓の森の中に拡がる27haという広大な公園です。広々としていて標高も1000mと高いため、林の中の木陰もあって涼しくて気持ちがイイ。信州人からするとそこら辺の里山と同じなのですが、都会から来ると、高原に拡がる森林浴気分でもっと気持ちが良かろうと思います。
 この日、動物好きな子供たち(横浜のズーラシアや八景島シーパラダイスがお気に入りとか)のために、先ずは坂を上って放牧エリアへ。最初にサラブレッドとポニーの二頭のお馬さんの所へ。傾斜を活かした林の中の“ホースラン?”が馬屋の横に在り、そこを自由に走り回っていて、大きな紙コップに入ったレタスのエサが用意されていて(200円)、噛まれぬ様にトングを使いながらエサ遣りに挑戦。また子ヤギも含め6頭ほどのヤギたちにも、同じく紙コップに入った乾草のエサ(200円)をヒシャクに入れて孫たちそれぞれで食べさせていました。
そこから坂を下り、最初の憩いの森エリアにあるシルバニアファミリーの部屋で、娘たちも子供の頃遊んだ人形や家でそれぞれ家内や娘と一緒に遊びました。
このエリアには林の中にツリーハウスなどもあって、おとぎの国の様な雰囲気です。
その後で、ゴーカートや急斜面を利用したソリでの芝滑りは、幼児は無理なので、最後に一番奥の池で脚漕ぎボートに乗って池を周回してこの日のアクティビティーは終了しました。
 チロルの森はコロナ禍の影響での入場者減少もあって、一度閉園を余儀なくされています。地元の要望や支援により、トライアルの結果をふまえて今年4月に再開しています。
しかし、この日は平日とはいえ、午前中の入園はせいぜい50人程(どんなに多く見積もっても3桁には届かず)ではないでしょうか。勿論、一度閉園しているので、施設やアトラクションの充実にはお金を掛けられず、当面は現状のモノを維持管理していく他はないかもしれません。しかし、信州の高原風の広大な森の中で雰囲気もイイし、都会から来れば避暑地感覚でも楽しめる。なのに、こんなに空いていてはナントも勿体無い。
例えば、入場料は無料ですが、週末になると親子連れで駐車場は満車になるアルプス公園に在るようなドリームコースターか、長い滑り台のロングスライダーなど様々な子供向けの遊具や、或いは安全な子供向けの最近はやりのボルタリングもイイ。園内の林の大きな木々を活かしたブランコやジャングルジムの様な遊具でもイイ。いずれにしても広大な敷地と傾斜を活かすべきだと思います。そして、白馬岩岳ではありませんが、チエとズクで何とか子供たちが喜ぶ様な、是非目玉となる様なアクティビティーを創造して欲しいと思います。例えば、上手く傾斜を活かして“日本一長い”ロングスライダーを設置出来れば、それだけで目玉として“日本一”を売り込めます。
 チロルの森の入園料の大人1000円、子供(4歳以上)500円は決して高くありません。必要なら500円程度値上げしてでも施設を充実させて、是非地元だけでなく、県外から観光で来られる子供たちが是非遊びたい、是非遊ばせたいという魅力ある公園にして欲しいと思いました。
何より、ここにはそうした「チエとズク」の要素となる明るい材料が、広大な森の中に幾つも潜んでいる様に感じるのです。是非頑張ってください!
【追記】
入園者が少なくコストを掛けられないのは理解できますが、園内を色々探しても閉まっていたりしているレストランや施設もあって、結局この日のランチは園内では取るのを諦めて車で戻り、松本IC近くのベーカリーレストラン「COCORADE」で食べました。その分も「チロルの森」は収入減となってしまっているのです。これも実に勿体無い!

 松本から白馬岩岳へは、一般道を走って1時間半の行程です。
松本から白馬に行くためには、主に昔は松本から糸魚川へ至る“塩の道”千国街道がベースの国道147&148号線(松本から大町が147、大町から糸魚川は148)しか無かったのですが、この国道147号線は豊科や穂高、大町の市街地を通る生活道路でもあり、信号が多くて車が混むこともあって、現在では“北アルプスパノラマロード”県道306号線を走って、そのまま大町市の郊外を抜け、木崎湖で国道148号線に合流する道を走ることが多くなりました。
この通称“北アルプスパノラマロード”は、1998年長野オリンピックの際に国道147号のバイパスとして高瀬川右岸の道路が整備された、所謂“オリンピック道路”です。
県道306号線は、元々は安曇野の西縁の有明山麓を通過する“県道有明大町線”なのですが、この新設の“北アルプスパノラマロード”も県道306号線とされたため、今では有明山麓線の2路線が同じ306号線になっています。
この高瀬川の堤防沿いを走る県道306号線の方は、国道147号線に比べて遥かに信号が少ないので、松川村(因みに、県内には伊那谷の梨の産地、下伊那郡に松川町もあるので、時々どちらが「村」でどちらが「町」だったか迷うこともありますが、こちらはスズムシや「ちひろ美術館」で知られる北安曇郡の松川村です。余談ですが、冬季はこの松川村に入ると急に雪が多くなり、さすがにここからが北安曇郡なのだと妙に納得します)から大町市に近付くにつれ、次第に眼前に迫って来る爺ヶ岳や餓鬼岳、ニャンコの尖った耳の様な双耳峰が印象的な鹿島槍など、文字通りに北アルプスのパノラマを眺めながら走る気持ちの良いドライブコースです。

 昔の都会からの信州へのスキー客は、志賀高原や野沢温泉は信越線でしたので東京方面からが多く、白馬ヘは中央線で松本経由だったので割と関西方面からが多かった(白馬のスキー場でリフト待ちをしていると、聞こえて来るのは主に関西弁でした)のですが、特にインバウンド効果での海外からのスキー客は、野沢温泉は勿論ですが、白馬方面へも北陸新幹線を長野(野沢温泉は飯山駅も)で降り、オリンピック道路経由の直通バスで来訪する人が殆ど。夏の登山で北アルプス方面を目指したりサムライロードを歩いたりするインバウンドでの外国人観光客以外、中央線での松本経由で白馬へスキーというルートの観光客は最近では殆どいなくなりました。

 昔、子供たちがスキーをやっていた頃も、近間では朝日プライムに始まり、大町白馬方面でもせいぜいファミリー向けの爺ヶ岳や簗場(閉鎖)、泊まりでは八方尾根(名木山や咲花ゲレンデ)でしたので、子供たちが巣立ち年寄りだけでスキーをすることも全く無くなってからは、兎平や栂池へは夏の唐松岳登山や八方池や栂池自然園へのトレッキングで来たことはあっても、この岩岳へは結婚した前後のスキー以来ですので、本当に40年振りで来たかもしれません。
 白馬岩岳マウンテンリゾートへは(スノーフィールドも同様)、昨年12月に38年振りに新設なったという新ゴンドラリフトの山麓駅周辺の、当時和田社長以下経営陣の皆さんが駐車場係をされたという広大な無料駐車場(1000台近くが駐車可)に駐車しました。ゴンドラ近く中心に、平日ですが既に長野県内も夏休みに入っていることもあるのか、300台近く車が停まっていました。地元ナンバー以外に県外車も結構見られます。
“マウンテンバイクの聖地”と云われる入笠山の富士見パノラマを筆頭に、夏のスキー場の集客目的でMTBのコースが幾つも作られており、ここ岩岳も過去には日本最大級のMTBイベントが開催された実績もあるとかで、MTBを積んだ車も何台も見られました。

 事前に神城の国道沿いに在る「白馬道の駅」に立ち寄って、白馬岩岳マウンテンリゾートの前売り券(当日2900円が200円引きの2700円)を買ったのですが、残念ながらワンコチケット(800円)の前売り券は無く、ゴンドラリフトのチケット売り場で購入とのこと。WEBではオンラインチケットが前日まで購入出来るので、この日はそれ程の行列ではありませんでしたが、混雑を避けて事前に(特にワンコ連れの方はオンラインで)チケットを購入した方が良いでしょう。因みに、ゴンドラはケージやリュックに入れずにワンコも一緒に乗ることが出来ます(山頂駅近くに在るスキーリフトに乗る時はワンコをケージに入れる必要があり、乗り場で無料のレンタルが可能とのこと)。

 早速、昨年12月に新設されたゴンドラリフトに乗り込みます。今までのゴンドラは「ノア」という名称でしたが、新しいゴンドラにはまだ名前が付いていませんでした。因みに、八方のゴンドラは「アダム」で栂池が「イブ」です。
10人乗りのゴンドラで、ワンコもそのまま乗車出来ますが、スケルトンで外が透けて見えるので少し怖そうで、特にビビりのクルミは落ち着かない様子。7分で標高1,289mの山頂駅に到着です。
山頂には山頂レストラン「スカイアーク」があり、その前に芝生広場があって、その「IWATAKE GREEN PARK」内には、スノーピークが監修して「展望ピクニックラウンジ」、「プライベートデッキ」、「森のテラス」、「芝生広場」、「ブナの森パーク」の5エリアが新設されている他、ペット企業とも連携して「森の遊歩道&ドッグラン」も設置されているとのこと。
我々も展望の良いスノーピークのテントを使った「プライベートデッキ」の中に入って座り、ワンコたちもおやつを食べて眼下に拡がる白馬の町並みを見ながら暫し休憩です。
この日は平日とはいえ、信州も含め既に夏休みに入っているので、結構家族連れの観光客がたくさん来られていました。ただ、1300mの岩岳山頂なのに30℃を超える様な暑さには参ります。下界よりも涼しいかと思って少し厚めのポロシャツにしたのですが、これが大間違い。汗だくになりました。
因みに後で分かったのですが、「白馬岩岳マウンテンリゾート」のH/Pの夏季シーズン向けの「GREEN SEASON」のサイトに、その日のアクティビティ情報やライブカメラ映像などと共に当日の予想最高気温が表示されているので、訪れる際は参考にされた方が良いでしょう。
 せっかくなので、張り出したテラスから眼前に白馬三山の絶景を望む「マウンテンハーバー」に行ってみることにしました。ブナ林の中の遊歩道を歩いて行くと、陽の遮られるブナの木陰は思った以上に涼しく感じられます。
建物の屋根のひさしが作るテラスの日陰のエリアは満席で、直射日光が当たるエリアしか空席はありません。また張り出したテラスの先端での記念写真撮影は、10人程の行列で順番待ち。
また信州初出店という人気の「THE CITY BAKERY」は、出店直後5時間待ちだったという京都店程ではないにしても、さすがに混んでいます。でもメニューはランチ用のクロワッサンサンドは3種類だけで、後はマフィン、クッキー、ビスケットなどの焼き菓子が中心で、売り場も思ったよりも狭くレジ待ちの行列でした。
そのためここで食べるのは諦めて、外のブナ林の端でパラソルが在るテーブル席で休憩です。そこから見える、目の前に聳える白馬三山に向かって飛び出していく様な話題のブランコ、「ヤッホースウィング」はさすがに人気で、この日も20人程の行列でした(500円で、2分間の時間限定。ちゃんとベルトでしっかりと腰の辺りを固定されるので、子供がブランコから飛び出してしまう危険は無い様です)。
眼前に拡がる絶景、7年前に登った唐松岳や白馬三山はどの峰も頂上部分に雲が掛かっていて、残念乍ら全容を見ることは出来ませんでしたが、2019年に氷河と確認された唐松沢雪渓や、同じく今年1月に杓子沢雪渓と共に氷河と確認された不帰沢雪渓などはしっかりと見ることが出来ました。
(氷河の説明写真は、白馬村のH/Pからお借りしました)
 山頂駅近くのスカイアークにもデリやスープストックなどのレストランも入っているのですが、混んでいるのと室内にはワンコは入れず、屋外のテラス席は暑いので、ワンコたちのことも考えて早々にゴンドラで下に降りることにしました。
そこで岩岳でのランチは諦め、もう10年位も前になるかもしれませんが、昔何度か来たことがあった信濃森上の国道沿いに在るレストランへ。
こちらは白馬では珍しく、ワンコも一緒に室内での食事が可能です。昔はご夫婦二人で賄われていて、ハイシーズンの終末だったのかとても混雑していたと思いましたが、この日は平日だったこともあるのかご主人だけで、客も我々含め2組。ご主人の相変わらずとてもフレンドリーで気持ちの良い応対ですが、残念ながら肝心の食事が以前よりも味が落ちた様な気がしました。
 そこから、家内が帰りに寄りたいと言っていた、青木湖畔のカフェに行くことにしました。
何でも最近ローカルTVで紹介されたとかで、後で分かったのは、こちらも前話の和田さんが代表を務める(株) ズクトチエが運営する施設だったのです。
昨年7月にオープンしたという青木湖畔ギリギリまで張り出したテラス席と店内席を有し、国内有数の透明度を誇る青木湖でのカヤックやSUPなどの湖上アクティビティや、他にもサイクリングの拠点としても機能する大型オールデイ・カフェ「ao LAKESIDE CAFE(アオ・レイクサイド・カフェ)」とのこと。
更にカフェの隣にはサウナ施設もあり、この日も若い人たちがサウナでしっかり“ととのった”後、ちゃんとライフジャケットを着て、冷たい青木湖に飛び込んで気持ち良さそうに楽しんでいました。
こちらのカフェの方も湖畔側のテラス席はワンコOKで、パラソルの付いたテーブル席が幾つも設けられていて、ほぼ満席の混雑ぶりでした。
ランチを済ませて来たので我々はドリンクだけにしたのですが、後からメニューを見て思ったのは、こちらの方がランチメニューが豊富だったので、晴れていればこの青木湖畔のテラスからは、湖越しに鹿島槍や五竜岳が望めるなど景色も良いことから、次回は岩岳山頂でランチを食べない場合は、ファーストチョイスとしてここで食べることにしました。(建物やテラスの写真はH/Pからお借りしました)
 以上駆け足で、この日の“予行演習”は終了しましたが、以前10数年前に来た時は、スキーブーム去った“みそらのペンション村”などは閉店した店舗も多くて、まるで廃墟の様で閑古鳥が鳴いていたのですが、場所や施設によっての“まだら模様”ではあるものの、近年のインバウンド効果ですっかり様変わりして活気のある白馬村を体感することが出来ました。
ただ願わくば、“第2のニセコ”だけにはならんことを!

 今年はお盆に次女一家が松本に帰省して来てくれるとのこと。次女からすれば、子供たちをジジババに任せてのそれこそ自身の夏休みで、日頃の育児疲れを癒すための文字通りの“骨休み”なのでしょう。
滞在中に行きたいところを聞くと、婿殿が「白馬岩岳マウンテンリゾート」に行ってみたいとのこと。そこで、事前の情報収集も兼ねて、混むであろう週末を避けて平日に、孫たちが来る時の“予行演習”で、コユキとクルミも一緒に連れて行くことにしました。

  「白馬岩岳マウンテンリゾート」。
H/Pに依ると、『白馬村にある白馬岩岳は、四季を通じた雄大な景色の中で、様々なアクティビティが楽しめるマウンテンリゾートです。
白馬三山(白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳)が最も美しく望める絶景スポットをはじめ、トレッキングやマウンテンバイク、ウィンタースポーツなど、特別な時間を過ごせるマウンテンリゾートとして、世界中の旅行者を魅了し続けています。』とのこと。(最後の写真を除き、H/Pから画像をお借りしました)
 昔、会社に入ってから冬になると職場のメンバーで毎週のように皆で乗り合わせて白馬方面へスキーに行ったのですが、数ある白馬のスキー場の中では、コブだらけの兎平や黒菱などを始めとする上級者向きの八方尾根よりも初心者から中級向きだったことから、スキーに一番通ったのがこの白馬岩岳スキー場(現在は「白馬岩岳スノーパーク」)でした。
一時期、スキー人口が減ってどのスキー場も経営が厳しくなったのですが、現在ではその雪質とアクセスの良さから、インバウンドでのスキー客が海外からニセコのみならず白馬や野沢温泉にも大量に押しかける様になり、特に白馬は最新のデータで地価上昇率が日本一とか。
そうした中で、“通年リゾート”として、従来の冬のスキー客だけではなく夏の観光客の呼び込みの先駆けとなったのが、この「白馬岩岳マウンテンリゾート」だったのです。
 そして、その立役者が「白馬岩岳マウンテンリゾート」の前社長和田寛氏。
テレ東の「カンブリア宮殿」で昨年10月に放送された内容から抜粋させていただくと、
『閑散とした“真夏のスキー場”を一大リゾートに変えた男がいる。東大出身、農水省の元キャリア官僚という経歴を持つ、和田寛(ゆたか)48歳。和田によって大変貌を遂げたのは、98年の冬季オリンピックも開催された長野県白馬村。ウィンタースポーツを目当てに国内外から観光客が訪れる屈指のスキーリゾートだが、シーズンが終わると一気に客が減ってしまうのが長年の課題だった。しかし2016年頃から放ってきた数々の仕掛けによって、グリーンシーズンも活性化。ついに"夏"の来訪者数が冬の1.5倍となり、「冬よりも夏に稼ぐ」リゾート地となった。
10ほどある白馬エリアのスキー場の中で、夏でも客が殺到するのが「白馬岩岳マウンテンリゾート」。目玉は、雄大な白馬三山を正面に見据えるテラス、「マウンテンハーバー」。360度大自然に包まれる感覚を味わえるよう設計された展望台は映えスポットとして動画や写真はSNSで拡散され、集客につながっている。またテラス内にはニューヨークに本店を構える人気カフェ「THE CITY BAKERY」が出店。ハイクオリティのパンやコーヒーを、絶景を望みながら楽しめると、若者を中心に人気を呼んでいる。そしてマウンテンハーバーの横で連日大行列を作るのが、アルプスの絶景に飛び出す感覚を味わえるブランコ「ヤッホー!スウィング」だ。2分間で500円と有料だが、年間4万人が体験する超人気アクティビティになっている。このように「絶景」という隠れた資産を見つけ出し、「何か」を組み合わせてオンリーワンの価値を作りだし、客を呼ぶリゾートになったのだ。』
 しかし、決して順風満帆で成長した訳ではありません。別の記事ですが、3年前の東洋経済の和田氏へのインタビュー記事を参考にさせていただくと、
『きっかけは2020年。スキー場を営む私たちにとって、思い出したくもないくらいつらい時期でした。
この年は記録的な少雪にコロナ禍が重なり、来場者数が急減してしまいました。売上は前年度の7割程度に落ち込み、過去10年で最も大きな赤字決算。2年連続でこの大赤字が続けば、スキー場としての存続も危ぶまれる状況です。
 緊急事態と判断した私たちは、「大きく落ち込んだ前年度同様の売り上げで、しっかり利益の残る予算」を組むことを決意します。そのためには「やれることは何でもやる」。とにかく生き残りをかけて、徹底的にコスト構造を見直すことにした
「やれることは何でも」の例の1つが、駐車場整理コストの削減でした。当社の財務担当取締役が、こんな「禁断のコメント」を言い出しました。
 「駐車場整理に年間500万円くらい使っているけど、これ、俺らがやればタダじゃない?」
 「駐車場整理が本当に必要になるのは週末だけ。その日は基本的にはデスクワークや会議はないし、なんとかなるんじゃない」
財務担当取締役自らがやると言うのであれば、断れるはずもありません。
結局、土日祝日は仕事が少なくなる私たち経営陣が、必要なタイミングで駐車場整理に入ることとしました。言い出しっぺの財務担当取締役と私(社長)は、ほぼ毎週末、朝から駐車場整理をするようになっています。
さらにはその流れで、駐車場整理が終わるお昼前後からは山頂に上がり、レストランのレジ打ちや皿洗いをすることも日常になってきました。こうすることで、少しでも人件費を抑制しつつ、お客さんにスムーズに食事を提供できるサポートをしています。
いまではリフトやゴンドラの乗車係、バギーツアーの運転手など、手が足りないところならどこでも、経営陣が穴埋めできるようになりました。(中略)
社長をはじめとした経営陣がこうした現場仕事に入ることの功罪は、いろいろあると思います。
もちろん、「会社全体の置かれている状況をしっかり把握し、対策を立て、実行する」「人を育て、適切に配置する」といったことは社長・経営陣しかできない、大事な仕事、本業です。
本業がおろそかになってしまっては元も子もありませんが、自分自身も駐車場やレストランという現場の最前線に立ってみて、単なる固定費削減以上に現場を知ることには大きな意義があったと気づきました。』
 こうした成功を受けて、同じ様に集客に悩む自治体や運営企業からの問い合わせが増えたそうです。以前和田氏へのTV取材だったかで視たのですが、
中には、ずうずうじくも『成功した「岩岳マウンテンパーク」で大人気のブランコのヤッホースウィングを見て、「自分たちも設置したいので、どこへ頼めば良いのか?紹介して欲しい!」とあからさまに聞いて来る輩がいるんです。どうして自分たちで知恵やズクをださないのだろう!?』と、和田さんが憤慨しつつも残念そうに語っていたのを思い出します。
因みに、“ずく”とは信州弁で、「精を出すこと、根気、やる気、熱心さ」などを意味する方言です。怠けることを「ずく無し」と表現することもあります。

 和田氏は2023年10月に(株)岩 岳リゾートの社長を退任。 その後は2022年に設立した、正に“ずく”と知恵を体現するべく、「(株)ズクトチエ」の共同代表に就任して、引き続き白馬の観光振興に取り組んでいるそうです。
和田氏ご自身は東京出身で信州人ではありませんが、正に白馬に惚れて根を下ろした和田氏の成功の鍵とモットーこそが、この「ずく」と「知恵」なのだと理解しました。

 長女が松本滞在中に行きたがっていた、養命酒が手掛ける新しい施設「くらすわの森」。
結局長女は時間が取れずに行けなかったのですが、そこで今後の参考に次女と孫たちを連れてトライアルで行ってみることにしました。
「くらすわの森」は養命酒の発祥の地、信州伊那谷の駒ヶ根に在る中央研究所と工場に隣接した体験型複合施設で、2024年10月にオープンしたばかりの新しい観光スポットです。
元々「くらすわ」は、最初の施設が2010年に諏訪湖畔に開設されたベーカリーやショップも併設されたオシャレな人気レストランで、諏訪に勤めていた頃は会社の食事会等も含め家族でも何度か利用したことがあり、次女夫婦が結婚後に見たいという訪湖花火を、確かその「くらすわ」の屋上の観覧席だったと思うのですが、事前にチケットを予約して見たこともありました。また2020年には「信毎メディアガーデン」にもテナントとして、「くらすわ」のダイニングが松本にも出店しています。
そんな「くらすわ」の大規模な複合施設が、今回新たに養命酒の駒ヶ根工場に新設された「くらすわの森」なのです。
        (以下二枚の写真は紹介ページよりお借りしました)

 PR記事に依ると、『養命酒製造株式会社が運営するライフスタイルブランド「くらすわ」の世界観を詰め込んだ体験型複合施設「くらすわの森」が2024年10月3日、長野県駒ヶ根市にグランドオープンしました。食事や読書を通じての「おいしい」「たのしい」「すこやか」な体験ができます。
「くらすわ」は、食を通じてすこやかなくらしを応援するライフスタイルブランド。創立100周年を迎えた養命酒製造株式会社の運営で、長野県を中心に4店舗を展開されています。この度、長野県駒ヶ根市にある工場を囲むようにさまざまなコンテンツを配した体験型複合施設「くらすわの森」がオープンしました。森の中を散策しながらこだわりのグルメやお買い物、体験を楽しむことができます。
ドーナツ型の「フォレストリング」は、真ん中の森を眺めながらフードやショッピングを楽しめる「くらすわの森」の中核施設です。ぐるりと囲うようにカフェやショップが配置されており、ベーカリーでは粉から丁寧に仕込んだ自家製のパンを毎日20種類以上焼き上げて販売されています。』とのこと。
 松本からだと「くらすわの森」へは1時間程度。長野道から中央道に入り、最寄りICは駒ヶ根ICですが、もしETCがあれば駒ヶ根SAのスマートICで降りられ、そこから僅か5分足らずで到着出来ます(帰路も同様)。
場所は駒ヶ岳の麓にあって、数か所に分かれる駐車場も全部で450台と広く、平日に行ったので、施設に一番近いインフォメーション横の駐車場に停めることが出来ました。受付で園内のマップを頂いて出発です。
因みに、駒ヶ岳というのは木曽駒ヶ岳のことですが、伊那谷では「木曽」とは絶対に付けません。伊那谷では「木曽駒」と言うのはタブーであり、飽くまで「駒ヶ岳」なのです(千畳敷カールに登る「駒ヶ岳ロープウェイ」は、伊那谷側の駒ヶ根市にあります)。強いて言えば、中央アルプスと南アルプスに挟まれて、諏訪湖から流れ出る“暴れ天竜”が形成した伊那谷からは、木曽駒と甲斐駒の二つの駒ヶ岳が望めるので、従ってこの駒ヶ岳は「西駒」であり、甲斐駒を「東駒」と呼んで区別する場合もあります。
季節柄、この日は生憎先日降った雪がまだ残っていて、遊歩道などはぬかるんでいるため、子供向けのスライダーは休止中とのこと。園内には森の中にツリーハウスの様なライブラリーが在って、絵本を含め1000冊の本が揃っていて子供も楽しめるそうなので、新緑の季節や夏休みなどに森林浴を兼ねて遊歩道を歩いて子供連れでノンビリ楽しむのも良いかもしれません。
到着したのが11時半近かったので、娘のリクエストで先に「弐の蔵」のレストランに行ってみると、既に満席で40分待ちとのことでしたので早速予約。そして登録をするとスマホに呼び出しの案内が来るとのことで、それまで園内を散策してみることにしました。戻り、「壱の蔵」のショップからスタートです。
ショップで娘が横浜へ持って帰るお土産を幾つか購入。それから、大阪万博の大屋根リングの小型版の様な円型の建物、「フォレストリング」へ。
この建物は木製ではなく、内側がガラス張りの回廊が円形に巡っていて、その円形の建物内にカフェ、ベーカリー、ミートデリやマルシェなどのショップが併設されており、建物で囲まれたエリアは、中庭の様に林がそのまま残されているので、その木々の姿を眺めながらショッピングやグルメを楽しむことが出来ます。各店共通で利用ができるというイートインスペースも用意されていて、開放的なテラス席ではワンちゃんの同伴も可能だそうですが、実際テラスで食べておられたワンコ連れのご夫婦もいらっしゃいました。
一周ぐるりと巡りながら、ミートデリで朝食用の自家製ソーセージ、同じくベーカリーで朝食用のパン、そしてマルシェで地場の新鮮な野菜(懐かしいカーリーケールがあったのでサラダ用に)なども購入。
ちょっとしたランチなら、ベーカリー横のカフェには1500円のプレートランチもあったので、レストランでなくともこちらで済ませることも可能です。
そうこうしている内に、まだ40分経っていませんでしたが、席が空いたらしくスマホに呼び出しがあったとのことで、買ったお土産等は私が車に運び、先に彼等は「弐の蔵」のレストランへ向かいました。
 70席という「くらすわの森」のレストランは、ランチコースの3000円前後のメインディッシュを選ぶと、「くらすわ野菜ビュッフェ」と「自家製パン」が付いています。
そこで皆でシェアすることにして、メインディッシュには「信州十四豚ロース やわらかローストポークステーキ」(3,200円)、「シラスと菜の花のオリーブオイルソースパスタレモンの香り」(2,900円)、「ピッツァ マルゲリータ」(2,800円)。そして、子供たちはKids(小学生以下対象)メニューから、「自分でトッピング キッズピザ(トッピングを体験できるミニサイズのピザセット))1,800円)と「野菜ビュッフェのみ」750円)をチョイスしました。
ポークソテーも柔らかで美味しかったのですが、個人的にこの中で一番良かったのは野菜ブッフェでした。何と言っても地場の新鮮な野菜が食べ放題。また選んだワサビドレッシングも美味。何度もおお替わりしてしまいました。またブッフェは野菜だけではなく、スープ(この日はカボチャのポタージュ)、出来立ての自家製モツァレラチーズやキノコのマリネ、また何種類かの自家製パンもあって、そのどれも美味しかったです。
個人的にはこちらのレストラン以外でも、ミートデリのホットドッグや、カフェのランチプレートも美味しそうでしたし、イートインスペースもしっかりあります。ただもしレストランで食事する場合は、先に予約してから買い物や森を散策した方が良いでしょう。
「くらすわの森」は高原リゾートの様な雰囲気なので、我々信州人はともかく、夏休みなどに森林浴を兼ねて都会から来られた家族連れにはおススメかもしれません。隣接する工場の見学も可能なので、平日であれば稼働している養命酒の製造ラインも見ることが出来ます。
 この日は残念ながら前日の降雪もあって、森の中の遊歩道の散策は出来ませんでしたが、都会育ちの孫たちは積もった雪が珍しいらしくて、キャッキャと歓声を上げながら雪を触ったり掴んで投げたりして喜んで遊んでいましたので、それはそれで良かったかもしれません。
でも、もし今度来る時は小鳥の鳴き声でも聴きながら、木漏れ日の中を森の遊歩道を散策して、「森のライブラリー」やテラスのカフェで少しノンビリ出来れば・・・と思います。

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