カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 長野県の伊那谷、箕輪町にある“もみじ湖”が、最近紅葉スポットとして秋の紅葉シーズンになると県内外から観光客が殺到し、最盛期にはマイカー規制をする程の人気ぶりという報道がされ、以前から知ってはいたのですが、そんな混雑の中行くのもどうかと思い、今までは一度も行ったこともありませんでした。

            (もみじ湖と箕輪ダム遠景)
 この“もみじ湖”というのは、諏訪湖から伊那谷を流れ下る天竜川水系の沢川に建設された、箕輪ダムのダム湖の別名です。
なぜ“もみじ湖”と呼ばれる様になったのかについて、その経緯をまとめた紹介記事があったので抜粋します。
『平成4年(1992年)、箕輪ダムは一級河川・天竜川水系沢川に建設された。それまで、沢川は何度となく水害をもたらしていたこと、また、当時高速道路ができたことによって大きく発展すると見込まれたことから、防災への備えと水を安定して供給できるように造られた。
けれども箕輪ダムの建設にあたって、その地域に住んでいた人々は移住をしなければならなかった。自分たちの故郷が湖底に沈むことになったとき、この地域で苗木屋を行っていた人が「これから何年も先に人が訪れる名所となるように」という思いを込めて10800本のもみじを町に寄付したという。もみじは町内の人たちが10年かけて植林。その後も世話を続けることによって、30年以上も経った今、全国的にもみじの名所として知られるようになったのである。』
そして、国内旅行情報サイト「じゃらんnet」の「全国のおすすめ紅葉スポットランキング 」で、2020年に全国1位に選ばれて全国的に注目を集め、以来2024年まで5年連続第1位に選ばれ、その間の2023年には5万人近くの人が紅葉を見に訪れるなど、30年前に「これから何年も先に人が訪れる名所となるように」との住民の方が願いを込めて植えられた約1万本のもみじが、実際に30年を経て日本の紅葉を代表する名所になったのです。
 まだまだ有名になるずっと前、お義母さんが儀弟に連れられて、その“もみじ湖”の紅葉を見に行ったことがあり、秋になると今でもその時の紅葉の見事さを思い出して口にするのだとか。儀弟は、地元の土木建設会社の役員を長年やっているので、土木工事で箕輪ダムに行ったことがあって、まだ観光客などが殺到する前に、その美しさを両親に見せに連れて行ってくれたのだそうです。
たまたま、先日家内がお義母さんを原村の日帰り温泉に連れて行った時に居合わせた方が松本在住で、朝6時半に松本から“もみじ湖”の紅葉を見に行った帰りに足を延ばして温泉に立ち寄ったとかで、もみじ湖は混んではいたがまだ十分車が停められたことと、色付きが例年より1週間から10日程遅れているそうですが、評判通り紅葉が見事だったことを聞かされて、どうしても「見に行きたい!!」という、奥さまの強い要望にお応えすることにしました。
            (もみじ湖と田無橋遠景)
 行ったのは11月7日金曜日の平日。先にワンコたちの散歩と食事を済ませ、6時半には間に合わず結局7時に家を出ました。箕輪ダムへの道は、途中すれ違いがやっとな位の狭い個所もあるそうなので、軽のハスラーで行くことにしました。
松本から箕輪へのルートは、通常は中央道を伊北ICまで行くのですが、事前のグーグル検索でも、またナビも中央道の岡谷JCTがリニューアル工事で渋滞することから、渋滞を避けるべく手前の塩尻ICで長野道を降り、国道153号線で善知鳥峠(分水嶺です)を越えて行くルートになりました。上伊那郡の辰野町から県道諏訪箕輪線で箕輪ダムへ向かいます。途中、道の狭い個所では係員の方が居て交通量を見ながら通行規制を行ったり、道路工事に良くある臨時の信号機が何ヶ所かに置かれていて、1分半間隔で一方通行にして車両規制を行ったりしていて、道が狭くすれ違い出来ずに車同士がスタックするのを避けていました。
箕輪ダムのダム湖を過ぎると、竹の尾広場と末広下広場に数十台ずつの普通車と末広下には大型の観光バスも停められる駐車場があって、係員の方が3名ずつおられて交通整理をされていて、車をまだ上に行くように指示されていました。その末広下駐車場から町道に入って、“もみじのトンネル”を抜けて更に坂を登った所に末広広場の駐車場があって、こちらは200台駐車可能とのことで車を誘導して順に停めさせていて、我々が到着した8時10分頃はまだまだ余裕がありました。松本からはナビ通りの1時間10分で到着。岡谷JCTの工事が終われば、1時間掛からずに行けるかもしれません。それにしても、この日は平日ですが次々に車がやって来て、驚いたことにその半分以上が県外車です。
駐車場で戴いた「2025年もみじ湖紅葉祭り」パンフに沿って、末広駐車場から先ず散策コースを歩き、下って県道に合流して、マルシェが開催される竹の尾広場と親水公園辺りまで行ってからまた県道を戻り、末広下駐車場まで来て、そこから末広駐車場への町道に入り、最後に「もみじのトンネル」を登って末広駐車場に戻ることにしました。
以下、当日撮った写真をそのルートの順番でご覧ください。少々枚数が多いですが、出来るだけ雰囲気が分かる様に、写真を縮小せずにそのまま掲載することにします。
            (散策コースにて)
            (竹の尾橋から)
            (新田神社にて)
          (県道への合流地点辺りの大きなモミジの木)
            (末広下駐車場)
            (駐車場奥の大きなモミジの木)
            (駐車場横の「もみじのトンネル」)
            (「もみじのトンネル」入り口付近から)
           (「もみじのトンネル」出口付近から下を望む)
 初めて“もみじ湖”を訪れた感想としては、我々が行った翌日から、週末のみ駐車場を有料の事前予約制にして、「紅葉祭り」週末のマイカー規制が行われるのですが、紅葉前の青モミジもあって、まだ少し紅葉のピークには早かった感じでした。でも「もみじのトンネル」では、真っ赤に紅葉したモミジと黄色く黄葉したモミジ、そして緑の青モミジがグラデーションの様に混ざり合い、それはそれで見応えがありました。
ただ、“日本一”というイメージに些か期待感が強過ぎたのか、もっと凄いのかと想像していました。個人的には、京都の東福寺や永観堂などの東山界隈や、叡電のモミジのトンネルなどの方が見応えがある気がします(但し、この“もみじ湖”は未だ知られていないのか、幸いインバウンドらしき騒々しい一団は皆無でしたので、紅葉を愛でながらゆっくり散策出来ましたが・・・)。
でも、ダムで沈んだ人たちが、自分たちの住んでいた集落を未来の紅葉の名所になるように1万本のモミジを植えたという逸話を知ると、目の前のモミジの紅葉がより一層感慨深く感じられる気がします。
そして、こんなに観光客が訪れるのであれば、平日の今日でさえ10人程の係員の方々が交通整理されていて、その人件費は箕輪町が(或いは町の観光協会が)負担しているのでしょうから、駐車場も含め入場無料なのは何とも勿体無い!!!
少なくとも交通整理する係員の人件費と“もみじ湖”の維持管理費用分を賄う位、ダムで沈んだ人たちのこのモミジに託した想いを知れば、訪れた人たちから平日も入場料か駐車料金を徴収しても決して“バチは当たらない”と感じました。

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