カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 信州松本梓川・桜ウォーク2018。
昨年初参加(第1200話参照)したのですが、昨年は桜が全く咲いておらず、しかも参加した初日は生憎の雨。氷雨の様な冷たい雨に、景色を楽しむどころか、とにかく早くゴールしたい一心での21km。全く以って“トホホの歩”でありました。
イベントは二日間行われるのですが、昨年のリベンジをと、今年も初日の21kmに挑戦しました。しかし、今年は異常な程早かった桜の開花で、集合場所に向かう途中、今回のコースにもなっている安養寺の枝垂れ桜は既に花は全て散って若葉の装い。今年は桜ウォークとは言えそうもありません。しかしこればかりは自然が相手なので致し方ありません。当初雨予報もあったのですが、幸い雨は夕刻からと予報が変り、ウォーキング中は曇りの予報。ところが、今度は先週の暴風警報よりはましでしたが、風速8mの強風・・・。リベンジのつもりが、これは果たして返り討か・・・。

 集合場所の松本市波田体育館に行くと、昨年停めた第2駐車場も既に満杯で第3駐車場を案内されました。今年は一段と参加者が多いのでしょう。
受付を済ませて出発式。今年は遠く札幌から参加された方もおられるそうで、県外からの3割の参加者も含めて、9kmと21kmの2コースに計400人とのこと。全員で準備体操をして、9時に21kmコースから先にスタートです。先頭の方々は小走りでスタートダッシュ。我々も先方でスタートです。若い家族連れやカップルの方々はチラホラで、どちらかというと我々よりも年配のカップルやグループの方々がむしろ多い様でしたが、皆さん結構な健脚振り。さすがです。
途中、梓川河畔の堤防道路に出ると予報通りのかなりの強風で、向かい風の地点では歩くのも大変な程でした。オイオイ、今年は風かヨ~!と恨みごと・・・。
途中、枝垂れ桜の名所安養寺は既に花も無く皆さん素通り。旧梓川村の倭橋から梓川を渡る中央橋の両岸の桜並木も残念ながら桜は既に散っていました。桜瀬満開だったら強風も気にならないかもしれませんが・・・。
 「でも、今年は北アルプスが見えるだけまだイイかぁ・・・?」
と、ブツブツ・・・。
 チェックポインとなる21kmコース中間の梓水苑でランチタイムです。
今年は雨ではないので、テントに入らず公園のベンチで休憩。ご一緒になった同年代のご夫婦は、やはり松本市内にお住まいで今年が初参加とのこと。昨年の状況をお話しすると、
 「何も考えずに明日も28kmに申し込んであるのですが、ちょっと無謀でしょうか・・・?」
 「う~ん、どうなんでしょうね?」
(ハッキリ言って、無謀だと思います・・・)
 「明日の午前中は雨予報ですし、明日のコースは地区の桜の銘木を巡るコースですけど、桜はもう散っているでしょうし・・・」
 後半は、上高地線の終点である新島々駅の八景山(やけやま)地区で折り返しです。八景山橋は四万十川に見られるような沈下橋です。その手前では八重桜が満開。そして湿地帯では今年も水芭蕉が咲いていました。清流の梓川は雪解け水か、結構な水量でした。この八景山橋のポイントで、係員の方から残り4kmとのアドバイスがあり、さぁもう一頑張りです。途中まで一緒だったあのご夫婦も、ペースダウンされたのか見えなくなりました。
ゴールの波田体育館に向かう梓川の河川敷にはケショウヤナギが自生しているそうですが、既に殆どが芽吹いているので、他の柳と区別が付かず。
このケショウヤナギは、冬の成木は赤紫色で、若枝が白いロウ質を被り、一見すると「白粉(おしろい)」を塗ったように見えることからケショウヤナギ(化粧柳)と命名されたそうですが、実際木肌が赤いので一目で分かります。このケショウヤナギは氷河期の生き残りで、日本列島では北海道の十勝日高地方とこの上高地と梓川流域にしか生息していないという希少植物で、絶滅危惧Ⅱ類植物なのだそうです。
 そして、最後河岸段丘の坂を上ってスタートした波田体育館にゴ~ル!
9時にスタートし午後1時半の到着でしたので、昼食休憩時間を除くと4時間で21km。時速5kmペースだったでしょうか。
受付で確認後完歩証と、慰労のマツタケご飯のオニギリと水餃子を頂いて一服です。家内に依れば、21kmで3万歩だったとのこと。
それを聞いた、ベンチの隣で休憩されていた年配のご夫婦曰く、
 「あれっ、こっちは3万9千歩だ。我々の方が足が短いから歩幅が狭いだダネ!」
(「・・・だだね」は松本地方の方言です)
お疲れさまでしたと、お互い労い体育館を後にしました。それにしても、ロゲイニングの様にポイントや速さを競う訳でもないのに、皆さん速いこと。せっかくの梓川河畔を歩くコースですので、(桜はともかく)北アルプスと梓川の清流の景観をもっと楽しんで歩けばイイのになぁ・・・と思いました。
 「あぁ疲れた。でも、桜さえさえ咲いていればヨカッタのに・・・ネ!」
 「来年、どうする?」
 「う~ん、どうしようかぁ・・・?」
3度目の正直か、或いは二度あることは三度あるのか?・・・。
その前に、秋にはまた「松本城ウォーク」があります。

 信州と言っても全県ではなく、栽培の盛んな安曇野(穂高)を中心とした松本地方(中信地区)で春のこの時期に食べられる「花ワサビ」。米粒の様な細かな白い花が咲き、ワサビ田の春の風物詩です。

 3月末から4月中旬に掛けて、地元のスーパーマーケットの野菜売り場に「ワサビの花」として20~30本の束で並びます。
定年前に上田の子会社に通勤していた時に、旬な「酒の肴」としてワサビの花を話題にしたところ、地元のメンバーは(少なくとも上田など東信地方のスーパーには並ばないので)誰も知りませんでした(逆に、東信ではポピュラーだという活鮒は中信地方では見たことがありません)。そこで、奥さまの知り合いの方から頂いた際に、全員には無理なので限られた職場の同僚だけでしたが、いただいた花ワサビを小分けの束にして、且つおひたし用の調理方法のレシピを添えて配ったところ(早速自宅で作ってもらった)飲兵衛のメンバーには(酒の肴として)大好評でした。

パスタなども含め、ワサビの花のレシピも色々あるようですが、やはり辛味のツンと効いたおひたしか保存の効く醤油漬けがお薦めでしょうか。
どちらも茹でるか熱湯で湯がくか。茹でると柔らかくなり過ぎることもあるので、多目の熱湯で湯がく方が良いでしょう。どちらも辛味を増すために砂糖で揉むのがコツ。甘味を増すというお汁粉の塩同様に、正反対のモノを少量入れると効果があるのか、この場合はワサビの苦みを砂糖が消して辛味をより際立たせるのだそうです。
 漢字では「山葵」と書くワサビ。日本原産のアブラナ科ワサビ属の植物で、古くは飛鳥時代から使われて来たのだとか。因みに、英語や仏語でもそのままwasabiと発音されています。湧水や水のキレイな静岡の伊豆や安曇野が代表的な産地ですので、産地故の食材なのでしょう。
 ワサビ田に咲くワサビの白い花。真っ白だった北アルプスの雪解けが始まり、常念坊などの雪形が現れる頃。どこからか“早春賦”が聞こえて来そうな、信州安曇野の春を代表する風景です。

 奥さまのお友達からセリをたくさんいただきました。
安曇野の穂高のご親戚が営まれているワサビ田に自生しているのだそうです。我が家の近くの田んぼの用水路にも自生しています。
因みに信州では田の用水路のことを方言で「せんげ」と呼んでいますが、地元信州では安曇野の「拾ヶ堰(じっかせぎ)」に代表される様に、堰のことを「セギ」と呼びますので、もしかするとそこから訛ったのかもしれません。
ただ、クレソンなどもそうですが、自生しているセリも近くに人家などがあると、どんな菌がいるか分からないので、清水の様な本当にキレイな水質の所で育ったものでないと安心して食べられないそうです。

 セリは「芹」と書き、昔から日本では食べられてきた野草で「春の七草」の一つです。以前BSの大田和彦さんの「ふらり旅いい酒いい肴」で秋田が取り上げられていたのですが、その中でセリの根が食材としていて紹介されていて、「セリは根が美味しい」と初めて知りました。ゴボウの様な食感なのだとか・・・。
 「そうか、だからセリは根付きで店頭でも売られているんだ!」
と目からウロコでありました。
 色々な料理法がありそうですが、我が家では本場の秋田を参考にセリ鍋です。比内鶏とはいきませんが、食材は鶏ツクネを肉団子にしてシンプルにポン酢で頂きました。セリがシャキシャキして何とも美味。
また、セリのおひたしとは別に、セリの根だけを茹でて私メは中華風ドレッシングでもいただきましたが、酒の肴になかなか乙な味。
 そして、先日たまたま視聴していたNHKの「趣味どき」で春の野菜としてその日はセリが取り上げられていました。ナルホドと思ったのはイタリアンのセリのリゾットとセリと鶏ササミを使った混ぜ蕎麦。
そこで、セリはありますので、たまたま買ってあった鶏胸肉をササミの代わりに使って(レシピをちゃんと覚えていなかったので適当に)セリの混ぜ蕎麦を作ってみました。奥さまからは好評でしたが、個人的には、
 「まぁ、こんなモンかぁ・・・」
むしろ、片栗粉をまぶして茹でた鶏胸肉が思いの外柔らかくて、片栗粉でトロミのある汁とも相まって「!!」。
 「おぉ、これだっ!これって金沢の治部煮ジャン!!」
そこで、(休肝日ではない)翌々日残しておいた鶏胸を使って、柔らかく煮たニンジンと、セリ、菜花のおひたしを使って治部煮にしてみました。ちゃんとワサビを添えて。
そしてまだ残っているので、同じく紹介されたセリのリゾットにも挑戦して見ようと思います。茎を細かく刻み炒め、冷凍したご飯は日本故に水で洗って粘り気を取るのがコツと記憶していました。味付けまでは覚えておらず、コンソメを使って適当に洋風にすればイイかなぁ・・・。

 セリ。独特の香りと根も含めた食感に、まさに“春”を、そして春の息吹の様な生命のエナジーそのものを頂いている気がしました。
【追記】
休肝日に先述のセリのリゾットを作ってみました。視聴した際のおぼろ気な記憶をベースに、細かく刻んだセリの茎を薄くスライスしたベーコンと一緒にオリーブオイルで炒め、白ワインと水を加えて煮立ててからコンソメで薄めに味付けをして、水でヌメリを取ったご飯を入れて、自家製塩レモンと塩コショウで味を調整。最後に火を止めて、葉の部分を混ぜて完成。シンプルな味付けですが塩レモンがアクセントとなり、薄味ゆえにセリの香りも十分に感じられました。奥様にも好評で、美味しく“春”をいただくことが出来ました。

 今年の松本城の桜の開花が4月1日で、5日には満開。信州の桜も、今年は例年にない異常なほどの速さです。
今年も開花宣言三日後の4日から始まった、恒例の松本城「夜桜会」の本丸庭園無料開放と松本城桜並木「光の回廊」としてのライトアップ。
 私メは、10日に定例の「食蔵バサラ」での“飲み会&食べ会”に出席するのに併せてお城に寄って見て行くことにしました。
奥さま不在のためバスで行こうかと思いましたが、“春宵一刻値千金 花有清香”とばかり、せっかくの春の夕刻を楽しんで歩いて行くことにしました。
松本深志高校に来ると太鼓の音が響き渡っていて、一号館の屋上で恒例の応援団(應援團管理委員會。略称「応管」)の指導よる新入生諸君の応援練習が行われていました。でも“♪蒼溟遠き波の涯”で始まる「校歌」ではなく、また「自治を叫びて」でもなく、全く記憶にない曲・・・。まぁ、45年も経っていればその間新しい応援歌も誕生していても不思議はありません。有也先生の像に挨拶をして正門から出ると、外国人の方が興味深げに練習の歌を聞いていたので説明すると感心していました。

坂を下っての松本神社から松本城へ。堀の桜はもうかなり散っていましたが、期間中でもあり、まだ花見客の方々が散策をされていました。ちょうど5時半になり本丸庭園が無料開放されるので、北側の太鼓橋のような木橋を渡り二の丸から黒門へ向かいます。本丸庭園は観光客の方々で結構な人出でした。園内にはテントが張られてお茶席が設けられています。また6時からは月見櫓で琴などの演奏が行われるので、天守閣前に設けられた席で皆さん座って待っておられました。

 本丸庭園を一周して黒門へ戻ります。すると、会社の先輩が三脚を据えて天守閣を撮影されていました。
 「今年の桜は早過ぎて、写真はダメだわ」
と残念がっておられました。
でも黒門を出ると、お城の黒いシルエットと夕映えをバックにした屏風の様な北アルプスのコントラストがとても素敵でした。
 「そうそう、桜は無くとも、松本にはお城と山があるじゃない!」
と、独りごちて「バサラ」に向かいました。

 松本の桜は4月1日に開花宣言が出されたかと思うと、その後の25度近い暖かさであっという間に満開。“春の嵐”か、6日の強風で早くも花吹雪の様相。今年は何だか、せっかくの桜も余り楽しむ時間も無い内に散ってしまいそうです(写真は、家の近くで見掛けた6日の桜です)
 そんな、足早に訪れた今年の春ですが、注意して見てみると我が家周辺の里山でも色々な“春”を見つけることが出来ます。
4月1日、早朝ウォーキングで行ったアルプス公園の柳の芽吹きと辛夷の花。早いからでしょうか春の、若葉の中でも一番美しく感じる柳の芽吹き。柳の芽吹きを見ると、何故かいつも石川啄木の
 『やわらかに  柳あおめる 北上の  岸辺目に見ゆ 泣けとごとくに』
の歌が頭に浮かんできます。
そして、雪の様なコブシの花。里山ではむしろ辛夷の方が桜よりも春の訪れをを告げるてくれる花でしょうか。辛夷では、南牧村出身の作詞家いではく氏の『北国の春』がその代表作でしょうか。
アルプス公園から望む常念岳。山も雪解けが進み、早くも雪形(常念坊)が現れつつあるようです。
 もうちょっとゆっくり進んでくれてもイイのにな・・・。今年の春は何だか気忙しい気がします。

| 1 / 100 | 次へ≫