カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
第92話でご紹介させていただいた、松本の朝6時の音。
『♪故郷』のチャイムに始まり、各お寺の鐘の音が松本の市街地にこだまします。
・・・その筈が、ここ数ヶ月はチャイムの音が聞こえて来ず、耳のせいか、風向きか、まさかここまで不況の煽りか、と気になっていましたが、最近また昔同様に先ずチャイムの音が聞こえ、それから続いて幾つかのお寺の鐘の音が聞こえるようになりました。やれやれです。
ところで、お寺の鐘はてっきりお寺のご住職が毎朝のお勤めで撞かれているものとばかり思っていました。確かに殆どのお寺はそのようですが、家内の知り合いの方のお話によると、その地区のお寺の鐘は檀家のお年寄りの方が毎朝自主的に撞かれているのだとか。
もし、その方がいなくなったらどうするのだろうかと気になりますが、心配無用で、もしそうなると「次は自分が」という方が何人も手を上げられるのだそうです。実際に最近もそうしてキチンと引き継がれ、その後も毎朝欠かさず鳴らされているのだそうです。エライなぁ(ここは信州弁の「大変」の意味ではなく本来の「偉い」の意味で)。
こうして、この寒い冬の朝も止むことなく、毎朝6時にそのうちの一つが鳴らされているかと思うと、鐘の音一つが有難く感じられ、感謝をしながらの散歩です。
『鐘の音(ね)を 撞く心根(ね)が 音となり』(オソマツながら)-合掌
先週東京に出張した際、長女は仕事で毎日深夜族なので、大学生の次女を誘ってデートをしました(・・・してもらいました)。
上諏訪の美味しかった焼鳥屋が拡張移転で味を落としたという評判のため、今回は「どこか美味しい焼鳥屋を探しておいて!」(以前、二人で神楽坂の高級しゃぶしゃぶ店にふらりと入って、後で家内に叱られたので)というリクエストに応えて娘が連れて行ってくれたのが、飯田橋から神楽坂を少し上って右側の路地に入ったところにある『鳥焼 金太郎』という焼鳥屋さん。
しかし、神楽坂はホントにいい街ですなぁ!・・・情緒があって。
一本路地に入って歩いていると、元芸子さんと思しき着物姿のご婦人が「今朝、ウチの子のカンザシ落ちてなかったかしらねぇ?」などとご近所さんに聞いていたりして・・・。おお、今時カンザシですよ、カ・ン・ザ・シ!
さて、「この界隈では評判なんだって」と娘が予約してくれてあった「金太郎」は、平日でもほぼ満員の盛況。真中に八角形のカウンターがあり奥にはグループ用の個室もあるようです。若い店員の皆さんもキビキビしていて気持ちが良く、なかなか活気のあるお店でした。うん、焼鳥屋さんはこうでなくっちゃ!
焼鳥の前に、単品でモロキュウ、クリームチーズの味噌漬け、ピリ辛コンニャク(これは昔家でも作ったなぁ)をオーダー。中でもクリームチーズの味噌漬が絶品!でした。いや、オドロキ。今度家でも試して見ようっと・・・。
お通しには、ちぎった生キャベツに味噌。こういうのって家で食べてもそれ程美味しくないのに、焼鳥屋さんでは不思議とビールに良く合いますね(などと言いながら、「もう一杯お替わり!」)
地鶏の焼鳥は、中心は1本200円から300円でしょうか、田舎より少々高めですが、中には(本日の正肉)、比内鳥や名古屋コーチン、軍鶏などもあり、素材も新鮮でどれも美味しかったです(「赤」という隠語?でオーダーが通されていた、ミニトマトの串焼きが人気のようでした。確かに加熱するとトマトは甘くなりますが・・・?)。
砂肝やレバーも新鮮で、味付けは勿論塩でしたが、美味しかったので無理をお願いしてレバーをタレでも焼いてもらいました。娘はコラーゲン一杯だからとボンチリを追加オーダー。冷酒の手取川が「旨いなぁ・・・」(我家のお嬢様方は家内に似てアルコールは飲まれませんので、この日も娘はウーロン茶だけ)。
ご馳走さまでした。
「高かった?」「いや、そんなことない。まぁ、都会はこんなもんでしょ。」
「う~ん、あんなにお酒飲むからだよ!また怒られない?」
「ぜ~ん然!+?」

「ま、イイかぁー!」
飯田橋に戻り市ヶ谷方面の夜景をパチリ。
「もう、恥ずかしい!写真撮ってる人なんかいないってばぁ!」
「いいじゃーないの、田舎モンなんだからサ。ブログに載せなくっちゃ!」
「娘に付き合ってもらえるだけ、父親としては幸せじゃないの!」とは日頃の家内の弁。確かにそうかも知れません。
「じゃあね」、「ウン、頑張れよー!」・・・と、娘は振り向きもせずスタスタと歩いて行ってしまいました。まぁ、いいか・・・。
遠ざかる背中に向かって小さくもう一度、「頑張れョ。」
1月31日、ハーモニーホールでマチネーにて『大バッハと過ごす至福の時』と銘打たれたブランデンブルク協奏曲全曲演奏会を聴きに行ってきました。
(写真は当日の演奏会用リーフレット)
「松本バッハ祝祭アンサンブル」と名付けられた古楽器オケは、2007年の松本市制100周年を記念して、小林道夫氏を中心に、氏の教え子であるコレギウム・ジャパンなど日本の古楽器合奏団のメンバーで構成されていて、2年前には同じくバッハの管弦楽組曲の全曲演奏会を開催して好評を博し、演奏はCD化もされたとか。今回はブランデンブルクの全曲演奏会で、ホールは満員の盛況でした。
実は、前日の夕刻、前回の『音楽の捧げもの』同様、今回は日を分けて、国立音大の磯山教授によるブランデンブルク協奏曲の講演会も同時に開催されたのですが、今日聴きに来るために剪定作業を夕刻まで行っていたため、そちらは残念ながら諦めました。ブランデンブルクは全曲集をCDでも持っており、耳に残っているので「いいかなぁ」とパス。
やはり、全曲を通しで聴ける機会は稀(ましてやこんな田舎で、しかも古楽器で)なので、駐車場には長野や諏訪ナンバーの車も結構あり、県内のクラシックファンが各地から集まって来られているようでした。
(個人的に注目していた)当日の演奏順は、1-3-4(休憩を挟んで)6-2-5で、やはり有名な5番がトリのようです(因みに作曲された順番は6-3-1-2-4-5)。小林道夫氏が、チェンバロの弾き振りで、コンサートマスターに松本の才能教育で学んだ桐山建志氏と他の古楽器奏者総勢20名の面々。
最初の1番はまだ温まっていないのか、管楽器の乱れもありましたが、5番と並び耳に馴染んだ3番からは典雅な調べがホール一杯に響きました。中でも2番に用いられた古楽器のトランペットが独特の高音で、昔のパイヤールの「王宮の花火」(管楽器だけでの演奏)を思い出しました。
チケット購入が遅かったため良い席が無く、ステージ右寄りの生まれて初めてのフロント席。フル管のオケ程では無いと思いますが、それでもやはり音が頭上を飛んで行き、左右の音のバランスと、特に管楽器が入った時の耳への到達時間が微妙にずれて聞こえ、少々違和感が・・・。でも、音量の小さなリコーダーやフラウト・トラヴェルソなどの古楽器の音色が間近で聴かれ、またフロントならではの演奏者の表情なども楽しむことが出来ました。
やはり音響に定評のある800席のこのホールは、室内楽やソロコンサート向きで響きの良さを実感できます。
休憩を挟んで2時間半を超える長丁場の演奏会。終わる毎に楽器編成が変わり、最後は当日の出演者全員がカーテンコールに応えて何度もステージに登場して、寿ぐ新春の幕開けに相応しい演奏会が終了しました。この日の演奏はライブ録音もされていたようですので、どこかで耳にする機会もあるのかもしれません。
今度は、マタイやロ短調などの声楽曲や、個人的にはテレマンやヘンデルなどバッハ以外の曲も是非この古楽器の祝祭管で演奏してもらいたいものです。
ハーモニーホールでの演奏会は、これからムターや以前シンガポールでも聴いたダン・タイ・ソン、そしてチャイコフスキー・コンクール優勝の上原彩子などのソロコンサートが続きますので、暫くはお休みにしたいと思います。
本当は、3月には県内アマチュア合唱団の木下牧子作品だけの演奏会や、市民芸術館では早グリの松本特別公演、5月には伊那の県文で、バシュメット指揮国立ノーヴァヤ・ロシア交響楽団との上原彩子のチャイコの1番と悲愴もあるのですが、もし5番(そう言えば生まれて初めて買ったレコードが5番だったっけ)なら飛んで行っちゃうけど、今回は我慢かなぁ・・・。
2月3日は節分。季節を分けるという本来の意味では、これで立春。季節の上では春(と言っても旧暦ですが)ですね。そうは言っても未だ“春は名のみの風の寒さや”。
さて、我家でも家内と二人(+チロルとナナも参加して)で娘達への福も祈りながら豆まきをしました。
最近は皮付きの落花生も節分用として売っていますが、(後で拾うのは楽ですが)チト情緒が無いので、煎った大豆を買ってきて、夕食前の夜8時頃「福は内~、鬼は外~」。チロルも外に向かって「ワン、ワン!」。はいはい、ご協力に感謝です。ナナは「一体、何やってるの?」とでも言いたげに首を傾げています。
「こらっチロル!豆食べたらダメだってば!」と家内がチロルと競争で豆を拾い集めています。
昔は、祖母が、秋に収穫した大豆を囲炉裏の鉄の鍋で煎ってくれて、木の枡に入れてまきながら各部屋を回ったものです。茅葺の家でしたので10部屋近くあったような。終わってからは、健康を願って年の数だけ豆を食べて。
松本(少なくとも我家や周辺)では、鰯の頭や柊を飾る風習はありませんでしたし、勿論恵方巻など聞いたこともありません。ま、福が来るなら何にでもあやかってもいいとは思いますが、そうかと言ってコンビニ戦略に乗っからなくてもいいよなぁ・・・。
今シーズンは、日本海側の方々は大雪で大変だと思いますが、これまで松本では雪かきが一度もありませんでした。
松本地方は、冬型の西高東低の気圧配置では、日本海からの湿った季節風が屏風のように立ちはだかる北アルプスに遮られ、日本海側に大量の雪を降らせた後の冷たく乾いた風が“アルプス颪”となって吹くので、気温は寒いものの山からの雪が舞う程度で、殆ど雪は積もりません。時々「長野は毎日雪で大変ですね!」と県外の方から言われる時がありますが、天気予報での「長野」は長野県でも北部の長野市周辺であり、北部の山沿い地方は日本海側の影響を受けますので確かにかなり雪が降りますが、中部の松本は太平洋側の気候の影響を受けますので、参考になるとしたらむしろ甲府や東京です。
さて、例年松本に雪が積もるとしたら、太平洋側にも雪を降らせる春先。2月から3月にかけて地元で「上(カミ)雪」と呼ぶ、湿った雪が20~30cmほど積もる時があり(年によっては4月の入学式や入社式に20cmくらい積もった年もありました)、これからがむしろ雪かきの本番かもしれませんが、松本の住人としては、今年はこのまま雪かきが無いと楽なんですが、と思っていたところ・・・。
2月1日の午後から、本格的な雪降りになりました。関東平野でも積雪が予想されるなど、いわゆる「上雪」です。
歩き辛いシャーベット状の雪に足を取られながら、上諏訪駅に着くと、飯田線が雪による倒木で運休とか。その後中央線も高雄・大月間で雪のため架線に垂れ下がった竹のため普通になるなど混乱が続いたようです(翌朝、東京のオフィスから出張してきたメンバーは、夜相模湖付近であずさが動かなくなり社中で夜を明かしたとか。お疲れさまでした)。
松本は深夜には雪も止んで、積雪も思ったほどは積もらず、我家周辺で7cmくらいでしょうか。
翌朝、犬の散歩の前に終わらせねばと、5時前からこの冬初めての雪かきをしましたが、一旦融けて明け方凍ったのか、凍結してガリガリ状態の所もありましたが、建物の北側を除き雪は思いのほか少なめで、少々拍子抜けでした。
早く終わったので、道路沿いの歩道スペースや、ゴミステーションの前も雪かきをしておきました。
さて、お待ちかねの散歩に行きましょうかネ、チロル。
凍結で道路も渋滞するかと思い、いつもより早めに家を出たのですが、渋滞も無く10分も早く駅に着いてしまいましたので、ホームに入線する電車を待つ間、雪の松本駅をパチリ。
いつもは松で黒く見える山々も、また葉を落とした木々も、雪の花が咲いたように真っ白く雪化粧の朝でした。



