カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 年明けにいつもの床屋さんに行ったら、年始の挨拶代わりにと戴いた白いミニシクラメンの鉢。ありがたく頂戴して持ち帰り、自宅に在った小鉢に植え替えて毎日小まめに世話をしたのですが、葉はしっかり出て元気に伸びるのに、花芽が途中で枯れたりして花は殆ど咲いてくれませんでした。

 昔も、毎年庭の手入れをお願いしていた同級生の経営する園芸店「ナカツタヤ」から年末のやはり挨拶代わりに戴いた立派なシクラメンの鉢も、リビングよりも寒い所の方がシクラメンには良いからと玄関の飾り棚に置いて家内が世話をしていたのですが、やはり思った程には上手く咲いてはくれませんでした。
我が家にとってシクラメンは鬼門なのでしょうか、これまでに頂いたどのシクラメンもどうも上手く栽培管理が出来ませんでした。
今回のミニシクラメンも葉だけは元気に出て来るので捨てる訳にも行かず、頑張って夏越しさせて、次の冬にまた何とか花を咲かせられたらと、毎日水をあげて世話をしていました。

 ミニシクラメンは一般的には、
『管理は、水やり、日当たり、温度、肥料、そして花後の剪定が重要です。水やりは土の表面が白っぽく乾いたら、暖かな日の午前中にたっぷりと与えましょう。日当たりは、室内の日当たりの良い場所、できれば窓際が適しています。温度は5~18℃が適温で、涼しい場所で管理すると長持ちします。』
とのことなので、窓際に置いていました。水はやっても、特に肥料を施すことはしませんでした。

 花が無くなり葉だけが旺盛に伸びて・・・と、そうこうして4ヶ月近くたったこの5月。GWが過ぎた頃、伸びて来た芽がどう見ても葉ではなく花の様な気がするのです。葉の芽は開く前はジュンサイの様な形で葉が次第に伸びて来るのですが、その芽はマッチ棒の先の様に丸いのです。
でもシクラメンの開花時期は通常10月から3月頃とされていますので、「まさかなぁ・・・」と花芽とは思っていませんでした。
そんなマッチ棒の様な丸い芽が次から次へと出て来るのです、そして少しずつ成長するにつれて、芽の先が白くなってくるではありませんか。
 「これって、どう見ても花芽だよね・・・」
そして出て来た当初は丸みを帯びていたのが、次第に白い部分が尖ってきました。
そこで、調べてみると、ミニシクラメンは、通常冬から春にかけて咲く花ですが、夏に休眠させずに育てている場合や、栄養状態が良好な場合は、夏でも咲くことがあるのだそうです。特にガーデンシクラメンは初夏まで咲くことがあり、夏の直射日光に弱いので、明るい日陰に移動させて育てるのが良いとされています。
ミニシクラメンを夏に咲かせるためのポイントは、休眠させずに水遣りを続け、鉢に直射日光が当たらないように半日陰や明るい日陰で、涼しい場所、風通しの良い場所に置くのが良いそうです。こうして休眠させずに育てている場合は、夏でも花が咲く可能性があるそうです。
 毎朝水遣りをして日当たりの良い窓側に置いて、大事に管理して来た5月30日。遂に一輪白いシクラメンが4ヶ月ぶりに開花したのです。
そして次々に芽を出して伸びていた蕾が開花して、6月16日には10輪が開きました。
(因みに、一本だけひょろっと長いのは、一株に二つの花がくっついて咲いた突然変異株です。他にも茎が細いモノと二本、倒れないように支柱で支えています)
 夏に咲いた季節外れのミニシクラメン。このままだと本来の冬の時期に花が咲いてくれないといけないので、この冬に向けて栄養分を蓄えるべく、ここで花を全部切り取って株を休ませることにしましたが、てっきり冬の花とばかり思っていたシクラメンが、まるで雪の様に真っ白い花をこの初夏に咲かせてくれたのです。思いがけない、季節外れのプレゼントでした。