カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 “日本一ドッグフレンドリーなリゾート”というキャッチコピーに惹かれて、ナナと一緒に初めて訪れた那須。今回滞在した那須ハイランドパーク近くのドッグヴィラは深い森の中にあり、案内された部屋は素敵なメゾネットタイプで、テラス越しにはナラなどの木々が生い茂る緑が窓一杯に拡がっていて、軽井沢の様な高原リゾートらしい雰囲気に包まれていました。
滞在中は夜半に霧雨か小雨が降ったのか朝起きてみると必ず濡れていて、一帯もしっとり煙る朝霧に包まれています。そして高原の林からは、この時期ウグイスやコゲラ、キビタキでしょうか、野鳥のさえずりだけが林の中に染み渡るように響いていて、ベランダの椅子に座って濡れた林をながめていると、(イメージとしては、仕事に追われる都会人であればその乾いた心までもが)しっとりと潤ってくるような気がしました。

 観光としての那須では、先ず自然では那須岳を中心とする那須高原が中心ですが、他はレジャー施設のハイランドパークやサファリパーク、動物王国に牧場。そして、藤城清治美術館、テディベア・ミュージアム、クラシックカー博物館など、どちらかというと自然や歴史よりも人工物が中心の様に感じます。
日本百名山の那須岳登山は確かにお薦め。しかし、ロープウェイでのハイキングというのはやや疑問。ちゃんとしたトレッキングの装備をして登った方が無難ですし、遥かに感動も大きいと思います。因みに、那須岳からの帰路、途中に在った「殺生石」という名所にも立ち寄ってみました。お地蔵さんたちは微笑ましかったのですが、うーん?・・・。
従って、どちらかと言うと、観光地としての那須は「小さなお子様連れのファミリー向け」ではないでしょうか。もし、孫がいれば、子供が一緒だったら行くだろうという場所が多く、我々の様な年寄二人では然程観光としての食指は動きませんでした。
 また、ナナもあまり疲れさせて体に負担を掛けたくなかったこともあって、今回の滞在中にナナと一緒に訪れたのは、唯一南ヶ丘牧場でした。牧場では乗馬体験やウサギとの散歩、釣り堀などの施設があり、小さな子供や孫でもいればですが、ナナと一緒ではここでも食指も動かず、牧場内をナナと散策し(奥さまが)売店を見て早々に退散。
確かに那須はペットOKの場所も多く、例えば那須ロープウェイも体が全部隠れるキャリーバッグでならペットとの同乗も可能(しかも貸し出しもあり)。因みに、蓼科の北八ヶ岳ロープウェイはペット不可(預り所はあり)なので、ペットOKというロープウェイは確かに珍しい(信州でも富士見高原の入笠山のゴンドラはリードだけでペットの乗車OK!ですので、大型犬も乗車可能。白馬方面では岩岳だけはOKらしい)のですが、心臓を患っているナナには空気の薄い高地はご法度ですし、キャリーバッグを担いでの登山なども聞いたことがありません。せいぜいドッグバギーでの散策程度でしょうか。元々歩くのが然程好きではないナナですので、ドッグバギーは持って来たのですが、この滞在中は全く使いませんでした。
またせっかくの犬連れOKのレストランも、この梅雨の時期はそのテラス席が濡れていて使用出来ないという日も多く、二度ほどランチにナナと一緒に出掛けたのですがどこも断られてしまいました。諦めて駐車場に戻ると、中年のご夫婦が「テラスOKの筈だから聞いて来る!」とご主人が店に入って行かれましたので、やはり同じように犬連れで来られたのでしょうか・・・。我々同様、“日本一ドッグフレンドリーなリゾート那須”というキャッチフレーズに惹かれて来られる、そうしたお客さんは多分多いのだろうと思います。
 今回滞在しての印象ですが、那須は観光地ではなく、軽井沢同様の別荘地として、(特に家族連れでない中高年夫婦は)都会の喧騒を離れ、緑豊かな自然の中で(ペットと一緒に)ゆったり過ごす場所ではないか・・。
しかも、出来れば本当に別荘に滞在している様に(コテージや貸別荘もたくさんありそうなので)、地元の新鮮野菜や食材(信州同様海無し県故海鮮は期待薄ですが、栃木牛や乳製品、そしてベーカリーが多いので自分好みのパン)を買って来て自分でスローフード風に調理して自然を愛でながらゆったりと楽しむ。そして自分の好みのレストランを見つけて偶には外で食事を楽しむ・・・。那須はそんな滞在型の場所ではないか、と感じた次第です。
しかも、那須は旧軽の軽井沢銀座のような密集した商店街は無く、林の中に店が点在しているので、何となくミーハー的な軽井沢とは違ってもう少し落ち着いた雰囲気です。散策するというよりは、車で移動する点在型のリゾートなので車は必須です。
 晴れた日も良いのでしょうが、梅雨空の那須高原で、朝など霧に包まれた幻想的な雰囲気の林の中を車で走りながら、特に緑にトンネルの様な所々に白と青のアジサイの点在する那須街道は走っているだけで本当に感激します。
ガソリンスタンドで聞くと、夏の週末などは車が渋滞して動かないほど混むのだそうですが、梅雨のこの時期の平日はそうした混雑も無く、アジサイの咲いているこの季節ならではの那須の美しさなのかもしれません。振り返ってみると、今回の那須で一番感動したのは、このアジサイの咲いていた幻想的な那須街道だった様な気がします。
 那須では、林の中のコテージに滞在して、何もしないでのんびりと木々を眺め野鳥のさえずりを聴きながら、自分でドリップしたコクのあるコーヒーを飲む。そして少し遅めの朝食は、朝一番で買って来た、ペニーレイン(今回はそこしか行きませんでしたので)のパンと「友愛の森」の産直の新鮮野菜(朝採れで本当に安くて新鮮でした!)のサラダ・・・。やっぱり那須にはそんな光景が一番似合っているかもしれないな?・・・。
三泊四日の短い滞在ですが、そんな風に感じた那須高原の旅でした。

 ナナも相変わらず食欲は少ない(療養食のため?)のですが、特段の問題も無く無事帰って来られました。
 「ナナ、またどこか近くでもイイから、一緒に旅行へ行こうヨね!!」

 那須での最終日。知り合い等に買って行くお土産を物色。
牛乳やチーズといった乳製品という訳にもいきませんので、お菓子といってもありきたり・・・。そこで、数日は日持ちするとのことだったので、ペニーレインのイチオシのブルーベリーブレッドや菓子パン、バウムクーヘンなどのお菓子をお土産にすることにしました。

 それと、那須IC近くの那須街道沿いに在る「わら納豆」という看板が気になっていたので、お店に入ってみました。
そこは、「フクダ」という“天然”納豆を造っているメーカーの直売店でした。
子供の頃のイメージで納豆というのは藁に包まれているというのが定番だった記憶がありますが、最近はトンと見なくなりましたが。その理由は、「わら納豆」は昭和20年代にサルモネラ菌による中毒事故が発生したため、長年製造が禁止されていたのだそうです。
今でも、納豆に包まれた納豆を販売している会社も皆無ではないそうですが、しかしその納豆も、衛生上の理由で仮に藁に入っていても中身は純粋培養した納豆菌を使っているのだそうです。
そうした中で、この「フクダ」は藁に棲む天然の納豆菌を使った昔ながらの納豆を製造している会社なのだということが分かりました。中毒事故の起こらない製造方法を確立させ、50年ぶりに製造許可を取得したのだそうです。しかも、大豆(勿論国産)も稲藁も栽培期間中は農薬も化学肥料も一切不使用とのこと。曰く、
『わらに棲む天然の納豆菌で造る伝統の納豆が五十年振りに甦りました。当地方の農家に昔から伝わる伝統の納豆です。』
栃木県南東部周辺の農家には、各家に昔から伝えられてきた伝統の納豆があり、それは冬の農閑期のみに、藁に自生している天然の納豆菌を活用して造られてきたのだとか。
小粒の「吟醸納豆ふくふく」、「吟醸納豆那須の郷」共、300gで一本1200円。栃木県北部に伝わる大粒大豆を使った「大天元」は同じく300gで2000円ですが、大粒は予定量が終了してしまったため今シーズンは製造出来ないとのこと。
小粒の「ふくふくは」は長時間大豆を煮た昔ながらの製法で柔らかい食感。同じく「那須の郷」は大豆を煮るのではなく蒸すことで、柔らか過ぎず大豆の食感を残した納豆。スタッフの方によれば、「那須の郷」の方がよりたくさん糸を引く納豆だそうです。
 そこで、知り合いへのお土産用に、小粒二種類の贈答用セット(たれ付き2700円)を工場直送で送ってもらうことにして、自宅用には糸引き納豆という「那須の郷」を一本買って帰って食べてみることにしました(食後の感想は、また後日ご紹介します)。
因みにこと直営店では、この「わら納豆」1パックとご飯、生卵、味噌汁のイートインスペースがあり、一人500円で納豆以外は食べ放題なのだとか。他のメニューはありませんので、夜はともかく、わら納豆の試食を兼ねて、朝食には良いかもしれません。

 我々の選択肢が狭すぎたのかもしれませんが、那須でのグルメは今ひとつな気がしました。勿論今回のたった三泊四日の滞在で全てを食べ尽くした訳でもありませんので偉そうな分析は出来ませんが、しかし我が家の旅行パターンとしてはどこに行っても同じような時間、予算や行動(犬連れかどうかの差はありますが)の中ですので、偶然性や偶々ということも無いではありませんが、確率論としては或る程度の客観性を以っての傾向は示していると思います。

 チョイスとして、「その場で食べる」、或いは「持ち帰る」、「地場の食材を買って自分で作る」という選択肢を前提にした時に、これまでの旅行先の中で一番充実していたのは箱根。“♪箱根の山は・・・”というイメージが強いのですが、すぐ近くの小田原は漁港もあって海鮮系は豊富。一方、軽井沢も那須同様に内陸故に海鮮系の食材確保は期待薄ですが、しかし料理のジャンルは豊富で幅もピンキリなので、TPOでの選択の幅が広い感じがしますが、那須はどちらかというとカフェとフレンチ・イタリアンといった欧州系、和食は蕎麦と幅が狭く、探した中では持ち帰り可能な店も殆どありませんでした。
そうした那須グルメの中で、数少ないお薦めだと思ったのは「ペニーレイン」と「友愛の森」。そして、スーパーでも買える栃木牛です。

 ペニーレイン。TVチャンピオンで優勝して一躍全国的に有名になったというベーカリー。今や観光スポットとして、那須に来ると必ずと言ってイイ程、皆さん訪れる人気店なのだそうです。店名からも分かる通りオーナーが代のビートルズファンで、集めたビートルズグッズなどが装飾として店内のあちこちに飾られています。また、外にはアビーロードの有名なジャケット写真が再現されていて、ベンチも用意されて正に記念撮影のスポットなのだとか。
レストランも併設されていて、林間を使ったテラス席もあるので、晴れていれば犬連れもOK。ドッグコテージも併設されていた様ですが、現在は営業していないとのことでした。因みに、スタッフの方に確認したところ、店内も撮影OKとのことでした。
奥さまによれば、一番のお薦めはTVチャンピオンで一躍有名になったブルーベリーブレッドとのこと。リンゴパイの様な菓子パンの名称はその名も“リンゴスター”とか他にも色々な種類のパンがありましたが、総菜パンも含め朝食用に幾つか買って帰りました。ブルーベリーブレッドは、確かにフワフワで柔らかくて美味しかったです。
 道の駅の「友愛の森」。こちらの産直の店は地元の農家の朝採れ野菜がたくさん並べられていて、その新鮮さと値段の安さに驚くほど。長野県も農業県で、地場野菜の産直の店があちこちにありますが、個々の安さは破格。少なくとも松本の周辺と比べて2/3程度ではないでしょうか。そのため、一般のお客さん以外にも、ペンションやレストランの方と思しき方々が、同じ種類の野菜を大量に買って行かれました。
ペニーレインのパンとこの友愛の森の野菜のサラダだけで、朝食は十分な気がします。しかも両店とも朝早くから営業されていますので、一番で買って帰れば、その日の朝食に出来立て、採れ立てのパンと野菜が並びます。
那須には(少なくとも滞在した那須高原周辺には)ショッピングモールなどはなく、スーパーも地場の「ダイユー」のみ。
こちらの肉売り場に並ぶ栃木牛。グラム当たり、やはり一般の2/3程度の価格で購入できます。ステーキ用、焼肉用、薄切り、切り落としなど、色々あった中で、切り落としが柔らかで甘味があって一番美味しく感じました。

 出来ればキッチン付きの貸別荘やコテージに滞在し、こうした店から購入して来て、木々を眺めながらテラスで朝食を食べ、夜はBBQをしたり・・・。那須は、そんな風にノンビリと滞在するのが最高だと感じました。

 今回はナナが一緒だったこともあり、出来るだけ一緒に居ようと部屋食中心。従って、那須滞在中に外へ食べに行ったのは殆どランチでした。
さすがに那須は牧場もあるので、栃木牛を売りにしたステーキやハンバーグのレストラン、そしてカフェ、フレンチ、ビストロなどの欧風料理の店委が多く、和食は蕎麦店が殆ど。信州から来てわざわざ蕎麦を食べる気もせず、ランチで行ったのは、いずれも那須街道沿いに在る、初日のカフェ「リビングストン」と途中での「アジアンオールドバザール」、そして最終日の「あ・かうはーど」だけでした。
この内、「リビングストン」は店内も犬連れOK。「かうはーど」はテラス席OKの筈が、当日は雨でテラスは閉鎖。
“日本一ドッグフレンドリーの那須”と雖も、テラス席OKというレストランが多く、残念ながら店内もOKという店はそうは多くはありませんでした。
またテークアウトOKというレストランや総菜屋さんも見つからず、外で食べるか、食材を買って自分で調理するかの選択。

 高速道を降りて、那須で最初に食べに行った「リビングストン」はカジュアルなカフェで、日替わりのランチセットがお得。ナナにも水
我々は、「ナンカレー」セットをチョイス。野菜サラダ、コーンポタージュ、デザートにヨーグルトがセットになっています。しかしカレーはインド風ではなく、残念ながら極々普通の日本的なカレーでしたが、サラダの野菜が実にフレッシュで美味しかったので、そうした新鮮な野菜が買える場所を伺って教えていただいたのが、道の駅「友愛の森」の中の産直コーナーでした。
 次の「アジアンオールドバザール」は、インドやネパール、東南アジアの民芸品の店と、インドネシア料理と、タイ・ベトナム料理のレストランが集まった民芸村の様な雰囲気。家内がトムヤムクンスープのフォーを、私メはガパオライスと鶏出汁スープのフォーのセットをチョイス。
最近、我が家の定番メニューにもなっているガパオライスですが、以前六本木で偶然入って食べた「クルン・サイアム」のガパオライスの旨さは別格として、ハッキリ言って私メの作る方が遥かに旨い。旨味やナンプラーも足りず、ただ塩辛いだけ。ライスもタイ米ではなく普通の日本米です。
家内のトムヤムクンスープも新宿の「カオサン」の方が遥かに美味しい。また鶏出汁スープは薄過ぎたので、テーブルにあった酢とニョクマム(ヌクマム)で自分で味付けを変えて食べました。シンガポールの本場のアジアンフード(例え格安の現地のホーカーセンターでも)と比べるべくもありませんが、東南アジア“風”ではなく、タイ料理やベトナム料理として“現地料理”を標榜するなら、もう少し味付けを研究すべきではないでしょうか。
印象として、ネパール料理に我々が馴染みが無いのでレストラン経営としては止むを得ないのですが、日本でネパールの方が経営されている“インド料理”店が結構ありますが、純粋なインド料理とは味付けが違う。ましてやネパールにはナンは無い(南インドも米食ですし、北インドでもタンドーリの無い家庭ではチャパティが主食とのこと)。
 最後のステーキやハンバーグが売りのレストラン「ダイニング・キッチン あ・かうはーど」。那須最後のランチにと那須街道をICに向かう途中で立ち寄ったのですが、テラス席閉鎖中だったため、止むを得ずナナは車でお留守番。梅雨寒で車内も暑くならないのが救いでした。
那須の牧場が経営しているという“創作ダイニング”というこのレストランの売りは、勿論地元の那須の牧場で育った黒毛和牛。
ステーキは日頃(勿論黒毛和牛に非ず!・・・ですが)「自宅で焼肉!」で食べられるので、我々のチョイスはステーキではなく、もう一つの売りのハンバーグです。私メは、オリジナルソースの「カウハードハンバーグ」。奥さまは「和風おろしハンバーグ」をチョイス。どちらも180gとのこと。これに追加で、私メはミニサラダとご飯のセットにし、奥さまはローストビーフの切り落としが載る「カウハードサラダ」のハーフサイズをご所望。
焼かれた鉄板のグリルに載ってサーブされて来たハンバーグ。各々のソースを自分のテーブルで掛けて食べるのですが、ジュージューと跳ねるので、除けるために用意された白い紙のエプロンを着ていただきます。
カウハードハンバーグには胡椒と黒ゴマが利いたピリッと辛いオリジナルのおろしソースが添えられています。
確かに肉汁が溢れる程にジューシーではあります。付け合わせの野菜も美味しかったのですが、コリコリした触感の炒めたロマネスコは以前「ラ・パーチェ」のパスタで初めて食べた時の方が感動しました。やっぱりここでもサラダが新鮮で美味しい。那須でイチオシであろう栃木牛?のハンバーグは、まぁ、こんなモノではないしょうか、ネ!♪。

 夜中には霧雨がしっとりと辺りの森を濡らし、ずっと梅雨空が続いた那須での4日間でしたが、奇跡的に晴れそうだった滞在三日目。そこで、当初の計画通り、那須の象徴ともいえる那須岳へ登ることにしました。

 日本百名山の那須岳は、深田久弥に拠れば那須五岳の中の茶臼岳、朝日岳、三本槍岳の総称ですが、一般的に那須岳と言うと主峰の茶臼岳を指すのだそうです。茶臼岳には9合目までロープウェイで登ることが出来るので、ハイキング気分で簡単に頂上まで登れるのだとか。しかしそれでは面白くありませんので、せっかくですから往路は登山口から茶臼岳まで登り、ナナは負担を掛けぬ様に勿論部屋でお留守番ですので、早めにナナの待つホテルに戻るために、帰路はロープウェイで下山することにしました。
登山ガイドに依ると、往路は峠の茶屋登山口から峰の茶屋までが50分で、そこから茶臼岳山頂まで同じく50分。山頂からロープウェイ山頂駅までは下り40分という行程です。因みに、ロープウェイの乗車時間は僅か5分足らず。

 朝8時半前にホテルを出て、途中コンビニで行動食や持参した水筒以外に水分が不足しないように念のためにミネラルウォーターも購入し、那須湯本を経て那須高原のロープウェイ山麓駅に到着。
出掛ける時は曇り空で予報では午後からの晴れマークだったのですが、那須湯本から山坂を登りロープウェイの山麓駅に着く頃には雲が切れてお日さまの光が久し振りに降り注いで来ました。そして、雲の間から目指す茶臼岳もその雄姿を見せてくれました。
帰路はロープウェイで降りてくることから、こちらの無料駐車場に車を停め、ここから登山口のある峠の茶屋駐車場へ遊歩道を歩くこと20分で登山口のある峠の茶屋駐車場へ到着です。
広い峠の茶屋駐車場には既にかなりの台数の車が停まっていて、観光バスも数台。横浜市の小学生の集団が学校登山で茶臼岳に登る様で、登山口で地元のガイドさんから事前に登山での歩き方や注意事項などの説明を受けていました。
朝9時、1915mの茶臼岳山頂を目指して、我々は先に出発です。
1462mという登山口から石畳や階段が整備されている登山道を登るとすぐに山の神の鳥居と祠があり、我々も登山の無事を祈ってお参り。しばらくは低木の樹林帯が続きます。日が差してきたことで気温も上がって暑くなってきました。汗を拭きつつ登りますが、初めてキツク感じた先日の美ヶ原登山に比べれば、今回も同じ標高差500mの登りですが湿度が低いのか遥かに楽に感じます。
 中間点辺りに来ると木々が無くなり、風が吹き抜け涼しく感じます。この時期は、ベニドウダンの赤く可愛らしい花や、マルバシモツケの白い花などが登山道脇に咲いていて登山者の心をなごませてくれます。
今回の那須は気分も爽快、体調も良し!この前の美ヶ原の時は一体どうしたんだろう?・・・。那須岳を構成する1896mの朝日岳の鋭峰が、切り立った剣ヶ峰の先に赤い岩肌を見せて登山道の右側に迫ってきます。そして目の前には活火山である那須岳の主峰茶臼岳が聳えています。
行程表通りの50分で峰の茶屋に到着。今は無人の避難小屋という、朝日岳と茶臼岳ルートの分岐点である峰の茶屋でリュックを降ろし、小屋の前のベンチに座って休憩です。すると歩荷ほどではありませんが背負子で段ボールを背負った方が登って来られて我々のすぐ横で休憩されたのでお聞きすると、ここは標高1720mだそうですので、茶臼岳山頂まで残り200m。
ご自身は朝日岳方向へ行かれるそうですので、その先の三斗小屋温泉なのか、小屋に向かわれる途中とのこと。我々が信州松本からと知ると、「イイですネェ!」と実に羨ましそうに、以前白馬岳大雪渓から白馬岳に登られた話をしてくれました。松本近郊でのお薦めの山を聞かれたので、上級者の方なら日帰りも可能と燕岳を推薦。
 「今日の様に、下一面に雲海が拡がるっているのは本当に珍しいんですよ!」
と、ご自身もカメラで撮影しながら教えてくださいました。
ここはまだ1700mという標高なのですが、北アルプスなどとは違い、茶臼岳は火山なので既に緑は無く、ゴツゴツしたガレ場が山頂までずっと続いているようです。美ヶ原より低い(王ヶ頭は2034m)とは信じられない様な、実際の標高以上の“高さ”を感じさせてくれます。
そんなお話をしながらベンチで休んでいると、下の方から小学生の一団が元気良く登って来るのが見えたので、挨拶をしてお互いの無事を祈りつつ、我々は先に頂上を目指して出発です。峰の茶屋から山頂までは同じく50分の行程。
 百名山とはいえ、感心する程に整備された登山道。峰の茶屋を過ぎると、10人程のグループの方々が、所々でロープを張り直したり登山道からの排水路を掘ったりと、登山道を整備されていました。おそらく地元の山岳関係者か観光協会の方々と、背中に那須塩原警察署と書かれたお馴染みのユニフォームを着た地元の警察官の方々でした。こうした方々の努力のおかげで、ここまでキチンと整備されているのかと感謝しつつ、挨拶をして通らせていただきました。
途中岩場の急登や、活火山らしくガスが噴出し硫黄の匂いが立ち込めている場所を過ぎ、一周10分程で火口を周回する「お鉢巡り」のルートに合流しました。如何にも火山らしい景観が拡がっています。その中で高台に当たるのが、那須岳の主峰茶臼岳1915mの山頂。山頂の標識で登頂記念の写真を撮り、そこから更に2m程高い所に祀られている祠に無事の登頂御礼のお参りを済ませてから、頂上付近で軽食を食べながら休憩。
するとロープウェイで登ってきたらしいジャージ姿の小学生の一団が頂上へ来たので、我々は早々に退散。しかしながら、コースでの譲り合いや挨拶などの登山マナーはまるで無く、横に並んで歩いて道を塞ぐ子供たちを注意する様な引率者や先生も一人もおらず、横浜の小学生達の様な事前学習は全くされていない様子。
 頂上からの下りで40分というロープウェイ山頂駅を目指します。
その山頂駅が1690mだそうですので、山頂との標高差は225m。1720mだった峰の茶屋からの登坂路と殆ど変わりませんので、結構な急坂です。
那須ロープウェイで9合目まで来られるので、那須岳(茶臼岳)はハイキング気分で登頂可能という記事もありましたし、実際にトレッキングの装備も格好もしていない、正しくスニーカー履きの普段着でのハイキング気分の若いカップルや、ポールは使われてはいましたが80歳を超えられていると思しきお年寄りのご婦人方のグループともすれ違いましたが、下りもかなりの急坂部分もあり、八方池への濡れた緑紋岩とはまた違いますが、火山岩が砕けた砂礫の登山道は結構滑り易いので注意が必要。天候次第かもしれませんが、気軽なハイキング気分では些か無理だろうと感じた次第です。ましてやキャリーバッグとはいえ、犬連れでの登山は無理でしょう。
しかも那須岳は強風の日があり、ロープウェイが運転を休止せざるを得ないケースもあるため、その時は自力で歩いて下山するしか方法がありません。そのため山頂駅には貸出し用の登山靴も常備されているそうですが、そんな万が一も想定し、ちゃんとトレッキング向きの格好で行かれた方が良いと思いました。
山頂駅には30分掛からずに到着し、20分間隔で運行されているロープウェイですが、予定より一本前に乗車することが出来て無事山麓駅に下山。途中、下界は雲や霧でゴンドラからは全く景色は見られませんでした。
 珍しい雲海と教えていただいた様に、この日の天気は幸運にも山の上だけが良かったのかもしれません。梅雨空の中で奇跡的に楽しめた、日本百名山の那須茶臼岳への山行でした。

| 1 / 34 | 次へ≫