カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 次女が二人目を出産して以来、奥さまが定例で毎月二週間近く家事手伝いと孫の世話に横浜に住む次女の家に行っています。近くに居れば必要な時にいつでも親に頼れるのでしょうけれど、婿殿のご実家も同じ県内とはいえ静岡との県境ですし、我が家も松本ですぐには駆けつけて揚げられないので、定期的に手助けに行ってあげるのは止むを得ません。それにやはりお義母さんに頼るよりも実の母と娘の関係の方が、(時に言い争いをしたとしても)遠慮なく何でも頼めるでしょうから・・・。
そのため当然ですが、その間私メは独りで家事をしなくてなりません。そこでその(=夫を独りにさせてしまった)代償として(家内曰く、孫の世話の方が余程体力的にはシンドイそうですが、それはそれとして)、横浜から戻って来る時の“お土産”で必ず買って来てもらうのが、バーガーキングのスモーキーBBQワッパーなのです。しかも2個!(絶品だったグリルドビーフバーガーは残念ながら期間限定商品でしたので、今のラインナップ内でのイチオシです)


 インバウンド需要(新幹線で来て、長野から白馬や野沢温泉に向かう外国人スキー客や観光客)を見込んで、長野市内には今年に入って県内初出店でバーガーキングとウェンディーズが相次いで進出したそうですが、残念ながら松本にはまだバーガーキングは出店していないので(将来出店するかも不明)、わざわざ横浜から買って来て貰っているのです。
ただ、そうかと言って松本に在るマックやモスに(独りで)月2回も行かないことを考えると、月二回必ず食べるバーガーキングの方が個人的な頻度は高いので、今のままでも良いのかもしれませんが・・・?

 ま、それはともかくとして、松本に居ての月2回の“バーガーキング三昧”!?私メにとっては、大袈裟ながら“至福の時!”なのであります。
 「ナニ!?人間の器が小さい?・・・イエ、小さくて結構!毛だらけ・・・」
そんな些細なことに喜びを感じられ、例えどんなに小さくとも満足することの方が、むしろ年に一度有るか無いか分らぬ様な大きな満足よりも(それが何かは良く分かりませんが)遥かに幸せなのではないでしょうか!?
勿論、横浜で買って持って来て貰って松本の自宅で食べるので、どんなに早くても食べられるのは買ってから3時間後。
ですので、そこでレンチンすればオニオンスライスがシャキシャキしていない云々・・・と、店で出来立てを食べる、或いはテイクアウトにしても地元の店から買って帰って食べるのとは、“作り立て”という意味での鮮度が落ちるのは当然であり致し方ありません。でも、しかし、そうは言っても・・・、と色々言ったところで、それでもバーガーキングはバーガーキングそのものなのです。
 と、他の人がどう感じるかはどうでも良いこと・・・。例え冷めていようが、時間が経っていようが、それを実際に食べる本人がどう感じるかだけで充分なのです。
そんな訳で、奥さまが松本へ戻って来るのを、「まだか、まだか」と指折り数えて楽しみに待っている今日この頃・・・・なのでした。
【追記】
先日帰られた奥さま曰く、
「美味しそうだったから、私もアボガドワッパーを自分用にも買ってみた!」
とのこと。
この時期の期間限定商品のメキシカンアボガドワッパーではなく、通常メニューにあるアボガドワッパーなのだそうです。
へぇ~珍しいこともあるものだと思いましたが、私メに感化されたのかも・・・・。
因みに、さすがにワッパーは食べ切れないと最後の一口を頂いてみましたが、バーガーキングらしい炭火直焼きのパティにアボガドが効果的。スライスオニオン、トマト、レタスと生野菜にアボガドが相まって、確かにサラダ感覚で女性受けしそうだと感心した次第(もし女性一人で食べるなら、同じメニューのワッパーJr.の方が良いかもしれませんね)。とても美味しかったです。
(二つのワッパーの実物写真は、バーガーキングの公式頁からお借りしました)

 長女が松本滞在中に行きたがっていた、養命酒が手掛ける新しい施設「くらすわの森」。
結局長女は時間が取れずに行けなかったのですが、そこで今後の参考に次女と孫たちを連れてトライアルで行ってみることにしました。
「くらすわの森」は養命酒の発祥の地、信州伊那谷の駒ヶ根に在る中央研究所と工場に隣接した体験型複合施設で、2024年10月にオープンしたばかりの新しい観光スポットです。
元々「くらすわ」は、最初の施設が2010年に諏訪湖畔に開設されたベーカリーやショップも併設されたオシャレな人気レストランで、諏訪に勤めていた頃は会社の食事会等も含め家族でも何度か利用したことがあり、次女夫婦が結婚後に見たいという訪湖花火を、確かその「くらすわ」の屋上の観覧席だったと思うのですが、事前にチケットを予約して見たこともありました。また2020年には「信毎メディアガーデン」にもテナントとして、「くらすわ」のダイニングが松本にも出店しています。
そんな「くらすわ」の大規模な複合施設が、今回新たに養命酒の駒ヶ根工場に新設された「くらすわの森」なのです。
        (以下二枚の写真は紹介ページよりお借りしました)

 PR記事に依ると、『養命酒製造株式会社が運営するライフスタイルブランド「くらすわ」の世界観を詰め込んだ体験型複合施設「くらすわの森」が2024年10月3日、長野県駒ヶ根市にグランドオープンしました。食事や読書を通じての「おいしい」「たのしい」「すこやか」な体験ができます。
「くらすわ」は、食を通じてすこやかなくらしを応援するライフスタイルブランド。創立100周年を迎えた養命酒製造株式会社の運営で、長野県を中心に4店舗を展開されています。この度、長野県駒ヶ根市にある工場を囲むようにさまざまなコンテンツを配した体験型複合施設「くらすわの森」がオープンしました。森の中を散策しながらこだわりのグルメやお買い物、体験を楽しむことができます。
ドーナツ型の「フォレストリング」は、真ん中の森を眺めながらフードやショッピングを楽しめる「くらすわの森」の中核施設です。ぐるりと囲うようにカフェやショップが配置されており、ベーカリーでは粉から丁寧に仕込んだ自家製のパンを毎日20種類以上焼き上げて販売されています。』とのこと。
 松本からだと「くらすわの森」へは1時間程度。長野道から中央道に入り、最寄りICは駒ヶ根ICですが、もしETCがあれば駒ヶ根SAのスマートICで降りられ、そこから僅か5分足らずで到着出来ます(帰路も同様)。
場所は駒ヶ岳の麓にあって、数か所に分かれる駐車場も全部で450台と広く、平日に行ったので、施設に一番近いインフォメーション横の駐車場に停めることが出来ました。受付で園内のマップを頂いて出発です。
因みに、駒ヶ岳というのは木曽駒ヶ岳のことですが、伊那谷では「木曽」とは絶対に付けません。伊那谷では「木曽駒」と言うのはタブーであり、飽くまで「駒ヶ岳」なのです(千畳敷カールに登る「駒ヶ岳ロープウェイ」は、伊那谷側の駒ヶ根市にあります)。強いて言えば、中央アルプスと南アルプスに挟まれて、諏訪湖から流れ出る“暴れ天竜”が形成した伊那谷からは、木曽駒と甲斐駒の二つの駒ヶ岳が望めるので、従ってこの駒ヶ岳は「西駒」であり、甲斐駒を「東駒」と呼んで区別する場合もあります。
季節柄、この日は生憎先日降った雪がまだ残っていて、遊歩道などはぬかるんでいるため、子供向けのスライダーは休止中とのこと。園内には森の中にツリーハウスの様なライブラリーが在って、絵本を含め1000冊の本が揃っていて子供も楽しめるそうなので、新緑の季節や夏休みなどに森林浴を兼ねて遊歩道を歩いて子供連れでノンビリ楽しむのも良いかもしれません。
到着したのが11時半近かったので、娘のリクエストで先に「弐の蔵」のレストランに行ってみると、既に満席で40分待ちとのことでしたので早速予約。そして登録をするとスマホに呼び出しの案内が来るとのことで、それまで園内を散策してみることにしました。戻り、「壱の蔵」のショップからスタートです。
ショップで娘が横浜へ持って帰るお土産を幾つか購入。それから、大阪万博の大屋根リングの小型版の様な円型の建物、「フォレストリング」へ。
この建物は木製ではなく、内側がガラス張りの回廊が円形に巡っていて、その円形の建物内にカフェ、ベーカリー、ミートデリやマルシェなどのショップが併設されており、建物で囲まれたエリアは、中庭の様に林がそのまま残されているので、その木々の姿を眺めながらショッピングやグルメを楽しむことが出来ます。各店共通で利用ができるというイートインスペースも用意されていて、開放的なテラス席ではワンちゃんの同伴も可能だそうですが、実際テラスで食べておられたワンコ連れのご夫婦もいらっしゃいました。
一周ぐるりと巡りながら、ミートデリで朝食用の自家製ソーセージ、同じくベーカリーで朝食用のパン、そしてマルシェで地場の新鮮な野菜(懐かしいカーリーケールがあったのでサラダ用に)なども購入。
ちょっとしたランチなら、ベーカリー横のカフェには1500円のプレートランチもあったので、レストランでなくともこちらで済ませることも可能です。
そうこうしている内に、まだ40分経っていませんでしたが、席が空いたらしくスマホに呼び出しがあったとのことで、買ったお土産等は私が車に運び、先に彼等は「弐の蔵」のレストランへ向かいました。
 70席という「くらすわの森」のレストランは、ランチコースの3000円前後のメインディッシュを選ぶと、「くらすわ野菜ビュッフェ」と「自家製パン」が付いています。
そこで皆でシェアすることにして、メインディッシュには「信州十四豚ロース やわらかローストポークステーキ」(3,200円)、「シラスと菜の花のオリーブオイルソースパスタレモンの香り」(2,900円)、「ピッツァ マルゲリータ」(2,800円)。そして、子供たちはKids(小学生以下対象)メニューから、「自分でトッピング キッズピザ(トッピングを体験できるミニサイズのピザセット))1,800円)と「野菜ビュッフェのみ」750円)をチョイスしました。
ポークソテーも柔らかで美味しかったのですが、個人的にこの中で一番良かったのは野菜ブッフェでした。何と言っても地場の新鮮な野菜が食べ放題。また選んだワサビドレッシングも美味。何度もおお替わりしてしまいました。またブッフェは野菜だけではなく、スープ(この日はカボチャのポタージュ)、出来立ての自家製モツァレラチーズやキノコのマリネ、また何種類かの自家製パンもあって、そのどれも美味しかったです。
個人的にはこちらのレストラン以外でも、ミートデリのホットドッグや、カフェのランチプレートも美味しそうでしたし、イートインスペースもしっかりあります。ただもしレストランで食事する場合は、先に予約してから買い物や森を散策した方が良いでしょう。
「くらすわの森」は高原リゾートの様な雰囲気なので、我々信州人はともかく、夏休みなどに森林浴を兼ねて都会から来られた家族連れにはおススメかもしれません。隣接する工場の見学も可能なので、平日であれば稼働している養命酒の製造ラインも見ることが出来ます。
 この日は残念ながら前日の降雪もあって、森の中の遊歩道の散策は出来ませんでしたが、都会育ちの孫たちは積もった雪が珍しいらしくて、キャッキャと歓声を上げながら雪を触ったり掴んで投げたりして喜んで遊んでいましたので、それはそれで良かったかもしれません。
でも、もし今度来る時は小鳥の鳴き声でも聴きながら、木漏れ日の中を森の遊歩道を散策して、「森のライブラリー」やテラスのカフェで少しノンビリ出来れば・・・と思います。

 長女がアメリカに帰国する前に、横浜の次女の所に一泊して姪っ子たちに挨拶して行くのに付き添って、奥さまも10日程そのまま定例の“家政婦”での家事手伝いに一緒に行って、終わってから家内の帰るのに合わせて、今度は次女と孫たちが家内と一緒に松本へやって来ました。
婿殿が勤める病院で二度とも出産したため、“里帰り出産”をしなかった次女は、昨年秋に(母の一周忌法要に合わせて)長期で初めて松本に子供と一緒に帰省して来て我が家に滞在し、その間、自分の家とは違って(家内が手伝いに行っている間も少なくとも婿殿の世話は自分でするので)、実家だと全てを親に任せて自分は「何もしなくて良い」快感に“味を占めた”のか、今回は短くて4日間程でしたが、婿殿の出張に合わせて、孫たちは親に任せて自身の育児疲れを癒しに(?)松本へ帰省して来ました。

 前回来た時に娘が事前にネットでチェックして行きたがっていた、“子供連れに優しい”松本のレストランが、前回はちょうどその時に改装中で長期休業していたため、今回の帰省中に“満を持して”事前に予約して、イオンモールでの買い物がてら、ランチに行ってみることにしました。
そのレストランはイオンモール松本の近く、日の出町に在る「ごはんカフェ 和み」という一軒家を改装したカフェレストランで、一階部分が店舗になっています。
ランチの後、イオンモールで買い物予定だったので(アンパンマンなどのキャラクターカートに乗るのが第一目的でしたが・・・)、先にイオンモールに車を停めてから、11時半の予約に合わせて道を挟んだ「和み」に向かいました。
この日は平日でしたが、春休みのためか子供さん連れなどが多く、屋根下の一階部分は既に満車。立駐も混んでいたので、結局屋上へ駐車しました。
先に歩いて11時半に予約したレストランへ向かいました。店舗は4人掛けテーブルが4卓とカウンター、キッズスペース、奥に個室が二部屋。改装前とレイアウトは殆ど同じ(様に思えます)。因みに、畳敷きだった小上がりフロアは改装後カーペット敷きにリニューアルされた由。そして予約の際に子どもの月齢を伝えると、その子に合わせて布団やチェアを用意してくれるのだそうです。
そしてこの個室とキッズスペースには木製のオモチャと絵本などが置かれていて、お母さんたちは子供たちがオモチャで遊んでいるのを見ながらゆっくりご飯が食べられます。
また年齢(月齢)ごとに分けてキッズメニューが数種類ずつ用意されているのもお母さん方にとっては有難いでしょうし、しかも大人向けもですが、素材なども地元産に拘り、体に優しい化学調味料は一切使わない料理が揃っています。そして、最初に運ばれて来たのが水ではなく白湯。そんなところにも気配りが感じられました。
我々は奥の個室を予約してあり、入ると置かれていたキッチンセットなどのオモチャに孫たちは大喜びで、早速夢中で遊びます。


 先ずはメニューを見て、子供たちの食べるモノから注文です。
キッズメニューは7ヶ月以上、9ヶ月以上、11ヶ月以上と細かく月齢で分けたキッズボウルメニューとパンケーキがあり、その中から娘はカボチャのポタージュ、昆布だしと大豆ミートのおうどん、芋もちボール、にんじんのパンケーキをオーダー。キッズメニューを先に運んでもらって、孫たちに先に食べて貰いました。子供たちがお腹が一杯になってまたオモチャで遊んでいる間に、今度は大人たちが食事です。
我々が選んだのは、娘はネギトロアボガド丼は早くも売り切れとのことで、和風タコライス丼(1180円)、家内がメイン3種の中から豆腐ハンバーグを選んでの十六雑穀米と3種のお惣菜プレートレート(1300円)、そして私メが山賊焼き定食(1180円)をチョイスしました。
正直、こちらはキッズメインの様な気がして、大人のメニューには然程期待していなかったのですが、それが「とんだ失礼!をば」・・・でした。
信州の地鶏福味鶏を使用したという山賊焼きは、地元の山賊焼き専門店に負けぬ程美味しかったですし、どのメニューにも新鮮な地元野菜が豊富に使われたサラダが添えられ、また今月のお惣菜という小鉢の人参ラペが実に爽やかで美味でした。山賊焼き含め、三人で少しずつ味見にシェアしましたが、どれも美味しくてコスパ的にも満足でした。

 以前ご紹介した山形村のそば処「木鶏」もそうですが、こちらのオーナーご夫妻も子育て中で小さなお子さんがおられる経験からなのでしょう。木製のオモチャや本だけではなく、そこかしこに小さな子供連れの若いお母さん方への、「安心してお子さんと一緒にゆっくり食べて行ってください」という暖かな配慮が感じられました。この日もそうでしたが、子供連れのお母さん方に大人気というのも大いに納得出来ました。
中には「小さな子供お断り」という店も結構多い中で、自分たちが今そういう環境であるからこそ感ずることではあるのですが、少子化対策を声高に叫ぶのなら、松本にもこういう子連れに優しい( 更にはペット向けも同様の環境なので、軽井沢の様な Dog Friendlyな)お店がもっともっと増えれば良いのに・・・とつくづく思いました。

 長女が以前二度ほど取り寄せしてくれて、とても美味しかった瀬戸内産の牡蠣。その後奥さまもトライしたのですが、どうやらアクセス先が違っていたらしく取り寄せが出来ていませんでしたが、そこで今回の松本滞在中に長女がまた取り寄せてくれました。
瀬戸内産と言っても広島ではなく岡山産の牡蠣で、水揚げ後漁港ですぐに殻を剝いて発送してくれるので、例え山国信州であっても到着日が発送の翌日で、その日だけは生食が可能。以前食べた時に、特に生ガキについては、本当に海辺で食べた様な全く生臭さの無い新鮮さに、(“山の民”信州人としては)それこそ感動すら覚えたのでした。
如何に有名なレストランであっても、これまで地元で牡蠣フライや牡蠣の天婦羅などを食べた時に感じる特有の生臭さ・・・。それはレストランの調理法がどんなに優れていても、食材の鮮度で決まってしまう味。ですので、例え素人が調理して自宅で食べるそれがいくら調理レベルで劣っていたとしても、この超新鮮な牡蠣は地元のそれなりに知れたレストランで食べる牡蠣料理を遥かに凌駕しているのです。

 個人的に、昔は(内陸部の信州で流通しているモノのせいか)牡蠣は美味しく感じられなかったので、それ程牡蠣は好きではありませんでした。ましてや生牡蠣など臭くて気持ちが悪くて“以ての外”でした。
余談ですが、それは牡蠣に限らず、流通が今ほど発達していなかった昔は、“臭い”ウニも嫌いで、社会人になってからの東京出張の折に、発注先の本部長さんが打ち合わせの後でランチに連れて行って下さった新橋のお寿司屋さんで、握りのセットの中にウニ軍艦が入っていて、残すのも失礼なので、それこそ清水の舞台から飛び降りるつもりで目を瞑って口に入れたのですが、臭みなど全くないその甘味に驚いて、その後すっかりウニが好物になったのでした。
事程左様に、自分が生まれてこの方“好き嫌い”となった食材の決定要因の多くは、この“山国信州”では特に海鮮系に関して、おそらく鮮度に関して本当に新鮮で美味しいモノが食べられなかったがために、その時に食べた“鮮度が古くて匂う”食材や、新鮮な食材を活かす本来の調理方法とは異なり、多少鮮度が落ちた食材用の調理法だったがためか、その時食べたモノが美味しく感じられなかったという“負の記憶”にずっと苛まれた結果の蓄積で、結局その食材を嫌いになってしまったという理由も多かろうと思うのです。
幸い、例えば今や呼子のイカが生きたまま首都圏へのトラック輸送が可能になった様に、輸送技術や流通網が発達し革新されてきた結果、今では“山国信州”であっても、海鮮系に関しても例えば北陸の港に上がった朝どれの魚介類がその日の内に県下のスーパーマーケットの売り場や飲食店でも提供される様になりましたので、以前のようなことは少なくなりました。
 閑話休題。
今回も届いた新鮮で大振りの牡蠣。この日の牡蠣料理は、娘と私メは先ずは生牡蠣。そして私メが調理を担当しての牡蠣のガーリックソテー。奥さまが調理した牡蠣フライとオイスターチャウダー。年に一度?の牡蠣尽くしです。
送って頂いた牡蠣は1.6㎏と一度では食べ切れないので、1/3は牡蠣フライとして揚げるばっかりに処理して冷凍保存します。
社会人になってから・・・というより、シンガポールへの赴任中に時々開催されていた周年記念やGM交替時などの企業主催のパーティー。
著名なワールドクラウスのホテルのボールルームで催されるそれは名刺交換や談笑がメインなのですが、その際にビュッフェ的に用意されている料理の中に、季節によって、フランス風に敷き詰められた氷の上に殻に入った生牡蠣が並べられていて(新婚旅行でパリに行った際、旅行ガイドに乗っていたレストランで、地元のパリジャンたちが食卓に山の様に盛られた旬の牡蠣に夢中になっているのをしり目に、生牡蠣を食べられなかった私たちは一切見向きもしませんでした)、或る時に他に食べるモノが乏しかったのか、一度それを一緒に行ったローカルMgr.から勧められて、シンガポール風にチリソースで一度食べてみたのですが、それが美味この上無し!
 「えっ!?生牡蠣って・・・こんなに美味しいんだ!!」
と、これまた“目から鱗”の経験でした・・・。
その後は、例えば旅行先の厳島で焼き牡蠣を食べたり、出張先の夏の山形の庄内で大ぶりの岩ガキを頂いたりと、今では生牡蠣もしっかり食べられる様になりました。
 この日の我が家の夕食はまさに牡蠣尽くし。食卓には生牡蠣、牡蠣のガーリックソテー、定番の牡蠣フライ、そしてオイスターチャウダーが所狭しと並びました。
先ずは、大ぶりの生牡蠣を私メは常備しているスイートチリソースで。娘はレモン果汁で戴きます。それにしても旨い!驚くのは生臭さが全く無いことです。この岡山産の牡蠣は水揚げされて殻を剥き、すぐに袋詰めがされて直送されてくるため、信州であっても翌日到着したこの日だけは生食可能とのこと。
続いて牡蠣のガーリックソテー。キレイに流水で水洗いしてペーパータオルで水気を切って、片栗粉をまんべんなくまぶし、オリーブオイルでスライスしたにんにく炒め、その上で軽く塩コショウを振って両面に焼き色が付く程度に牡蠣を炒め、シンプルにレモン果汁を垂らしていただきます。前回は北陸系のスーパーで買った牡蠣でしたが、自宅で作って家内に好評だったレシピです。今回の牡蠣が前回以上に新鮮だったのが一番の理由ですが、こちらも皆に好評でした。
そして家内の作る牡蠣フライ。定番のこちらも言わずもがなです。少なくとも、地元のどんなレストランの牡蠣フライよりも新鮮で美味しく感じます。こちらはタルタルソースとトンカツソースで戴きました。
そして、特筆すべきは家内の作ったオイスターチャウダー。まさに絶品でした。娘がMBA留学中に連れて行ってくれたサンフランシスコのフィッシャーマンズワーフでも食べた、本場のクラムチャウダーよりも牡蠣は良い出汁が出るのか、今回のオイスターチャウダーの方が美味しく感じられました。これは大発見!次回からまた牡蠣を取り寄せたら、オイスターチャウダーはマストだと認識した次第。
 長女のお陰で、山国信州でも本当に新鮮な牡蠣を、それこそ“牡蠣尽くし”で思う存分楽しむことが出来ました。

 長女が松本滞在中に、久世福と無印でNYのお友達へのお土産とNYで使う日用品を買いたいとのことで、パルコは2月末で閉店してしまったため、大混雑する週末を避け、多少はまだマシな平日にイオンモールに出掛けました。
 ちょうど昼時だったので、買い物が終わってからそれぞれが好きなモノを選べるフードコートでランチを食べてから帰ることにしました。
イオンモールにはフードコート以外にも専門飲食店街もあるのですが、フードコートには色んな店もあるのでそれぞれ自分の食べたいモノが選べますし、時間が無い時などはセルフでささっと食事を済ませられます。また座席数が1000席と兎に角広いので、何より小さなお子さん連れにとっては、少し離れた席に座って子供たちが多少騒ごうが泣こうが周りに余り気兼ねせずに食べさせることが出来ます。ですから特に子育て中のヤングファミリーの皆さんには、市内では数少ない子供連れで安心して外食が出来る人気のエリアです。
こちらのフードコートで食べる時には良く利用していた(松本で長崎チャンポンは他では食べられないので)リンガーハットは残念ながら撤退してしまいましたが、10数店舗ある中から母娘は「小木曽製粉」のお蕎麦にするとのこと。しかし私メはせっかくの機会ですので、「凌駕IDEA」でラーメンを食べることにしました。こんなことでも無いと、独り以外の時にラーメンなど食べることが出来ませんから・・・。
(写真はH/Pからお借りしました)。

 この「凌駕IDEA」は、煮干醤油ラーメンを看板にニボジローなど、松本市を中心に長野県内に多店舗を展開する地元で人気の凌駕グループのメインブランドで、イオンモールのフードコートにも出店しています。
数組行列でしたが、ラーメンなら早かろうと思ったのですが、ワンオペではなく(但し、調理とトッピングは若い女性スタッフ一人で切り盛りされています)4人程スタッフがいるのに、結構時間が掛かりました。
選んだのは、イオンモール店限定という「松本ブラック」(800円)。大盛り無料とのことで、有難く大盛りでお願いしました。呼び出しベルを渡されて順番を待ちます。4~5番目だったかと思いますが、思いの外時間が掛かり、途中で家内が心配して座っている席を知らせながら見に来ました。
計った訳ではありませんが、サーブされるまでに10分以上掛かった様に感じました。
 さて、こちらの「松本ブラック」。その名の通り、黒いスープ、刻みネギ、チャーシュー、メンマ、最初から振り掛けられている粗挽き胡椒。カウンターにもブラックペッパーが置かれていたので、“追いコショウ”で更に追加して振り掛けました。
スープを先ず一口啜ると、凌駕らしくいきなり煮干し風味が感じられます。黒い色程スープは濃くはありません。麺はスープに良く絡む中細麺の縮れ麺。
 「ウ~ン・・・」
個人的には、やはり煮干しは好みではない様です。やはり鶏と豚のスッキリしたガラスープの方が好きだなぁ・・・。

ラーメンで「松本ブラック」と称するのは、同じ松本の駅前通りにある「マルキ商店」にもあって、以前食べたそのマルキ商店の「松本ブラック」(第1717話)は、鶏と豚から摂ったガラスープをベースにした、焦がし醤油の真っ黒なスープで、色程に濃くは無く、勿論十分に塩気はありますが、むしろ塩味よりは甘味を感じました。一杯に盛られた九条ネギという青ネギの下の麺は細めのストレート麺でした。
但し、個人的に“ブラック”のイチオシは、「ブラック」と名乗っている訳では無いのですが、やはり“元祖”京都ラーメンの名店「新福菜館」の黒いスープの中華そばと、その醤油を使った黒いチャーハンでしょうか。
              (東京麻布十番の新福菜館にて)
 因みに、凌駕グループでは複数ブランドを展開する中で、最近松本市内の元町に、豚ベースの京都スタイルのラーメンという、黒醤油のコクと風味が香る「中華そば 焼きめし やま本(ヤマモト)」をオープンしたとのことですので、“京都ラーメン”を代表する新福菜館か第一旭のどちらか寄りかは分かりませんが、もし京都風のラーメンがここ松本で本当に食べられるのなら、行ってみる価値がありそうです。ですので、むしろ私メが食べるべきは「凌駕IDEA」の松本ブラックではなく、同じ凌駕グループの「やま本」の黒中華そばなのかもしれません。

| 1 / 100 | 次へ≫