カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 次女のお義母様がコロナの後遺症で体調がすぐれず、昨年秋から半年間延び延びになっていた、一歳になった下の孫の一升餅と上の孫の三歳の七五三のお祝い。
お義母さまはまだ“全快”とまでは言えない様ですが、“だましだまし”でも外出されたり出来るまでに回復されたとのことから、ここで次女たちの横浜の自宅で半年遅れのお祝いをすることになりました。
但し時季外れですので、神社での七五三の参拝は無理なので、全員で近くの神社にお参りして孫たちの成長をお祈りして、七五三の記念写真は、写真館の予約の都合上6月に家族だけで撮影することにして、当日のお祝いの席は、上の孫の一升餅の時の様に外の割烹ではなく、お祝いの料理を取り寄せて自宅でお祝いをしたいとのこと。
こちらからすれば“イイどこじゃない!”、延び延びになってもご実家のご両親も顔を揃えられて、皆で無事に孫たちのお祝いの席が持てるのが何よりですから・・・。
因みに、本当なら昨年11月にする筈だった七五三のお祝いが先に延びると聞いて、まだ在庫のある内にと、江戸時代から続く松本の老舗の飴屋さん「新ばし飴」の新橋屋商店(謙信が信玄に送った塩が、“塩の道”千国街道を通って松本に1月11日に着いたことに由来する、毎年1月に行われる松本の伝統行事「あめ市」の福飴で有名。松本にはこの「新橋屋商店」の他に、創業350年という「山屋」と、またこれも江戸時代創業の「飯田飴店」という老舗飴店もあるのですが、我が家では毎年父が新橋の店まで行って、必ず「新ばし飴」の福飴を買って来ていました)へ昨年末に伺って、お祝いと写真撮影のために七五三の千歳飴だけは先に購入し、お店のご主人の「冷蔵庫に入れて置けば、春までは大丈夫ですよ!」とのアドバイス通りに保存してありました。

 奥さまは月例の“家政婦”で先に横浜の次女の家に行っているので、私メは独り、5月18日の日曜日の早朝、ワンコたちに留守番を頼んで往復電車での日帰りで横浜に向かいました。
全員で神社への参拝と自宅へ届けたいただいた老舗料亭の仕出し弁当でのお祝いの会食が終わり、ワンコたちが待っているので、夕刻までには松本へ着ける様に午後2時に先に“おいとま”させていただきました。
帰る際、奥さまから「これ、松本に持って帰ってね!」と渡された大きな袋。
その中には湯河原のご実家から毎年戴くお土産の新茶などと一緒に、何やら大きな木枠が入っています。
聞けば、これは次女たちが使っていた多面体フォトフレームで、これまで孫たちの写真を入れて壁に掛けて飾っていたそうなのですが、吊り紐が解(ほど)けて床に落ちてしまい、その衝撃で木枠が3ヶ所壊れてしまったのだそうです。
このフォトフレームは写真を入れる表面カバーがガラスで、幸い今回ガラスが割れることは無かったのですが、仮にもし修復出来ても、孫たちがこれからますます活発になって行く中で、今後不注意でもし落下した場合に、ガラスだと万が一割れたりして危険なので、代わりのフォトフレームを既に購入済みなのだそうです。
従って、このフォトフレームは廃棄するとのことですが、仮に廃棄するにして、もし処分場に持ち込まなくてはいけない場合も、車の無い彼等よりも車ですぐに行ける松本の方が良いだろうと、今回私メが持ち帰ることに。
 「直して使えればイイけど、もしダメなら捨ててね!」
ということで、家内の指示でこの日松本まで電車で持ち帰ることになったのでした。
 この多面体フォトフレームは、フレームが木枠でハガキサイズの写真が10枚入ります。縦横10個の木枠を組み合わせてあり、菱形で縦長か横長のどちらでも掛けることが可能です。そして、その木枠は黒・グレー・白木の三色で塗り分けられていて、アンティーク調で趣もあります。
持ち帰って翌日チェックしてみると、四角形の木枠の接続部分が落下の衝撃で接着が剥がれてしまっているのが3ヶ所と1ヶ所のフレームにヒビが入っていましたが、折れたりするような深い傷ではありませんでした。また厚さ3~4㎜のガラス10枚は、一枚もヒビ割れとかの損傷や傷はありませんでした。
従って、木枠を接着して直せば十分再活用が可能です。
ただこのはがきサイズのガラス、因みに全10枚を測ってみると、合計で600グラム。フレーム全体で900グラム程でしたので、2/3はこのガラスの重さ・・・です。
もし壁に掛けるのなら軽い方が良いし、4月には松本でも震度4の地震がありましたが、万が一落下してもガラスでない方が安全です。
通常考えられるのは、良く写真立てに使われているプラスチックの透明なアクリル板でしょうか。ネットでフォトフレームを検索してみると、殆どがこのアクリル製か若しくは他の硬質樹脂製で、写真のカバー面にガラスを使っているモノは見当たりませんでした。
そこで、市内のホームセンターや文房具店(松本だと「事務キチ」があります)や100均ショップを調べてみました。
H/Pでは分からかったので電話で聞いてみると、ホームセンターにはアクリル板はサイズも厚さも色々あるそうですが、松本の事務キチには無さそうでした。またネット記事に依ると100均ショップにもありそうですが、松本に有るかどうかは実際ショップに行ってみないと分かりません。
そこで、翌々日、ホームセンターとダイソー、セリアの3店舗に回ってみました。アクリル板はホームセンターに3mm、5mmなど、またサイズも色々揃っていました。問題はカットするのに専用のアクリルカッターと金属定規が必要とのこと。
一方、100均ショップを見てみると、DIYコーナーには硬質プラスチック製の乳白色のポリ塩化ビニルのパネルがあったのですが、残念ながら透明なモノは無し。ところが、セリアの文房具コーナーに透明な硬質プラスチック製のポリ塩化ビニルのA4判の下敷きがありました。思わす「これだ!」ということで、3枚購入。

問題はガラス板が151mm×101mmなのですが、A4サイズの下敷きは297mm×210mm、厚さは0,68mm。297では少し足りないのですが、210は十分。厚みも0.7mmでも下敷きですのでグニャグニャしておらず、しっかりしているのでガラス板の代役として十分使えそうです。
子供も使う文具の下敷きなので安全のためでしょう、四隅の角はRが付いて丸くなっています。
297mm×210mm のA4から148.5×101サイズで4枚取れるので、上下4mmずつカットしてRを取って直角にします。
0.68mmの硬質プラスチックのポリ塩化ビニル製ですが、カッターナイフで4回程少し力を入れて線を引くと、ほぼ切り取ることが出来ました。同様にA4判3枚から合計10枚を切り取ります。
木枠の外れた部分は、接着面に木工用ボンドを塗って接着。はみ出た接着剤をふき取り、しっかり硬化するまで注意書き通りに12時間待ってから、はがきサイズの写真は無いので、取り敢えず手許にあった孫たちのL版の写真を10枚木枠に入れ、写真のカバーとしてガラスの代わりにカットした先述の塩化ビニルを木枠に嵌め込みます。
フレーム板の一枚だけに吊り下げ用の紐を繋ぐ金具が付いているので、縦横を考えて今回は縦長に吊り下げる前提で、一番上になる木枠にそのフレーム板を入れて、しっかりした紐を通して縛り、その結び目が解けて落下しない様に、結び目に木工用ボンドを塗って、12時間乾かして解けぬ様にしっかりと硬化させ、最後に吊り紐の端を切り揃えて完了。これで安心です。
 ニ週間ぶりに奥さまが自宅に帰って来てから場所決めをして、壁にフックを打ち付けてフォトフレームを掛けてみました。
 「フム・・・、なかなかイイんじゃない!?」
ということで、場合によっては捨てられる運命だった木製の多面体フォトフレームですが、DIYで何とか修復なって、これにて完成!
(因みに、奥さまが相応しい写真を選んでフォトショップに注文し、ちゃんとはがきサイズで印刷してもらって入れ替えるとのこと・・・です)

 毎朝のワンコの散歩コースの途中に在るお宅。そのお宅の生垣の道端に毎年5月に咲く白い花。それは今まで一度も見たことが無かった花でした。
たまたま昨年の春、タブロイド判の地元の“日刊地域紙”の最終頁にある「四季の花」というコラムに掲載されていて知ったのですが、それは「ホワイトレースフラワー」という名前の花だったのです。それにしても“言いえて妙”で、本当に白いレース編みのコースターや花瓶敷を思わせる様な、そんな花だったのです。

 花の咲く時期は5月。毎朝ワンコと散歩しながら、今年も春になって先にニンジンの様な葉が茂って来たので、その白い花が咲くのを今か今かと楽しみにしていました。たまたまそのお宅にもワンちゃんが居て、それがシーズーの梅ちゃんです。そのお宅の奥様か、いつも10時くらいに同じコースを散歩されているのですが、こちらはコユキが声帯を切られた影響で暑いとすぐにハァハァするので、暑くなる前に散歩に行くようにしているため冬だとお会いすることがあり、クルミが我が家に来てからは同じシーズーということもあって、お会いした時にはお話をするようになりました(4月2日に掲載した下の写真が、ちょうどそのお宅の横を歩くクルミでした)。
 我が家の奥さまが次女の所に月例で家事手伝いに行っている時は、二匹一緒に散歩は出来ないため、先住犬優先でコユキと最初に散歩して、次にクルミと散歩に行きます。
5月21日には松本が全国4位となる34℃を記録するなど暑くなってきたので、まだ5月ですが早々と“サマー・タイム”にして朝6時半から、また多少涼しい日は7時くらいから散歩する様にしました。
先日もコユキの散歩を済ませ、7時半頃からクルミの散歩に出掛けました。マンションの敷地内は犬は抱かないといけないルールなので、いつも近くの渚の公民館のところまでは抱いて行ってから散歩をスタートします。
この日、朝の出払いか、近所のご婦人方が集まって早朝から何かお仕事をされていたらしく、ちょうど終わって皆さんが帰るとことでした。
するとシーズーの梅ちゃんの奥様もおられ、
 「あらっ、クルミちゃん!久し振りね、元気だった?」
そして、奥様はご一緒されていたおばぁちゃまに、
 「ほら、ウチの梅と同じシーズーのクルミちゃん!保護犬なんですって・・・」
どうやらご一緒におられたのはお母様の様です。クルミは臆病で寄って来る他の犬は怖がるのですが、反面人は大好きで、お二人が帰る後を追いかける様に一緒に歩いて行きます。
ホワイトレースフラワーの咲いているお宅まで来て、何となく私の口から自然に出たのが、
 「ホワイトレースフラワー、本当にキレイですね。実際に生えているのを見たのはコチラが初めてで、園芸店でも今まで見たことがありませんでした。」
園芸好きのおばぁちゃまの仰るには、以前オープンガーデンを見に行った時に、そのお庭に群生しているのを見て気に入ったのだそうです。そして、そこから暫しおばぁちゃまと花談議になりました。以前戸建てに棲んでいた時に、ゼロから自分で作庭したこと。そして色んなハーブを育てたこと。でも花壇だけは毎年二回、家内がナカツタヤに植生を任せて植えて貰っていたことなどなど・・・。すると、
 「もし宜しかったら、切り花でお持ち帰りになりませんか?」
 「いえ、道を通る人に見て貰った方が花も喜ぶでしょうから、切ったら勿体無いです。」
でもたくさん咲いているし、零れ種でどんどん増えるんですと仰るので、
 「じゃぁ、一輪挿しに飾りますので、一輪だけいただけますか?」
すると、おばぁちゃまはハサミと新聞紙を家から持って来られ、一輪どころか大きな花束になるくらいに50本以上も切って下さって、新聞紙に包んで渡してくださいました。
 「水切りすると結構長くもちますからね。必ず水切りしてくださいね!」
 お礼を申し上げて家に戻り、教えて頂いた通りに水切りをして、玄関に置く一輪挿しと、残りの花は花瓶に挿しましたが、本当にたくさん。でも、家内も横浜に行っていて居ないので、私一人で他に愛でる人も居なくてはせっかくの花も可哀想です。
そこで同じマンションで、以前母の葬儀の時に、コロナ禍では弔問だけで皆さん帰られてしまうので葬儀出席は親戚のみになるため、たくさん上がった生花は花束にして親戚に出来るだけたくさん持ち帰ってもらったのですが、それでもたくさん余ってしまい、たまたまマンションの駐車場で居合わせた小さな姉妹が花が大好きというマンションの同じフロアの方に経緯を説明し、「母の葬儀で使った花なのですが、もし宜しければ・・・」と持ち帰った花束を貰って戴いたのが縁で(他にもお二人に貰っていただきました)、その後独りの時に親戚の法事等で花を持ち帰らざるを得ない時などは、その花好きの小さな姉妹に花をあげて家で飾ってもらっていました。そこで、今回も半分をお裾分けして喜んでいただきました。
 その後暇に任せてネットで調べてみると、意外なことが分かりました。というのは、いただいた花はホワイトレースフラワーでは無かったのです。ネットの写真も掲載されていた園芸図鑑などの記事に依ると、
『 【ホワイトレースフラワーのデータ】
花色:白 学名:Ammi majus 別名:ドクセリモドキ 科名:セリ科 分類:秋まき一年草~二年草 原産地:地中海沿岸 大きさ:背丈80~150cm、横幅30~60cm 主な見所:花(5~7月)
【ホワイトレースフラワーの特徴】
カーテンのレースのような繊細な姿から切花としてよく使われています。小さな白い花が集まって花序になり、それが花茎の先に10数個つけるのでよく目立ちます。葉は複葉で、株はロゼット状になり花どきにとても長い花茎を伸ばします。場合によっては背丈を超えるほど大きくなることもありますが、水や肥料を控えめにしてセーブしつつ締まった株に育てます。
レースフラワーと呼ばれるものには他にブルーレースフラワーがありますが属が違う別種になります。またホワイトレースと呼ばれるオルレア・グランディフローラとも属が違う別種です。』
そこで、
『 【オルレア ホワイトレースのデータ】
花色:白 学名:Orlaya grandiflora 別名:オルレア・グランディフローラ、オルラヤ 科名:セリ科 分類:多年草(常緑)、秋まき一年草扱い 原産地:ヨーロッパ 大きさ:背丈10~60cm、横幅15~50cm 主な見所:花(4~7月)
【オルレア ホワイトレースの特徴】
白い花が集まってレースのような花序になります。株の大きさにしては花が大きくよく目立ちますが全体的には自然な印象です。葉は切れ込みの多い緑、冬はロゼット状ですが春になると長い花茎を伸ばします。茎は比較的硬めで切花にも使えます。タネからでも比較的楽に育てられます。また、暑さに弱く暖地での夏越しは難しいですが、こぼれダネでよく増えます。郡植させると見事です。』   (左がオルレア・ホワイトレース、右がホワイトレースフラワーです)
 どうして間違ってしまったのでしょうか・・・?
それは『日本ではオルレアとして主に流通している園芸品種の“ホワイトレース”のほうが学名より先に有名になったため、ホワイトレースと呼ばれることもあります。 しかし、別の草花であるホワイトレースフラワーと名前も草姿も似ているため混同されることが多く、近年ではオルレアと呼ばれるようになっています。』ということなのでした。
ですので、昨年の地元紙に「ホワイトレースフラワー」として掲載されていた写真も散歩コースで見掛ける花と全く同じでしたので、ローカルとはいえ正確な情報を報道すべき新聞社もオルレアとホワイトレースフラワーを混同して間違っていたことになります。
そこで、おばぁちゃまにもネットの園芸図鑑の記載とそれぞれの写真をダウンロードして印刷し、花を頂いた少しばかりのお礼を兼ねてお渡ししました。
でも「オルレア・グランディフローラ」とは言いにくいですし、ホワイトレースの方が言葉としては語感がキレイなのですが、だとすれば混同を避けるためには、せめて「オルレア・ホワイトレース」と呼んだ方が良いのでしょう。
 頂いたオルレア・ホワイトレースはアドバイス頂いた通りに水切りしたのでずっと元気で、毎日水替えもした結果次々に花を咲かせてニ週間近く持ちましたし、散歩コースのオルレア・ホワイトレースも6月中旬になっても未だ見事な群生を見せてくれて、私の様な道行く人の目を大いに楽しませてくれています。

  信州の春の野山は山菜シーズンです。
フキノトウに始まり、“山菜の王様”タラの芽、コゴミ、ワラビ、ゼンマイ、コシアブラ、そしてネマガリダケ・・・。
野生という意味では、セリや山ミツバ、野蒜なども山菜に入るかもしれません。
特にこの時期になると、黒姫や妙高、志賀高原など、雪深い山で採れるネマガリダケ(「根曲がり竹」。正式にはチシマザサという笹の一種)が人気ですが、ネマガリダケに限らず山菜採りでは山での遭難や近年ではクマ被害なども毎年ニュースになるので、山に入る際は気を付けないといけません。

山菜を採る楽しみを別とすれば、もし食べるだけだったら地場のスーパーにもタラの芽などハウス栽培された山菜なども並ぶのですが、やはり野生のモノと比べると苦みが無いので美味しく感じられません。
“野趣を味わう”という意味では、苦みだけではなくえぐみ(蘞味)でさえ、時としてその野趣を感じさせてくれるので、山菜はハウス栽培ではなく、やはり野生のモノに軍配が挙がる気がします。
(上の写真は、昔母屋の中庭に父が植えたタラの木と以前頂いたコゴミです)

 そう言いながら、この時期の個人的な“食”の楽しみは、その山菜ではなく野蒜でした。


信州では野蒜とは言わず、方言で「ネンボロ」と呼んでいました。春になるとリンゴ園や田んぼの畦道などに良く生えていたので、母や祖母がぬたにしてくれたり、刻んで醤油をかけて鰹節を散らしてご飯に載せて食べたりしていました。また小さなタマネギの様な球根状の部分(鱗茎)は一緒に刻んでも良いですが、その部分だけを切ってエシャレットの様に味噌を付けて食べると、それだけでも乙な酒の肴にもなります。
個人的には、非常に単純で素朴な刻んだ野蒜のこの“ぶっかけ飯”が大好きで、これだけでご飯が何杯も食べられる気がします。
昔リンゴ園から摘んで来て、キレイに洗ってから刻んで醤油をかけて“ぶっかけ飯”にすると、奥さまや娘たちは「えっ!そんなモノ食べるの?」と少々呆れ顔で、誰一人として食指が動きませんでしたが、個人的にはフキノトウと共に春を感じさせてくれる“旬”の山野草でした。その意味では、もしかすると味と云うよりも“春”そのものを頂いていたのかもしれません。
 そして、この“ネンボロ”の時期が終わると、信州の里山は新緑の初夏を迎えます。

 次女が二人目を出産して以来、奥さまが定例で毎月二週間近く家事手伝いと孫の世話に横浜に住む次女の家に行っています。近くに居れば必要な時にいつでも親に頼れるのでしょうけれど、婿殿のご実家も同じ県内とはいえ静岡との県境ですし、我が家も松本ですぐには駆けつけて揚げられないので、定期的に手助けに行ってあげるのは止むを得ません。それにやはりお義母さんに頼るよりも実の母と娘の関係の方が、(時に言い争いをしたとしても)遠慮なく何でも頼めるでしょうから・・・。
そのため当然ですが、その間私メは独りで家事をしなくてなりません。そこでその(=夫を独りにさせてしまった)代償として(家内曰く、孫の世話の方が余程体力的にはシンドイそうですが、それはそれとして)、横浜から戻って来る時の“お土産”で必ず買って来てもらうのが、バーガーキングのスモーキーBBQワッパーなのです。しかも2個!(絶品だったグリルドビーフバーガーは残念ながら期間限定商品でしたので、今のラインナップ内でのイチオシです)


 インバウンド需要(新幹線で来て、長野から白馬や野沢温泉に向かう外国人スキー客や観光客)を見込んで、長野市内には今年に入って県内初出店でバーガーキングとウェンディーズが相次いで進出したそうですが、残念ながら松本にはまだバーガーキングは出店していないので(将来出店するかも不明)、わざわざ横浜から買って来て貰っているのです。
ただ、そうかと言って松本に在るマックやモスに(独りで)月2回も行かないことを考えると、月二回必ず食べるバーガーキングの方が個人的な頻度は高いので、今のままでも良いのかもしれませんが・・・?

 ま、それはともかくとして、松本に居ての月2回の“バーガーキング三昧”!?私メにとっては、大袈裟ながら“至福の時!”なのであります。
 「ナニ!?人間の器が小さい?・・・イエ、小さくて結構!毛だらけ・・・」
そんな些細なことに喜びを感じられ、例えどんなに小さくとも満足することの方が、むしろ年に一度有るか無いか分らぬ様な大きな満足よりも(それが何かは良く分かりませんが)遥かに幸せなのではないでしょうか!?
勿論、横浜で買って持って来て貰って松本の自宅で食べるので、どんなに早くても食べられるのは買ってから3時間後。
ですので、そこでレンチンすればオニオンスライスがシャキシャキしていない云々・・・と、店で出来立てを食べる、或いはテイクアウトにしても地元の店から買って帰って食べるのとは、“作り立て”という意味での鮮度が落ちるのは当然であり致し方ありません。でも、しかし、そうは言っても・・・、と色々言ったところで、それでもバーガーキングはバーガーキングそのものなのです。
 と、他の人がどう感じるかはどうでも良いこと・・・。例え冷めていようが、時間が経っていようが、それを実際に食べる本人がどう感じるかだけで充分なのです。
そんな訳で、奥さまが松本へ戻って来るのを、「まだか、まだか」と指折り数えて楽しみに待っている今日この頃・・・・なのでした。
【追記】
先日帰られた奥さま曰く、
「美味しそうだったから、私もアボガドワッパーを自分用にも買ってみた!」
とのこと。
この時期の期間限定商品のメキシカンアボガドワッパーではなく、通常メニューにあるアボガドワッパーなのだそうです。
へぇ~珍しいこともあるものだと思いましたが、私メに感化されたのかも・・・・。
因みに、さすがにワッパーは食べ切れないと最後の一口を頂いてみましたが、バーガーキングらしい炭火直焼きのパティにアボガドが効果的。スライスオニオン、トマト、レタスと生野菜にアボガドが相まって、確かにサラダ感覚で女性受けしそうだと感心した次第(もし女性一人で食べるなら、同じメニューのワッパーJr.の方が良いかもしれませんね)。とても美味しかったです。
(二つのワッパーの実物写真は、バーガーキングの公式頁からお借りしました)

 長女が以前二度ほど取り寄せしてくれて、とても美味しかった瀬戸内産の牡蠣。その後奥さまもトライしたのですが、どうやらアクセス先が違っていたらしく取り寄せが出来ていませんでしたが、そこで今回の松本滞在中に長女がまた取り寄せてくれました。
瀬戸内産と言っても広島ではなく岡山産の牡蠣で、水揚げ後漁港ですぐに殻を剝いて発送してくれるので、例え山国信州であっても到着日が発送の翌日で、その日だけは生食が可能。以前食べた時に、特に生ガキについては、本当に海辺で食べた様な全く生臭さの無い新鮮さに、(“山の民”信州人としては)それこそ感動すら覚えたのでした。
如何に有名なレストランであっても、これまで地元で牡蠣フライや牡蠣の天婦羅などを食べた時に感じる特有の生臭さ・・・。それはレストランの調理法がどんなに優れていても、食材の鮮度で決まってしまう味。ですので、例え素人が調理して自宅で食べるそれがいくら調理レベルで劣っていたとしても、この超新鮮な牡蠣は地元のそれなりに知れたレストランで食べる牡蠣料理を遥かに凌駕しているのです。

 個人的に、昔は(内陸部の信州で流通しているモノのせいか)牡蠣は美味しく感じられなかったので、それ程牡蠣は好きではありませんでした。ましてや生牡蠣など臭くて気持ちが悪くて“以ての外”でした。
余談ですが、それは牡蠣に限らず、流通が今ほど発達していなかった昔は、“臭い”ウニも嫌いで、社会人になってからの東京出張の折に、発注先の本部長さんが打ち合わせの後でランチに連れて行って下さった新橋のお寿司屋さんで、握りのセットの中にウニ軍艦が入っていて、残すのも失礼なので、それこそ清水の舞台から飛び降りるつもりで目を瞑って口に入れたのですが、臭みなど全くないその甘味に驚いて、その後すっかりウニが好物になったのでした。
事程左様に、自分が生まれてこの方“好き嫌い”となった食材の決定要因の多くは、この“山国信州”では特に海鮮系に関して、おそらく鮮度に関して本当に新鮮で美味しいモノが食べられなかったがために、その時に食べた“鮮度が古くて匂う”食材や、新鮮な食材を活かす本来の調理方法とは異なり、多少鮮度が落ちた食材用の調理法だったがためか、その時食べたモノが美味しく感じられなかったという“負の記憶”にずっと苛まれた結果の蓄積で、結局その食材を嫌いになってしまったという理由も多かろうと思うのです。
幸い、例えば今や呼子のイカが生きたまま首都圏へのトラック輸送が可能になった様に、輸送技術や流通網が発達し革新されてきた結果、今では“山国信州”であっても、海鮮系に関しても例えば北陸の港に上がった朝どれの魚介類がその日の内に県下のスーパーマーケットの売り場や飲食店でも提供される様になりましたので、以前のようなことは少なくなりました。
 閑話休題。
今回も届いた新鮮で大振りの牡蠣。この日の牡蠣料理は、娘と私メは先ずは生牡蠣。そして私メが調理を担当しての牡蠣のガーリックソテー。奥さまが調理した牡蠣フライとオイスターチャウダー。年に一度?の牡蠣尽くしです。
送って頂いた牡蠣は1.6㎏と一度では食べ切れないので、1/3は牡蠣フライとして揚げるばっかりに処理して冷凍保存します。
社会人になってから・・・というより、シンガポールへの赴任中に時々開催されていた周年記念やGM交替時などの企業主催のパーティー。
著名なワールドクラウスのホテルのボールルームで催されるそれは名刺交換や談笑がメインなのですが、その際にビュッフェ的に用意されている料理の中に、季節によって、フランス風に敷き詰められた氷の上に殻に入った生牡蠣が並べられていて(新婚旅行でパリに行った際、旅行ガイドに乗っていたレストランで、地元のパリジャンたちが食卓に山の様に盛られた旬の牡蠣に夢中になっているのをしり目に、生牡蠣を食べられなかった私たちは一切見向きもしませんでした)、或る時に他に食べるモノが乏しかったのか、一度それを一緒に行ったローカルMgr.から勧められて、シンガポール風にチリソースで一度食べてみたのですが、それが美味この上無し!
 「えっ!?生牡蠣って・・・こんなに美味しいんだ!!」
と、これまた“目から鱗”の経験でした・・・。
その後は、例えば旅行先の厳島で焼き牡蠣を食べたり、出張先の夏の山形の庄内で大ぶりの岩ガキを頂いたりと、今では生牡蠣もしっかり食べられる様になりました。
 この日の我が家の夕食はまさに牡蠣尽くし。食卓には生牡蠣、牡蠣のガーリックソテー、定番の牡蠣フライ、そしてオイスターチャウダーが所狭しと並びました。
先ずは、大ぶりの生牡蠣を私メは常備しているスイートチリソースで。娘はレモン果汁で戴きます。それにしても旨い!驚くのは生臭さが全く無いことです。この岡山産の牡蠣は水揚げされて殻を剥き、すぐに袋詰めがされて直送されてくるため、信州であっても翌日到着したこの日だけは生食可能とのこと。
続いて牡蠣のガーリックソテー。キレイに流水で水洗いしてペーパータオルで水気を切って、片栗粉をまんべんなくまぶし、オリーブオイルでスライスしたにんにく炒め、その上で軽く塩コショウを振って両面に焼き色が付く程度に牡蠣を炒め、シンプルにレモン果汁を垂らしていただきます。前回は北陸系のスーパーで買った牡蠣でしたが、自宅で作って家内に好評だったレシピです。今回の牡蠣が前回以上に新鮮だったのが一番の理由ですが、こちらも皆に好評でした。
そして家内の作る牡蠣フライ。定番のこちらも言わずもがなです。少なくとも、地元のどんなレストランの牡蠣フライよりも新鮮で美味しく感じます。こちらはタルタルソースとトンカツソースで戴きました。
そして、特筆すべきは家内の作ったオイスターチャウダー。まさに絶品でした。娘がMBA留学中に連れて行ってくれたサンフランシスコのフィッシャーマンズワーフでも食べた、本場のクラムチャウダーよりも牡蠣は良い出汁が出るのか、今回のオイスターチャウダーの方が美味しく感じられました。これは大発見!次回からまた牡蠣を取り寄せたら、オイスターチャウダーはマストだと認識した次第。
 長女のお陰で、山国信州でも本当に新鮮な牡蠣を、それこそ“牡蠣尽くし”で思う存分楽しむことが出来ました。

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