カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 娘の所への急な上京で、奥さまは聞けなかった松本市美術館で開催中の「草間彌生特別展~ALL ABOUT MY LOVE 私の愛の全て~」のギャラリートーク(第1335話参照)。期間中4回行われるのですが、とても良かったので、私メは二度目であることを申し出た上でOKとの確認をいただいた上で、6月16日の最終回に再申し込みをして二人で出掛けました。

家内は、一昨年だったか市民大学の講座でのS学芸員さんの草間彌生に関する講義を聞いているのですが、今回の特別展に展示されている作品そのものの解説ではないでしょうし、暫く女史の特別展は開かれないとのことでしたので、作品の暫しの見納めということもあります。
前回の反省を踏まえ、少し早目に到着。駐車場は満車でしたが、時間に余裕もあったので順番待ちをして駐車し、今回も市民割引きで入館。さすがにこの日はギャラリートークも事前予約で満席とのこと。
50分の解説の後、土曜日はナイトミュージアムで19時までの開館時間で180点の作品を私メは二度目の観賞でした。
展示されている作品の中では、個人的には絵画作品よりも、やはり「傷みのシャンデリア」に始まり、「鏡の通路」、「天国への梯子」へと続くミクストメディアと呼ばれる作品群に圧倒されます。凄い!の一言です。
二度目もじっくりゆっくりと観賞することが出来ました。そして、展示作品の中では、絵画だけではなく、プロジェクターで壁面に投影される詩などの文芸作品も印象的でした。また、最近の「わが永遠の魂」シリーズの中で、「ふるさとへ帰りたい」と題された作品が気になりました。
彼女にとって一刻も早く離れるべき場所であった「ふるさと」。どんなに愛しても“遠きに在りて”想い“帰る処にあるまじき”場所であった犀星の“故郷”とは異なり、一時は「ふるさと」から“疎まれた”であろう草間彌生にとって、彼女の「ふるさと」が“帰りたい”場所であればと、その「ふるさと」の住民の一人としては願わずにはいられませんでした。
 街中を走る巡回バスであるタウンスニーカーの「ヤヨイちゃん号」(ナンバープレートも841です)だけでなく、3月の特別展開催以降、松本の街は水玉で溢れています。特に、その拠点となる松本市美術館は、美術館の壁面や案内表示は元より、トイレの洗面所の鏡面、ベンチ、自販機などに至るまであらゆるモノが水玉です。
7月22日までの特別展が終了すれば、松本の街は暫くは水玉とはサヨナラとなるかもしれませんので、それまでの間、街中が水玉に溢れているのも良いと思います。
 3月に始まった「草間彌生特別展」も、開催はあと10日間足らず。機会があれば、是非観賞されることをお薦めします。

 昨年9月にオープンした「イオンモール松本」。
オープン直後の週末は常に満車状態で、駐車待ちの車の列でアクセス道路が渋滞するなどしましたが、平日はそれ程でも無く、全体としても心配されていた程の渋滞にはなっていません。
しかし、テナントの中では県内初出店となった「いきなりステーキ」は常に行列で、なかなか行く機会がありませんでした。その後、長野、上田、諏訪と県内にも次々と出店していますし、イオンモールもオープンしてから1年近くが経過し落ち着いてきたでしょうから、平日なら「いきなりステーキ」もそれ程混んではいないのではないか?・・・と、初めて行ってみることにしました。
ランチメニューの方がコスパ的にはお得なのかもしれませんが、せっかくなので選択肢が多いディナーメニューにしました。そこで、混雑する週末ではなく、平日の夕刻に行ってみることにしました。
先日の下呂での飛騨牛に誘発されたことも手伝い、晩年まで登山前日には必ずステーキを平らげていたという「花の百名山」の著者でもある作家の故田中澄江女史ではありませんが、「年寄りもたまには肉を食べなくては!」とイワタニの「やきまる」を最近購入したことにも触発された気がします。

 行ったのは先月ですが木曜日の5時過ぎ。さすがに平日のこの時間だと夕飯にはまだ早いので、どのレストランもお客さんは殆ど居ませんでした。
お目当ての「いきなりステーキ」も、若者のグループと肉食系?の女性客、そして我々が3組目で、さすがに行列はありません。

今回は初めてですので、ここは定番をオーダー。通常のリブロース(税抜きで、グラム6.9円)と厚みのあるトップリブ(同7.3円)をそれぞれ300g。サイドオーダーとして、大根とレタスの和風サラダと私メ用には生ビールです。
待つこと暫し・・・で、テーブルにサーブされて来てからステーキソースを掛けていただきます。ソースがジューっと焼けて跳ねるので、その前に紙製のエプロンを掛ける様にとインストラクションがあります。
二つの肉を比べてみると、リブロースは謂わばワラジ状ですがトップリブは厚みがあります。双方共焼き加減は薦められたレアでお願いしましたが、ステーキ皿の鉄板プレートが焼けているので、トップリブはまだ良かったのですが、厚みが無いリブロースは次第に焼きが進み、最後の方はウェルダン状態になって肉が固くなってしまいました。
またお薦めのステーキソースは、「しょっぱ!」と思わず叫びたいほど。最初に掛け過ぎてしまい試せませんでしたが、別の甘めのソースか、或いはワサビなどの薬味も卓上に色々用意されているので、むしろ塩コショウなどのシンプルな味付けにした方が肉そのものの味を楽しめるのではいないかと思いました。
サイドメニューのサラダのすりおろし玉ネギのドレッシングは美味しかったのですが、作り置きで切ってからの時間が経っているのか、或いは切り方や保存方法に問題があるのか、しんなりしていて残念ながら大根にシャキシャキ感がありませんでした。
何度かイオンモールに食料品の買い物に行った度に「いきなりステーキ」の“大行列”を目にしていたので、今回も我々自身の期待感が高過ぎたのかもしれませんが、二人で5000円以上払うのであれば・・・、
 「うーん、もうイイよね!」
 「うん、これなら(同じ金額で)イイ肉を買って来て自宅で焼いた方がもっと
 美味しいかも・・・」
 どうやら、我々が下呂で買って自前で焼いて食べた、“あの”飛騨牛の味が“舌の記憶”として残っていたり、或いは自宅で焼いてみた「やきまる」クンでのGrain-fed (穀物飼育)ビーフ(しかもニュージーランド産ですが)が十分に美味しかったりしたことが、おそらくその感想の理由だと思われます。
・・・ということで、楽しみにしていた「いきなりステーキ」デビューでしたが、チョッピリ残念&大いにガッカリでした。結局・・・、
 「ホンジャ、またNZ産のGrain-fed (穀物飼育)ビーフでも買って来て、
 “やきまるクン”でウチ焼肉やろうかネ!?」
と相成りました次第。

 余談ながら、「いきなりステーキ」の県内初出店ほど話題になっていないかも知れませんが、個人的にはむしろそれよりも気になっているのが「串カツ田中」。長野県初出店となる松本店が6月20日に本町通りにオープンしたとか。
・・・ということで、今度は「串カツ田中 松本店」に期待していまーす!

 松本市制施行110周年と市美術館開館15周年を記念して、3月から7月まで、満を持して(松本出身の著名な芸術家という意味では、西郷孤月は知る人ぞ知るで、他に居ませんので)“ALL ABOUT MY LOVE 私の愛の全て”と題して開催されている『草間彌生特別展』。
間違いなく混むだろうと予測して、後半になれば空くかもと待機していたのですが、案の定6月中旬に早くも10万人突破とのこと。さすがに地元出身の世界的な芸術家(女史曰く“前衛芸術家”との由)への関心は高く、美術館の展示の入場者数としては過去最高を更新とのこと。
そこで、どうせ見るなら、期間中に行われた特別展のギャラリートークイベントとして5月と6月に計4回行われた「スライドトーク in ナイトミュージアム 草間彌生が生まれた理由(わけ)」を聴講してから観賞しようと、二人分申し込んだ第3回となる6月16日に、こちらも満を持して市美術館へ行くことにしました。

 予約した際の美術館からの事前のアドバイスで、この特別展は(何らかの事情に由り)再入場不可なので、事前に学芸員の説明を聞いてから作品を鑑賞した方が良いとのことから、17時の開催時間に合わせて美術館に向かいました。このトークイベントが行なわれる土曜日も、“ナイトミュージアム”と称して開館時間を通常よりも遅い19時まで延長しています。
生憎、この日奥さまは急遽次女の所に上京する用事が出来たため、事前に1名分をキャンセルした上で当日は私メ一人で出掛けました。
 余裕を見て出たつもりでしたが、週末故のイオンモール周辺の渋滞に巻き込まれ、入場出来たのが5分前。今回の特別展は、シニア割引きやリピート割引きはありませんでしたが、松本市民は入場料が割り引かれての1000円とのこと。有難い事です・・・。
さすがに2階の会議室はほぼ満席。お馴染の市美術館のS学芸員からのスライドを交えての解説が始まりました。余談ですが、出身地ということもありましょうが、松本市で彼女の特別展が開催出来るのは、それ以上にこのS学芸員の存在を抜きにしては不可能なのだとか。それ程までに彼女からの信頼の厚いS学芸員なのです。
S学芸員の説明に由れば、山に囲まれた信州で周囲の理解が得られぬ中で、絵を描くことが大好きだった少女草間弥生が“草間彌生”として世に出たキッカケは、1952年に当時四柱神社の一画にあった松本第一公民館で開いた初めての個展。きっと見る人も少なかったであろうその無名の少女の私設の展示会に、たまたま訪れた信州大学の医学部精神科に着任していた西丸四方教授がそれを見て、同年東京での学会で“分裂性女性天才画家”として紹介したことで東京の有名画廊やデパートなどで個展が開かれることになったのだとか。氏は、その後も精神科医としても彼女を支え続けます。
渡米したNYでの制作活動の中で、ベトナム戦争反対を唱えての前衛パフォーマンス故に、一時期は“異常者扱い”され、そして地元松本出身であるが故に、より以上に“日本の、地元の恥”として当時批判されたであろう草間彌生。その後世界的に有名となってからは、まるで掌返しの状況ですが、その松本市民の一人としては、贖罪の意識と共に、結果としての感謝あるのみ・・・です。
 今回の特別展では、幼少期の作品も含め大小180点にも及ぶ彼女の作品が展示されています。新宿に開館した私設の草間彌生美術館は数カ月先まで予約で一杯と云いますので、有難い限りです。
しかしいつもそうなのですが、絵画は別として、「傷みのシャンデリア」(2011)に始まり、暗室全体が蛍光塗料の水玉で装飾された部屋など、「凄い!」と感嘆しつつも、その場所に長く滞在していることが出来ない程の強烈な圧迫感に苛まれてしまいます。作者からの(また作者自身へも含め)“生”への強烈な問い掛けに何とも言えぬ息苦しさを感じて、居たたまれずにそこから逃れるしかありませんでした。
特に彼女のトレードマークとも云える赤い水玉や黄色いカボチャなどのミラールームは、正に圧倒される程の、ただただ“凄い!”としか言いようが無い印象です。
また広大な展示室の第2会場を埋め尽くす様な、2月大歌舞伎での松本幸四郎親子三代襲名披露興行(第1298話)に使われた祝い幕の原画「落魄の墳墓、そして私の心の貧しさだけが全身を支配しているのだ」(2017)を始めとする最新の「我が永遠の魂」シリーズは、ナント全ての作品が撮影OK(但しフラッシュは不可)で、皆さん作品の横に立って思い思いに記念撮影をされていました。
そして展示の最後に、ミラールームでの「南瓜へのつきることのない合いの全て」(2016)は室内滞在が20秒限定のセッティングですが、逆にそれ以上室内に居ることは限界にさえ感じられました。
3階の第一会場、2階の第二会場以外にも、吹き抜けの空間を使った巨大なバルーンの「ヤヨイちゃん」と「トコトン」。そして、ロビーの一角には「草間屋彌生さんと一緒に撮影コーナー」も用意されていて、ナント常駐されているスタッフの方がシャッターを押してくださるサービスも。
また、屋外には常設の松本市美術館のオブジェ「幻の華」以外にも、今回の特別展に合わせて、芝生のパティオにはあの直島と同じ「大いなる巨大な南瓜」のオブジェが鎮座していました。
 今回の『草間彌生特別展~ALL ABOUT MY LOVE 私の愛の全て~』。
学芸員のSさんに由れば、「今、先生は創作に集中されていらっしゃるので、先生の故郷である松本の美術館としては先生の創作の妨げにならぬ様にしたいと思います。そのため、暫くの間はこれ程大がかりな先生の作品展示は出来ないと思います。」とのこと。
おそらく、今後数年間は松本での「草間彌生特別展」は無いだろうと思われますので、是非この機会を逃さずに観賞することをお薦めします。
因みに今回の特別展は7月22日までの開催です。

 我が家の裏山になる城山々系のアルプス公園。
時間のある時にトレッキングの練習を兼ねて、生まれ育った下岡田の神沢から塩倉を経由して東入口駐車場から北アルプスが一望出来る「ピクニック広場」を経て、南入口駐車場から蟻ヶ崎台を経由して戻って来るコースを歩きます。概ね4~5kmでしょうか、アルプス公園までは結構な上り坂です。禁煙をしてから、途中息切れをすることが全く無くなりました。
嘗て、私メが子供の頃の県の種畜場時代から営業していた、ジンギスカンが名物だった「まきば山荘」が閉店して取り壊され、この3月末にその場所が「展望広場」として整備されてオープンしています。

 それまでの建物の土台を活かして、コンクリートを敷き詰め周囲を手摺の柵で囲ってベンチを設けただけの、必要最低限の改修工事。
先述のピクニック広場からの北アルプスの展望が、残念ながら下の雑木が成長して安曇野視界が遮られてしまっていますので(出来れば予算を付けて木々を切ってもらうと良いのですが)、今では、この展望広場からの松本平から北アルプスの展望が一番の眺めです。
 本当は、ここに休憩出来るカフェスペースでもあればベストなのですが、営業するともなると週末だけではなく通年での集客率等も考慮しないといけないので、単に景観が良いというだけでの出店は難しいのでしょうね、きっと。でも、アルプス公園は市内から車で10分足らずの場所にある都市公園でありながら、高原気分を味わえる71haの広大な松本市の市営公園で無料なので、松本市民のみならず、近隣からの家族連れや桜の時期など観光ツァーのコースにも組み込まれています。そう云えば、以前シンガポールからのご家族も観光で来られていましたっけ。
限られた市の予算の中で難しいかもしれませんが、ハードとしての箱モノばかり作った(この規模の地方都市に、県営も含めて大小3つものコンサートホールは不要でしょう)前市長ほどではなくとも(ソフト面で、今や“楽都”の先行きに個人的には大いに不安を感じているのですが)、多少は“岳都”の一翼を担うべきアルプス公園の整備にも予算を(民間を上手く活用してでも)もう少し使って欲しいと思いました。

 5月中旬。信州の?里山には、この時期白い斑模様の点描が現れます。

アカシアの花。正式にはハリエンジュ、ニセアカシアです。マメ科で北米原産。因みに“本当の”アカシアはネムノキ科とか。ニセアカシアは、明治初期に街路樹や公園樹として輸入されたのが最初。痩せた土地でも育ちやすいので、その後治山・砂防目的の土止め用などで植栽されたのが、繁殖力が強く野生化。今では、特別要注意外来植物指定とか。
ニセアカシアに罪は無いのですが、確かに育ち易く、すっと成長しても根が浅いために大きくなると倒れ易く、特に河川敷などでは倒木により大雨の時の洪水の要因になり易い事から、今では嫌われて伐採されています。ただ薪としては、ナラ材よりも安いので昔一度使ったことがありますが、火持ちが悪くすぐ燃え尽きてしまうので止めてしまいました。従って、木材としての利用価値は余り無さそうです。
ただ良いハチミツが採れ、長野県産のハチミツの75%はアカシアなのだそうです。甘味が感じられるので、昔信州では天婦羅でも食べられたりしていました。歌にも謳われましたが、アカシアの花は北海道や信州のイメージでしょうか。アカシアの花の近くを通ると、何となく甘い香りが漂っている感じがします。
 風薫る5月。本来は新緑の香りですが、アカシアの花の香りもまさに“薫風”でしょうか。
そんな五月も過ぎて、今日から水無月、6月です。今年の梅雨は早そうですね。

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