カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 北海道の魅力は何と言ってもグルメです。そこで、今回は二泊三日と日数が限られてはいましたが、ジャンル毎に今回食べることが出来た内容についてご紹介したいと思います。

 先ずは「回転寿司」。
会社員時代に、事業所の在った札幌や千歳に何度も出張しましたが、赴任者曰く「(北海道では)回転寿司で十分!」とのことで、実際連れて行ってもらい、その本場の新鮮なネタに唸らされたものでした。今回、東京の銀座と丸の内にも出店して大人気という「根室花まる」が、駅ビル(JRタワーのステラプレイス)内にもあるというので、千歳空港から札幌到着後そちらで遅めの昼食をとることにしました。さすがに人気店らしく、地元の方や海外からも含めて我々の様な観光客で、平日でも当然ながらの長蛇の列でした。
ホタテやサーモン、ボタン海老や銀かれいといった北海道ならではの新鮮なネタもありましたが、光物で好きな鯵やイワシは例えば長崎産。北海道まで来て九州のネタを食べることもあるまいと注文は断念しました。ホンマグロのトロは旨かった。ボタン海老やホタテも新鮮だったそうです。因みに、大振りのボタン海老には軍艦も付いて来て、頭の部分の味噌を自分で出して載せて食べる仕組み。新鮮だからこそなのでしょう。カニも含め味噌は好まれぬ奥さまですので、私メが頂戴しました。
 また、小樽では猛吹雪の中、予定した有名な「寿司屋通り」に行けず、お土産を購入していたかまぼこ屋さんの隣接していた回転寿司「和楽」へ飛び込みました。こちらでは「根室花まる」よりも「ヒラメ」はエンガワ含めて旨かった。カウンターの中の職人さんや店員さんも皆さん若くて元気で、店全体に活気があって良かったです。
しかし、我々の嗜好がウニやイクラ、更にホッキ貝などの活貝類には向かないので、新鮮な地元ネタを余り注文していないという嫌いはありますが、且つ特に光物が好きという私メの個人的嗜好も手伝って、東京の「美登利寿司 活」の方が全体的にはむしろ好みでした(と後で言うと奥さまも「同感!」とのことでした。しかし松本に帰って来てからある人から教えてもらって知ったのは、北海道でしか食べられない?「タコの子の寿司」が絶品なのだとか。今度来たら是非試してみたいと思います)。
ところで、小樽へ向かう途中、札幌郊外の市街地で全国チェーンの回転寿司店を見掛けましたが、「根室花まる」や「トリトン」など、東京に進出するほど地場の回転寿司が隆盛の中で、いくら一皿100円とか低価格を謳っても果たして対抗出来るのだろうかと疑問を持ちました。

 続いて、グルメ的には札幌の夜は、何と言っても“生ビールとジンギスカン!”でしょうか。
当初は観光も兼ねて「サッポロビール園」へ行こうと思っていたのですが、当日早朝からの信州からの移動と半日の札幌観光で些か歩き疲れたこともあり、郊外のビール園へ行くのは断念して、街中の南3条のすすき野にある「キリンビール園の新館アーバン店」へ行くことにしました。
予約をせずに行ったのですが、幸い平日だったこともあり即入店可。昔からバイキングや食べ放題では“元の取れない”(注:飲み放題は除く)我が家ですが、結局“二大ジンギスカンと道産山ワサビの三枚肉食べ放題”と飲み放題(勿論、私メのみ)を選択。
これは生ラムと付けダレの二種類のジンギスカン、豚の三枚肉(豚バラ)とソーセージ、焼き野菜の食べ放題。
因みに北海道で“山わさび”と呼ばれるのは、普通ローストビーフに薬味として添えられるホースラディッシュのこと。所謂“本わさび”と呼ばれる山葵は育たないのか、こちらではこの“山ワサビ”が栽培されていて「ワサビ」として一般的な様です。
また飲み放題は、キリンの工場直送の生ビールを始め、(キリン以外の)ワインや日本酒も含めた飲み放題でした(迷っていたら、「ビール3杯で元が取れますヨ!」というアドバイスに躊躇なく決定した次第)。
“松ジン”に代表される本場の付けダレに期待していたのですが、食べてみた結果は・・・最近の流行同様に我々も生ラムの方が全く臭みも無く柔らかくて好評。結局生ラム中心のオーダーとなりました(ソーセージも美味しかったです)。工場から直送されるキリンのプレミアムビール「ブラウマイスター」の生も最高でした。いくら“食べホー”とはいえ、頼んだモノを残すのはマナーに反するので、最後は無理して完食。
 「イヤぁ、食べたー!気持ちワリぃ~」
奥さまも、デザートは不要との珍しきお言葉。
幸い、機内で配布された北海道観光の情報誌に「キリンビール園」の10%OFFクーポンがあったので、有難く使わせていただきました。
 「ごちそうさまでした!」
腹ごなしも兼ねて、また歩いて帰ることにしました。
 次にホテルでの食事について。
先ず札幌で泊まった「札幌ニューオータニイン」。こちらのホテルは札幌駅から近く、元々は「ニューオータニ」として開業し25年とか。7年ほど前に「ニューオータニイン」としてリニューアルオープン。ビジネスホテルよりは部屋も広く快適で、シティホテルより値段もリーズナブルとして人気の由。数年前に友人と北海道旅行した次女も、札幌でこちらに泊まったのだとか。50種類にも及ぶメニューの朝食バイキングが評判とのこと。
その朝食バイキングで用意されていた中でも、取り分け地元産の牛乳の美味しかったこと。何杯もお替りしました。
またウィンザーホテル洞爺の朝食で、和食と洋食が選択可能で、我々は人気というブーランジュリーのパンが食べ放題の洋食(アメリカンスタイル)をチョイスしたのですが、そのパンは勿論ですが、個人的にはトマトジュースが美味しくて、こちらも何杯もお替りをしてしまいました。
 ウィンザーでのハイライトであろう夕食には、洋食/和食/寿司/中華と用意された各コースから、ツアー参加者各自がお好みで事前に選択予約するシステム。洋食以外は、メインダイニングのフレンチレストタン「ミッシェル・ブラス・トーヤ・ジャポン」同様にミシュラン(北海道版)2つ星の「あらし山吉兆」などのホテル内のレストランで、選択者が多い(であろう)洋食はホテルの宴会場使用とのこと。
せっかくのサミット会場となったホテルですので、ここは迷うことなくフレンチのフルコースを選択しました。食事会場の地階の宴会場は、サミットに使われた会場だそうです。
「北海道の海の幸と洞爺湖畔の畑の恵」と題され、ホテルの総料理長監修のコースは、メインダイニングのミシュラン「ミッシェル・ブラス」の通常コースとは恐らく異なり、ツアー用に素材を工夫して用意されたコースだと勝手に理解しましたが、調理と盛り付けはそれなりに手の込んだ内容で、一応それなりに満足出来ました。

 それこそ、海の幸も農産物にも恵まれた“グルメ王国”北海道。
四季折々の旬の食材もあり、僅か数日、且つスポット的(今回は道央だけの)滞在で全てを食することなど到底出来ません。その意味で、ラーメンも厚岸の牡蠣も、またトウモロコシも十勝の豚丼や札幌のスープカレーも今回は味わうことは出来ませんでしたが、限られた日数/コースの中でそれなりに満足(次また来た時のために、その楽しみは取って置くという意味も込めて)出来ました。

 さて今回のツアーの中で、私メがグルメ的に本当に美味しくて感動した「ベスト3」は・・・、
1位“ニッカウヰスキーのシングルモルト余市”
2位“ニューオータニイン札幌の朝食バイキングでのフレッシュミルク”
3位“ウィンザー洞爺「ギリガンズアイランド」の朝食のトマトジュース”
・・・でありました。
「いやぁ、本当に美味かった。ごちそうさまでした!」

 翌朝、6時営業開始の温泉へ。正式名称が「リゾート&スパ」と名付けられている通り、洞爺湖温泉のみならずスパや室内プール等も備えていて、これらもホテルの“顔”なのでしょう。
「山泉」と名付けられた温泉は、露天ぶろ付きの檜風呂と石風呂の大浴場が男女日替わりとのこと。泊まった翌日の男湯が朝から露天ぶろ付きの檜風呂だったので、家内は前夜食事の後に行きましたが、私メは翌朝湯浴みへ。
2階のスパに行く時のみ室外着用可というバスローブとスリッパ。前日奥さまが私服で行ったら全員がバスローブだったので、わざわざバスローブ着替えに来たので、私メは最初からバスローブで。2階の端にある温泉までは長いアプローチ。6時過ぎに行ったのですが、既に混んでいて、その殆どは中国系のお客さん。しかも露天風呂は全員チャイニーズで、中国語だけが飛び交っていました。日中友好でも良いのですが、浴槽に入る時に「掛け湯」もせずに入浴するのには閉口。浴室のロビーにはちゃんと中国人スタッフもおり、公衆浴場に馴染の無い中国系のゲストに入浴の仕方を説明しているようでしたが・・・?。これではせっかくの高級リゾートの品格が下がります。因みに、その後散歩する時に玄関に─付けされていた観光バスンプレートには「華南ナントカ証券会社」の文字がありましたので、中国バブル経済の株投資の顧客か、はたまたインセンティブの社員旅行の団体だったのでしょう。どうやって稼ごうが、経済力を反映して変換された貨幣価値は等価ですから。高級リゾートの露天風呂を占領する中国語に、正に中国市場の経済力をまざまざと感じさせられた次第。
4年前に経営主体が変ったことも手伝ってか、我々もそうですがツアー客を集めて客室を埋めないと、特にオフシーズンの稼働率を上げるのは難しいのかもしれませんね。しかも殆どはアジア系中心の外国人観光客でした。

 止む無く早々に部屋に戻り、出発は10時とゆっくりですので、せっかくなのでウォーキングがてらホテルの外へ出てみることにしました。
何しろ前日とは打って変わっての快晴で、洞爺湖を眼下に望む部屋からも朝日と湖と、そしてシンボル“蝦夷富士”羊蹄山の見事な景色が望めましたので。
ロビーでホテルのマネージャーらしき方にコースをお聞きすると、ホテルの見取り図をくださり、雪が無ければ一周出来るそうですが、恐らく除雪されていない部分があるとのことで、行けるところまで歩いてみることにして「雪に気をつけて」の声に見送られてホテルの外へ。
かなりの積雪でホテルの周囲は真っ白。しかし、重機でキレイに除雪されていました。しかし、この寒さですので道路は圧雪もしくは凍結路。注意を払って小股で歩きます。従業員の方の駐車場(宿泊客は屋内駐車場)からの羊蹄山の見事な事。麓の標高も低いのかもしれませんが、“蝦夷富士”の名に相応しい円錐形(今では使われないそうですが、我々の中学時代はコニーデ型と学習しました)の見事な火山です。その雄大な山容からは、(周囲のチョット小高い山がすぐに2000m級という我々信州人にとっては)羊蹄山の標高が1898mしかないというのが信じられないほどに堂々とした姿。“信濃富士”(因みに中信地方では、火山ではありませんが、その山容から安曇野の有明山2268m。北信だと2053mの黒姫山がそう呼ばれるそうで、こちらは複式火山)が些か恥ずかしくなるほどの威容に暫し見とれていました。これが本来のホテルからの絶景に納得でした。
また、周囲の木々が樹氷でキラキラと輝いていました。最初霧氷かと思いましたが、気温の低い北海道ではパウダースノーで湿っていないことから、有名な“モンスター”蔵王の樹氷の様に木々が雪で覆われる様な樹氷にはならないのだそうです。
洞爺湖の反対側、太平洋の内浦湾を望む斜面がホテルのプライベートスキー場になっていて、なだらかなパウダースノーの斜面と白い樹氷の木々に向こうに青い海。ずっと眺めていたい様な景観が拡がっていました。
下からジョギングで上がって来た女性の方に、
 「お早うございます。朝のジョギングですか?キレイな風景ですね!」
と、朝の挨拶をすると、ナント出勤するホテルのスタッフの方。
出勤途中で時間を気にされていたでしょうに、
 「はい、こんな美しい場所で働けて本当に幸せです!」
と、内浦湾などの周囲の景観と先程の樹氷の件を教えてくれました。
 「出勤途中で引きとめて申し訳ありませんでした。どうぞ行って下さい。」
 「では失礼します。是非楽しんで行ってください!」
と、爽やかに雪の中を走って行かれました。

 ホテルの品格は景観や施設だけではなく、スタッフの質でも創られている・・・実感でした。
 戻り、朝食会場へ。用意されていたのは和食と洋食の選択ですが、我々は迷わずフレンチダイニング「ギリガンズアイランド」へ。洞爺湖を眺められる窓側の席で、ゆっくりと朝食を楽しむことが出来ました。
ただ残念だったのは、人手不足か或いは経費削減か、レストランのスタッフが少なく、二度も催促しないとコーヒーがサーブされなかったこと。せっかくスタッフの方の質の良さを実感した後でしたので、余計残念でした。
 10時の出発故、早朝ウォーキングの後ゆっくりと食事をし、ウォーキングで雪のために来られなかったホテル外の洞爺湖側に出て写真撮影。館内に戻って、ウィンザー名物というブーランジェリーでこの日の昼食用のパンやホテルショップでホテルグッズの中からお土産品を(奥さまが)購入しました。それから部屋に戻り、支度をして早めにチェックアウトを済ませ、暫しロビーでホテルスタッフの方々共早朝のウォーキングや山のことなど談笑し、スタッフの方々に見送られて、名残惜しい「ザ・ウィンザーホテル洞爺」を後にしました。また来ま~す!

 余市を出て、今回のツアーのハイライトでもある「ザ・ウィンザーホテル洞爺」へ向かいます。

 ガイドさん曰く、日本海に面した小樽から洞爺に至るエリアは北海道でも有数の豪雪地帯とか。余市からは2時間ほどの行程の途中、横切る川の殆どが堤防も無く自然のまま。人工的ではなく自然に大きく蛇行する様は、如何にも“でっかいどう!北海道”といった感じで、釣り吉三平ではありませんが幻のイトウが潜んでいそうな雰囲気でした。
洞爺湖に至る手前で、大型のスキー場やゴルフ場も備えた日本最大級というルスツリゾートを通ります。羊蹄山の麓を通るので、晴れていれば目の前に“蝦夷富士“が大きく聳える絶景が拡がる・・・そうですが、猛烈な降雪で羊蹄山は雲の中で全く見えず、近くに“存在する雰囲気”すら感じられません。

 冬でも凍らないという洞爺湖。その湖畔の小高い丘(標高620mのポロモイ山)の上に聳える、まるで大型客船の様な「ザ・ウィンザーホテル洞爺」。日本で開催された2008年のサミット会場となり、一躍その名を広めました。
元々は “バブルの象徴”と云われた1993年開業の会員制リゾート「エイペックス洞爺」であり、そのバブル崩壊のキッカケともなった拓銀破たんの原因でもある乱脈融資の舞台。その後2000年に投資額の1/10の値段でセコムが取得。新たに「ザ・ウィンザーホテル洞爺」として、“伝説のホテルマン”窪山哲雄氏(2013年退職)のマネジメントに由り、見事復活再生。その復活劇は色んなビジネス誌で取り上げられました(2014年にセコムは海運会社に売却。従業員はそのまま継続雇用)。当時サミット会場に選ばれたのは、山の上の“一軒宿”故の警備のし易さも確かにあるでしょう(2016年の伊勢志摩サミットも英虞湾に浮かぶ賢島が選定)が、有力経済人として当時のホテルオーナーでもあったセコムの影響も大きかったと謂われています。そこに至るまでのミシュランのレストランを誘致するなどの経営努力は勿論ですが、結果としてサミット会場となったことで、内外に向けてホテルのネームバリューを押し上げたことは否めません。
冬のオフシーズンということもあるでしょうが、クラブツーリズムのツアーでも(冬の時期は格安となる)人気のコースです。

 湖畔の国道から外れ、山頂のホテルにアプローチして行く道も、結構な距離でしたが既に私道扱い。この丘(ポロモイ山)全体が敷地なのでしょうか。ホテルには、プライベートのスキーコースもゴルフコースも併設されているとか。積もった雪も完璧に除雪されている道を上り、洞爺湖を眼下に望みながらホテルに到着。大きな屋根に遮られたエントランスにバスも横付け。案内説明の後、カードキーを受け取りロビーへ。フルートとピアノの生演奏が流れる中、ウェルカムドリンク(キーウィがメインのジュースとか)をロビーラウンジで(ニッカウヰスキーで私メが全部頂いたお返しで、ここでは奥さまが二杯)頂きます(美味しい!と感激のご様子に、イカッタ、イカッタ)。
部屋は40㎡というスーペリアルーム。山の上のこのホテルからは、洞爺湖と共に噴火湾と云われる内浦湾双方を望むことが出来るのですが、我々には(オーシャンビューより部屋代は高いそうです)レイクビューの部屋が用意されていました。通常だと部屋代だけでツアー料金を占めるほどの高級リゾートです。オフシーズンとはいえ、こうしたツアーでないと個人ではなかなか泊まれません。明朝の出発までゆったりと18時間滞在がツアーの売りです。
 夕食には、洋食/和食/寿司/中華と用意された各コースから、ツアー参加者各自がお好みで事前に選択予約するシステム。せっかくのサミット会場となったホテルですので、ここは迷うことなくフレンチのフルコースを我々は選択しました。円卓での食事で、我々よりも年配のご夫婦と相席です。ツアーコンダクターの方から、
 「参加者の方が女性が多いので、ご夫婦同士のテーブルにしました。」
とのことで、会社員時代は転勤族で、何でも昔札幌に赴任されていたことがあるのだとか。天気が良ければ羊蹄山が素晴らしいとのこと。1年前に申し込んでいたのが、やはりお父様が危篤状態で断念された由。
 「漸く一年経ったので、今回供養も兼ねて参加しました。」
偶然とはいえ、お互い全く同じ境遇に驚きながら、道内の他のスポットも教えていただきながら旅先での会話に花が咲きました。
 食後館内をブラブラし、外に出てみると猛吹雪・・・。
「明日天気になぁ~れ!」明日は羊蹄山の雄姿を拝めるよう祈りつつ・・・。

 小樽を出て、「マッサン」で知られるニッカウヰスキー余市蒸留所へ。

朝ドラの中でも、確かリヤカーで社員皆に見送られながら初出荷して行った城門の様な石造りの正門をくぐって工場内へ入ります。そのTVでも見慣れた、スコットランドの中世のお城の塔の様な建物群。石造りの建物で、白い雪化粧に映える赤い屋根が実に印象的です。日本での本格的なスコッチ造りを目指した、“日本のウィスキーの父”竹鶴正孝の情熱が今も息づいているようです。
 蒸留所のシンボルでもあろうポットスチル(蒸留器)。実家の竹鶴酒蔵に習い、各ポットスチルの首には注連縄が張られていて、毎年正月に張り替えるのだそうです。リタハウスと呼ばれる研究室や、敷地内に移築された正孝とリタが暮らした旧竹鶴亭。そしてウイスキー博物館を見学し、ニッカ会館2階の試飲会場へ。集合時間までにそれ程時間が与えられていませんので止むを得ませんが、どこも駆け足です。
 シングルモルト余市(ノンエイジ)、スーパーニッカ、アップルワインの3種類が試飲出来ます。飲めない見学者用には、リンゴジュースから創業したニッカ「大日本果汁」に相応しく、ジュース類も用意されています(下戸の奥さま曰く、とても美味しかった由)。
流行りのハイボール用の炭酸や水、ロック用の氷なども準備されている中で、ストレートで試飲させてもらったこの余市蒸留所を代表するシングルモルトウィスキー「余市(ノンエイジ)」。
何とも香ばしく、ふくよかでフルーティーな甘さもあり、
「あぁ、モルトウィスキーってこんなにも美味しかったんだ!」
と感動の溜息。吹雪の様な雪の余市で飲むシングルモルトは格別でした(奥さまの分も合わせて、「余市」だけは2杯試飲させていただきました)。
 ウィスキーに関しては、何しろ当時の我々の様な貧乏学生は、レッド(以下、全てサントリーですが)は悪酔いをするからと何とかホワイトを飲むのが夢。「いつかはクラウン・・・」ではありませんが、社会人になって“ダルマ”を飲めるようになるのが、学生時代の飲酒時のささやかな夢だったでしょうか。オールドのCMのメロディー懐かしいですね。当時からサントリーの方が有名ではありましたが、ブラックニッカに代表される品質のニッカとして「ニッカおじさん」は知られていました。
その後、シンガポールに赴任してから暫くはウィスキーではなく、日本ではなかなか飲めなかった様な有名ブランドのブランデーXOなどに夢中。その後は突然日本酒に目覚めたので、洋酒からは随分遠ざかってしまいました。赴任中にシンガポールから何本か持ち帰った洋酒ですが、今や最後に残ったカミュのXOが料理酒ですから・・・。
 外はしんしんと雪降る夜に、暖かな火が燃える暖炉を眺めながらのモルトウィスキー。渋いなぁ~。でも、男の夢かもしれませんね。
(勿論、ブランデーでもイイのですが・・・。バーボンは夏のイメージでしょうか?)
『わがスコットランドに四十年前、頭の良い日本青年がやって来て、一本の万年筆とノートで、英国のドル箱であるウィスキー造りの秘密を盗んでいった・・・』。
1962年に来日した当時のヒューム英国副首相が、政府主催の歓迎パーティーの席上で、旧制中学(現広島県立忠海高)で正孝の一年後輩という池田勇人首相を前にして、ユーモアたっぷりに正孝を称えて述べた言葉なのだそうです。

 スコッチの本場ハイランドに似た気候風土だと云う余市。その冬の寒さの中で、ウィスキー造りに傾けられた熱き情熱を知って、ポカポカと体も心も温まって雪降る余市のニッカウヰスキー蒸留所を後にしました。

 このツアーの団体観光としてのハイライトは小樽運河でしょうか。
ツアー二日目は札幌のホテルを朝ゆっくりと出発し、先ずは札幌場外市場で海産物のお土産の買い物です。もう少し滞在時間に余裕があれば他の店も見られるのですが、30分少々しか与えられた時間が無いので(意図的か?)指定された店でしか買うことは出来ませんでした。モノは決して悪くはありませんでしたが観光客値段なのでしょうね、きっと。

 そこからバスは高速道路に入り、一路小樽へ。途中、車窓に荒々しい日本海が。バスガイドさん曰く、夏には浜辺たくさんハマナスが咲くのだとか。ハマナスは北海道の「道花」なのだそうですが、恐らく地元民以外は(例えば、長野県の県花がリンドウと県民以外ご存じ無いのと同様に)知らないのでしょう。季節は(場所も)異なりますが、ナルホドとそれを聞いてダ・カーポの「宗谷岬」が突然頭に浮かんで来て、小樽への道すがらずっと口ずさんでいました。
“♪ 流氷融けて春風吹いて ハマナス揺れる宗谷の岬”
(榊原広子さんのあの透明感溢れるボーカルと、ご主人まさとしさんの影のように寄り添うハーモニー。いつまでも変わりません)
 この日の朝、新潟などの日本海側は雪に閉じ込められた電車など前日の大雪被害の大きく報道がされていましたが、さすがに小樽も日本海故に近付くにつれて雪で真白です。でも、バスを降りると運良く雪も弱まり、シンボルの小樽運河を望む橋で集合写真を撮ってから解散して2時間の自由行動。運河沿いを観光がてら散策してから、先にお目当てのかまぼこ屋さんの工場直売店へ。本当は、奥さま的には行きたい別の老舗の小さなかまぼこ屋さんがあったのですが、運河からは離れているのと、余りの雪に諦めて運河に近いこちらの店舗にした次第。贈答品コーナーで、お土産に発送してもらうかまぼこ類を物色。
奥さまの注文も紛らわしかった(「選んだかまぼこを箱に詰めた隙間に入るだけ、この笹かまぼこを詰めて欲しい」というリクエスト)にせよ、
 「一体(笹かまぼこは)幾つ買うんですか、買わないんですか?欲しいなら、全部入るもっと大きな箱もありますけどネッ!!」
と、ムッと顔色を変えたベテランらしいオバサン店員に唖然。市内等に何店舗も構える老舗の有名店とも思えぬ様な、あるまじき店員の態度に、
 「おいおい、あんた客商売でしょうが!顔に出てるよっ!」
(と、よっぽど文句を言ってあげたくなりました・・・ウルサイ中年オヤジと思われるので止めましたが)。
最後に(店内のイートインのカウンターで、別の「笑顔の!」若い店員さんから)ケンミンショウでも紹介されて人気という「パンロール」を購入。
運河散策の頃から雪が激しくなり、かまぼこ購入で手間取って外に出ると、外はまるで吹雪の様相。“寿司通り”に行くのも無理そうな程の激しい雪降りに、諦めて近くの回転寿司へ入りました。
小樽には他にもガラス細工の店や食べ歩きで興味のあった店(「なると」のザンギ・・・etc)もあるのですが、バス停もすぐ目の前だったので、激しい雪降りに全てを諦めて集合時間前にバスに戻りました。
 人口12万人、こぢんまりとした小樽ですが、魅力が一杯の北の街でした。そんな人気の一端に少しは触れられた様な・・・。楽しみは次回にとっておきます。

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