カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 毎朝のワンコの散歩コースの途中に在るお宅。そのお宅の生垣の道端に毎年5月に咲く白い花。それは今まで一度も見たことが無かった花でした。
たまたま昨年の春、タブロイド判の地元の“日刊地域紙”の最終頁にある「四季の花」というコラムに掲載されていて知ったのですが、それは「ホワイトレースフラワー」という名前の花だったのです。それにしても“言いえて妙”で、本当に白いレース編みのコースターや花瓶敷を思わせる様な、そんな花だったのです。

 花の咲く時期は5月。毎朝ワンコと散歩しながら、今年も春になって先にニンジンの様な葉が茂って来たので、その白い花が咲くのを今か今かと楽しみにしていました。たまたまそのお宅にもワンちゃんが居て、それがシーズーの梅ちゃんです。そのお宅の奥様か、いつも10時くらいに同じコースを散歩されているのですが、こちらはコユキが声帯を切られた影響で暑いとすぐにハァハァするので、暑くなる前に散歩に行くようにしているため冬だとお会いすることがあり、クルミが我が家に来てからは同じシーズーということもあって、お会いした時にはお話をするようになりました(4月2日に掲載した下の写真が、ちょうどそのお宅の横を歩くクルミでした)。
 我が家の奥さまが次女の所に月例で家事手伝いに行っている時は、二匹一緒に散歩は出来ないため、先住犬優先でコユキと最初に散歩して、次にクルミと散歩に行きます。
5月21日には松本が全国4位となる34℃を記録するなど暑くなってきたので、まだ5月ですが早々と“サマー・タイム”にして朝6時半から、また多少涼しい日は7時くらいから散歩する様にしました。
先日もコユキの散歩を済ませ、7時半頃からクルミの散歩に出掛けました。マンションの敷地内は犬は抱かないといけないルールなので、いつも近くの渚の公民館のところまでは抱いて行ってから散歩をスタートします。
この日、朝の出払いか、近所のご婦人方が集まって早朝から何かお仕事をされていたらしく、ちょうど終わって皆さんが帰るとことでした。
するとシーズーの梅ちゃんの奥様もおられ、
 「あらっ、クルミちゃん!久し振りね、元気だった?」
そして、奥様はご一緒されていたおばぁちゃまに、
 「ほら、ウチの梅と同じシーズーのクルミちゃん!保護犬なんですって・・・」
どうやらご一緒におられたのはお母様の様です。クルミは臆病で寄って来る他の犬は怖がるのですが、反面人は大好きで、お二人が帰る後を追いかける様に一緒に歩いて行きます。
ホワイトレースフラワーの咲いているお宅まで来て、何となく私の口から自然に出たのが、
 「ホワイトレースフラワー、本当にキレイですね。実際に生えているのを見たのはコチラが初めてで、園芸店でも今まで見たことがありませんでした。」
園芸好きのおばぁちゃまの仰るには、以前オープンガーデンを見に行った時に、そのお庭に群生しているのを見て気に入ったのだそうです。そして、そこから暫しおばぁちゃまと花談議になりました。以前戸建てに棲んでいた時に、ゼロから自分で作庭したこと。そして色んなハーブを育てたこと。でも花壇だけは毎年二回、家内がナカツタヤに植生を任せて植えて貰っていたことなどなど・・・。すると、
 「もし宜しかったら、切り花でお持ち帰りになりませんか?」
 「いえ、道を通る人に見て貰った方が花も喜ぶでしょうから、切ったら勿体無いです。」
でもたくさん咲いているし、零れ種でどんどん増えるんですと仰るので、
 「じゃぁ、一輪挿しに飾りますので、一輪だけいただけますか?」
すると、おばぁちゃまはハサミと新聞紙を家から持って来られ、一輪どころか大きな花束になるくらいに50本以上も切って下さって、新聞紙に包んで渡してくださいました。
 「水切りすると結構長くもちますからね。必ず水切りしてくださいね!」
 お礼を申し上げて家に戻り、教えて頂いた通りに水切りをして、玄関に置く一輪挿しと、残りの花は花瓶に挿しましたが、本当にたくさん。でも、家内も横浜に行っていて居ないので、私一人で他に愛でる人も居なくてはせっかくの花も可哀想です。
そこで同じマンションで、以前母の葬儀の時に、コロナ禍では弔問だけで皆さん帰られてしまうので葬儀出席は親戚のみになるため、たくさん上がった生花は花束にして親戚に出来るだけたくさん持ち帰ってもらったのですが、それでもたくさん余ってしまい、たまたまマンションの駐車場で居合わせた小さな姉妹が花が大好きというマンションの同じフロアの方に経緯を説明し、「母の葬儀で使った花なのですが、もし宜しければ・・・」と持ち帰った花束を貰って戴いたのが縁で(他にもお二人に貰っていただきました)、その後独りの時に親戚の法事等で花を持ち帰らざるを得ない時などは、その花好きの小さな姉妹に花をあげて家で飾ってもらっていました。そこで、今回も半分をお裾分けして喜んでいただきました。
 その後暇に任せてネットで調べてみると、意外なことが分かりました。というのは、いただいた花はホワイトレースフラワーでは無かったのです。ネットの写真も掲載されていた園芸図鑑などの記事に依ると、
『 【ホワイトレースフラワーのデータ】
花色:白 学名:Ammi majus 別名:ドクセリモドキ 科名:セリ科 分類:秋まき一年草~二年草 原産地:地中海沿岸 大きさ:背丈80~150cm、横幅30~60cm 主な見所:花(5~7月)
【ホワイトレースフラワーの特徴】
カーテンのレースのような繊細な姿から切花としてよく使われています。小さな白い花が集まって花序になり、それが花茎の先に10数個つけるのでよく目立ちます。葉は複葉で、株はロゼット状になり花どきにとても長い花茎を伸ばします。場合によっては背丈を超えるほど大きくなることもありますが、水や肥料を控えめにしてセーブしつつ締まった株に育てます。
レースフラワーと呼ばれるものには他にブルーレースフラワーがありますが属が違う別種になります。またホワイトレースと呼ばれるオルレア・グランディフローラとも属が違う別種です。』
そこで、
『 【オルレア ホワイトレースのデータ】
花色:白 学名:Orlaya grandiflora 別名:オルレア・グランディフローラ、オルラヤ 科名:セリ科 分類:多年草(常緑)、秋まき一年草扱い 原産地:ヨーロッパ 大きさ:背丈10~60cm、横幅15~50cm 主な見所:花(4~7月)
【オルレア ホワイトレースの特徴】
白い花が集まってレースのような花序になります。株の大きさにしては花が大きくよく目立ちますが全体的には自然な印象です。葉は切れ込みの多い緑、冬はロゼット状ですが春になると長い花茎を伸ばします。茎は比較的硬めで切花にも使えます。タネからでも比較的楽に育てられます。また、暑さに弱く暖地での夏越しは難しいですが、こぼれダネでよく増えます。郡植させると見事です。』   (左がオルレア・ホワイトレース、右がホワイトレースフラワーです)
 どうして間違ってしまったのでしょうか・・・?
それは『日本ではオルレアとして主に流通している園芸品種の“ホワイトレース”のほうが学名より先に有名になったため、ホワイトレースと呼ばれることもあります。 しかし、別の草花であるホワイトレースフラワーと名前も草姿も似ているため混同されることが多く、近年ではオルレアと呼ばれるようになっています。』ということなのでした。
ですので、昨年の地元紙に「ホワイトレースフラワー」として掲載されていた写真も散歩コースで見掛ける花と全く同じでしたので、ローカルとはいえ正確な情報を報道すべき新聞社もオルレアとホワイトレースフラワーを混同して間違っていたことになります。
そこで、おばぁちゃまにもネットの園芸図鑑の記載とそれぞれの写真をダウンロードして印刷し、花を頂いた少しばかりのお礼を兼ねてお渡ししました。
でも「オルレア・グランディフローラ」とは言いにくいですし、ホワイトレースの方が言葉としては語感がキレイなのですが、だとすれば混同を避けるためには、せめて「オルレア・ホワイトレース」と呼んだ方が良いのでしょう。
 頂いたオルレア・ホワイトレースはアドバイス頂いた通りに水切りしたのでずっと元気で、毎日水替えもした結果次々に花を咲かせてニ週間近く持ちましたし、散歩コースのオルレア・ホワイトレースも6月中旬になっても未だ見事な群生を見せてくれて、私の様な道行く人の目を大いに楽しませてくれています。

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