カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 サッカーのワールドカップは大詰めの熱戦が続いています。
今回のワールドカップでは、ご他聞に漏れず、私メも俄か“サッカーフリーク”として日本代表のサムラブルーを応援し、真夜中、深夜、早朝であってもTV前で応援していた典型的な日本人でした。

その組み合わせから “死の組”と言われた一次リーグを突破し、目標達成ならなかった決勝トーナメントの中で、一喜一憂しながら感じたことを、殴り書き的にその時点時点で感じたことを書き連ねてみようと思います。

 先ず、結果の頑張りは勿論評価しているのですが、その過程での番狂わせや、予想外の敗戦、そして日本のサポーターやスタッフの皆さんの至極当然としての行動は、前回大会やラグビーのワールドカップなどでも既に繰り返されて来たのと同じですが、今回全世界に配信された “立つ鳥跡を濁さず”でのスタンドのゴミ拾いとロッカールームの清掃と感謝のメッセージ。
    
(JFA提供無料写真素材から)
また、例え“ビッグマウス”と言われようが、敢えて自分にプレッシャーを掛けてでも有言実行する頼もしい若者と、結果、失敗の責任を感じて一目も憚らず号泣する純な若者たち。
日本代表チームは確かに成長しているし、強くなっている。でもまだ何かが日本人には足りない。最初誰も手を揚げなかったというPK戦。何が足りないのか、彼等を育てて来た日本社会の何が“世界基準”に比して間違っているのか???
俺が俺がでは無い謙虚さ?消極性?目立たぬことが美徳?優劣を決めない小学校のかけっこ競争?皆平等?公平性が大事?出る杭を打つ日本社会?目立つと仲間外れ?同調性が大事?・・・???
もしかすると、“出る杭を潰す教育”を何十年としてきた日本の教育制度により生み出された、当然の帰結ではなかったか???
極力競争をさせず、平等、公平性と言う安易な“ぬるま湯”に浸かってきた結果にすぎないのではないか!?
その上で、その日本全体のシステムの氷山の一角であり、瞬間的事象に過ぎなかったサッカーのワールドカップの日本代表そのものを最終的に批判した上で、その原因と情報分析、自己反省、改善を強いるのはナンセンス。
昔から協調性のみが重要視された村社会、異質を否定し、潰しながら同質性を貴んで来た“島国根性”、日本という国全体のシステム障害、制度疲労。
これからの日本に必要なのは、組織力やチームワーク、真面目さを超越した個の力か・・・???

以上が、クロアチア戦でのPK戦での敗退後に、眠れずに「ナゼだろう!?」という感情のまま、殴り書き的に記した文章です。

 さて、今回のワールドカップで、個人的に一番新鮮だったのは、森保監督が敗戦後のピッチ上で深々とサポーターへの感謝を示したお礼のお辞儀でした。その情景は全世界に配信され、多くの共感を呼びました。曰く・・・、
先ずは、FIFAの公式インスタグラムが試合後に掲載した4枚の写真の一つに森保監督がお辞儀する場面をピックアップし、『日本代表とファンに対して胸が張り裂けるような思いです。W杯に足跡を残してくれてありがとうございました』
また、「ESPN」のサッカー専門ツイッターは、『日本のハジメ・モリヤスがカタールへ応援に駆けつけたファンへ感謝のお辞儀。リスペクト!」と紹介し、ファンからも『「素晴らしい国民と文化だ」、「間違いなく今大会最高の監督とファンだった」の声が上がった』。更に、「ESPN」は英国版公式ツイッターでも『勝利も敗北も名誉あるものと評価した』。
そして、いつもは隣国に辛辣な韓国も「インサイト」は『韓国より先にベスト16敗退の日本……監督の「最後の姿」が切ない』、「ハンギョレ」も『溢れる応援のファンに6秒間、90度で挨拶・・・・・・』。

 こうした世界からの賛辞に対し、もう一方で感じた、どうしようもない程の強烈な違和感・・・。
それは、これまで日本の、或いは日本人の美徳とされて来たものが日本社会から失われつつあるのではないか!?ということでした。
つまり、“一流”大企業による長期に亘るデータ改ざんに依る不正申告、品質問題、考えられないような工場爆発や火災、死亡事故など相次ぐ労災事故・・・。
“Made in Japan”というだけで全世界から信頼性が得られた日本品質、そして出来上がった製品の前に、製造過程を含め企業全体が“安心安全”だった筈の日本。今やその“日本”そのものが劣化しているのではないか!?
慢心?勤続疲労?経年劣化?競争力低下?高齢化?・・・???

 ロシアに依るウクライナ侵攻という、思いもよらなかった世界情勢の変化で全世界に漂う不安感。燃料費の高騰や、日本経済の停滞と日米金利差に依り発生した円安での原材料の輸入価格高騰に伴う各種製品の値上げラッシュ。
こうした日本社会に漂う閉塞感を、今回見事に打ち破ってくれたサムライブルーの若者たち。
「良かった!」、「頑張った!」だけではなく、これを「諦めずにやれば出来る」という良いお手本にして、企業が、我々が、学校が、そして何より政府が中心となって、制度疲労を起こしている日本社会の歪を正すべく、先ずは身近の出来ることから諦めずに変えて行けば良いのではないか!?

 今回のワールドカップの日本代表チームの戦いぶりを見て、それにのめり込んでいた私たち日本人、日本社会全体が「また4年後にガンバレ!」として、今回の彼らの奮闘を一過性のお祭り騒ぎで決して終わらせずに、例え些細なことであっても「じゃあ、今度は自分たちが」に繋げていくことが一番重要ではないかと感じた次第です。

 最後に余談ですが、クロアチア戦にPKで負けはしましたが、先制点を挙げた前田大然選手。松本山雅の豊富な運動量でのサッカーで反町さんに鍛えられ、ピッチ上では今年で引退した田中隼麿選手に怒られながら、驚異的なスプリントで攻守に走り回っていた前田選手。得点は少なくとも、そうした攻守における献身性が評価されての、他有力選手を差し置いての代表FW選出だったと思うのですが、先発したW杯でも無駄だと思えるようなスプリントを繰り返し、GKやDFの持つボールを追い掛け続けた結果が、ドイツ戦での堂安選手のシュートに繋がったとも思います。そうした泥くさい献身を評価してくれたサッカーの神様が、最後にくれたご褒美での得点だったのではないか・・・そんな風に思えた前田大然選手のゴールでした。

そして、最後の最後に、Abema TVの英断にも感謝です!

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