カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 6月末に一泊で上京する用事があり、その時に娘たちと行った東京六本木のディナーと二子玉ランチなどのグルメ情報です。

 先ずは、行った日の夕食。
長女が「久しぶりに焼き鳥を食べよう!」とのこと。奥さまはあまり気が進まないご様子でしたが、「もし二人が食べたいなら・・・」と渋々同意。
娘が本来我々を連れて行きたかった焼き鳥店は、六本木ヒルズに在る“超”有名店らしく、当日での(しかもこの日は日曜日でしたので)予約はさすがに無理・・・。その後彼女が何軒かに電話をして、漸く別の一軒に予約が出来た由。
夕刻、三人で歩いて向かったのは、麻布台から外苑東通りを進み、六本木の閻魔坂の路地に入った雑居ビルの2階。「えっ、こんな処・・・?」と思う様な場所でした。
というのも、周囲は「閻魔坂」というナントモおどろおどろしい名前の地名と、しかも“谷底”の様な窪地に広い墓地まであるのです。後で調べて分かったのは、昔崇厳寺というお寺があって、そのお寺さんの閻魔堂に因んだ坂の名前らしく、崇厳寺自体は戦災で焼失し復興されなかったため、共同墓地として拡張して現在の「六本木墓地」となっているのだとか。そうした歴史的な地名なのかもしれませんが、“都会”を代表する六本木の歓楽街のど真ん中で、一歩路地に入って薄暗い夕刻にいきなり閻魔坂という名前と広大な墓地に遭遇すると、驚くことは必定・・・。
しかも、周囲はゴミが散らかっていて(コロナ禍明けの最近の日本は、何だか昔に比べて路上にゴミが落ちていて、昔の“ゴミも落ちていない清潔な日本”と外国人観光客が賛美したイメージとはかけ離れてしまった様に感じるのは私だけでしょうか・・・?)、決してお世辞にも好印象な場所ではありません(実際は、入る路地を間違えて墓地沿いにぐるっと一周した感じ。本来なら大通りから入ってすぐ・・・でした)。

 そんな“薄汚れた都会”六本木の歓楽街の路地に在る雑居ビルの二階に上がると、イメージが一変!・・・します。
ドアを開けて入った中は、シックな黒い色調で内装をまとめた「とりや幸」という焼き鳥店。しかも、2年連続ミシュランガイド掲載という店の六本木店で、その本店の銀座店は昭和30年創業でミシュランのビグブルマンに2年連続選出されているのだとか。
娘が名前を言って通されたのは、カウンター席では無く、壁とカーテンで仕切られて、落ち着いた印象の半個室のテーブル席でした。
メニューから娘が選んでくれたのは、この店のウリである比内地鶏などの焼鳥の基本コースの「おまかせ串コース」3900円(税込)。
他にも比内地鶏の焼き鳥と京鴨の炙り焼きなど、前菜や食事、甘味までついた6500円のコースなどもある様ですが、そこまで食べられるか分からないし、しかも奥さまが寿司の光り物同様に、鳥皮など食べられないモノもあるかもしれないので、もし最後に足りなければ〆など一品で後で注文すればイイからと、基本コースで先ずはトライすることにしました。家内は焼き鳥でのレバーは昔から大好きなのですが、些か“食わず嫌い”が多いのです。光り物なんてホント美味しいのに・・・・。娘たちも、長女は私似で、次女は光り物とかは苦手なので母親似なのかもしれません(でも、焼き鳥は好きで、学生時代に住んでいた神楽坂の美味しい焼き鳥屋さんに連れて行ってくれましたっけ・・・)。
 さて、「とりや幸」の「おまかせ串コース」は、先ずは艶野菜5種盛りに始まり、比内地鶏・大山鶏・はかた地鶏などの焼鳥串5本と特製つくねが1本に、旬の野菜串1本という構成。
最初に「艶野菜5種盛り」は“温野菜”と聞き間違えたのですが、生野菜で、特にトウモロコシのゴールドラッシュ(糖度が高く近年人気の品種で、生でも食べられます)が、甘くて美味でした。
焼き鳥は、比内地鶏のムネから。皮がパリパリ、それにしてもキレイに切れるものだと感心します。一緒に、小鉢に入った鬼おろしがウズラの黄身を添えられて、箸休めとのこと。
続いて、鳥取県の銘柄地鶏である大山どりのササミ。ワサビを載せて。しっとり。この二串は塩ですが、絶妙の塩梅。

ここで、名古屋コーチンの厚焼き玉子。うーん、肴としては日本酒が飲みたくなり、10種類くらいあったメニューの中から黒龍と悩みましたが、超辛口という紹介に惹かれ、山形の吟醸ばくれんをチョイスしました。
そして三本目の串が比内鶏のモモをこちらも塩で。弾力がありながらジューシーです。
そして食指を変えて、野菜串がこの日はヤングコーン。「甘いので、是非ヒゲまで食べてください!」とのこと。
次はレバーですが、タレでの豚ではなく鳥レバでした。臭みは全く無いのですが、小ぶりなのが残念。
店で人気というつくねを名古屋コーチンの黄身を絡めていただきます。
最後の串が、はかた地鶏という手羽先。これも塩ですが、皮がパリパリで旨味があり、今回の串の中では大ぶりで食べ応えがあったせいか、一番美味しく感じました。というのも、焼き具合から塩加減から、どれも唸る程でさすがに美味しかったのですが、また基本コースでも十分にお腹は満足しましたが、全体に串が小ぶりだったのが“食べ応え”という意味では、庶民としてはチト残念でした。
でも、奥さま曰く「今までの焼き鳥の概念が変わった!」とのこと。昔、諏訪や松本でも焼き鳥を食べに行ったことがありましたが、そりゃ失礼しました。確かに、連れて行ったのはこういう高級なイメージな焼き鳥屋さんではありませんでしたし、中でも、昔行った諏訪の某焼き鳥屋さんで、焼き鳥のササミがまるで鳥わさの様に生っぽくて気持ちが悪くて食べられないと言ってましたっけ(その店は評判店だったのですが、その後移転拡張した結果目が付き届かなくなったのか、やがて食中毒を発生させてしまいました)。
「焼き鳥って美味しいんだね!」と家内が気に入ったのは良しとしても、確かに唸らざるを得ない程に美味しかったのも事実ですが、個人的には焼き鳥はやっぱり庶民の味、庶民の味方であるべきだと思います。まぁ、確かに昔時の総理がアメリカの大統領を焼き鳥屋さんでもてなしたこともありましたし、仮に希望されても松本には東京の様なこんな高級店はありませんが・・・。でも、東京だって焼き鳥のイメージは個人的には新橋のガード下でイイ様な気がしますが・・・。
 翌日、出勤する長女が「一緒に朝食を食べてから行くから」と、我々と一緒に家を出て連れて行ってくれたのが、飯倉片町の外苑東通りに面した「VERVE COFFEE ROASTERS (ヴァーヴ・コーヒー・ロースターズ六本木)」という、カリフォルニア発のオシャレなカフェ。
娘がMBA時代にパロ・アルトで良く行っていた店の日本店なのだとか(「新宿NEWoMAN」にも支店があるそうですが、この六本木店の様な解放感は無く、もっと手狭な店舗だそうです)。
一面ガラス張りの店内は、二階まで吹き抜けで、外にはテラス席もあり、店内を含めワンコOKなのだとか。ヴィーガン向けのフードメニューもちゃんとあるそうです。そして六本木という場所柄か、半分以上は外国人のお客さんで、ノートPCで仕事をしながらの個人客もたくさん。娘もリモートの時は時々利用するそうですが、それにしてもオシャレ(その後、リモートワークで長居をするお客さんが多いためか、原則90分以内でそれ以上になる場合は追加のドリンクオーダーをお願いしますとなった由)。田舎では、というよりも、東京でもここ六本木だからこそ、すっと街並みに馴染んでいる気がします。“お上りさん”は、ただただ溜め息でした。
ここでコーヒー(他の倍以上もある大きなカップで780円)と朝食用に娘がオーダーしてくれたのが、PRESS SAND(各1200円)という名前のオリジナルホットサンド。二人はパストラミアボガド、私メにレッドホットツナ。独特なサクサクのホットサンドに、オニオンスライスとケッパーが挟まれていて、旨!また食べたい!・・・と、値段を気にしなければですが、でも本当に美味しかったです(写真はそれぞれ半分を食べた後の2種類のホットサンドです)。でも大きなカップのコーヒーは、独自ブレンドや厳選されたお薦めのシングルオリジンなど幾つかあって、それらを試飲して自分の好みを選ぶことも出来るので、大いにリーズナブルだと思いました。更にアメリカ発ということもあって、煎茶と玄米茶の日本茶も用意されています。
 長女と別れた後、午後までの空いた時間は二子玉川の高島屋まで買い物に来たいという次女と待ち合わせ。娘がゆっくりと買い物が出来る様にと、その買い物中は孫をジジババが面倒を見てあげることになっているとのこと。と言ってもその買い物も子供服で、子供服ブランドのミキハウスやファミリアのある本館5階の子供服売り場での買い物とか。その間、我々ジジババが本館屋上の屋上庭園で孫娘をあやしながら時間を潰します。しかしママッ子の孫は暫くすると飽きてしまい母親を探してぐずり出すので、止む無く子供服売り場の母親の元へ。一目見れば安心するので、今度はフロア内をベビーカーでジジと探検・・・です。
そうこうして娘も気に入った孫用の子供服が買えた様です。思えば、羽田空港時代の外資系航空会社のグランドスタッフのリーダーとして働いていた頃は、仕事のストレス発散は専ら自分の洋服買いだったのが、今は子供服しか買わないというのですから変われば変わるもの。“されど母は強し”なのでしょうか・・・。
私は二子玉に来たのは初めてですが、若い世帯に人気という土地柄なのか、小さい子供連れのファミリー層も確かに多くて、そのためもあってか、高島屋内の各フロアはじめレストランや屋上庭園などは子供連れやベビーカーにも優しいバリアフリー設計で、これなら確かにヤングファミリー層が多く集まるだろうと感心した次第です。日本全国、どこもこんな子育てに優しい街になればイイのになぁ・・・。少子化対策が大事と言うのなら、ただ現金をばら撒くだけではなく、こうした環境整備も少子化への大事な対策の一つだと思うのですが・・・。
 買い物も終わりランチへ。ベビーカーでの入店OKで且つお子様メニューもあるレストランの中から娘が候補に挙げたのが、南館6階のシーフードとグリルの洋食レストランとエスニックの中から同じく南館8階の「ニャー・ヴェトナム・プルミエ」というベトナム料理レストラン。
両方見たのですが、洋食は順番待ちでしたので、すぐに座れそうだったベトナムレストランにしました。
この店は、恵比寿、銀座など10店舗ほど展開しているチェーンだそうで、エビスの本店は、元々ベトナム大使館からの要請で始めたとのこと。二子玉のこの支店の店内は細長いフロアでそれ程広くはありませんが、平日の昼時故か行列こそ無かったものの、二子玉マダムの方々で結構混んでいました。
スタッフの方が、ベビーカーを畳んで隅っこに置きやすいテーブル席を選んでくれて、ベビーチェアを持って来てくれました。調理する人もですが、フロアスタッフも皆ベトナムの人たちで、スタッフは勿論日本語が堪能。女性スタッフはアオザイを着ています。
ランチメニューの中から、フォーと生春巻きのセットで、私が蒸し鶏のフォーのセット(1680円)、家内と娘は海老風味の辛口フォーのセット(1850円)をチョイス。
ラーメンでも鶏チャーシューは余り好きではないので、蒸し鶏自体は好みではありませんが、フォーの鶏スープは結構見た目より濃い目の味付けで、出汁が効いていて美味でした。片や、エビ風味は濃厚で辛味もあって美味しいのですが、個人的にはちょっと甘味が強く感じました。でも女性陣は美味しいとのこと。フォーには、薬味でカットレモン、パクチーのみじん切り、生の赤唐辛子の輪切りが付いているので、途中“味変”で、レモン果汁を絞ったり、赤唐辛子を入れてみました(パクチーは然程好きではないので、シンガポールで嵌まり、味噌汁にも刻んで入れていた程の“パクチー好き”の奥さまに差し上げました)。レモンを絞ると爽やかになり、生の唐辛子はただ辛いだけではなく、フルーツの様な甘みもあり、これぞ東南アジアの味!シンガポールを思い出しました。
勿論、松本にもベトナム料理はありますが、久し振りに食べた本場の味でした。シンガポールでは、住んでいたコンドミニアムの近くにあった「サイゴン」というベトナム料理店に、家族連れでも、或いは自腹で接待しないといけない時にも本当に良く食べに行きました。因みに接待の食事では、中華やフレンチなどのコース料理は高いので会社負担の時は良いのですが、自腹の時はお腹いっぱい食べても安い北インド料理かベトナム料理が定番でした。(タイ料理「コカ」のスチームボートも家族は大好きで良く行きましたが、ちょっと接待には不向き)。
ベトナム料理「サイゴン」で必ずオーダーしていたのは、生春巻き、サトウキビ巻いて焼いた魚のすり身、中華ではどのジャンルでも必ず火を通すので食べられない生野菜のサラダ、そして油をあまり使わないので日本のお吸い物の様なスープ。ベトナム料理は、中華では出て来ない生野菜(今ではお寿司などの日本食も人気の様ですが、彼等は加熱しないモノは本来食べません)も食べられますし、主菜の肉や魚料理も含め味付けが中華の様に油をたくさん使わずに味付けも濃くないので、どこか和食にも通ずるような繊細さもあって、アジアの料理の中で一番日本人向きだと思います。
 ベトナム料理「ニャー・ヴェトナム・プルミエ」。
日本で今まで食べたフォーの中で一番美味しく感じました。しかも、ベトナム人のスタッフの人たちの応対も丁寧で気持ちがイイ。
小さい子連れのママさんたちに優しい二子玉の印象と相俟って、久々に「イイなァ、都会は・・・」。
(アジサイの写真は玉川高島屋の本館と南館との連絡通路に飾られていた、最近の新品種らしき色鮮やかなハイドランジア「ディープパープル」と「マジカルノブレス」です。花までどこか“都会的”?)

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