カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 大体週一程度で食べに行く、会社から車で5分のラーメン屋さん「夢の家」。
第758話でご紹介したように、『一切化学調味料や添加物を使わずに、地元中心に自然由来の食材を使う拘りで、スープにも「体に良い“磁化水”」使用とか。好みの醤油系では、普通の中華そばは薄口醤油を使って、煮干と日高昆布で出汁を採り、支那そばには地元の特注の手作り濃口醤油を使っているそうです。個人的には鶏ガラ系が好みなので、最初の一口は、ちょっと魚介系の違和感が口の中に残るのですが、舌が慣れるとあっさり系で食が進みます。』

 この、最初の一口目に感じる「違和感」。
確かに魚介ラーメン(スープは、魚粉の量によりこってり系とあっさり系の2種類)には、煮干の出汁には特に抵抗感は無いのですが、干しエビと魚粉もトッピングされていて、個人的にはこってり系の大匙4杯?近い魚粉はもっての外ですし、あっさり系でもトッピングの魚粉には些か抵抗があります。しかし、中華そばと支那そばは煮干と昆布で出汁を採っているにしても、魚粉は一切使われていません。
その違和感は、どちらかというと何となく薬っぽく感じられたのですが、最近漸く原因が分かりました・・・その正体は胡椒。
 各テーブルに置かれた(ラーメン店では)お馴染みの“GABAN” の缶。
普通は黒胡椒の方が一般的だと思いますが、こちらのお店は白胡椒で「ホワイトペッパー」の文字。粗挽きではなく、パウダー状のやや黄味を帯びた粉胡椒です(家庭用でお馴染みのSBテーブル胡椒は、擂ったエゴマのような色をしていますが、あれは白黒混合だそうです)。
因みに白黒は、実の熟成度合いと製法の違い(白は完熟した実の果皮を取り除き挽いたもの。一方の黒は未熟な実を乾燥させ、黒くなった皮毎挽いて使う)で、胡椒そのものは全く同じ種類なのだとか。薬っぽく感じたのもその筈で、胡椒に含まれるピペリン(piperine)という化学物質は薬にも使われ、完熟した白胡椒に、より多く含まれるのだそうです。
これまで、必ず胡椒を振り掛けてから食べていましたが、もしやと思い振らずに食べたところ、あの薬臭さが消えて、濃口醤油を使った支那そばも含めて、優しいまろやかなスープの味がしました。そして、蓮華にすくったスープに少し胡椒を振り掛けて飲んでみると、やはり最初に感じる味でした。慣れると気になりませんが、最初感じる“尖った”感じは、出汁ではなく胡椒が原因でした。

 そこで気になって検索したところ、東京小岩のラーメン店のご主人がH/Pで書かれていた内容曰く(その店では、黒白両方の胡椒を各テーブルに置かれているそうですが、あるお客さんから「どっちを使えばいいんだ?二種類置く意味が分からん!」と文句を言われたのだとか)、
『当店のような背脂チャッチャ系のように濃いスープにはブラックペッパーが、鶏ガラベースで繊細な味付けをしている支那そばにはホワイトペッパーが良く合うと思います。
みなさんラーメンを見た瞬間、無条件で胡椒をかける方が大勢ですが(もちろん辛味が好みでかける方もいますが)、匂いがきつかったり口飽きたりする時、或いは味を締める時に使うと良いと思います。
元々胡椒には臭みを抑えたり、腐敗防止などに使われてきました。確かに昔のラーメンは、今と違い不完全な食べ物でした。だから臭みも伴っていたので胡椒が不可欠でした。それに大量に化学調味料を使っていたので、どうしても甘みが強く、それを締めるためにも胡椒が必要だったようです。しかし今の時代のラーメンは昔のような「不完全食」ではなく「進化食」だと思います。色んなラーメン店主さんが、知恵を振り絞り作り上げています。押しつけがましくなってしまいますが、まずは何もかけずにそのまま味わってみてはいかがでしょう? 』(関係部分の抜粋で、ほぼ原文のまま)
 ナルホドと目からウロコ、でありました。
個人的な嗜好は(あっさり系スープであっても)ブラックペッパーで、粗挽きが好み。我が家ではしかもミル付きで、その場でゴリゴリ挽いて使っています。
ただ一般的には、昔からラーメンにはホワイトペッパーの方が向くとされ、しかも黒よりも白の方が(手間隙が掛かる分)値段も高いのだそうです。
最近主流のこってり系のトンコツスープや魚粉を一杯使った“魚ってり”ラーメンならともかく、優しいあっさりしたスープならば、臭みや匂い消しも不要なので、自然の味を楽しむべく、むしろ胡椒無しの方が良いのかもしれません。これからは、胡椒無しでいただきまーす!(もう、いただいてます)。