カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 次女一家が初めて年末年始に松本へ帰省し、また長女も二年振りにNYから帰国してくれて、久し振りに賑やかだった2026年のお正月。
皆揃ってくれたのは誠に嬉しい限りなのですが、都会と違いウィンタースポーツでもしない限り信州では冬に行く所がありません。
それはお正月の三が日も同様です。特に次女の婿さんは、病院勤務のせっかくのお正月のお休みを初めて嫁さんの実家の信州で過ごしてくれることになったので、家食ばかりではなく、せめて一度くらいは外食でもてなしたいところなのですが、逆に昨今の働き方改革や人手不足での従業員福祉もあって、この正月三が日くらいはさすがにお休みする飲食店が多いので、食べられる処を探すのに一苦労です。
 そうした中で三が日もやっている店を探して色々調べ、且つもてなす場として相応しいかどうか事前にチャックもした結果、選んだのが「そば居酒屋 蔵のむこう」です。こちらは、正月三が日に営業して逆に4日から数日間お休みとのことで、この時期にお客さんを迎える我々からすると誠に有難い限りです。
ただ、この「蔵のむこう」へ食べに行くのは、我が家としては実に10年振りくらいになります。というのも、以前長女と三人で行った時に、私以外はお酒を飲まないので彼らはお茶を飲んでいて、そこでお茶のお代わりを頼んだら、フロアで接客をしていたかなり年配の女性スタッフが如何にも気に入らなさそうに、あろうことか、
  「無料のお茶ばかり飲んでいないで、お酒を飲んで貰わないと困るんですけどネ!!」
と吐き捨てる様に云われて憤慨。「もうこんな店二度と来るものか!!」と決め、実際にそれ以降は一度も行ったことはありませんでした。
しかし、正月三が日にも営業している貴重な存在だったため、12月中にランチで一度家内と二人で状況(そんな店の接客態度が変わっているかどうか)を確かめた上で、今回久方ぶりの訪問となった次第です。

 この時は“チェックを兼ねて”、ランチタイムに伺ったのですが、食べ終わってから正月三が日の予約のことをお聞きしてみました。
因みに、「蔵のむこう」には個室の宴会場も何部屋かあるようで、但し人数は8人以上とのこと。ただ我々は7人で且つ幼児が2名含まれることをお伝えしたら、着物を着たフロアの接客の責任者の様な女性(先述のお年寄りの女性とは全く別人で中年のスタッフでした)が、その場で「空いていたら7人様でも構いませんヨ」と言われて、すぐに個室の予約状況をちゃんと確認してくださったのですが、残念ながら一ヶ月前で既に予約で一杯でした。そのため、
  「二階席奥の広いテーブル席なら小さいお子さんがおられても大丈夫でしょう。ただ、当店にはお子様用の椅子がありませんのでご了承ください。」
と、とても心のこもった対応でしたので、その場で三が日の予約をさせていただいた次第。

 私たちが予約して食べに行ったのは、正月二日の夜。さすがに他にやっている店が少ないのか、しかも夜に蕎麦が食べられる店となると尚更ですので、正月三が日に外食しようとする地元の皆さんや観光で来られた方にとっては誠に有難い存在の筈。
我々は1ヶ月近く前にランチで訪れた際に予約をして、今回は夕方6時に伺ったのですが、正月で皆さんスタートも早いのか、この日は一階二階席とも既にほぼ満席でした。
この日の我々のオーダーは、サラダ二品に始まり、子供用にだし巻き玉子と冷やしトマト。信州らしく、山賊焼きと馬刺し(赤身と霜降りを頼んだのですが、この日霜降りの用意はありませんでした)、揚げ出し豆腐と野沢菜漬け。因みに人数分のお通しが最初に供され、野沢菜のミニお焼きとかぶら寿司でした。
中でも山賊焼きと馬刺しがとりわけ好評でした。また川魚好きの婿殿用に追加して、初めて食べたというシナノユキマス(長野県産のサケ科の養殖魚)も喜んでいました。
そして最後の〆に信州そば。信州そば専門店の殆どが昼営業のみで、夜に本格的なそばを食べられる店が少ない中で、そば居酒屋と「蔵のむこう」が名乗るだけあって、決して蕎麦の専門店にも負けぬ本格派の二八の手打ちで、これまた蕎麦好きの我が家のメンバーにも好評でした。
 前回彼らが来た11月末にコースの郷土料理を食べたばかりの「草菴」は、肝心のこの正月三が日はお休みだったので、今回は止む無くこちらの「蔵のむこう」にしたのですが、「草菴」の様に個室で小さい子も一緒に落ち着いてという訳にはいかないものの、手軽に信州そばや馬刺し、山賊焼きといった郷土料理を楽しむ(しかもお酒も飲みながら)にはおススメだと感じた次第。
因みに、10年近くも経ったためか、あの年配の女性店員の姿は見えず、この日の若いスタッフの皆さんは気配りもされていて、気持ちの良い接客振りでした。
しかも正月三が日に営業されていたのは、帰省して来る家族を迎える地元民にとっては何よりも有難い限りでした。4日からの一足遅れの正月休みを、どうぞゆっくりと休んでください。ごちそうさまでした!

 信州松本の正月三が日。
松本城では12月13日から2月15日まで、恒例のプロジェクションマッピングが行われています。

昨今は温暖化とは言っても、この時期の松本は氷点下5℃から寒い時は-10℃くらいまで下がることもあるのですが、夜街中で家族で外食した機会に、せっかくなので寒い中ですが松本城まで見に行ってみました。
何年か前に行った時はレーザーマッピングで、正直大したことは無いと感じたのですが、昨年からか、エプソンがプロデュースするプロジェクションマッピングにグレードアップされ、10台の大型プロジェクターを用いてお城全体に映像を映し出しているとのことで、映像的にも随分豪華にキレイになりました。1回の映像はせいぜい10分足らずなのですが、子供たちが寒そうだったので早めに帰ることにしました。
松本では、パルコの大きなXmasツリーが消えて伊勢町は随分寂しくなってしまいましたが、松本城のプロジェクションマッピングと併せて、同じ期間中「市街地イルミネーション」として、女鳥羽川の千歳橋から松本城の入り口までの大名町通りは、シナノ木の街路樹がオレンジ色の8万球のLEDで暖かく彩られています(冒頭3枚の写真は紹介頁から拝借しました)。
 
そして、今月23日から25日には恒例の「松本城氷彫フェスティバル」が、今年も松本城公園をメイン会場に開催されます。いずれも、寒いからこそ映える信州松本の冬の風物詩です。
 ただ個人的には、信州松本の冬のシンボルは、何と言っても神々しく真っ白に雪化粧した北アルプスの峰々です。そしてこの冬の季節は、その真白き峰々を屏風の様な背景にして聳える黒白の松本城が、より映える季節でもあります。しかも、それが雪化粧した松本城であれば尚更です。
ただ同じ信州でも、日本海側の気候の影響を受けて雪雲が流れ込む白馬や大町などの大北地方や、豪雪地帯で知られる飯山や降雪の日が多い長野などの北信地方に比べ、北アルプスに雪雲が遮られ降雪の少ない松本平は、平地での雪化粧はあまり見ることはありません。ですので、雪化粧の松本城を見られることは稀。もし観光で訪れて生憎の悪天候で、白く雪を被った松本城に出会えたらむしろラッキーなのです。また夏に比べれば姿を見せてくれる日が多い冬の北アルプスですが、こちらも晴れていても山には雪雲が掛かっている日もあり、もしくっきりと常念を始めとする白き峰々が見えたらこちらもラッキーです。
    (下の写真は2015年と2020年に撮影した雪の松本城です)
   
 そんな信州松本で、私が初めて目にした光景がありました。
それは、雪化粧した常念岳に沈む満月です。1月4日の朝、マンションからは常念岳の頂上のやや左側に沈む満月が見られました。
夏の槍ヶ岳の穂先に沈む夕日は有名で、地元のローカル紙にもそれが見られる薄川の金華橋付近から撮影した写真が掲載されることがありますが、冬の(勿論場所によっては夏にも見られるでしょうが)常念に沈む満月があることを知りませんでした。この写真は渚のマンションからの撮影ですが、市内の何処かのポイントからは常念のてっぺんに沈む満月が見られるかもしれません。
60数年住んでいた神沢や沢村からは残念ながら城山山系に遮られて北アルプスの峰々は見られないので、終活で渚のマンションに引っ越して初めて朝に夕に毎日北アルプスを眺めているとはいえ、松本に生まれ70年近く松本に暮らした人間でもまだ知らなかったことがあるんだと驚き、そして新鮮な感動を覚えたのでした。

 我が家でのコーヒーは、ここ10年来「源智の井戸」の湧水(“まつもと城下町湧水群”の中で、硬度130前後でミネラル分の多い唯一の硬水)を汲んで来て、毎朝ドリップ式のコーヒーメーカーで淹れています。
昨年秋のコーヒー豆の大幅値上げに伴い、それまでの定期的に購入していた全国チェーン松本店のモカブレンドの値段が3倍近くに値上げされたので諦めて幾つか試した結果、地元の自家焙煎「三澤コーヒー」のコロンビアに変更。個人的には酸味の強いモカの方が好きですが、奥さまはそうではないので、マイルドコーヒーの代表格への変更でむしろ良かったのかもしれません。
また、家内が横浜の次女の家に“家政婦”で手伝いに行くと、婿殿がお礼にパナマ産のシングルオリジンの最高峰「ゲイシャコーヒー」を持たせてくれるので、時々はそちらも楽しんでいます。

 さて、10月くらいにコーヒーメーカーが故障して、コーヒーがポットから漏れて溢れてしまいました。そこでポットの蓋に水道水を注いで流水で洗い流すと、中に溜まって詰まっていたらしいコーヒー滓(かす)が結構たくさん水と一緒に流れ出て来ました。
暫く流水を注ぎ続けてから、もう一度セットしてドリップをしてみると、今度は漏れることなくポットに注がれたので、それ以降もそのまま使っていました。
ところが、やはり一ヶ月くらいするとまた漏れ出してしまい、念のため同じ様にポットの蓋に流水を注いでみましたが、今度はあまり改善することはありませんでした。残念ながらこの蓋は分解することが出来ず、そのため中を掃除することが出来ないのです。そのため、コーヒーメーカーを寿命と諦めて買い替えることにしました。
考えてみれば、このメリタのコーヒーメーカーは2016年にそれまでのモノが壊れて買い替えたので、10年近くも使って来たことになりますので、さすがにもう寿命と考えても良いでしょうし、逆に良くぞ10年間も長持ちしたものだと感心しました。

 そこで家電量販に行って見ると、最近のコーヒーメーカーには色々なタイプがあり、最近の主流はCMでもお馴染の色んな種類が抽出可能なカプセルタイプの様で、そうでないものも、エスプレッソなども抽出可能な高機能タイプや、ドリップタイプのコーヒーメーカーでもミル付きの全自動から、挽いてある豆をフィルターに入れるタイプなら、一番安ければ3000円程度から保温タイプでも一万円程度で購入可能です。
我が家では硬水の「源智の井戸」の湧水を使っているので、軟水が主流の日本ではなく、硬水が主流の欧州のメーカーであるドイツのメリタを今回も選びました(メリタはペーパーフィルターの生みの親であるドイツのメーカーです。因みに、良く似た名称のカリタは日本のメーカーで、カリタは、ドイツ語の「Kaffee(コーヒー)」と「Flter(フィルター)」を組み合わせた造語なのだとか。てっきりメリタおばさんと同じく、創業者の名前が苅田さんなのかと思っていました)。
但し、メリタを含めどのコーヒーメーカーも水道水以外は使用禁止(ミネラルウォーターはカルシウムが溜まるからでしょう)で、最近の機種にはカルキ除去機能が付いているモデルもありますが、我が家は水道水を使わないのでカルキ除去機能は不要ですし、キッチンの水道の蛇口には浄水器を付けています。
 そこで検討した結果、今回購入したメリタのコーヒーメーカーは、ノアプラスという製品で2021年に発売されたモデルですので最新ではありませんが現行モデルで、価格帯的に今まで使っていたメリタの機種の後継モデルの筈。勿論ペーパーフィルター方式で、容量が700mlでカップ2~5杯分。ポットは保温性に優れたステンレス製の真空二重構造。カルキ除去機能はありませんが、新たに蒸らし機能が付いていて、何よりもワンタッチ式の蓋に改善されて液漏れがしにくく、また蓋を分解して内部を掃除することが可能なので、前回の様な蓋の内部にコーヒー滓が詰まることを防げることが一番のポイントです。
今まで10年間使っていたメリタの旧モデルは、ポットは同じステンレス製なので保温性はあったのですが、フィルター部分はプラスティックだったのが、新しいモデルではこちらも外側がステンレス製に変更されています。
最大の改善点の蓋の部分。内部が分解出来て洗えるようになったのが耐久性の面でも一番のポイントかもしれませんが、蓋がこれまでは回して嵌める方式で結構力尽くで締めなければならず、また注ぎ口のゴムのパッキンの装着も何となく調整が微妙で、質実剛健ながら高品質な機能性といったドイツ製品のイメージからすると、10年持ったのですから確かに耐久性はともかくとして、造作は意外に大雑把で“原始的”に感じていたのですが、さすがに今回は10年も経っているので、新モデルはかなり改善されてスマートになっている点が個人的には一番のメリットだと感じています。実売価格は8000円~9000円位で、通販でも地元の家電量販でも購入可能。我が家では二度目に詰まって朝コーヒーが溢れた時に即諦めて、奥さまがその場でいつもの通販で購入したので、翌日には配達されました。
使ってみて、やはりワンタッチ式になった蓋が便利!です。豆は同じコロンビアですが、蒸らし機能が効いているのか前モデルに比べると、味がややマイルドになった感じがしています。
これまで同様に、またこのメリタのコーヒーメーカーで、「源智の井戸」の湧水で淹れたドリップコーヒーを毎朝楽しみたいと思います。
【注記】
写真はメリタの紹介頁から引用させて頂きましたので、もしかするとノアプラスではなく先代のノアの写真かもしれません。
【追記】
本来は昨日掲載予定だった原稿です。昨日システム障害により更新出来なかったため、本日改めて掲載いたします。

ブログ掲載サイトで時折システム障害が発生しており、そのためアクセスがしにくかったり、ブログ更新が出来なかったりしております。
何分システムが古いため根本的な改善は難しいとのことから、新たなサイトを立ち上げるか別のサイトに移動するかしないと、このままではいずれ維持が困難になるとのこと。
そのため今後何らかの対応を検討致しますが、何分時間が必要なため、日頃ご愛読いただいている皆さまにはそれまでご不便をお掛けすることもあろうかと思いますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

 高校駅伝の行われた、その12月21日の午後。松本市民芸術館で上方落語の桂二葉独演会が開催され、前売り券を事前に購入してあったことから聴きに出掛けました。
数ヶ月前に購入したので、独演会の開催日が毎年楽しみにしている全国高校駅伝の当日だったとは“露知らず”、結果“後の祭り”ではあったのですが、戦前から女子の長野東は優勝争いをすると思っていましたが、片や3連覇の掛かった男子の佐久長聖は今年は無理で、せいぜい入賞争いだろうと予想していましたので、結果、午前中の長野東優勝の女子の部はしっかりTVで観戦出来たことから、予定通り落語を聴きに出掛けた次第(結果は案の定・・・イヤ、残念ながらそれ以下でした)。


 上方落語の噺家、桂二葉。2021年に女性初のNHK新人落語大賞優勝者です(因みに今年、春風亭一花さんが女流噺家二人目の優勝者となりました)。
上方落語会の人気者で、その実力も丁稚の定吉や、憎めないアホな人物が登場する所謂「与太郎噺」を演じさせればまさに天下一品。
TVの人気番組への出演もあって、今や関西だけではなく全国的にもチケットが即完売の売れっ子噺家です。そんな彼女が、昨年の12月に続いて今年も松本で独演会を開催。
大阪は東住吉出身というチャキチャキの浪速っ子が、地方には珍しい古典芸能専門の北野演芸座の在る長野市ならまだともかく、全く縁の無さそうなこの松本に来て二年連続で独演会を開いてくれるのですから、地方に暮らす落語ファンとしては本当に有り難い限りです。
会場は昨年同様市民芸術館の小ホール。300席弱のホールですが、さすがに今や全国的な人気噺家ですので、おそらく追っかけも含め地方の落語ファンで今回も満席の盛況でした。

 最初の枕は、今回も松本に因んで二葉さんが大好きな松本一本ネギとマサムラのベビーシューの話題からスタートです。
彼女は松本での独演会開催のオファーがあると、松本一本ネギが旬を迎える年末の時期に絶対に設定してもらうということで、この日の楽屋も松本一本ネギとベビーシューの差し入れが混ざり合って異様な匂いとか。また長野市の北野文芸座での高座でも、松本での独演会同様に、同じ長野県なので松本一本ネギやら松本のことを誉めちぎっていたら客席が、
 「何やこうしらーっとした雰囲気が、何でか段々漂ってきましてん・・・」
と、ここ松本の客席を大いに沸かしてくれました。因みに、さすがにもう売れっ子ですので、白木みのるネタはこの日はありませんでした。
今回の出し物は、先ず開口一番で桂白鹿さんが前座噺の「平林」で開演し、続いて二葉さんが「上燗屋」から二席続けての「粗忽長屋」。そして仲入り後にトリで上方落語の演目「打飼盗人」でした。
 歌舞伎の女形同様に、落語もこれまで殆ど男性が演じて来ただけに、女流噺家には主人公を女に代えて演じるケースや女性が中心の新作落語を演じる噺家もいる中で、彼女は飽くまで古典落語に拘っています。
甲高い声の持ち主である彼女が、噺の中で声色を落として男性の親方や老人を演じる際に多少の違和感を感じたとしても、相方の与太郎や丁稚が登場すると、即座に見事なアホや子供に化けて演じ、これがまさに秀逸なのです。男の噺家に負けていないどころか、むしろ凌駕して客席を沸かせます。
今回も、初めて聴く「上燗屋」の酔っ払いのオッサンぶりがそうでした。続いての柳家小さんの十八番と云われた「粗忽長屋」。上方風に浅草の観音さまを住吉さんに変えて、八さん熊さんのボケたやり取りが上手い。この日の仲入り後のトリに演じたのは、江戸落語では「夏泥」というネタの、上方落語の「打飼盗人(うちがえぬすっと)」。これも初めて聴くネタでしたが、生粋の難波言葉が心地良い。
 桂二葉さんは、子供の頃からアホをしても怒られない男の子が羨ましかったとか。そして「自分がアホやという自信は子どもの時からあったけど、言えずに来た。でも落語でならできる。自分なら嘘(うそ)なくアホができる」と感じて、噺家を目指したのだそうです。
名人米朝の弟子になる師匠の米二師匠は、自分の弟子の中では二葉さんが一番根性があるとのこと。
また、ざこば師匠が主催していた米朝一門の寄席「動楽亭」落語会では、これまで女性噺家が演じたことが無かったため、弟弟子が高座に出ても彼女はずっと出れずにいて、しかし前座仕事に何年も通って黙々と働いていたら、兄弟子がざこば師匠に進言してくれて、その先輩の助言で漸く出演が決まって泣いたのだとか。
また、上方落語の若手噺家のコンテストで準優勝したのに、表彰式でブスッとしている彼女に兄弟子が理由を聞くと、「負けた時にニコニコ出来ひん!」と応えたのだそうです。だからこその、落語大賞受賞後の記者会見での感想を聞かれ「ジジイども、見たか!?・・・と思うてます」なのです。
そんな彼女が売れっ子になって、尊敬する鶴瓶師匠から「イイ経験になるから(出てみたら)」と薦められて受けたというフジTVの昼の「ぽかぽか」の曜日のレギュラーを2年余りで卒業したのですが、その理由を後で知ったのが、
「出演していても上手く喋れなくて、こんなんでお金貰ろうたらアカン!」
と自ら降板を申し出たのだとか・・・。
お節介な落語好きのジジイとしては、「その意気やヨシ‼」。押しも押されぬ上方落語の金看板として、一所懸命稽古して古典落語のネタを増やした方がヨロシおます!
  (紹介頁から拝借した、三味線を弾く公美子さんと太鼓を叩く二葉さん)
 今回は、お囃子を録音ではなくて、生演奏としていつもお願いしているという三味線の豊田公美子さんも同行され、最初の出囃子がいつもの彼女の出囃子「♪いっさいいっさいろん」ではなく、「♪アルプス一万尺」を演奏。
枕の中で今回の生のお囃子を紹介された中で、以前から高座をするために地方行った先では、例えば名古屋では「燃えよドラゴンズ」、広島でもカープの応援歌を出囃子に演奏して貰って好評だったので、旅先の高座では出来るだけその土地に縁のある曲を出囃子にアレンジして貰うのだと紹介しながら、ここ松本ではその「♪アルプス一万尺」の出囃子を受けて、元歌の歌詞にある「♪小槍の上でアルペン踊りを・・・」の部分を二人共「子ヤギ」だとずっと思い込んでいて、以前特急電車の中での移動中に、向かい合わせの席で公美子さんとお酒を飲みながら、二人で何故か“手遊び歌”をすることになって、この「アルプス一万尺」を歌いながらへべれけに酔っぱらってずっとやっていたら、隣の席に座ってずっと静かに本を読んでいた女性が、さも迷惑そうに「それ、子ヤギじゃなくて小槍ですから!」とボソッと、しかしピシッと言われたのだとか・・・。

 そんなアホ話の枕も本当に楽しい、桂二葉さんのここ松本での独演会。是非一本ネギの季節に毎年来てください。今回も土付きの松本一本ネギを楽屋に差し入れしようかと本当に迷ったのですが・・・。いつか必ずそうしたいと真剣に思っています。
終演後、芸術館から家路への道を歩きながら、ホンワカ暖かな気持ちでの今年の笑い納めとなった、今回の「桂二葉松本独演会」でした。

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