カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 黒曜石で有名な旧和田村(現長和町)。日本全国の縄文遺跡から、和田峠産出の黒曜石で作られた石器が見つかっています。
諏訪に外出した帰りに、和田峠を下ってきた緊張感から開放され、トイレ休憩(+一服)で立ち寄った「道の駅」。その直売所に珍しい「ねずみ大根」(辛味大根の一種)が置かれていました。一般的な大根に比べると長さがせいぜい15cm程度と短く、辛味大根の中でも、下膨れで根が伸びた形状が鼠に似ていることから、そう呼ばれています。

 ねずみ大根は上田市の北隣の坂城町の伝統野菜で、坂城では蕎麦ではなく「おしぼりうどん」が有名。上田地方を中心とする東信地域は雨が少なく、勤務先の塩田平などには溜池が点在していますが、水利の無い高台では昔小麦が盛んに栽培されていました。
ねずみ大根は、その坂城町を中心に東信地区などでも栽培されていて、ここ和田地区でも地元の生産者の方が持ち込んだ物のようです。
残り2袋だけでしたが、2本で100円だったので、興味があり購入してみました。
ねずみ大根などの辛味大根は、長野県内だけではなく、京都などでも地場野菜として栽培されており、特に蕎麦の薬味としても最近人気だとか。
しかし、ねずみ大根とは言い得て妙。下膨れの形と尻尾のように見える根が本当にネズミのようです。
 そこで、地元のスーパーで市販の生そばでは我が家イチオシ(第340話参照)の松本熊谷製麺の「古城そば」を2パック(1パック二人前)購入し、辛味大根の絞り汁で食べる「おしぼり蕎麦」を試してみることにしました。      
高遠から会津に移封された際に、保科正之公が高遠からそば職人も連れて行ったため、今でも会津には「高遠そば」として、辛味大根の絞り汁に味噌を溶いて食べる風習が残っているそうですが、私メはいつも通りに、濃縮麺つゆを薄める水代わりとして大根おろしの絞り汁を使います。薬味は大根おろしと刻みネギ。十二分の辛味がある筈なので、ワサビは不要(写真はミルクのように白いしぼり汁)。
 このねずみ大根は、一般的な大根に比べ水分が少なく身が硬いので、卸すのにも力が要って時間も掛かります。
早速食べてみると・・・もっと辛いのかと思った一本目に比べ、二本目の辛いこと!。同じ畑でしょうから、個体差なのでしょうか?
家内は、古城そばだけではなく、坂城町に習って「おしぼりうどん」も試して満足気なご様子でした。蕎麦もこれだけ家庭で食べられるなら(茹で方にもよりますが)、十分満足の「古城そば」でした。