カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 まだ「ハルピン(哈爾濱)ラーメン」が諏訪の並木通りにあった頃(30年近く前ですが)は、飲んだ後の〆は決まってここでした。
その後(戦後屋台から始めたというご夫婦がリタイアして経営を譲り)中州に移転したために行けなくなりましたが(次の〆は、笠森小路にあった頃の旧「さくら亭」の屋台ラーメンへ)、今では諏訪地区だけでなく、松本の並柳や塩尻の広丘にも出店し、松本エリアでもハルピンラーメンが食べられるようになりました(30年以上前の一時期、松本駅のすぐ横にカウンター席だけの小さな店がありましたので、松本平には再出店)。

 先日、午後からの塩尻での会議で外出した折、「国堺」では先日食べましたので(第980話)、今回は久し振り(下諏訪店で食べてから1年振り?)に昼食を「ハルピンラーメン塩尻店」で食べることにしました。
こちらは、テーブル席が中心の家族連れがメインなのか、カウンター席は8席程度しかありませんでした。
ちょうど昼時でしたが、それ程混んではいません。色々新メニュー(塩尻店の季節限定の酢哈爾濱ラーメンとか。意外と酢はハルピンのスープと合うかも・・・)もありましたが、ここは昔から定番のハルピンラーメン(670円)です。大盛りにしようか悩みましたが、ランチには小ライス(半ライスの更に半分程度)がサービスされます。

 昔懐かしのハルピンラーメン。ニンニクをベースに二年以上寝かせたという、他店にはない、醤油とも、味噌とも、醤油トンコツとも違う独特のタレ。基本は醤油がベースだとは思いますが、何年か熟成されて、一見すると味噌の様に濁っています。移転後、少し味が変わったという評価も諏訪では時々耳にしましたし、実際に下諏訪で食べた時も、昔とは確かに違うかな?(昔の方が美味しかった)と感じました。
しかし、この日のスープは殆ど昔の味!(だと思えました)。
その日の舌(体調?)や下拵えでも、微妙に味は変化するとは思いますが、舌に残った味わいは30年前の記憶を呼び覚ましてくれました。かなり甘味の残る一方で、唐辛子系の辛さも舌に残るハルピン独特のスープです。細い縮れ麺に良く絡みます。そう、この味です。
(舌に残るこの味は、ハルピン以外でも、昔どこかで食べたような微かな記憶が拭い切れず、その後「どこで食べたんだっけ?」とずっと考えていたのですが、シンガポール時代の中華でも屋台街のローカルフードでもなく、またタイやベトナム料理でもなく・・・。そして、唯一呼び覚まされた不確かなる記憶。極論すると、子供の頃に作って食べた、「サッポロ一番」味噌ラーメンに何故か角砂糖を一つ溶かして混ぜたスープ・・・に何となく近いかも?だからと言って、試してみようという気は毛頭ありません)
昔良く食べたハルピンラーメンに比べると、以前のチャーチューは、丼が隠れる程大きくて、煮豚的な味付けがされていて、しっとりとしたモモ肉のチャーシューだったように思いますので、全てが昔と同じではありませんが、ラーメンはスープが命。この味です。

 スープを最後まで全部飲み干して(やっぱり、大盛りにした方が良かったかも)、満足の一杯でした。ジャスミン茶で口を漱いで、「ごちそうさまでした!」。