カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 松本市街地の中心街、伊勢町通り。
松本ICで降りて、上高地線を市街地に進み、南北のメインストリート本町通へ、巾上のJRを潜って東西に直線的に交差する通りです。

 私の学生の頃までは、城下町の狭い一方通行(多分)で、地方都市にありがちな両側の歩道にはアーケードが付けられ、老舗の本屋さんや呉服店、また行きつけだったレコードショップなどが並ぶ古くからの商店街でした。
車社会になって駐車場のある郊外店が主流になると、ご多聞に漏れず松本市内も寂れ、そのためこのエリアも「中央西区画整備事業」として、15年近くを要して再開発が行われました(2003年完成とのこと)。
今では、アーケードは取り払われて一方通行も解消され、歩道部分も拡張されて松本らしく湧水を汲み上げた小川も流れ、パルコやMウィング(中央公民館)などが立ち並ぶ通りは、空の拡がりを感じさせ、西には北アルプスの峰々を望めるメインストリートの一つになりました。

 一方、本町は都銀の支店やオフィスビルが並ぶメインストリートですが、その本町と伊勢町の交わるT字路。本町の古いオフィスビルが数軒撤去されたエリアに、2017年完成を目標に、地元新聞である信濃毎日新聞松本本社が移転建設されることになり、工事前には城下町時代の町人街だった遺構の発掘調査なども行われました。

 一年くらい前でしょうか。その古いビルなどが解体撤去されると、伊勢町から東方面の眺望が一変しました。
確か宝石店などが入っていたノッポビルなどが無くなって視界が開け、美ヶ原などの東山々系が姿を現したのです。味気なかった古ぼけたビル街から、開放感のある「岳都」らしい風景になりました。
江戸時代は勿論、戦後ビルが立ち並ぶ前までは、当たり前だったであろう松本の風景です。街中からですと、駅前通りから「あがたの森」方面辺りでしか望めなかった美ヶ原等の東山が、伊勢町通りからも眺められるようになりました。しかも、この辺り(女鳥羽川の南側)は町人街として、碁盤の目のように東西南北に何本かの道が張り巡らされていて、真っ直ぐ東西に走る伊勢町通りは西側も開けているので、振り返れば地元で云う西山(北アルプス)も見ることが出来ます。
あと2年足らずで完成する信毎本社ビルは5階建とのこと。市街地の中心部にあることから、いくら公共性のある新聞社とはいえ、民間ビルには珍しく、1階から3階は市民が集える交流スペースを設けるのだとか(そのため一般からアイデアを聴く、市民参加のプロジェクトまで発足させているそうです)。
ただ、完成したその時には、残念ながら伊勢町通りからは歩いて東山を見ることは出来なくなるでしょうから、それまでの“期間限定”、賞味期限付きの(松本市民にとっての)貴重な風景です。
(先週末、早朝ウォーキングで、自宅から真っ直ぐ駅へ下り、伊勢町を通って天神さまの深志神社まで行った折に撮影)

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