カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 奥さまが昼食を兼ねてお友達を我が家にご招待というので、居ては邪魔だろうと、その間独りで外出することにしました。
行先は頼まれたホームセンターでの買い物と、会社の大先輩の作品も展示されている松本市美術館の市民ギャラリーでの写真展を見学し、最後に図書館でのCD借り換えと時間までの読書(中央図書館では各種雑誌も置かれていて、dマガジンでは配信されない「音楽の友」と「レコード芸術」も閲覧出来ます)。

 出掛けに、ちょうど昼時前でもあったので、家内からはご友人と二人で食べるために準備したランチメニューを、
 「先に食べて行ったら?」
との有難い仰せに、
 「ウン、いいや。どこかで適当に食べるから・・・」
と誘いを振り切って、独りでないと食べられないモノ・・・例えば、ラーメン、たけしやの焼きそば、インドカレー・・・どれも奥さまが余り好まれない私メの大好物・・・が既に頭の中をグルグルと飛び回っていたのであります。ムフフ・・・。
そこで、今回はインドカレーのお店に初めて行って見ることにしました。

 シンガポールで大好きだった「北インド料理」(観光的には“バナナリーフ”が有名ですが、あれは南インド系で好みに合わず。北インド料理は、もっと繊細で洗練されています)。期間が空くと禁断症状が出て、赴任中少なくとも月に一度は友人と「モティ・マハール」(Moti Mahal)へ食べに行っていました。
残念ながら、少なくとも信州では本格的なインド料理店を見つけるのは至難の業。帰任後、懐かしくて、どうしても食べたくなって色々探して何度か食べに行ったのですが、日本風にアレンジ“され過ぎた“インドカレーだったり、“インド”と言いながらネパールやスリランカ料理だったり・・・。以前、唯一市内で見つけた某北インド料理店は、インドから取り寄せたという釜で焼くタンドーリチキンやサモサの味は本格的でしたが、肝心のカレーがイマイチ。しかも、使っている油が古過ぎるのか、家内は途中で気持ちが悪くなって食べられませんでした(私メは食後も含め何ともなかったのですが、以来奥さまはインド料理には拒否反応)・・・と思ったら、短期間で数年前に閉店してしまいました(郊外に「南インド料理」の店があるらしいのですが、飽くまで個人的な好みは、“カレー”と一言で括ってしまっては申し訳ない程に、繊細で且つ洗練された「北インド料理」です)。

 最近、松本の裏町にある「はしご横丁」内に北インド家庭料理の店があると知りました。それが、2016年3月にオープンした「Doon食堂 印度山」という一風変わった名前の店で、ちゃんとインド人の方が調理しているとのこと。因みに、Doonというのはインドのご主人の出身地からの命名とか。
 「はしご横丁」というのは、嘗て県内随一の賑わい(明治期には、裏町だけで置屋14軒で芸妓200人。その後最盛期にはスナック・バーが250軒)と云われた“夜の街”「裏町」の再生のために裏町商店街の人たちが協同組合を作って検討した結果、再活性化策として10年程前に誕生した10数軒の屋台村です。これまで、何となく駐車場が無さそうだったので「はしご横丁」には行ったことはありませんでしたが、調べると道を挟んだ反対側(魚長鮮魚店)に8台分の駐車場があることが分かり、今回行ってみることにしました。
 「はしご横丁」は夜がメインなのか、昼間営業している店は少なく(空き店舗も目立ちます)、インド料理の店はすぐ分かりました。
「印度山」は2坪程の小さなお店で、3人掛けのテーブル席が2卓あるだけ。先客のご夫婦が食事をしておられ、私は別のテーブルへ。メニューは、チキンカレーとキーマカレー(各880円)と日替わりカレー(この日は豆のカレーで780円とのこと)の3種類のみ。私メは先ずはインドらしいチキンカレーを注文。ご飯(残念ながらインディカ種ではありませんでしたが)と後から焼きたてのチャパティも供されます。ナンはタンドールという釜で焼きますが、家庭にはタンドールが無いので、一般的に普段家庭で食べるのは全粒粉を使った薄焼きのようなチャパティなのだそうです。
カレー皿に付いているのは、ひよこ豆の粉を焼いた煎餅の様なパパドで、崩して一緒に食べるとパリパリして違った食感が楽しめるとのこと。
カレーは予想以上にフルーティーでマイルド。甘味もあります。個人的にはもう少しサラッとした方が好みですが、複雑に絡み合ったスパイスのコクが効いて懐かしい本格的な味わい。インドにおられるお母上の味がベースで、ご主人ご自身が調合した30種類のスパイスを直接インドから取り寄せているのだそうです。好みの辛さは、小瓶に入ったチリパウダーで調節します。
 大柄で話好きのご主人が、松本出身の奥さまと(週末だったこともあり)小学生のご子息の三人で店を切り盛りされていました。その後、グループ等のお客さんも来られ、当然相席の上、屋外にある横丁内のテーブル席も利用。結構お客さんが来られるようで何よりです。
聞かれるまま、シンガポールでのインド料理のことや出張でインドに行った時のことなどを話していたら以前の勤務先を当てられ、ご自身も奥様と知り合われた後、私のいた会社の塩尻市内の事業所に10年近く勤めた上で、念願だったこの店を昨年オープンされたと知りました。
イケメンのご子息も丁寧に接客し、レジも担当していました。小学生と思えぬほど敬語もしっかりしていて、ご夫婦で良い躾をされていると感心しました。
 「日本一小さなインド家庭料理」と書かれているだけに、優しい家庭の味。カレーが3種類しか無いのは残念ですが、ご夫婦だけで余り手を拡げずに、却ってこのままでイイのかも・・・。最後に紅茶もいただいて、
 「ごちそうさまでした。また(独りになれたら)来ます!」
ナンやタンドーリチキンはありませんが、インドの優しい家庭料理が松本でも食べられました(どうか、末長く続きますように・・・)。
【追記】(本当に美味しいインド料理店を探す難しさの一例として敢えて記載)
八ヶ岳リゾートアウトレット内にあった“本格的”某インドカレーの店。関東に何店舗か展開していて、近頃リニューアルした岡谷のショッピングモールにも出店しているとか。
珍しく、テラス席だけではなく店内にもワンコOK席があったので有難く入店。タンドール(釜)もちゃんとあるらしく、ナンとのカレーセットを注文。そして、タンドーリチキンとチキンティッカのセットも。
ナンは美味しくてカレーもまずまずだったがコク(深み)が無い。酷かったのはチキン。タンドーリもティッカも焼き過ぎてパッサパサ。ジューシーさの欠片もない。味も、漬け込みが甘いのか、酸味と云うかタンドーリソース独特の深みが無い。これじゃ余りに酷過ぎる・・・。
 「あぁ、またMoti Mahalのインド料理が食べたい!」

コメント

コメント追加

タイトル
名前
E-mail
Webサイト
本文
情報保存 する  しない
  • 情報保存をすると次回からお名前等を入力する手間が省けます。
  • E-mailは公開されません - このエントリーの新規コメント通知が必要なら記入します。

トラックバック