カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 「久し振りにナナと一緒にドライブに行こうか?」
さて、この冬の時期、一体どこに行けばイイのか?・・・ということで、選んだのは「国営アルプスあづみの公園」でした。

 因みに、「安曇野市」の正式名称は「あずみ」ではなく「あづみ」であり、従って公園名も「づ」を採用しています。但し、ローマ字表記は「ZU」。
本来の現代仮名遣いでは「ず」ですが、歴史的な背景として、「海人津神(あまつみ)」を祖神とする古代九州の海人族であった安曇氏に由来するため「つ」を用いるとされています。安曇族の痕跡は、山国信州でお船祭の穂高神社を奉る安曇野だけではなく、滋賀の安曇(あど)川や愛知県の渥美半島にも残されています。
なお、嘗てこの地は松本平や善光寺平などと同様に安曇平と呼ばれていたのですが、「平」が「野」と世間一般に呼ばれる様になったのは臼井吉見の小説「安曇野」から。

 国営公園というのは、国土交通大臣が設置し、国が維持管理する「都市公園」で、現在全国に12ヶ所設置されていて、「国営アルプスあづみの公園」は2004年に開園。因みに、有名なのは、ツアー会社の観光コースにもなっている、一面の青いネモフィラや真っ赤なコキアで知られる茨城県の国営ひたち海浜公園」でしょう。
この「国営公園」を計画推進したのが、当時建設省公園緑地課長だった池田町出身の故塩島大。その後地元長野4区の衆議院議員となり、地元への公園設置を推進し、在任中の急逝後は後任の故村井仁(後年長野県知事)が引
き継いで認可にこぎつけたのだとか。
総面積353haの「国営アルプスあづみの公園」は、先に整備された211haの堀金穂高地区と遅れて開園した142haの大町松川地区の2ヶ所に分かれていて、堀金穂高地区には「田園文化ゾーン」と、NHKの朝ドラ「おひさま」のロケでも使われた東屋と水車のある「里山文化ゾーン」があります。
前回春だったか、行こうとしたら、堀金地区の下の方から数珠つなぎの渋滞で、途中で諦めて引き返してしまい、今まで一度も行ったことがありませんでした。花の無いこの冬の時期はイルミネーションが人気だそうですが、夜は寒いので、我々はドライブとナナの散歩を兼ねて昼間に行くことしました。
公園は2ヶ所に分かれていますし、堀金穂高地区も3ヶ所入口があるそうですが、我々はガイドセンターなどのある堀金「田園文化ゾーン」の中央口へ向かいます。さすがに、広い駐車場もこの時期では車は10数台程しか停まっていません。園内には、薄らと昨夜の雪が積もっています。
 入園料は大人450円。ワクチン注射済み等の手続きが必要ですが、ワンコも入園OKです。
この時期のお目当ては、「あづみの学校」のインドアガーデンを彩る「一万本のアイスチューリップ」。“アイス”というのは、冷蔵したチューリップ球根を、目を覚まさせて春が来たと錯覚させて咲かせるのだとか。
建物内には犬は入れないので、先に家内が入園し、私メとナナは周辺を散歩。広い公園内には、ナナ以外は柴クンが一匹いただけでした。
途中、社会科や理科の「教室」と名付けられた部屋があって、亜高山帯から平地まで、標高に拠って生息生物が分かれたイワナやヤマメなどの淡水魚の水槽があって、実際の生態に近い様に自然を模した状態で飼育されていて、実に興味深く見入ってしまいました。小学生の子供(や孫)がいたら、夏休みの自由研究に“もってこい”だと思います。
お目当ての一万本のチューリップは、「あづみの学校」の一番奥の「多目的ホール」飾られていました。色とりどりのチューリップが模様を描いて円形に並べられていて、雪化粧の外とは対照的に、ここだけは一足早く春が訪れているかのようでした。
因みに翌日が最終日で、このチューリップの鉢が来場者にプレゼントされるのだとか。そして、今度は2月一杯まで15000本の菜の花で彩られるのだそうです。
 見終ってから、園内を少し散策してみました。公園は堀金にあるので目の前に常念を望み、烏川の清流に掛かる吊り橋を渡ってドッグランへ。人っ子一人、ワンコ一匹、さすがに誰もいなくてナナの独占状態でしたが、ナナは全く関心を示さず。
 「ホンジャ、帰るべ!」
・・・と、早々に公園を後にしました。やっぱり、春以降の方が公園は良さそうです。でも、広大な公園ですので、安曇野に観光に来たら、昔の原風景を探しに訪れる価値はありそうです。