カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 米国での白人警官による、一般の黒人市民を死に至らしめた過剰防衛ともいえる残虐行為に端を発した人種差別抗議活動、「Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)運動」について、楽天イーグルスのオコエ瑠偉選手が投稿したという内容を最近知りました。
因みに、オコエ瑠偉選手のご両親はナイジェリア人のお父さんと日本人のお母さんです。
 『誰も攻める気は無い、文句を言う気も無い。おんなじ境遇の人、またその両親の少しでも励みになればと思い、炎上覚悟で投稿します。
(中略)これも、保育園の時の話。ある日、親の似顔絵を描く時があった。先生は言った。親の顔は肌色で塗りましょう。その時保育園にあった、肌色のクレヨンの色はだいだい色だった。』
彼は泣きながら茶色を選んで、お父さんの顔を塗ったそうです。

 それを受けて、彼の妹で女子バスケットボール日本代表として東京五輪出場を目指すオコエ桃仁花さんが投稿したのが「肌色の色鉛筆」の写真。
 『肌色の色鉛筆があること、親の顔を描くのが一番つらかったんですよ。(人を)肌色で描いてくださいっていうのが、もう「えっ」ていう感じで。つらかった。なんでこれが「肌色」なんだろう。肌の色はこうあるべきなんだって、自分で思ってしまうんです。』
そして、
 『高校3年生の時、ケガをしてウインターカップ(全国高等学校バスケットボール選手権大会)に、チームを連れて行けなかったんです。その年は、テレビやニュースでウインターカップを見るのがすごく嫌だった。そんな時、お父さんからナイジェリアに行ってみないかと提案されたんです。初めてナイジェリアに行って、そこで根本的な考え方が変わった気がします。
ナイジェリアでは、同い年だったり、自分より若い子どもたちが、必死に仕事をして生きていました。自分の悩み事が、逆に幸せじゃないですけど、小さなことだなと思ったんです。誰かに何か言われたぐらいでへこたれてる場合じゃない。ナイジェリアの同い年の子みたいにハングリー精神を持って生きなきゃって思いました。その子たちはお金がなくても、笑顔で生きていた。環境が良いのに幸せじゃないって、本当にもったいないと思う。』
数々の偏見を乗り越えた今、彼女は言います。
 『自分はMIXであって、日本のことを誇りに思ってるし、ナイジェリアのことも誇りに思ってる。だから自分の好きなように生きたいと思って、オープンにキャラを出すことにしています。』

 因みに、肌色の色鉛筆は今「ペールオレンジ(うすだいだい)」と呼ばれているそうです。業界でも、大手メーカーに依れば、
「お客さまからの要望を受け平成11年からクレヨンなどすべての製品の色名を『ペールオレンジ』に変えています。
海外にも生産拠点があります。国際的な感覚は大事ですし、お客さまが不快に思うものを作るわけにもいかない」(ぺんてる)
「はだ色への風当たりが強くなり、ほかのメーカーと足並みをそろえて平成12年の生産から、『うすだいだい』に変更しています。当時はさまざまな議論があり、とても難しい問題でした」(トンボ鉛筆)
とのこと。
 
 「そうか、10年前からもう『肌色』という色は無いんだ・・・」
世界の狭かった子供時代とはいえ、当たり前に思っていたことが知らず知らずの内に変わっていた・・・。無知とはいえ、知らなければ無意識に今でも「肌色」と言っていたかもしれません。そのことによって、例えそんな意図は自分には全く無くても、もしかすると知らず知らずの内に人種差別をしていることになります。無意識とはいえ、無知の恐ろしさ・・・。今回、オコエ兄妹のお陰でそんな10年来の自分の無知を改めることが出来ました。

 ところで、オコエ瑠偉選手。2015年の夏の甲子園で、走る、打つ、投げる、と爆発的なスーパープレーを連発した縦横無尽の活躍で、一気にドラフトの上位指名選手となった経緯からすると、プロ入りしてからは全く物足りない現状ですが、生来の超人的な身体能力を秘めているだけに、是非頑張って欲しいと思います。バスケット女子日本代表としてオリンピックを目指す妹君の桃仁花さんと共に、お二人の活躍を期待しています。

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