カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 前日の朝は生憎の雨でしたが、この日は曇り空だったので、いつも通りに5時前に目覚め、一人散策へ。城好きとしては、30年前の大学訪問の折に訪れた松山城へまた行きたかったのですが、市電もまだ動いておらず断念し、道後温泉本館へ行ってみることにしました。

我が国唯一の皇室専用の浴室「又新殿」を備え、古くは聖徳太子も入湯されたという最古の温泉で、国の重要文化財。6時開場とかで外からの見学のみ。その後、すぐ近くの道後温泉駅へ。駅前に置かれた坊ちゃん列車始め、始発前の市電も何両か停車しており、レトロな駅舎も含めて鉄道好きには堪らないでしょうね。その後、湯築城公園から重文の伊佐爾波神社に参拝してホテルに戻り、二度目のお風呂へ入って汗を流してさっぱりと。
 ツアー最終日は、今治から三連吊橋の来島海峡大橋を通る、通称「しまなみ海道」(西瀬戸自動車道)で広島県の尾道へ。実際通ってみると、公募だそうですが、良くぞ名付けたと思わせるセンスの良さを感じます。また、本四連絡橋で唯一歩行者と自転車用の専用道路が併設されていて、芸予諸島を巡る人気のサイクリングロードとか。
途中、先ず日本三大急潮(鳴門、来島、関門海峡)の一つとういう来島海峡の渦潮見学も兼ねての観光クルーズです。高速船で海峡大橋を何度かくぐり、来島の造船所や村上水軍の来島村上家縁(ゆかり)の島などを巡ります。最大10ノット(時速約19km)で海の難所とも言われる日本一の急潮も、この日は穏やかで表示は2ノット。途中、「青雲丸」と書かれた大きな白い船とすれ違い、甲板にはたくさんの制服を着た若者たちが。手を振ると、彼らも手を振って応えてくれました。名前からして練習船なのでしょう。“海の男”となって、やがて世界の大海原を駆け巡るのでしょうか。「頑張れヨー!」と、思わずエール。(帰宅後ネット検索すると、航海訓練所所属の我が国初の5千トン超の大型練習船でした。旧東京商船大や旧神戸商船大などの実習に使われており、出合ったのは2代目となる現役船で、東京港船籍とのこと)。
 その後、また「しまなみ海道」に戻り、製塩で有名な伯方島から大三島へ。ここで大山祇(おおやまずみ)神社へご参拝。個人的にこのツアーのハイライトとして楽しみにしていた大山祇神社は、山ノ神、海の神、そして戦の神として、源平を始め多くの戦国武将の信仰を集め、戦勝祈願やその御礼として数多くの武具が奉納されており、中でも甲冑は我が国の国宝・重文の8割がここにあるという、正に“国宝の島”でもあります。子供の頃の“切手少年”時代に集めた「国宝シリーズ」の中にもあった、義経が源平合戦勝利の御礼に奉納したという国宝「赤糸威鎧」もここに収められている筈です。
ところが僅か30分の滞在時間で、国の天然記念物指定の一本でもある樹齢2600年といわれる「小千命御手植えの楠」を見てから重文の本殿で参拝した後、あろうことか国宝館は素通り・・・。「えっ、えっ、エーっ!」
ここばかりではありませんが、前回の兼六園もそうでしたし、今回の屋島も同様でしたが、ガイドさんはお茶屋さんや土産物店に所属されているケースが多く、慣れたもので中々の名調子なのですが、お土産を買ってもらうのが本来の目的。その代わりの無料ガイドなので、ツアー会社とは持ちつ持たれつで止むを得ません。今回は15分で駆け足の見学の後、残りは土産物店へ。「おい、おい、15分かヨー・・・」。じっくり見たければ(また、今回で言えば、茹でたての本場の讃岐うどんを食べたければ)、それを目的に自分で来るしかないのでしょうね。
 車中でお弁当を食べながら、生口島を経由して因島へ。こちらも村上水軍の因島村上家の本拠地で、水軍城を見学。但し城跡への再建でもなく、小山の上に建てられた現代の城(歴史家奈良本辰也氏監修とか)で、武具や古文書など村上家縁の資料が展示されてはいるものの、些か興醒め。『日本で唯一の水軍城』とパンフにありますが、もし西洋のお城を作れば、それも「日本で唯一」の筈。「意味、分からん」と独り言。だったら、この時間を大山祇神社で使って欲しかったと思ったのは私だけでしょうか?・・・。
高速に戻る間、集落を通ると、セレモニーセンターでご葬儀が営まれており、「村上家」の文字が。きっと一族の末裔の方なのでしょう。
この村上水軍の祖は、源氏の一門である「信濃村上氏」という説が有力。平家との戦いに参戦し、瀬戸内に従軍した一族がそのまま住み着いたと云われています。遠く山国信州が生んだ海の衆である村上水軍に、歴史のロマンを感じます。
 旅の最後は、尾道の千光寺公園へ。残念ながら霞んでいましたが、展望台から瀬戸内の島々を眺めると、尾道が坂の街であることを実感します。こちらの千光寺は弘法大師が開いたという古刹で、付近に巨岩が多く点在し、夏至や冬至には対面の向島から昇る太陽の光を反射する岩(玉の岩伝説)が残るなど、古代宗教との関連も指摘されるのだとか。瀬戸内の島々を眺めながら、今回のツアーも幕となりました。
 バスの運転手さんによると、名古屋発着での今回のツアーの行程は、11府県を通り約1200キロとか。3日間とはいえ、無事終ることが出来、一番の功労者に感謝でありました。
今回は昼食も含め全て盛り込まれた夫婦限定のお得なツアーでしたが、「じっくり」というよりも“盛りだくさん”で駆け足でしたので、昼食くらいは自費で、自分たちの気に入った所で食べた方が良いかも。また、我々は初めての瀬戸内でしたので、今回見られなかったところを次回自分たちでじっくり回るのも良いかも・・・と、そんな機会になりました。今回で言えば、ルネッサンスリゾートと、讃岐うどんに、松山城と大山祇神社の宝物館でしょうか。

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