カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 8月下旬に欧州在住のお客様をご案内して“信州の鎌倉”塩田平へ来た際に、初めて食べて感動した前山寺の「くるみおはぎ」(第780話)。
持ち帰りが出来ないことから、今度(スイーツ好きの)奥さまにも食べさせてあげたいと思っていたので、この日、前話の長野市へ行く前に、そろそろ見頃の最後を迎えた通勤路の紅葉を愛でながら前山寺に立寄って行くことにしました。ご住職の奥さまが作られる名物の「くるみおはぎ」は、春のお彼岸から11月末頃までの提供。“花の寺”とも云われる前山寺ですが、秋の紅葉にも期待して、里山も色付いた11月上旬が見頃の最後でしょうか。





 いつもの通勤路、国道254号線の三才山(みさやま)峠も、里までまさに錦秋の装い。
「日光いろは坂」とまでは言いませんが(行ったこともありませんし)、この三才山峠も(松本からだと)麓の稲倉(しなぐら)地区の里山から始まり、三才山有料トンネル松本坑口まで続く山沿いの峠道、トンネルを抜けて上田側料金所手前の鹿教湯大橋からの深い谷あい、上田側に下る峠道の両側に拡がる落葉松林、鹿教湯(トンネル)を過ぎて内村川沿いに走る道沿いの古びた茅葺民家(今は殆どがトタン屋根で覆われています)の屋敷林などの大きなケヤキとのどかな里山など、それぞれ色とりどりの見事な紅葉に目を奪われます。この三才山峠の良い所は、色付いた山裾が峠道の真横まで迫っている点。“三才山紅葉街道”とでも名付けて(春ヴァージョンは“三才山新緑街道”?)、有料トンネルを管理する県がもっとPRをしたり、途中休憩スポットも無いので車の駐車スペースを広く取って展望台などを設置したりすれば(車の待避所以外、停車して写真を撮る場所すらありません)、観光的に効果があると思えるほどの素晴らしさでした。
その年の気候により多少のズレはあると思いますが、概ね10月下旬から11月上旬が三才山峠の紅葉の見頃のようですので、塩田平の松茸小屋や松本での新そばを味わいながらの、来秋の信濃路のドライブにお薦めです。

 峠道の紅葉を愛でながら到着した、独鈷山の麓に佇む古刹前山寺。
お寺の紹介は前回(第780話)を参照いただくとして、今回は写真を中心にご紹介します。
先ず、参道入り口から望む紅葉が見事。そして、“未完成の完成塔”という重要文化財の三重塔周辺の公孫樹や桜なども色付いて、紅葉シーズン最後の見頃に間に合ったようです。
事前に予約してあった「くるみおはぎ」。本堂脇の庫裏で頂きます。前回同様に、向付での紫蘇巻きの梅漬けと刻んだ味噌漬けがほうじ茶と一緒に供されます。この日は、紅葉シーズンの“信州の鎌倉”を巡る団体客やグループで来られたお客様もいて、庫裏も賑やか。なかなかの盛況でした。
「如何でござる?美味しかろう!」
「うん、懐かしい味・・・」
「ん?・・・えーっ、食べたことあるのォ!?」
何のことは無い。家内によれば、今は亡き祖母ちゃんが元気だった頃は、我が家のおはぎも自前のもち米だけで作ったおはぎだったとか(これまた自前の黒ゴマやきな粉を擂ってまぶしたおはぎ。ここのくるみおはぎと違い甘過ぎて、私メは食べませんでしたが)。また、向付に出された甘く漬けられた自家製の梅漬けも、お祖母ちゃんの味にそっくり(紫蘇は巻かずに梅と一緒に漬けますが)だったそうで、家内が大層懐かしがっています。そこまで言うなら・・・と、私の分も一緒に食べてもらって満足のご様子(口ぶりでは、第797話でご紹介した小布施堂本店の“朱雀”よりも気に入られた?)で何より。お連れした甲斐がありました。
お寺の方にお聞きしたところ、“花の寺”としてのお薦めは、桜か藤の時期だとか。雪を被った三重塔も水墨画のような趣がありそうですが、その時期は「くるみおはぎ」は休止中。今度は母も一緒に、花の季節にまた連れて来てあげようと思います。
縁側から中庭の紅葉越しに望む塩田平の眺望も楽しんでから、「懐かしい味だから」と、母へのお土産に箱入りの梅漬けを購入し、また境内の売店に並んでいた地元農家の野菜の中に“発見”した「ねずみ大根」も買って、コンサートに行くために上田経由で長野へ向かいました。

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