カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 今年のGW後半は、留学準備で戻っていた長女に同行して、奥さまも上京してしまったので一人ぼっち。そこで、GW恒例で、今年もハーブガーデンに野菜やハーブを植えました。

 今年も、いつもの園芸店「ナカツタヤ」に行って苗を購入してきました。ガーデンニングシーズンを迎え大変混んでいました。
ハーブコーナーにはルッコラは無く(代わって今年もワイルドロケットがありましたが)、一方嬉しいことにコリアンダー(インドや欧州では芳香がする実をスパイスとして使いますが、東南アジア料理にはあの独特の香りのする葉が不可欠。中国語では香菜=シャンツァイ、タイ語でパクチー)の苗がたくさん並んでいました。20年前シンガポールから帰任した当時は、苗は勿論、食品スーパーの野菜売り場でもコリアンダーを見掛けることが出来ず、シンガポールで香菜に嵌った奥さまはガッカリしていました。エスニックが身近になったためか、最近パクチーブームとかで野菜売り場でも買えるようになりましたが、結構な値段でも本数が少ないので、家庭菜園で栽培するパクチー好きの人も増えているのでしょう。
ルッコラは苗が無かったので、3年前?に収穫してある種を今年も直播きすることにします(セルバチコは辛味が強いのですが、ゴマの風味はルッコラが優るので、我が家ではルッコラの方が人気)。あとは定番のバジルとプランター用にパセリを一株。ハーブガーデンの地植えのパセリは二年目なので、花芽を伸ばさぬように注意すれば今年も十分収穫可能です。

続いて隣の野菜苗部門に移動。こちらも家庭菜園ブームで混んでいます。
野菜苗は、今年も懲りずにキュウリと、ハーブガーデンの端が軒下で雨が掛からず乾燥してキュウリを植えるのには不向きなことから、そこにはトマトを植えてみることにしました。以前、畑で野菜栽培していた時に“雨除け不要”と聞いて栽培した「サターン」に今回もしようと思ったら、スタッフの方がサカタの「麗夏」(「王様トマト」として流通)も雨除け不要で「サターン」よりも糖度が高いとのことだったので、今回は「麗夏」を植えてみることにしました。
キュウリは、昨年までのタキイ種苗の「夏すずみ」から、「ナカツタヤ」オリジナルの「タントトレル」へ全面的に変更。昨年社長が「JA岡田で扱ってくれるようになった」と喜んでいた品種です。昨年も半分試したところ、特に差が無かったので、だったら応援することに。
因みに、最近食品売り場で「フルーツトマト」を見掛けますが、これは品種名ではなく、一般的な「桃太郎」(タキイ種苗)等の品種を極限まで水を与えない環境で育てて糖度を高めたトマトです(その分、実は小振りになります)。トマトはアンデス原産なので、水をそれ程与えなくても育つ代わりに、雨には弱い(病気の原因になる)ので、ハウス内での栽培や屋外での栽培でも通常雨除けが必須。逆に、キュウリは水分の塊の様な野菜ですから、数年前多雨だった時は、週末畑に行くと一週間でバケモノの様に大きなキュウリになってしまいました。
今は庭の隅の一坪程の極狭いスペースですが、リタイア後はまたちゃんと畑で自家用野菜を育てたいと思いますので、ハーブガーデンで野菜を育てるのも今年で最後(のつもり)。それと、プランター用栽培に向く品種を選んでもらってミニトマトも購入しました。
苗を購入する前に、ハーブガーデンは一坪程の狭いスパースで機械は使えないため、マンノウ(万能鍬)で根が張るように出来るだけ深めに起こし、土が細かくなるように何度も耕してあります。
 昨年店頭で見つけて植えた多年草のワイルドロケット(セルバチカ。店頭では「イタリアンロケット」)とアサツキの代用にもなるチャイブ(庭をリフォームした時に植えた株ですので、もう9年目)、二年目のパセリは春先に発芽して、もう結構茂っていますので、その部分を避けて耕してあります。
耕した部分にそれぞれ間隔を空けて苗を移植し、ルッコラは筋を引いて種を蒔き薄く土を被せ、最後に全体にたっぷりと水を遣って終了です。
勝手口のプランターには、奥さまが料理の途中思い付いたら直ぐ摘めるようにと、パセリ、バジル、コリアンダー、そしてミニトマトを一株ずつ植えてあります。
 一週間後の週末の朝見てみたら、既にルッコラの可愛らしい双葉が芽を出し、移植した苗もしっかり根付いたようです。
そこで、トマトとキュウリにポールを立て、キュウリの蔓が絡み易い様に(園芸コーナーにはネットも売っていますが、本数も少ないので)、ポールの間に紐を結んで網目を作ってあげました。
また、昨年コリアンダーが夏場に枯れてしまい上手く育たなかったので園芸店で聞いてみると、猛暑の場合は多少日陰の方が良いとのアドバイスがあり、今年はハーブ類を植えた部分だけシェード(遮光ネット)を被せてみました(果たして効果や如何に・・・?)。日が当たると薄日が差したようになりますが、遮光ネットは遮光率の異なる種類がホームセンターで販売されているので、もし遮光率が高過ぎるようであれば、もっと低いモノを購入しようと思います。
 多年草のワイルドルッコラ(興味のある方は第979話を参照ください)が随分茂ったので、もう二度ほど摘んでサラダに使いました。また、二年目のパセリに花芽が付く太い茎が出て来たので、切って葉を刻みピラフに散らして戴きました。ついで、コリアンダーも何本か摘んで、奥さまがご自身のサラダとピラフに載せて・・・。今年の苗も、しっかりとあの独特の香りがしたそうです。
 「あっ、美味しい!」
 「あっそう・・・」(個人的にはあまり興味はありませんが、先ずは良かった)。
食品売り場に並ぶハウス栽培モノと比べて、自分で栽培する野菜やハーブの良い点は、価格メリット以上に、何と言っても味の濃さ。
パセリなど全くの別物で、付け合せにするだけではなく、食べないと勿体無いくらい美味しいですし、バジルやルッコラも味が濃くて実に美味。我が家では、パスタやピザ、サラダに欠かせません。
ハーブの歴史は古代エジプト・メソポタミア文明まで遡れる程古く、古代ギリシアでは薬草として本にその効能がまとめられたという様に、種類の多くは地中海地方原産の香りの強い雑草が主ですからかなり丈夫ですが、日本の高温多湿には逆に弱いようです(一方バジルはインド、チャイブは中国原産とのこと。従って、バジルは暑さには強いが、霜には滅法弱い)。また結構虫にも強く無農薬でも育ちます(クレソンは青虫の大好物ですので防虫網が必須。奥さまのご友人から野生のクレソンをいただくので、今年は水耕栽培休止)。しかし、野菜のキュウリやトマトはデリケートですので、特に環境の厳しいこの限られたスペースで育てるのはなかなか難しい。ですから、
 「買った方が安かったんじゃないの・・・!?」
などと云われぬように、みんな頑張って育ってよネ!